不動産投資でトラブル発生!弁護士費用の相場や選び方を詳しく解説
不動産投資は大きなお金が動くことから、さまざまなトラブルに遭遇する場合もあるでしょう。また法律などが関係していると、自分自身で解決するのはむずかしいかもしれません。
そんなときは「弁護士」を頼ることでトラブルの早期解決につながります。特に不動産を専門にしている弁護士であれば強い味方になってくれるはずです。
しかしなんの伝手がない場合、どのように弁護士を探せばよいのかわからなかったり、費用がどのくらいかかるか不安だったりするでしょう。
そこで今回は、弁護士の探し方や依頼の手順、費用相場などについて解説します。
不動産投資トラブル時の弁護士の役割
不動産トラブルは、大きなものから小さなものまで、非常にさまざまな種類があります。
なかにはオーナー自身や不動産管理会社で対応できる場合もありますが、不動産の売買契約や賃貸借契約など法律の知識が必要になるトラブルを自力で解決するのはむずかしいでしょう。
そこで法律のプロである弁護士に依頼することで問題の早期解決につながります。
特に不動産投資関連のトラブルは売買や賃貸借などの契約にまつわる場合が多く、相手側が存在するケースがほとんどです。
当事者同士で解決しようとしても、それぞれの主張を優先させたいがために感情的になりやすく、話し合いでの解決がむずかしい場合もあります。
しかしトラブルの解決を弁護士に依頼することで、弁護士を代理人にすることができるようになります。
また法律の専門家として立場から、現状での解決手段はもちろん、むしろ裁判に踏み切るべきなのかなど、依頼者にベストな手段をアドバイスしてもらうことも可能です。
不動産投資で弁護士に依頼した場合の費用相場
弁護士への依頼料は、法律事務所が自由に設定できるため、かなりの幅があります。また案件の内容や難易度によっても異なるため、正確な依頼料は法律事務の直接確認するとよいでしょう。
ただ、ほとんどの法律事務所では、まず弁護士費用について見積もってくれるため、複数の法律事務所から見積りを取り、比較検討するとよいでしょう。
ここでは、一般的な弁護士費用の内訳と目安を紹介します。
相談料
弁護士に法律相談をおこなう際に発生します。相談料は法律事務所が自由に決めることができますが、30分~1時間あたり5,000円程度が目安になります。また初回無料で、2回目からが有料とするケースも多いです。
着手金
弁護士に案件を依頼する場合にかかる費用です。相場は10万〜30万円程度ですが、案件によっては着手金が無料の場合もあります。
なお着手金は、依頼した案件が解決しなくても返金されません。
成功報酬
事件処理が成功した場合に限り発生する報酬です。したがって、事件処理に失敗した場合、成功報酬は発生しません。
成功報酬は法律事務所で自由に決めることができます。ただ、現在は撤廃されていますが、かつて日弁連が定めた「弁護士報酬基準」と呼ばれるルールを基準に料金を決めている弁護士も多いです。
弁護士報酬基準は、以下のようになります。
【弁護士報酬基準】
◦経済的利益の額が300万円以下:16%
◦経済的利益の額が300万円~3000万円:10%+18万円
◦経済的利益の額が3000万円~3億円:6%+138万円
◦経済的利益の額が3億円超:4%+738万円
なお「経済的利益」とは、依頼者が弁護士に依頼したことで得た利益や確保できた金額、支払いを免れた金額を指します。
日当
弁護士が事務所以外の場所で事件処理をおこなう際に支払われる報酬です。
法律事務所によって異なりますが相場は、半日の場合は3万円~5万円、1日の場合は5万円~10万円程度が相場になります。
なお日当は、交通費や宿泊費とは別に支払う必要があります。
実費経費
事件処理の際、実際に発生した費用をいいます。移動の際に支払った交通費や宿泊費、裁判で必要な印紙代や郵送代などが該当します。
弁護士費用の例
ここでは参考として、案件別に弁護士費用がいくらかかったのか紹介します。
案件①サブリース解除の弁護士費用
◦物件:区分所有マンション1戸、1業者の弁護士費用
◦着手金:22万円~33万円
◦訴訟に移行する場合の追加着手金:22万円~33万円
◦成功報酬
マスターリース解除の合意・和解などできた場合:33万円~66万円
買い戻し・売却で解決した場合:基本報酬33万円+売却益部分の11%
案件②建物の明け渡し請求の弁護士費用(訴訟一審まで)
*家賃の滞納などの契約違反を理由とした建物の明け渡し請求をする場合
◦着手金:22万円~
◦成功報酬:22万円~44万円、回収した家賃額の17.6%
不動産投資に強い弁護士の選び方
弁護士への伝手をまったく持たない場合でも、インターネットを利用すれば希望の条件に合った弁護士を見つけることができるでしょう。
また近隣の「法テラス」などで紹介してもらうこともできます。
おすすめなのは、不動産投資関連の知人や付き合いのある不動産会社から紹介してもらう方法です。知り合いを介すことである程度信頼できるため、信頼関係を築きやすくなります。
なお、弁護士は法律のプロですが、多くの場合は自身の得意な分野に関連する案件を受けるのが一般的です。
まずは無料の相談などを利用し、不動産投資に強いかどうか弁護士に直接ヒアリングしてみるとよいでしょう。
ここでは不動産投資に強い弁護士の選び方について解説します。
不動産問題の解決実績が多い
不動産関連に強い弁護士を探すのであれば、不動産問題を解決した実績が豊富な弁護士や法律事務所を選びたいものです。実績が豊富であれば、それだけノウハウを持っているため、依頼者にとって有利な交渉がおこなえるでしょう。
実績を確認するには、法律事務所のホームページなどを確認してみましょう。これまでにどのようなトラブルをどのくらい解決してきたのか確認できます。
専門家と横のつながりがある
不動産問題を解決するには、不動産鑑定士や土地家屋調査士などの不動産の専門家をはじめ、税理士や司法書士など、不動産にかかわりのある知識を持つ専門家の存在が必要になるケースも少なくありません。
そのため、各分野の専門家と横のつながりを持つ弁護士や法律事務所を選ぶことは重要なポイントです。
料金が明確である
前述したように弁護士費用は成功報酬でもあるため、明確な金額がわかりづらいです。
しかし信頼できる法律事務所では成功報酬についてもきちんとした割合が決められており、それを基に見積りを出してくれます。
また依頼者が見て、わかりやすい料金形態であり、口頭や書面でしっかりと説明してもらえればベストです。
地域の情報に強い
不動産投資は日本全国でおこなわれているため、物件所在地の情報に強い、地元の弁護士に依頼することで問題を解決しやすい場合があります。
地方は横のつながりもより強い傾向にあるため、有利に情報などを集められる可能性も期待できるでしょう
対応が丁寧で親身になってくれる
日頃から親身になって相談に乗ってくれるような対応が丁寧な弁護士であれば、問題解決に向けて的確なアドバイスや積極的な行動に期待が持てます。
また、なるべく専門用語を使わず、わかりやすい説明をしてくれるかどうかも重要です。
依頼者が不動産投資をおこなっていても、不動産にそれほど詳しくない場合もあります。そのため、依頼者が理解できるまで、何度でも根気よく説明してくれるような気遣いのできる弁護士に依頼をすると安心です。
依頼者との相性もありますが信頼関係も築きやすいと言えるでしょう。
まとめ
不動産投資でトラブルが起きた場合、自力での解決がむずかしいと感じたら、弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士に解決を依頼することで、短期間で解決できる可能性が高まります。
また弁護士を選ぶ際は不動産問題に強い弁護士を選ぶと安心です。
弁護士費用は、法律事務所によってまちまちですが、着手金と成功報酬だけでも50万円程度が目安となります。
不動産投資のトラブルの早期解決を目指すなら、一度弁護士に相談することをおすすめします。