不動産投資でサラリーマンが成功するためにできること!注意点も解説
サラリーマンにも人気の不動産投資ですが、投資用物件が高額なため失敗した際のリスクを考え、二の足を踏んでいる人も少ない内容です。
たしかに不動産投資には失敗するリスクもありますが、成功するチャンスがあるのもたしかです。
そこで今回はサラリーマンが不動産投資で成功するための3つのポイントや注意すべきポイントを解説します。
不動産投資における成功とは?
サラリーマンで不動産投資をはじめる人の多くは、「給与以外の収入」を期待するケースがほとんどです。
ただし、不動産投資で「どのくらいの収入を得たいのか」は、人によってさまざまです。
「将来的には会社を辞めて、不動産の収入だけで生活するのが目標」という人もいれば、「生活資金として、月数万円の収入が欲しい」という人もいるでしょう。
そのため、「目標をおおむね達成できたかどうか=満足できる利益があったかどうか」が、不動産投資で成功したかどうかの判断基準として考えることができるでしょう。
そのためまずは、不動産投資をはじめるにあたって目標を明確にする必要があります。
その目標に向けて、選ぶべき1軒目の物件の種類や必要な自己資金額が決まってきます。
また不動産投資の利益を得る方法は、物件を所有し運用することで得られる「インカムゲイン(賃料収入)」と、物件を売却したときに得られる「キャピタルゲイン(売却益)」の2種類があります。
不動産投資の成功には、このインカムゲインとキャピタルゲインが密接に関係します。
不動産投資におけるインカムゲイン
不動産投資におけるインカムゲインは、所有する不動産を第三者に貸すことで得られる収入です。おもにアパートやマンションの部屋を賃貸する「賃貸経営」で得られる家賃などが該当します。
そして、家賃収入から必要経費(ローン返済額や修繕費、固定資産税など)を差し引いた残りが「キャッシュフロー(利益)」となります。
このキャッシュフローをプラスに保ちながら、利益を積み上げていくことができれば、この時点の不動産投資は成功していると考えられるでしょう。
不動産投資におけるキャピタルゲインとは
不動産投資におけるキャピタルゲインとは、保有する不動産投資用物件を購入時よりも高値で売却した際に得られる「売却益」を指します。
具体的には、売却代金から諸費用(登記費用や仲介手数料など)を差し引きし、残った額がプラスの状態が売却益となります。
なお、反対に売却代金を諸費用が上回った場合は「キャピタルロス(売却損)」と呼びます。
投資用不動産物件は高額なため、タイミングを見計らったうえで売却すれば、高額で売れる可能性もあるでしょう。
しかし不動産のキャピタルゲインを狙うには、出口戦略で有利な条件で売却できる物件を選ぶ必要があります。
将来的に土地価格が上がるかどうか判断するのは、不動産投資のプロでも非常にむずかしいため、不動産投資初心者には、キャピタルゲイン狙いの不動産投資はハードルが高いと言えるでしょう。
不動産投資でサラリーマンが成功するためにできる3つの事
ここではサラリーマンが不動産投資で成功するために、ぜひやっておきたいポイントを3つ紹介します。
①不動産投資の知識を身につける
不動産投資で成功する人の多くは、不動産投資の知識を身につけるために勉強したり、情報を収集したりしています。
不動産投資の基本的な知識を身につけていれば、物件価格や利回りが適切であるか判断でき、収支シミュレーションの結果が現実的であるか見きわめることも可能でしょう。
不動産業者は全員が誠実だとはかぎりません。
なかには、相場よりも高い値段で物件を売りつけようとしたり、賃貸需要の低い物件を高利回りに見せかけてすすめたり、初心者をカモにする業者もいるのです。
このとき不動産投資の知識がなければ、業者に言われるがまま物件を購入してしまうこともあるでしょう。
物件選びは不動産投資の成功に大きく影響するため、物件選びで失敗しないためにも、不動産投資をはじめる際は必要最低限の知識を身につけることをおすすめします。
なお不動産投資の知識を勉強するには、不動産投資家が執筆した書籍を読んだり、インターネットで不動産投資に関する情報を収集したりするのが一般的です。またセミナーや大家の会などに参加することで、最新の投資用不動産物件の情報を聞けたり、賃貸経営に役立つヒントを聞けたりするのでおすすめです。
②物件はかならず現地確認をおこなう
不動産投資で成功するには、物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。
物件を選ぶ際は、継続的な入居者の獲得が見込めるかどうかを含めて、いくつかのポイントを確認することが大事です。
そのためにも物件を選ぶ際は、遠方であってもかならず現地まで行き、直接物件をチェックするとよいでしょう。賃貸需要の有無、利便性、周辺環境などを含めてしっかり確認をおこないましょう。
おもなチェックポイントを紹介します。
◦物件建物の状態(メンテナンスや清掃の程度など)
◦建物の大規模修繕履歴
◦新耐震基準の建物かどうか
◦再建築・リフォーム可能かどうか
◦駅からの距離
◦周辺の利便性(買い物施設や飲食店、銀行、郵便局などの有無)
◦周辺環境(治安はよいか、嫌悪施設はないかなど)
◦幼稚園・保育園や小学校、子供向け施設が近くにあるかどうか(ファミリー向け物件の場合)
なお、不動産投資が成功したのか失敗だったのか、最終的な判断はこれまで得てきた収益だけでなく物件のキャピタルゲイン(売却益)もあわせて判断します。
たとえば収益物件を売却したところ、運用中の赤字分を上回るキャピタルゲインを得られた場合、最終的な収支が黒字になる可能性があります。
反対に順調にキャッシュフローを生み出せていても、多額のキャピタルロス(売却損)が出てトータルの収支がマイナスになれば、その不動産投資は失敗したとみなされます。
不動産投資で成功するためには、安定した家賃収入が得られる好立地にある賃貸需要の高い物件を選ぶと同時に出口戦略も考慮し、価格が下がりにくい物件を購入する必要があるのです。
③物件の管理は業務委託を利用する
不動産投資で賃貸経営をおこなう場合、物件の管理を大家さん自身でおこなうほか、不動産管理会社に管理全般(または一部)を業務委託することも可能です。
賃貸物件の管理業務は多岐にわたるため、本職を持つサラリーマン自身で管理するのは非常に時間と労力を要します。
特にクレームや設備のトラブルなどが発生した場合、昼夜時間を問わず対応する必要もあるため、会社勤めのサラリーマンには物理的にむずかしいと言えるでしょう。
なお賃貸管理を業務委託する場合、委託料が発生します。委託料の目安は、賃料の5%~8%程度です。
費用はかかりますが、管理会社は豊富な経験に基づくノウハウを持っているため、適切な管理・運営が期待できます。また迅速な対応により、入居者の満足度の向上につながります。
本業に支障をきたさないためにも、サラリーマンが不動産投資をおこなう場合は、不動産管理会社に業務委託することをおすすめします。
関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説
サラリーマンが不動産投資をおこなう際の注意点
ここではサラリーマンが不動産投資をおこなう際の注意点を解説します。
無理のない範囲で借入れをおこなう
不動産投資用物件は高額なため、購入するにあたって金融機関の不動産投資ローンを利用するのが一般的です。
その場合、金融機関の融資審査を受ける必要がありますが、融資条件はローン申込者の個人属性や収益物件の収益性や資産価値によって変わってきます。
安定した給与収入のあるサラリーマンは属性がよいとみなされやすく、融資審査に通過しやすいのが特徴です。
特に上場企業や優良企業のサラリーマンや公務員は高属性とみなされるため、有利な条件で融資を受けることも可能です。
会社員が不動産投資で融資を受ける場合、通常は年収の5倍~7倍程度が融資の上限額と言われています。しかし高属性であれば年収の10倍以上の融資を受けられる可能性もあります。
関連記事:不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
しかしサラリーマンが融資を受けやすくても、借入れる金額が大きすぎると月々のローン返済額も大きくなり、キャッシュフローを圧迫するおそれがあるため注意が必要です。
あまりにもキャッシュフローがギリギリの場合、空室や突発的な支出によって、あっという間に赤字になることも考えられます。
キャッシュフローが赤字になってしまうと、ローンの返済や管理費などの費用を自己資金から持ち出すことになります。
自己資金に余裕がなければ、ローンの返済が滞り、最悪の場合は物件を差し押さえられるかもしれません。
そういった事態を防ぐためにも収益物件を購入する際は収支シミュレーションをしっかりとおこなった上で、無理なくローン返済ができる範囲の物件を選ぶことが大事です。
不動産投資が失敗した際の対応策
万が一ローン返済が困難になった場合、できるだけ早い時点で対応策を考える必要があります。滞納が長引けば長引くほど延滞金も増えるため、返済する金額が大きくなってしまいます。
ローンの返済が困難な場合、まずは金融機関に相談し、返済期間の延長や金利の引き下げなど返済に関する交渉をおこないましょう。
それでも返済ができない場合は、物件が差し押さえられ、融資を受けている金融機関(債権者)に相談の上で任意売却や競売によって現金化されます。
売却代金はローン残債の返済にあてられますが、完済できない場合は債務者(ローン契約者)の自己資金をあてることになります。
それでも完済できない場合は自己破産となります。
自己破産することでローン残債の返済義務はなくなりますが、財産の大部分を失い、金融事故歴(ブラックリスト)がついてしまうため、5年~10年の間はローンを組めないおそれがあります。
関連記事:不動産投資で自己破産に陥る理由を解説!破産を避ける5つの方法
関連記事:不動産投資で8つの失敗原因から学ぶ対策方法!手遅れ前にできること
勤め先の会社に相談しておく
勤務先の会社が副業禁止だった場合や公務員の場合、不動産投資をはじめる前に念のために上司や担当部署に相談しておくことをおすすめします。
一般的に不動産投資は副業とみなされない場合が多いですが、最終的な判断は勤務先によって異なります。
関連記事:家賃収入は副業にあたらない?会社員の不動産投資で注意するポイント
そのため、不動産投資をはじめても問題ないか、どの程度の規模であれば副業扱いにならないかなど事前に確認しておくと安心です。
また不動産投資が問題ないとされた場合でも、規模が大きくなった場合は速やかに勤務先に相談し許可を取ることをおすすめします。
特に公務員の場合は基本的に副業が禁止されています。
不動産投資は副業にあたらないとされていますが、公務員の副業に関するルールは国家公務員か地方公務員かによっても異なるため、不動産投資を計画する際は、かならず上役や担当者に確認しておきましょう。
確定申告はかならずおこなう
サラリーマンであっても、本業の給与所得以外で20万円を超える所得がある場合は確定申告をおこなう必要があります。
不動産投資で家賃収入を得た場合も例外ではありません。不動産所得が20万円を超えた場合は、かならず確定申告をおこないましょう。
なお、「不動産所得」とは、年間の不動産収入(家賃や礼金など)から、必要経費(修繕費や固定資産税など)を差し引いた額をいいます。
家賃収入額そのままではないので注意しましょう。
また確定申告が必要なのにもかかわらず申告をおこなわなかった場合は、無申告課税や延滞税などのペナルティが課されるため注意が必要です。
関連記事:サラリーマンで不動産投資をしている場合の確定申告のやり方や注意点
関連記事:不動産投資で経費はどこまで認められる?正しく計上して節税を!
まとめ
サラリーマンが不動産投資で成功するためのポイントを解説しました。サラリーマンは金融機関の融資審査に通過しやすく、管理を委託して本業と両立しやすいため、不動産投資におこなうのに適しています。
一方で、不動産投資の知識がないままはじめてしまうと、間違った物件を選んだり、返済能力を超えたローンを組んだりするケースもあるため注意が必要です。
不動産投資の成功は物件選びが大きく影響します。正しい物件を選んで不動産投資を成功させるためにも、ぜひ不動産投資の知識を身につけた上でチャレジすることをおすすめします。