大家として成功するポイントは?不動産投資家との違いや年収を紹介!
2024/08/02

大家として成功するポイントは?不動産投資家との違いや年収を紹介!

不動産投資家と大家の違いは?年収はどのくらい?大家と不動産投資家の違いは?大家の年収はいくら大家の収入の計算方法不動産投資における大家の仕事内容入居者管理建物管理大家の仕事は不動産管理会社に委託が可能大家さんが賃貸経営(不動産投資)で成功するためのポイントを解説成功ポイント①準備段階が重要成功ポイント②収益物件はかならず現地確認をおこなう成功ポイント③高すぎる利回りは要注意まとめ

「大家の年収はいくらくらい?」

「大家としての仕事の内容は?」

「大家と不動産投資家に違いはあるの?」


不動産投資を考えている人のなかには、大家さんについて知りたいことがいろいろあるのではないでしょうか。

そこで今回は、賃貸物件の大大家さんとして成功するためのポイントをはじめ、平均年収や仕事内容、不動産投資家との違いを解説します。


不動産投資家と大家の違いは?年収はどのくらい?


家の模型 家賃収入 スケッチブックと植物


「大家」とは、「オーナー」とも呼ばれ、おもにアパートやマンション、戸建てなどの賃貸物件の所有者を指すのが一般的です。


不動産を所有し、第三者に賃貸して収益を得る大家さんですが、「不動産投資家」とはどう違うのでしょうか?

また気になる大家さんの年収はいくらくらいなのでしょうか。

ここでは「大家」について解説します。


大家と不動産投資家の違いは?

実は、「大家」と「不動産投資家」を区別する明確な定義はありません。どちらも所有をする不動産を第三者に賃貸して収入を得るという点では同じです。

また入居者からみた場合、大家も不動産投資家も「家賃を支払う相手」であり区別することもありません。


ただ「不動産投資家」に該当する人の多くは、あくまでも「投資」として不動産を購入・運用し、利益を増やすことを最大の目的としています。

そのため本業の有無にかかわらず、所有物件の管理全般を不動産管理会社に委託するのが一般的です。手間や時間がかかる管理業務は外部に委託することで、時間をかけずに物件数を増やし効率のよい投資を目指します。


一方「大家」は、所有物件の管理を大家自身だけでおこなう「自主管理」や、管理業務の一部だけを委託してそれ以外は自分で管理するケースが多いです。

なかには管理業務全般を業務委託する大家さんもいますが、その場合でもこまめに物件を訪れたり、業務委託をしている管理会社と密に連絡を取ったり、積極的に賃貸経営に関わることを欠かしません。


もちろん収益も大事にしますが、不動産賃貸業の規模を拡大するよりも現在所有する物件の黒字経営に注力する傾向が強いです。


そのため比較的物件の近隣に住居を持ち、定期的に物件を訪れて清掃やメンテナンスをおこないますし、積極的に入居者とのコミュニケーションを取ることも少なくありません。

アパートの隣が大家宅ということも多く、困ったことがあればすぐに相談できるため入居者にとって頼りになる存在です。


大家の年収はいくら

国税庁の『令和3年分 申告所得税標本調査結果』によると、不動産所得者数は約106万人おり、不動産所得の平均額は約542万円であることが公表されています。

そのうち年収層の内訳別でみると最多層は、300万円超500万円以下が約25万人(全体の約24.0%)、次いで500万円超1000万円が約24万人(全体の約23.1%)でした。


なお、上記の数字は不動産所得者全体を調査した結果です。大家だけでなく不動産投資をおこなっている個人が対象であることをご留意ください。

また不動産の種類についても、賃貸アパート、賃貸マンションなどの住居用賃貸物件だけでなくオフィスビルなどの商業向け賃貸物件、土地貸付に地代も含まれています。


大家の収入の計算方法

大家さんの収入(不動産所得)は以下の方法で計算されます。


大家さんの収入(不動産所得) = 不動産収入 - ランニングコスト


不動産収入とは、入居者が支払う家賃収入のほか、共益費や礼金、更新料などが含まれます。


ランニングコストとは、賃貸経営をおこなう際に支払った費用を指します。

必要経費として計上できるおもな費用には、以下のようなものがあります。


◦固定資産税・都市計画税

◦不動産取得税

◦登録免許税

◦管理委託手数料

◦修繕費

◦不動産投資ローンの金利部分

◦減価償却費

◦損害保険料(火災保険、地震保険ほか)

◦広告・宣伝費 など


なお必要経費の目安は家賃収入の20%~25%程度です。


不動産投資における大家の仕事内容

ホウキ チリ取り 掃除


一般的な賃貸アパートや賃貸マンションなどの住居用物件を所有し、第三者に賃貸する大家の仕事は多岐にわたりますが、大きくわけると入居者に関する管理全般をおこなう「入居者管理」と建物などの修繕をおこなう「建物管理」のふたつにわけられます。

ここでは大家さんの仕事内容を詳しく解説します。


入居者管理

ここでは入居者に関する管理の内容を解説します。


入居者の募集・新規新貸借契約の手続き

空室を埋めるために新規入居者の募集活動をおこないます。入居者の募集は、大家自身でおこなうことも可能ですが、以下のような作業をおこなう必要があります。


◦募集資料の作成

◦問い合わせ対応・内見案内

◦インターネットを使った募集や広告

◦入居審査・賃貸借契約書の作成


上記のように入居者募集活動は時間や手間がかかります。特に内見案内は、内見者の都合に合わせる必要があるため、時間的な制限がある大家さんにはむずかしいです。

そのため、自主管理をおこなう大家さんでも入居者募集に関連する業務は不動産仲介会社に依頼するケースが多いです。


賃貸借契約の更新手続き・退去の立会い・精算

既存入居者の契約更新時期が近付いた際は入居者に「契約更新のご確認書」を送付し、契約を更新する場合は賃貸借契約の更新手続きをおこないます。


退去する場合は退去日を確認したうえで、退去当日には部屋の状況を入居者と一緒に確認し、修繕が必要な箇所があればどちらが対応するかを話し合います。


退去時の原状回復費の負担に関しては、入居者との間でトラブルになりやすい部分なので、上手に対応することが大切です。基本的には、国土交通省の定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿っておこなうとよいでしょう。


退去後は、室内クリーニングや壁紙・フローリングの修繕工事などの手配をします。コストを抑えるためには、できるだけ費用がかからない業者に修繕を依頼するなど工夫が必要です。


原状回復工事の終了後、退去した入居者に修繕費用を請求します。その際、預かった敷金があれば修繕費用を差し引いた額を返還します。

日割り家賃が発生する場合は清算し、あわせて請求しましょう


家賃の入金管理、滞納時の督促

入居者がきちんと家賃を振り込んだかどうか、家賃の振込み先に指定した金融機関の口座を確認します。


家賃の支払い期日を過ぎても入金がない場合は家賃滞納として、督促などをおこない家賃を回収します。

単なる支払い忘れの場合はそれほど問題ではありませんが、なかには「払いたくても払えない」というケースもあります。その場合は滞納者と話し合い、支払日の調整などを調整する必要があります。


取り決めた期日までに支払いがなかった場合は再度確認したり、連帯保証人に連絡を取ったりなどの対応が必要です。

その後も支払いがない場合は、内容証明書を送付して契約解除をおこなうことになりますが、契約解除に応じてもらえない場合や滞納額が多い場合は訴訟を起こし、強制執行手続きをおこなうこともできます。


なお入居者が家賃保証会社に加入している場合は、滞納した家賃を入居者に代わって家賃保証会社がおこないます。そのため大家さんが督促をおこなう必要はありません。


クレーム・トラブル対応

大家さんの仕事内容の中でも重要度と難易度が高いです。

トラブルやクレームにはさまざまなケースがあるため、各内容に合わせて迅速で適切な対応が求められます。


特にエアコンや給湯器の故障、水漏れ、排水管の詰まりなど、快適な生活に関わるクレームはできるかぎり早く対応しましょう。


そのほかのクレームとして、騒音など入居者同士のトラブルや、近隣住民からの苦情などがあげられます。


いずれの場合も素早く、かつ丁寧に対応することで入居者の信頼度と満足度が上がります。逆に放置する時間が長かかったり、解決までに時間がかかったり、入居者が期待した解決に至らない場合は入居者が退去するケースもあるため注意しましょう。


建物管理

ここでは建物の修繕や定期点検などに関する管理内容を解説します。


共用部の清掃

エントランスや通路・階段、駐輪場、駐車場、ゴミ置き場など、共用部の清掃をおこないます。また庭の除草や植栽の手入れなども必要です。


共用部をつねに清潔にしておくことで入居者の満足度があがるだけでなく、内見者にも良い印象を与えやすいため空室対策につながります。


また建物の外壁も汚れが目立つと印象が悪いです。高圧洗浄機などを利用して洗浄するか、専門業者に洗浄を依頼するとよいでしょう。


付帯設備や建物の管理

専有部(室内)の風呂場や洗面所、トイレ、キッチン、給湯器、エアコンなどの付帯設備が故障した場合は、大家さんが修理や交換をする必要があります。また共用廊下の電球が切れた場合も同様です。

特に入居者から不調のクレームが来た場合は、迅速な対応が求められるため注意が必要です。


また建物についても、壁などにひび割れがないか、床材に傷みがないかなど、定期的に確認し、必要に応じて修繕をおこないましょう。

ひび割れや傷などが軽微なうちに修繕すれば、被害が大きくなることを防ぐことにつながりますし、修繕費用も少なくて済みます。


大規模修繕工事の計画・実行

建物は経年とともに劣化します。築年数が経過した建物は外観も悪くなるため、物件価値が下落するのが一般的です。

そのため経年劣化の軽減や外観を維持する目的で、屋根や外壁の塗装、給排水管の取り換えなどの大規模修繕がおこなわれます。


大規模修繕は、10年~15年周期でおこなわれますが、高額な費用が発生するため、計画を立てたうえで大規模修繕費用を積み立てておくと突発的な支出を軽減できます。


法定点検の手配

賃貸物件の建物・設備には、各法律に基づいた「法定点検」が義務化されています。

法定点検には以下のような種類があります。


◦消防用設備点検:消防法に基づいておこなわれます

◦簡易専用水道の検査:水道法に基づいておこなわれます

◦浄化槽の保守点検・清掃:浄化槽法に基づいておこなわれます

◦エレベーターの定期点検:建築基準法・労働安全基準法に基づいておこなわれます


大家の仕事は不動産管理会社に委託が可能

家の模型 賃貸物件のチラシ 虫眼鏡


大家さんの仕事内容は多岐にわたり、そのすべてを自主管理しようとすると時間的にも肉体的・精神的にも大きな負担となります。

そのため大家さんの中には、これら管理業務全般、または一部を不動産管理会社に業務委託する場合があります。


管理業務の一部だけを委託する場合は、入居者募集と契約関連を委託するケースが多いです。また清掃や建物のチェックなど日常的な建物管理は大家さんがおこない、それ以外は委託するといったケースもみられます。


なお管理業務全般を委託する場合の管理委託手数料は、家賃収入の5%~8%/月が目安です。業務の一部だけを委託する場合の手数料は、もう少し安くなりますが、どの程度の業務を委託できるかは不動産管理会社によって異なります。

また業務範囲によって費用も変わります。


不動産管理会社に業務委託を検討する場合は、どの程度の管理業務を自分自身でおこなえるのか、どの程度まで費用をかけられるかなどを考慮したうえで、複数の管理会社から見積もりをとり比較してみることをおすすめします。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


大家さんが賃貸経営(不動産投資)で成功するためのポイントを解説


ビル群 上向き矢印 段々


ここでは大家さんとして賃貸経営(不動産投資)を成功させるためのポイントを紹介します。


関連記事:不動産投資の成功率はどのくらい?成功させる7つのポイントを解説


成功ポイント①準備段階が重要

大家さんとして賃貸経営を成功させるためには、次のような準備をしっかりとおこなう必要があります。


◦賃貸経営の目標や目的を明確にする

◦賃貸経営に必要な知識を身に付ける

◦資金計画をしっかりと立てる


大家になるには特別な資格はいりませんが、ただ物件を所有して賃貸するだけでは、賃貸経営を成功させることはむずかしいです。


まずは、なぜ賃貸経営をおこなうのか、目標や目的を明らかにしましょう。

それによってどのような収益物件を選べばよいのか、資金がいくら必要なのかなど、目指すべき賃貸経営の姿が明確になります。


また賃貸経営を成功させるには、基本的な賃貸経営の知識が必要です。

賃貸経営で成功するためには、どのような収益物件を選ぶかによって大きく左右されます。そのため、まずは物件の選び方の基本や利回りの意味といった、賃貸経営について基礎知識を身に付けておくことが重要になります。


基本的な知識があれば、提示された物件価格や利回りが適切かどうか判断することができ、リスクの高い物件を避けることが可能になるでしょう。


また賃貸経営をはじめる際は、収益物件の購入費用の大部分を金融機関からの融資でまかなうのが一般的です。しかし、はじめて不動産投資をおこなう人の多くは、自分がいくらまで借入れできるのか、金利相場なのかなど、わからないことが多いはずです。


そこで重要になるのが融資に関する知識の有無です。

金融機関の種類や金利相場はもちろん、融資条件の決まり方を知ることで、自分が利用可能な融資額の目安などがわかります。

おおよその融資上限額から購入可能な収益物件の価格帯がわかるため、それに合わせた資金計画を立てることが可能となるのです。


また賃貸経営の知識の有無は賃貸経営の収益にも影響します。

たとえば税金の知識があれば、減価償却費などの経費を上手に使って節税し、収益を増やすこともできるでしょう。


このように賃貸経営に関する知識は、収益物件の選び方や資金計画の立て方など準備段階から賃貸経営開始後までさまざまなシーンで役立ちます。


賃貸経営の知識を身に着けるには、市販の書籍を読んだり、インターネットサイトを活用したり、セミナーに参加したり、さまざまな方法があります。

ぜひ、収益物件の購入資金を貯めるのと同時に賃貸経営の知識も勉強しましょう。


成功ポイント②収益物件はかならず現地確認をおこなう

前述したように賃貸物件の大家さんとしての成功は、物件選びにかかっているといっても過言ではありません。間違った物件を購入してしまうと、想定した収益を得られず、経営が困難になるケースもあるため、物件選びは慎重におこなう必要があります。


そこで欠かせないのが収益物件の現地確認です。

直接物件を見てみると画像の印象とは違っている場合も少なくありません。

また物件や周辺を直接歩いて調査することで、物件情報からはわからない多くの情報を得ることにつながります。


なお現地調査をおこなうにあたって事前に近隣の競合物件の家賃相場や入居率、導入率が高い設備の種類などを調べておくと、現地調査の際の比較判断時の材料になります。


成功ポイント③高すぎる利回りは要注意

利回りは、収益物件を選ぶ際の指標として重要な役割を持ちますが、相場を極端に超える高利回り物件には注意が必要です。


基本的に利回りが高い物件は、「安値で売られている=リスクが高い」ケースが大半です。

たとえば建物や設備が古く高額な修繕費が必要だったり、周辺環境が悪く入居者がなかなか集まりにくかったりといった場合もすくなくありません。


そのため利回りが高い収益物件は、相場よりも利回りが高い理由や物件価格が安い理由を考慮したうえで検討する必要があるのです。

物件を選ぶ際は利回りの数字だけでなく、賃貸需要はあるか、修繕リスクはないかなど、さまざまな要素を含めて物件を検討することが大切です。


まとめ

令和3年分の不動産所得の平均額は約542万円でした。ただしこれは、すべての不動産投資が対象となっているため、「大家」「不動産投資家」の区別はありません。


大家と不動産投資家の違いについては明確な定義はありません。

ただ、所有する収益物件は自主管理をおこなったり、入居者とのコミュニケーションを心がけたり、積極的に賃貸経営に参加するのが大家さんの特徴と言えるでしょう。


ただし賃貸物件の管理業務を大家さんひとりでおこなう場合、その負担は非常に大きいです。管理会社によっては、管理業務の一部だけ委託することも可能です。

大家さんの負担軽減のためにも、自主管理と管理委託を上手に組み合わせて、賃貸経営を成功に導きましょう。

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