不動産投資のワンルームとファミリータイプのメリット・デメリット!
不動産投資をはじめるにあたって、「ワンルームとファミリータイプでは、どちらの間取りがよいのだろう?」と迷う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はワンルームとファミリータイプのメリットとデメリットを紹介しながら、それぞれの特徴や違いを解説します。
またワンルームとファミリータイプを選ぶ際の注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資物件のワンルームの特徴
不動産投資におけるワンルーム(1R)とは、居室、キッチン、浴室・トイレを一部屋で構成している、単身者向けの物件を指します。
部屋のタイプとしては、もっともコンパクトな間取りで、1つの空間にトイレ・浴室・洗面台が揃った「3点ユニットバス」の物件も多いです。
なお単身者向けの間取りには、ひとつの居室とキッチンを仕切った「1K」や、キッチン部分が広い「1DK」、「1LDK」などのタイプもあります。
関連記事:不動産投資物件の間取りの種類を紹介!入居者に選ばれる部屋づくりを
一棟アパートや一棟マンションでワンルームの間取りを選んだ場合、一戸当たりの専有面積が狭いため総戸数を多く取れます。よって同じ延べ床面積の建物であれば、ほかの単身者向けの間取りに比べて家賃総収入が多くなるため高利回りが期待できるでしょう。
また区分マンションのワンルームであれば物件価格が低いため、少ない初期費用ではじめやすいという利点があります。
不動産投資でワンルームを選ぶメリット
ここでは不動産投資でワンルームを選ぶメリットを紹介します。
利回りが高い
専有面積の狭いワンルームは、ファミリータイプよりも利回りが高いです。
一般的なワンルームの専有面積は18㎡~25㎡なのに対して、ファミリータイプの専有面積は70㎡~80㎡程度であり、ワンルームの約3倍程度の専有面積になります。
しかし、専有面積が3倍だから賃料も3倍に設定できるかというと、そうではありません。
そのため同じ延べ床面積であっても、ファミリータイプの物件よりもワンルーム物件の方が利回りは高くなるのです。
リフォーム費用が少なくて済む
ファミリータイプに比べて部屋の面積が小さいワンルームは、入居者の退去後におこなう原状回復や空室対策としてのリフォームにかかる費用が少なくて済みます。
また単身者は短期入居のケースも少なくないため、室内の傷みが軽度の場合も多いです。
ターゲット層の幅が広い
ワンルームのおもな入居ターゲットは学生や社会人ですが、昨今は高齢化の影響から高齢者の需要が増加傾向にあります。
高齢者をターゲット層に加える場合は、手すりを取り付けたり、室内の段差をなくしたり、バリアフリーを意識したリフォームをおこなうとよいでしょう。
区分ワンルームは少ない資金ではじめられる
専有面積が小さな区分ワンルームマンションは、ファミリータイプの物件に比べると比較的安価なため、少ない自己資金ではじめることが可能です。
立地や築年数にもよりますが、都心の区分ワンルームでも1千万円~2千万円程度の物件を見つけることもできるでしょう。自己資金が少ない人におすすめです。
区分ワンルームは分散投資につながる
物件価格の安い区分ワンルームマンションは分散投資に向いています。
たとえば、複数の物件をそれぞれ異なるエリアに所有することで、万が一地震などの災害が起きた場合に受ける被害や損失を軽減することが可能ですが、高額なファミリータイプ物件を複数購入するのは現実的ではありません。
しかし、価格が安い区分ワンルームマンションであれば初期費用も少なくて済むため、異なるエリアの物件を購入することも比較的簡単です。
また区分ワンルームマンションを複数所有してコツコツとキャッシュフローを貯め、さらに区分ワンルームマンションの買い増しをおこなうことで空室リスクをおさえることにもつながります。
さらに、異なる築年数の物件を購入したり、物件の購入時期をずらしたりすることで、高額の費用が発生する大規模修繕の時期をコントロールすることも可能です。
入居が決まりやすい
単身者向けのワンルームは入居するしないを決めるのは入居者自身だけなので、内見したその場で入居を決める人も多いです。
しかし家族で住むファミリータイプは、家族全員の意見をすり合わせたうえで入居するかどうかを決定します。とくに妻の意見は重要で、夫が気に入っても妻がNOというケースも多く、決定するまで時間がかかることも少なくありません。
不動産投資でワンルームを選ぶデメリット
ここではワンルームのデメリットについて解説します。
空室=家賃収入が0円
区分ワンルームマンションを1室しか所有していない場合、空室期間中は家賃収入を得られません。しかし、その間もローンの返済や管理費などの支払いをおこなわなければならず、それらの費用は手元の資金から持ち出す必要があります。
さらに、単身者向けのワンルームはファミリータイプと比べて、入居期間が短い傾向にあります。
大学生をターゲットにしている場合は、入学から卒業までの4年間で入居者が入れ替わるのが一般的です。会社員は転勤や結婚などで退去する可能性があります。
そのため空室リスクが発生する可能性が高く、退去後はできるだけ早く入居者をみつける必要があるのです。
空室リスクをおさえるためにも、賃貸需要の高いエリアの物件を選び、入居付けに強い管理会社へ入居者募集を依頼するなど、適切な空室対策をおこなうことが欠かせません。
賃料が低い
ファミリータイプに比べて、区分ワンルームマンションの賃料は低くなります。一棟物件のワンルームであれば複数戸から家賃収入が得られますが、区分マンションを1室しか所有していない場合は、収支がギリギリ黒字というケースも少なくありません。
区分ワンルームマンションで不動産投資を成功させるためには、いかに経費を減らしてキャッシュフローを増やすことができるかが重要なポイントになるでしょう。
不動産投資物件のファミリータイプの特徴
ファミリータイプの不動産物件は、単身者ではなく家族世帯をターゲットにした間取りの物件を指します。厳密な定義は決まっていませんが、一般的に2部屋以上の居室からなる間取りをファミリータイプと呼ぶことが多いです。
たとえば、一般的には単身者向けとされている1DKや1LDKの間取りでも、入居条件に「2人入居可」とあればファミリータイプと考えられます。
関連記事:不動産投資物件の間取りの種類を紹介!入居者に選ばれる部屋づくりを
ファミリータイプの収益物件は、一棟アパートや一棟マンション、区分マンション、戸建て賃貸などが該当します。
いずれの物件であってもファミリータイプに共通する特徴は、長期入居が期待できる点と家賃滞納リスクが少ない点です
また、ファミリータイプは利便性よりも住環境のよさが重視されるため、駅から離れた物件でも需要が見込めるのも特徴のひとつです。
一方で少子高齢化がすすむ現在、ファミリータイプの方が将来性は低いと考えられています。ファミリータイプの収益物件を購入する際は、エリアの人口動態などを参考にし、今後の予測を立てたうえで検討することをおすすめします。
不動産投資でファミリータイプを選ぶメリット
ここでは不動産投資でファミリータイプを選ぶメリットを紹介します。
長期入居が期待できる
家族世帯をターゲットにしているファミリータイプは、単身者向けのワンルーム物件に比べて入居期間が長くなる傾向が強いです。
とくに子供がいる世帯では、子育て期間中は引越しをしたくないと考える家庭も多いため長期入居が期待できます。
その結果、長期にわたって安定した家賃収入が見込めるとともに、入居者募集費用などの負担をおさえることにつながるでしょう。
入居者トラブルが発生しづらい
ファミリータイプのおもな入居者は家族世帯です。そのため単身者向け物件を比べると入居者トラブルが比較的発生しづらいのがメリットになります。
たとえば、単身者向けワンルームなどでしばしばトラブルになる騒音については、子供がいる世帯同士であれば「お互いさま」として容認されやすく、ゴミ出しなども単身者に比べてマナーが守られやすい傾向です。
また単身に比べて収入が多い世帯も多く、高額な家賃を支払う能力もあることから家賃の滞納などが起きるリスクも少ないといえるでしょう。
戸建て賃貸は清掃などが不要
戸建て賃貸の場合、建物周辺の清掃やゴミ置き場の清掃などは入居者がおこないます。そのため清掃に関する管理委託が不要となり、コストをおさえることが可能です。
駅から遠い物件でも需要が見込める
前述したように、ファミリータイプのターゲットとなる家族世帯は、単身者向けのワンルーム物件には欠かせない利便性のよい立地よりも住環境のよさを重視します。
そのため買い物施設が多い繁華街や駅から近いエリアよりも、治安がよく、近隣に子供の通える幼稚園や学校などがある地域が好まれます。
不動産投資でファミリータイプを選ぶデメリット
不動産投資でファミリータイプを選ぶデメリットには以下のようなものがあります。
リフォーム費用が高くなりやすい
専有面積が大きいファミリータイプの物件は、リフォーム費用が高額になりやすいです。また単身向けのワンルーム物件に比べると設備にかける費用も大きくなりがちです。
とくに長期入居者が退去した場合は傷みが大きなケースもあるため、全室の壁紙を張り替えたり、給湯器やエアコンの取り換えが必要になったりすることも考えられます。
いざというときに資金不足にならないよう、リフォームにかかる費用などは計画的に積み立てておくと安心です。
空室期間が長期化する可能性がある
前述したようにワンルーム物件に比べて、ファミリータイプの物件は長期入居が期待できます。
しかし裏を返せば、ファミリータイプの入居ターゲットとなる家族世帯は転居頻度が低く、したがってファミリータイプの物件を探す人も少ないということにつながります。
そのため退去後、次の入居者が決まるまでに時間がかかりやすい傾向があるため注意が必要です。
利回りは高くない
ファミリータイプの物件は、ワンルームと比較して利回りは低くなるケースが多いです。
前述したように、ファミリータイプの物件の専有面積がワンルームの約3倍だとしても、賃料を3倍に設定することはむずかしいです。
またファミリータイプの物件は専有面積が広くなるため、リフォーム費用や固定資産税などの維持費用なども高くなります。
以上のことから1㎡あたりの賃料を比較すると、単身者向けのワンルーム物件の方が利回りは高くなり、ファミリータイプ物件の利回りは低くなるのです。
ワンルームとファミリータイプを選ぶ際の注意点
ここではワンルームとファミリー向け物件を選ぶ際の注意点を解説します。
ターゲットにあった立地を選ぶ
ワンルームとファミリータイプでは立地の基準が異なります。
ワンルーム物件で不動産投資をおこなう際は、入居ターゲットが単身者であることを考慮し、利便性の高い立地を選ぶことが重要です。
駅から近い、近隣にコンビニ、飲食店、銀行・郵便局、病院などの施設があるかどうかなどが入居者に選ばれやすい物件のポイントになります。
一方、ファミリータイプの場合は、利便性よりも環境を重視します。そのため駅から多少離れていても、治安のよい立地が選ばれやすいです。
近隣に保育施設や学校、公園、児童館などがあるかどうか、交通量の多い幹線道路の有無や周辺の犯罪率なども確認しましょう。
周辺の空室率や賃料相場をチェックする
周辺の競合物件の空室率や賃料相場についてもかならずチェックしましょう。チェック方法は大手不動産賃貸ポータルサイトなどを利用するのがおすすめです。
同一エリア内に競合物件がどの程度あるのか、賃料はいくらに設定されているのか、空室率(入居率)はどの程度なのか確認しましょう。
なおワンルームの場合、単身者向けの1K、1DK、1LDKも競合物件となる可能性があるため、あわせてチェックするとよいでしょう。
空室率が高い、賃料相場が低いなどの場合、需要に対して物件が多い可能性が高く、入居付けがむずかしかったり、利回りが低くなったりすることが予想されるため注意が必要です。
まとめ
不動産投資でワンルームとファミリータイプの間取りについて、それぞれのメリットとデメリットを解説しました。
少ない自己資金で高利回りを狙うのであれば区分ワンルームマンションがおすすめですが、入居率は比較的短いため、退去後の入居付けはできるだけ早くおこないましょう。
長期入居が期待できるファミリータイプの物件ですが、リフォーム費用は高額になりやすいため注意が必要です。
ワンルームとファミリータイプ、どちらの物件を選ぶ場合でも、メリットだけでなくデメリットやリスクも理解したうえで、適切な対策をおこなうことが不動産投資で成功する重要ポイントになるでしょう。