不動産投資でタワマンを選ぶメリット!リスク分散はアパートが有利?
2024/08/20

不動産投資でタワマンを選ぶメリット!リスク分散はアパートが有利?

タワマン(タワーマンション)とは不動産投資でタワマンを選ぶメリット立地がよい眺望がよいタワマン内の共用施設やセキュリティが充実している入居ターゲットが比較的明確である資産価値が高く、下がりにくい不動産投資でタワマンを選ぶデメリット初期費用が高いランニングコストが高い不動産投資でタワマンを選ぶ際の注意点賃貸需要を確認する低層階と高層階の違いを調べるタワマン以外の物件への投資も検討してみる節税対策のためのワマン投資には注意が必要まとめ

近年、一棟アパート投資や区分マンション投資と並んで人気の不動産投資手法となっているのが「タワマン投資(タワーマンション投資)」です。

なぜいま、タワマン投資が注目されているのでしょうか?また従来の区分マンション投資や一棟アパート投資とは、どのように違うのでしょうか?


今回はタワマン投資について、メリットやデメリット、投資をおこなう際の注意点を解説します。

タワマン投資を検討している人は、ぜひ参考にしてください。


タワマン(タワーマンション)とは

タワーマンション タワマン 青空


近年、人気が高い「タワマン(タワーマンション)」ですが、じつはタワーマンションに法的な定義はありません。

しかし20階以上の居住用超高層マンションを指すことが多いです。


なぜ20階以上かというと、建築基準法において構造耐力について規定した法文内で、高さが60mを超える建築物を「超高層建築物」とするとされています。高さ60mの建物は、マンションでは20階程度に相当します。


また固定資産税に関する税制の区分でも、60mを超える建築物が「居住用超高層建築物」となっています。


したがって「タワマン(タワーマンション)」とは、20階以上の居住用超高層マンションを指すのです。


ただし、高さ60mに達していない場合でも、周辺のほかの建物よりも高いマンションを「タワマン」と呼ぶこともあります。


不動産投資でタワマンを選ぶメリット

赤い文字のMerit メリット 指差し


「タワマン投資(タワーマンション投資)」とは、購入したタワーマンションの1室を第三者に賃貸して家賃を得る、不動産投資手法のひとつをいいます


タワマン投資は、通常の区分マンション投資と同じように、タワマンの1室を区分所有しますが、その価格、立地、入居ターゲット層には大きな違いがあります。


ここでは不動産投資でタワマンを選ぶメリットを紹介します。


立地がよい

タワマンは、駅から近い繁華街の中心地など利便性が高い一等地に位置することがほとんどです。中には駅と直結しているタワーマンションもあります。


これは、駅前の再開発に合わせて建築が計画されたためです。

加えて周辺には、買い物施設や銀行、郵便局、病院などが揃っており、遠出をしなくても生活が完結できる環境になっているケースが多いです。


投資物件としてタワマンを選べば、立地に関して間違うことはほとんどないでしょう。


眺望がよい

前述したように、タワマンは超高層マンションです。そのため眺望の良さには抜きんでています。

特にタワマン投資の対象となるのは20階以上の物件が多いため、視界を遮る建物が少なく、朝から夜まで絶景を自室から楽しむことが可能です。


タワマン内の共用施設やセキュリティが充実している

ほとんどのタワマンには、居住者が利用できる共用施設が用意されています。


◦ジム

◦プール

◦パーティールーム

◦キッズルーム


エントランスにはコンシェルジェが常駐し、居住者へのサービスに対応するケースも多いです。

コンシェルジュによるサービス内容は物件によって異なりますが、上記の共用施設の予約や来訪者の受付、クリーニング受付、宅配便発送、タクシー・ハイヤーの配車手配などをおこないます。


またタワマンはセキュリティも充実しています。

エントランスのオートロックだけでなくエレベーターを操作するのにも居住者専用の鍵を必要としたり、オートロックが複数の箇所に設置されていたり、通常のマンションに比べると厳重なセキュリティ体制が整っています。



このようにタワマンは、快適で安全な生活をしたい人にとって、非常に魅力的な物件であると言えるでしょう。


入居ターゲットが比較的明確である

タワマン投資は、入居ターゲットの選定が比較的明確です。

一般的な賃貸マンションと比べて家賃設定が高いため、タワマンの入居者の多くは富裕層やセキュリティを重視したい芸能人、最近だと有名YouTuberといった資金に余裕がある人がほとんどです。


通常の不動産投資では、立地や間取り、設備などによって入居ターゲットを決めます。

しかし、タワマン投資の場合はすでにターゲットの属性が絞られているため、入居者探しをスムーズにおこなえる可能性が高いです。


また、タワマンの多くがファミリー向けの間取りになっているため、ファミリー層もターゲットにできます。


資産価値が高く、下がりにくい

立地や利便性が良く共用設備やセキュリティが充実しているタワマンは資産価値が高いです。加えて、タワマンの多くが比較的新しく最新の耐震構造で建築されています。

さらに都市部の一等地に位置しているため、資産価値も下がりにくいと考えられています。


資産価値が落ちないということは、タワマンは売却しやすい物件であると考えられます。

自身の居住用物件として購入したい人や、キャピタルゲイン目的でタワマンを狙っている投資家も少なくありません。

実際、購入時を上回る金額で売却できたという投資家の話も聞こえています。


このように出口戦略を立てやすいのも、タワマン投資のメリットのひとつと言えるでしょう。


不動産投資でタワマンを選ぶデメリット

茶色の文字のDEMERIT デメリット 吹き出し


メリットの多いタワマン投資ですが、一方で以下のように注意したいデメリットもあります。


初期費用が高い

タワマンの価格は、一般的な区分マンションと比べると高額です。

そのため、不動産投資ローンを利用した場合でも初期費用は高額になりますし、そもそも金融機関の融資審査を通過できるほどの年収が求められます。


また、空室になってしまうと、ローンの返済やランニングコストの全額を給与や手元資金から持ち出すことになります。後述しますが、タワマン投資はランニングコストも一般の区分マンション投資と比較すると高額です。

想定していた空室率を上回る場合、あっという間に資金難になってしまうおそれがあります。


そのためタワマン投資をおこなう場合は、通常の区分マンション投資や一棟アパート投資よりも、より計画的な収支計画を立てる必要があります。


ランニングコストが高い

高速エレベーターや各所に設置されたオートロック、さまざまな共用設備が充実していて規模が大きなタワマンは、管理費や修繕積立金も高額です。

タワマンの管理費や修繕積立は、一般的な区分マンションの1.5倍程度が相場と言われています。


さらに、築10〜15年周期でおこなわれる大規模修繕工事の際は、これまでの修繕積立金だけでまかなえない場合は、多額の一時金が徴収される可能性もあります。

このようにタワマン投資は、ランニングコストが高いのがデメリットです。


不動産投資でタワマンを選ぶ際の注意点

リングノートに書かれた注意点 黄色のライン


ここではタワマン投資で安定した収入を得るために注意したいポイントについて解説します。


賃貸需要を確認する

タワマンは人気の高い物件ですが、やはりエリアによって賃貸需要や価格の変動は異なります。


賃貸需要を確認するためには、タワマンの分譲時の価格と現在の価格を比較してみるとよいでしょう。ほぼ変動がない、または上昇している場合は賃貸物件としても高い需要が期待できます。


またタワマンの周辺は利便性が高いケースがほとんどです。

しかしタワマンの多くがファミリー向けの間取りです。そのため単に利便性が良いだけではなく、近隣に保育園や幼稚園、小中学校があるなど、子育て環境が整ったエリアに位置するタワマンを選ぶことで賃貸需要が高まり、空室リスクの低下につながります。


一方で、分譲時よりも価格が下がっている場合は、近隣に同じようなタワマンが建築されていたり、エリアの人気が落ちていたり、なんらかの理由で人気が下落していると考えられます。


先に述べたように、タワマン投資は物件価格やランニングコストが高額です。そのため空室リスクは最小に抑える必要があります。

今後の賃貸需要に少しでも不安がある場合、購入は見送ったほうが無難でしょう。


低層階と高層階の違いを調べる

タワマン投資をおこなう際は、どの階に位置する部屋を購入するかによって、賃貸需要が変わってきます。


前述したようにタワマンとは、20階建て以上の超高層マンションを指しますが、低層階にも部屋はあります。


一般的にタワマンは、高層階になるほど部屋からの眺望がよく、またステータスなどの付加価値がつくため低層階よりも人気が高いです。

また同じタワマンでも、低層階よりも高層階は家賃を高く設定しても入居がつきやすい傾向にあります。

ただし高層階の物件価格は低層階に比べて高額です。


タワマン投資をおこなう際は低層階と高層階の価格や入居状況などを調べたうえで、何階の物件を購入するか検討しましょう。


タワマン以外の物件への投資も検討してみる

タワマン投資といっても、不動産投資の仕組みは区分マンション投資とほぼ同じです。

たとえば、1億円のタワマン1戸と、同じく1億円の全10戸のアパート1棟を購入し、それぞれ運用した場合を考えてみましょう。


一棟アパートは、1部屋が空室になっても残り9室から家賃を得ることができるため、空室分をカバーできます。


しかしタワマンは1戸のみのため、空室期間中の家賃収入は0円となり、ローン返済やランニングコストの支払いは持ち出しで対応することになります。

手元資金に余裕があれば問題ありませんが、空室が解消されないかぎりは持ち出しがつづきます。


このように同額で不動産投資をおこなう場合、タワマンに投資するか、一棟アパートに投資するか、または複数の区分マンションに投資するかなどを比較したうえで、投資物件を決めることをおすすめします。


比較した結果、タワマン投資に優位性があると判断した場合は、綿密な収支計画を立て、

万が一に備えて十分な手元資金を確保したうえで始めるとよいでしょう。


節税対策のためのワマン投資には注意が必要

不動産投資は相続税対策に効果が期待できるため、節税のためにタワマン投資を検討する人も多いでしょう。


不動産投資が相続税対策になるのは、現金などを相続するのに比べて、不動産を相続することで相続税評価額が低くなるためです。また、小規模宅地等の特例などさまざま措置なども相続税対策につながります。


特にタワマンの場合、専有部分の床面積が同じであれば、高層階の部屋よりも価格の安い低層階の部屋でも、相続税評価額はほぼ同じになります。

そのため、タワーマンションの高層階を購入することで高い節税効果が期待できるのです。


しかし、区分所有マンションの評価額の算定方法を変更する税制改正がなされ、令和6年(2024年)1月1日以降に相続及び贈与したマンションの評価額が引き上げられることになりました。


そのため今後は、タワマンを取得するだけで相続税を大幅に軽減する効果は見込めないと考えられます。


とはいえ、タワマンを含めた不動産は、現金や有価証券よりも相続税評価額が割安に算出されるという仕組みはそのままなので、依然として不動産投資が相続税対策に効果的であることは変わりません。


まとめ

不動産投資でタワマンを選ぶメリットは、資産価値が落ちにくく、出口戦略の立てやすさなどにあります。また立地や利便性が良く、設備やセキュリティも充実しているため、高い賃貸需要が期待できます。


一方でタワマンの価格は高額なため、初期費用やランニングコストが高い点です。

そのため、空室期間が長引くとランニングコストの持ち出しが負担になりやすいというデメリットがあります。


タワマン投資は人気ですが、収益性やリスクの分散を考慮する場合は一棟アパートや通常の区分マンションへの投資と比較したうえで、投資先を選ぶことも大切です。

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