不動産投資でワンルームマンション売却に適したタイミングや注意点!
2024/09/02

不動産投資でワンルームマンション売却に適したタイミングや注意点!

不動産投資でワンルームマンションを売却するメリット買い手が付きやすい不動産投資でワンルームマンションの売却に適したタイミングワンルームマンション市場が上向きになっているタイミング築20年を迎える前収支がマイナスになりそうなタイミング物件周辺の環境に変化があった不動産投資でワンルームマンションの売却手続きの流れ①売却準備をおこなう②査定をおこない媒介契約を結ぶ③売却活動を開始する④売買契約の締結⑤決済・引き渡し⑥確定申告不動産投資でワンルームマンションを売却する際の注意点注意点①複数の不動産会社に査定を依頼する注意点②入居者がいる状態で売却する注意点③売却には諸費用や税金がかかるまとめ

不動産投資初心者にも人気の「ワンルームマンション」ですが、実はほかの収益物件に比べると売却しやすいというメリットもあります。

とは言え、「できるだけ高く売りたい」「早く現金化したい」と考えている場合は、売却するタイミングや注意すべきポイントがあります。


そこで今回は、不動産投資でワンルームマンションの売却に関して売却までの流れや、高く売れるタイミングと売却するにあたって注意するべきポイントを詳しく解説します。

ワンルームマンションの売却で損をしないためにも、ぜひ参考にしてください。


不動産投資でワンルームマンションを売却するメリット

複数のマンション ワンルームマンション 模型


ワンルームマンション投資とは、ワンルームタイプの分譲マンションの一部屋を購入して第三者へ貸し出し、家賃収入を得る不動産投資方法のひとつです。区分マンション投資とも呼ばれます。


ワンルームマンションは一棟アパートやファミリータイプのマンションなどよりも価格が安く、少ない自己資金で始めることができるため、不動産投資の最初の物件として選ぶ人も多いです。


そんな不動産投資初心者にも人気のワンルームマンションは、売却時にもメリットがあります。


買い手が付きやすい

エリアや立地にもよりますが、単身向けのワンルームマンションは賃貸需要が高いため安定した収益が見込めるのもメリットです。

ほかの間取りの物件よりも比較的低リスクであり、不動産投資初心者にもおすすめ収益物件のひとつと言えるでしょう。


またワンルームマンションは、ほかの収益物件と比べると売却しやすいのがメリットです。

一般的に不動産は、株式やFXなどのほかの投資商品と比較すると売却しにくいというデメリットがあります。


特に一棟アパートや一棟マンションなどの高額物件は購入希望者が見つかりにくく、見つかった場合でも融資審査が通らないケースもあるため、売却完了まで1年以上かかるケースも少なくありません。


しかし価格が安い投資用ワンルームマンションは、ほかの収益物件に比べて売却しやすいと言えるでしょう。

エリアや立地、築年数などにもよりますが、ワンルームマンションの売却期間の目安は3ヶ月~6ヶ月程度になります。


関連記事:不動産投資物件の売却に最適なタイミングと有利にする方法!


買い手が付きやすいワンルームマンションの条件

以下のような条件を満たすワンルームマンションは売却しやすい傾向です。


◦最寄り駅から徒歩10分以内

◦複数の駅や路線が利用できる

◦近隣に大学・専門学校、企業・工場などがある

◦近隣にコンビニやスーパーなどの買い物施設がある


上記は都市圏のワンルームマンションに求められる入居者ニーズです。都市圏では基本的に電車などの交通機関を利用するため、通学や通勤に便利だったり、深夜でも買い物ができるコンビニが近隣にあったり、利便性の高い立地が好まれます。


なお車移動が中心になる地方の物件の場合は、最寄り駅から多少離れていても駐車場完備が重要な条件になるでしょう。


不動産投資を始める際は将来的に売却することも視野に入れたうえで、できるだけ「買い手が付きやすい物件」を選ぶ必要があります。

これらのことを踏まえたうえで、ワンルームマンションを選ぶ際は優先すべき入居者ニーズをかならず確認しましょう。


不動産投資でワンルームマンションの売却に適したタイミング

BUY SELL 指差し


所有する投資用ワンルームマンションを売却するのに適したタイミングは、大きくわけて2種類があります。


ひとつはマンションが高く売れるタイミングです。できるだけ高値でマンションを売却したい場合はマンション市場の動向を見計らったり、マンションの築年数を考慮したり、売却タイミングを検討しましょう。


もうひとつは、損失を抑えるために売却を検討したほうが良いケースです。収支が赤字になりそうなときや、周辺環境が変化によってこれまでのターゲットにしていた入居者層を見込めなくなったときなどが該当します。


ここでは、売却を検討するそれぞれのタイミングついて方法を解説します。


ワンルームマンション市場が上向きになっているタイミング

マンション市場が上向いているタイミングはマンション需要が高くなるため、ワンルームマンションの価格も上昇傾向にあり、高値での売却が期待できます。

また価格だけでなく、マンション市場の動きも早いため通常よりも短期間で売却できる可能性も高いです。


築20年を迎える前

不動産は経年とともに価値が下がります。また金融機関の融資期間は物件の法定耐用年数の残り期間できまるため、築古になればなるほど融資が付きにくくなります。

またワンルームマンションの場合、築20年を超えると売却価格が下がりやすいです。

できるだけ高くかつ、早く売りたい場合は築20年を迎える前のタイミングで売却を検討するとよいでしょう。


収支がマイナスになりそうなタイミング

収支がマイナスになりそうな場合は、これまでの収益を減らさないためにも売却を検討しましょう。


ワンルームマンションの月々のローン返済やランニングコストなどの支出は、毎月の家賃収入から支払うのが一般的です。

しかし空室期間が長引いたり、想定した以上の支出があったりするとキャッシュフローがマイナスになるため、ローンの返済金やランニングコストなどを手元の資金から持ち出すことになります。


手元に資金がなくなってしまうと月々のローン返済が滞り、最悪の場合ワンルームマンション物件を差し押さえられてしまう恐れがあるため注意が必要です。


特に築古のマンションは室内設備の交換などに高額の修繕費がかかります。また家賃も下落していくため赤字になりやすい傾向です。


そのため、これまで黒字だった収支がマイナスになるのを避けるためにも、マンション物件の売却を検討するとよいでしょう。


物件周辺の環境に変化があった

所有するワンルームマンションの周辺環境に変化があった場合も売却を検討するタイミングのひとつです。


近隣で再開発が計画されたり、大型商業施設が建築されたり、地価の上昇が期待できる場合はマンション価格も値上がりし、高値で売却できるチャンスです。


一方、逆に近隣にあった大学や企業などが移転や撤退する場合は、賃貸需要が低下してしまうため空室リスクや賃料下落リスクが高まり、収支がマイナスになるおそれがあります。

こういったリスクを避けるためには、できるだけ早く売却することで損失を抑えることにつながります。


不動産投資でワンルームマンションの売却手続きの流れ

鍵 間取り図 カレンダー


ここでは不動産投資でワンルームマンションを売却する際の手続きについて流れを解説します。


①売却準備をおこなう

収益物件のワンルームマンションの売却を決めたら、まずは売却準備として以下の点を確認しましょう。


◦ローンの残債の有無

◦物件の市場価格の把握

◦売却スケジュールを立てる

◦売却に必要な書類を揃えておく


投資用のワンルームマンションを売却する際は、ローンの残債を一括返済する必要があります。一般的には物件を売却したお金で残債を返済したうえで買主に引き渡しをおこないますが、売却額がローン残債に満たない場合は自己資金で補填することになります。


そのため、あらかじめローン残債を確認し、売却するワンルームマンションの売却価格を把握しておくとよいでしょう。


関連記事:不動産投資でローン残債がある物件も売却可能!注意点や流れを解説


そのうえで、希望の売却時期と売却価格を決定し、それを基に売却スケジュールを立てておきましょう。


また上記の作業と同時に、ワンルームマンションの売却時に必要となる書類の手配もおこないましょう。売却時に用意する書類は不動産の種類によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要になります。


【区分ワンルームマンションの売却に必要な書類】

◦身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)

◦権利証、登記識別情報

◦登記簿謄本

◦実印(現物)

◦実印の印鑑証明書

◦固定資産税納税通知書

◦売買契約書

◦物件の図面

◦設備の仕様書

◦賃貸借契約書

◦保証会社契約書

◦マンションの管理規約

◦マンションの維持費等の書類

◦売買契約書


②査定をおこない媒介契約を結ぶ

いよいよワンルームマンションの売却に向けて活動を開始します。

まず物件の査定を申し込み、売買を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。査定額が基本の売却額となるため、複数社に査定を申し込み、条件の良い不動産会社を選ぶとよいでしょう。


なお不動産会社を介さずに区分オーナー自身で売却先を探すことも可能ですが、契約トラブルが起こるおそれもあります。スムーズで安全な売却をおこなうためにも、不動産会社と媒介契約を結ぶことをおすすめします。


③売却活動を開始する

媒介契約を締結した場合、契約した不動産会社が売却活動を開始します。

売却活動は、レインズ(不動産業界専用のネットワークシステム)や収益物件専門のポータルサイト、不動産会社の自社ホームページへの物件掲載をはじめ、紙媒体の広告掲載、チラシの作成・配布などがおこなわれます。


また購入希望者からの問い合わせ対応や内覧の準備・案内なども不動産会社がおこなってくれます。


なお不動産物件の売買では、価格の交渉がおこなわれるのが一般的です。購入希望者からの指値に備え、あらかじめ値下げ可能な範囲を不動産会社に伝えておくことで、購入希望者との交渉がスピーディーにおこなえます。


④売買契約の締結

購入希望者との交渉の結果、物件の価格や引き渡し日など双方の合意が得られたら、売買契約を結びます。

買主に対して重要事項説明書の説明や契約条件の確認などがおこなわれ、そこで問題がなければ契約書類に記入・捺印をすることで契約が成立します。


なお、売買契約締結時には、買主から売主へ手付金が支払われます。手付金の額に決まりはありませんが、売買価格の5%~10%程度が目安です。


⑤決済・引き渡し

ワンルームマンションの引渡しをおこないます。

当日には、手付金を除いた物件代金の残金が買主から売主へ支払われるので、売主は売却代金で物件のローン残債を一括返済し、抵当権の抹消手続きをおこないます。

同時に物件の所有権移転登記の手続きがおこなわれ、物件の引き渡しをもって売却完了です。


⑥確定申告

投資用ワンルームマンションの売却によって売却益があった場合は、確定申告をおこない譲渡所得税と譲渡住民税を納めます。

確定申告は、不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日までの間におこなわなければなりません。


申告が必要な所得があるにもかかわらず各店申告をおこなわなかった場合は、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されます。忘れずに確定申告をおこないましょう。


関連記事:サラリーマンで不動産投資をしている場合の確定申告のやり方や注意点

不動産投資で物件売却時に発生する税金の種類を解説!計算方法も


不動産投資でワンルームマンションを売却する際の注意点

電球 ポイント カラフル


ここでは投資用のワンルームマンションをできるだけ高値で売却したい場合や、スムーズに売却したいときに注意すべきポイントを3つ紹介します。


注意点①複数の不動産会社に査定を依頼する

投資用ワンルームマンションを高く売るためは、高く売却してくれる不動産会社を見つけることが重要なポイントになります。

売却するにあたって複数の不動産会社に査定をしてもらうとわかりますが、不動産会社によって査定額にかなりの幅があるはずです。


1社にしか査定を依頼しなかった場合、物件をもっと高く売却できるチャンスを逃してしまいます。そのため投資用物件を売却する際は、できるだけ多くの不動産会社に査定を依頼し、売却価格を比較検討したうえで高く売却してくれる不動産会社を選びましょう。


注意点②入居者がいる状態で売却する

投資用ワンルームマンションを売却する場合は、入居者がいる「オーナーチェンジ物件」として売りに出すことで買い手が付きやすくなります。


買主にとってオーナーチェンジ物件は、入居者募集をする必要がなく、すぐ家賃を受け取ることができるというメリットがあります。また過去の実績から、年間の収益や経費などの収支シミュレーションもしやすいです。


さらにオーナーチェンジ物件は収益性があると評価されるため、金融機関の融資審査に通りやすい傾向にあります。


注意点③売却には諸費用や税金がかかる

ワンルームを売却する際は、さまざまな諸費用や税金が発生します。これらの支出がいくらになるのか把握しておかないと、ローンの一括返済ができなくなる場合があるため注意が必要です。

不動産の売却活動を始める場合は、諸費用と税金の額をかならず試算しておきましょう。

関連記事:不動産投資で物件売却時に発生する税金の種類を解説!計算方法も


早急に売却したいときは買取の検討も

不動産会社と媒介契約を締結した場合、売買仲介という方法で不動産会社が購入者を探します。

しかし前述したように、一棟アパートなどに比べると比較的流動性の高い投資用ワンルームマンションでも売却完了までは短くても3ヶ月程度かかるのが一般的です。


そこで、できるだけ早く現金化したい場合は不動産会社の「買取」を検討するとよいでしょう。


不動産の買取は、不動産会社が直接物件を買い取ります。そのため購入者を探す必要がなく短期間で売却することが可能です。買取にかかる日数は不動産会社によって異なりますが、最短3日程度で買い取りできる会社もあります。


また、不動産会社が買取る場合は仲介手数料が不要です。指値などで値引きする必要もないため、査定額がそのまま売却価格となります。

査定の段階で売却額が確定されるため、ローンの一括返済や諸費用などの予算を組みやすいのもメリットです。


一方で買取にはデメリットもあります。

まず、買取で物件を売却した場合、売買仲介よりも価格が安くなります。


不動産会社は、購入した不動産にリフォームやリノベーションをおこない付加価値をつけて再販することで利益を得ます。

そのため買取価格は、仲介で売却した場合の価格の6割~8割程度になるため、できるだけ物件を高く売りたい場合は売買仲介の利用がおすすめです。


また不動産によっては買い取ってもらえないケースもあります。

たとえば老朽化などで建物や設備の状態が著しく悪いなどの理由で修繕費が高額になる場合や、再建築が不可能な不動産は買取ってもらえないことも多いです。


仲介と買取、どちらにもメリットとデメリットがあるため、売却までの期間や希望する売却価格などを考慮したうえで、どちらを選ぶかよく検討しましょう。


まとめ

ワンルームマンションは、ほかの収益物件に比べると買い手が見つかりやすく、売却にかかる期間も短いです。


しかし高値で売りたい場合は、売却のタイミングを見計らう必要があります。

また売却を依頼する不動産会社を選ぶ際は、複数の不動産会社の査定結果を比較したうえで、高値で売却してくれる会社を選びましょう。


またできるだけ早く現金化したい場合は、不動産会社の買取もおすすめです。

いずれにしても売却益が出た場合は確定申告が必要なため、忘れずにおこないましょう。

一覧に戻る