資産運用でアパート経営を選ぶメリット!成功するためのポイントは?
資産運用としても人気のアパート経営。選ばれる理由はアパート経営ならではメリットが豊富な点があげられます。
たとえば他人資本で投資がおこなえたり、生命保険代わりになったりといった点があげられます。
しかしその一方で、注意すべきリスクもあります。
今回は資産運用としてアパート経営を選ぶメリットや成功するための注意ポイント、アパート経営のリスクについて詳しく解説します。
アパート経営で得られる収益の種類
アパート経営には、2種類の収益を得る方法があります。
ひとつは、所有するアパートの部屋を第三者に賃貸して家賃を得る方法です。アパートに入居者がいるかぎり安定した家賃収入を毎月得ることが可能です。毎月の家賃をコツコツと貯めておけば次の物件への資金となり、投資規模を広げることもできるでしょう。
もうひとつは、所有するアパートを売却することでまとまった現金を得る方法です。
売却タイミングはさまざまですが、購入時よりも高い価格で売れれば「売却益」を得ることができます。
売却したお金は、別のアパートや不動産の購入資金にしたり、異なる投資への元手にしたりすることもできるでしょう。
ただし、売却のタイミングや物件の価値によっては「売却損」になることもあるため注意が必要です。
資産運用でアパート経営が選ばれる理由
資産運用としてアパート経営が選ばれる最大の理由は、ほかの資産運用方法にはない、さまざまなメリットがあるためです。アパート経営の主なメリットには以下のようなものがあります。
◦安定した家賃収入が見込める
◦他人資本で投資できる
◦レバレッジを効かせた投資ができる
◦相続対策や節税につながる
◦生命保険代わりになる
◦インフレ対策につながる
◦アパートの管理を外部に委託できる
それぞれのメリットについて解説します。
安定した家賃収入が見込める
アパート経営は、複数の部屋をそれぞれ入居者に賃貸して家賃を受け取ります。そのため入居者がいるかぎり安定した家賃収入が見込めるのです。
また区分マンション投資や戸建て賃貸のように賃貸できる物件がひとつしかない場合、入居者がいない=家賃収入ゼロ円なため、ローン返済や管理費、修繕積立金などのランニングコストは全額持ち出すことになります。
しかし複数の部屋があるアパートは全室が空室になることはほとんどありません。
そのため1室が空室でも残りの部屋に入居者がいれば家賃収入がゼロになることはなく、空室分の支出を補填することができるのです。
アパート経営で得られる家賃収入は、株式やFXのように短期間で大きく儲けることはできませんが、その逆に短期間で大きな損失につながることもありません。長期にわたってコツコツと資産を増やしたい人にはおすすめの資産運用方法を言えるでしょう。
他人資本で投資できる
アパート経営における「他人資本」とは、アパートの購入費用や建築費を金融機関から借入れることを言います。
現物資産であるアパート物件を担保として融資を受けることで少ない自己資金でアパート経営を始めることができ、ローンの返済原資は基本的に入居者が支払う家賃です。
このように資金の大部分を他人資本でまかなえるのが、アパート経営の最大のメリットと言えるでしょう。
ただしアパート経営を始めるにあたって頭金と諸費用は自己資金から支払うのが一般的です。頭金は物件価格の1割~3割程度、諸費用は物件価格の5%~10%程度が目安となります。
たとえば、3,000万円の中古一棟アパートを購入する場合、頭金として300万円(物件価格の1割)、諸費用として210万円(物件価格の7%)、あわせて510万円の自己資金でアパート経営を始めることができるのです。
なお個人性が高い場合、頭金が不要の「フルローン」や、諸費用も含めて融資を受けられる「オーバーローン」を受けられるケースもあります。
フルローンやオーバーローンは、より少ない自己資金でアパート経営を始めることができますが融資審査は厳しくなります。また借入額が大きくなるためローン返済が負担になりやすいため注意が必要です。
個人属性とは
「個人属性」とは、金融機関が融資の可否を判断する際に、個人の信用力や返済能力を評価するための項目を指します。
個人属性の主な項目は、融資申込者の勤務先や年収、借入れ状況、資産状況、家族構成などが該当します。
上場企業に長期間勤務している人や公務員など安定した収入がある場合は「高属性」とみなされ、融資審査に有利になります。
アパート経営で融資を受ける際は、融資対象物件の収益性・資産価値に加えて、この個人属性によって融資の可否や融資額などの条件が決定されるため、非常に重要な判断材料のひとつと言えるでしょう。
レバレッジを効かせた投資ができる
金融機関から融資を受けることで、レバレッジを効かせた投資がおこなえるのもアパート経営のメリットのひとつです。
レバレッジとは「テコの原理」のことで、アパート経営においては「少ない自己資金で大きな収益を得る」ことを言います。
たとえば、3,000万円のアパートを購入するにあたって、500万円を自己資金とし、残りの2,500万円を金融機関から融資を受けたとします。
もともとは500万円の物件からの収益しか得られなかったのに対して、融資を受けたことで自己資金の6倍もの物件から収益を得ることができるのです。これがレバレッジを効かせることです。
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相続税対策や節税につながる
アパート経営をおこなうことで相続税対策につながります。また、固定資産税や所得税などの節税効果も期待できます。節税が可能な税金の種類は以下のようになります。
相続税
相続する財産は「相続税評価額」によって課税されます。
現金や預貯金は額面通りに評価されますが、不動産は時価よりも低く評価されます。土地は時価の8割程度、建物は実際の価格の7割程度に評価されるため、現金などで相続するよりも相続税を抑えることにつながるのです。
さらに相続する土地でアパートなどの賃貸用の建物のある土地は「貸家建付地」となり、自宅などの土地よりも評価額が2割程度下がります。建物も「貸家」として、評価価額が最大3割程低くなります。
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固定資産税
「住宅用地の特例」の適用によって、固定資産税が軽減されます。
住宅用地のうち一戸あたり200㎡までの部分については「小規模住宅用地」として課税標準額が1/6に減額されます。また200㎡を超える部分についても課税標準は1/3になります。
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所得税・住民税
アパート経営で得た所得は「不動産所得(=不動産収入-必要経費)」として、確定申告をおこなう必要があります。
その際、アパート経営を始める際にかかったアパート建築費や購入費は必要経費として計上することが可能です。しっかりと経費計上をおこなうことで所得税の軽減につながります。
また土地を除いたアパートの取得費用は「減価償却費」として、「法定耐用年数」に応じた年数に分けて経費計上をおこないます。減価償却費は、実際に現金の支出をおこなわずに帳簿上の経費として計上することで毎年の所得税・住民税の節税を図ることができます。
さらにアパート経営の所得が赤字(マイナス)だった場合、「損益通算」がおこなえます。損益通算とは、給与所得などのほかの黒字所得から不動産所得の赤字分を差し引く会計処理です。損益通算をおこなうことで課税対象額が減るため節税につながります。
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生命保険代わりになる
金融機関から融資を受けてアパートを建築・購入した場合、「団体信用生命保険(団信)」に加入することが可能です。
団信は、ローンの返済中に契約者が死亡または高度障害を負った場合、本人に代わって保険会社がローンの残債を金融機関に返済してくれる仕組みです。
無借金になったアパートは家族に引き継がれるため、そのままアパート経営を継続して家賃収入を得ることができます。また物件を売却してまとまった現金を得ることも可能です。
月々の安定収入を得たり、まとまった資産を得られたりすることから、生命保険代わりになるのもアパート経営のメリットです。
インフレ対策につながる
インフレになると物の価値が上がり、お金の価値が下がるため、資産をアパートなどの不動産に投資することでインフレ対策につながります。
特にアパートなどの居住用賃貸物件は景気による需要の変化が少ない傾向です。また物価の上昇にともなって家賃の値上がりの可能性もあります。
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アパートの管理を外部に委託できる
円滑なアパート経営をおこなうためには、適切な管理は欠かせません。アパート管理は手間がかかりますが、外部の不動産管理会社に管理全般を委託できるため、大家さん自身で管理する必要はありません。
また株式投資やFXなどは、株価の変動をチェックしたり、売買手続きをおこなったりする必要があるため、日中働いているサラリーマンが本格的におこなうのはむずかしいです。
しかし管理全般を外部委託できるアパート経営は、サラリーマンのように本業を持っている人でも資産運用として無理なくおこなえるのです。
アパート経営におけるデメリットとリスク
不動産投資のひとつであるアパート経営にもデメリットやリスクがある点には注意が必要です。ここでは資産運用としてアパート経営をおこなう際のデメリットとリスクについて解説します。
事前にどのようなデメリットやリスクがあるのか、しっかり理解しておくことで、リスクを最小に抑えることにつながるでしょう。
空室リスク
空室リスクはアパート経営をおこなううえで、かならず直面するリスクのひとつです。
アパート経営は入居者が支払う家賃が主な収入源です。そのため空室が増えるとその分の家賃が減ってしまいます。
またアパートは経年とともに入居付けがむずかしくなります。近隣に新築アパートが増えれば、より空室が顕著になるでしょう。
あまりにも空室が多くなってしまうと月々のローン返済や修繕費などの支払いが困難になるおそれがあります。
アパート経営をおこなううえでは、いかに空室を埋めるか、その対策が欠かせません。
その場合、空室の原因に沿った空室対策が求められます。
たとえば老朽化が原因であれば、外壁の塗装や室内のリノベーションをおこなうことで入居者が見つかりやすくなるでしょう。
経年が原因でない場合は近隣の競合物件の設備などをリサーチし、自分のアパートに足りない設備を追加することで空室が解消する場合もあります。
まずは管理会社に相談し、どのような空室の原因を探ったうえで適切な対策をおこないましょう。
家賃滞納リスク
家賃滞納は発生してしまうと解決までに時間がかかるケースが多いです。家賃滞納が発生しても、入居者をすぐに退去させることはできません。家賃の滞納期間中は入居者がいるにもかかわらず家賃収入は途絶えてしまいます。空室であれば新たな入居者を迎えて家賃収入を得ることもできますが、滞納者がいるかぎりそれもできません。
そのため、できるだけ発生させないような対策が望ましいです。
もっともおすすめの対策方法としては、入居条件として家賃保証会社と契約を交わすことです。家賃保証会社は契約した入居者が家賃を滞納した場合、入居者に代わって家賃の支払いをおこない督促もおこなってくれるため、大家さんの負担はほぼありません。
また入居審査をきびしくし、家賃滞納の可能性のありそうな人を入居させないことも大事なポイントです。
災害リスク
アパート経営をおこなううえで見過ごせないのが地震や台風、火災などの災害リスクです。
自然災害を完全に避けることはむずかしいですが、ハザードマップなどを参考にして、できえるだけ災害リスクの低い地域を選ぶとよいでしょう。
また地震大国日本では、どの地域でも地震にあう可能性があります。最近ではゲリラ豪雨や台風による風水害も増えています。自然災害を完全に避けることはむずかしいですが、万が一被害にあったときに備えて保険に加入しておくことが重要なポイントです。
保険による補償があれば、災害によって破損した建物の修繕費に充てることも可能です。
なお地震保険は火災保険に付帯する形でのみ加入できる保険です。地震保険単独では契約できないため、注意しましょう。
流動性リスク
アパートをはじめ不動産は流動性が低く、株式などの有価証券などと比べて、現金化しにくいのがデメリットです。
物件を売却し現金化するには、3ヶ月から半年程度かかるのが一般的です。買い手が見つからない場合はさらに売却まで長い時間がかかるケースもめずらしくありません。
流動性リスクを緩和するためには、売却を前提に物件を選ぶことが大事です。好立地の賃貸需要が高いエリアのアパート物件は入居率が高くなるため、売却時に買い手が見つかりやすくなります。
設定した売却額で売れない場合は、売却額を下げたり、一旦売却を見送ったりする必要があります。不動産の流動性の低さを理解したうえで、売却活動ではできるだけ早い段階で始めることをおすすめします。
アパート経営で資産運用をするための注意ポイント
ここではアパート経営で安定した資産運用をおこなうために注意したいポイントについて解説します。
長期的視点を持っておこなう
アパート経営は長期にわたっておこなう投資方法です。特に家賃収入を目的にアパート経営をおこなう場合、短期間で大きな利益は望めません。
そのため毎月の家賃をコツコツと積み上げていき貯めた家賃を次の投資資金にするといった、長期的な視点を持つ必要があります。
ひとつのアパートから得られる家賃収入は少なくとも、投資規模が拡大するにつれて1度に得られる収益も大きくなり、安定した資産運用につながるのです。
分散投資を心がける
前述したとおり、アパート経営で安定した資産運用をおこなうためには複数のアパート物件を運用する必要があります。
複数の物件を所有する際は、リスクの軽減を意識した分散投資を心がけましょう。
分散投資とは、運用する資産をあえて異なるものに投資し、リスクを最大限に少なくする方法を言います。
アパート経営などの不動産投資の場合、物件の種類や間取りの異なる物件を選んだり、所在地を離したりするのが一般的です。
分散投資をすることで、いずれかの物件が赤字になってもほかの物件の収入で補填することが可能です。また違うエリアに物件を持つことで、自然災害による被害の分散につながります。
関連記事:不動産投資でリスク分散が必要な理由と効果的なやり方!注意点も解説
リスク対策をおこなう
前述したようにアパート経営にはリスクがあるため、安定した資産運用をおこなうためにもリスク対策は欠かせません。
効率よくリスク対策をおこなうためには、リスクの種類や対策方法を理解し、状況に見合った対策をおこなうことが大事です。ただやみくもにリスク対策をおこなっても、リスクの減少につながらないケースもあるため注意しましょう。
関連記事:不動産投資のおもな8つのリスクの対策方法をわかりやすく解説!
まとめ
資産運用としても人気のアパート経営は、他人資本を利用してレバレッジを効かせた投資ができる、節税が期待できるなど、たくさんのメリットがあります。
ただし家賃が主な収入源となるため短期間で大きな収益を得ることはむずかしいです。そのため長期にわたってコツコツと収益を積み上げて所有物件を増やすことで、安定した資産運用につながります。
しかしアパート経営にはリスクもあるため、リスクの種類にあわせて適切な対策をおこない、リスクを最小に抑える必要があることを念頭に置いておきましょう。
ぜひ当記事を参考に安定したアパート経営をおこなって、資産運用を成功させてください。