不動産投資でペアローンは使える?利用する際の注意点を解説!
2024/02/05

不動産投資でペアローンは使える?利用する際の注意点を解説!

ペアローンとは不動産投資でぺアローンは使える?ペアローンのメリット借入可能額が大きくなる団信にそれぞれ加入できる住宅ローン控除をふたりとも受けられる売却するとき「3,000万円特別控除の特例」がそれぞれに使えるペアローンのデメリット契約時の諸費用がそれぞれにかかる返済が困難になるリスクがある離婚時の取扱いが複雑になるペアローンを組む前に検討しておくべきポイント負担のない返済計画を立てる自己資金を増やしておく借入期間を短くするペアローンに向いている人ぺアローンでトラブルになったら?まとめ

マイホームの購入を検討中のかたのなかには「ぺアローン」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。ぺアローンとはその名前の通り、自分の収入と配偶者や家族の収入を合算して融資審査を受ける方法です。

自分だけの年収では希望する物件金額を借りられない場合、ペアローンを組むことで住宅ローンを受けやすくなるのです。では、ペアローンは不動産投資にも利用することは可能なのでしょうか?


今回は「ペアローン」について、仕組みやメリット・デメリットを解説していきます。またペアローンを不動産投資で利用する方法も紹介します。


ペアローンとは

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ぺアローンとは、同一の物件に対して一定の収入がある同居親族(夫婦または親子)がそれぞれに住宅ローンを組む方法です。


ペアローンを組むことで、お互いが相手のローンに対する連帯保証人兼担保提供者となり、ひとりの年収ではローンの借入額が希望額に届かない場合でも、ふたりの収入を合算することで融資審査に通過しやすくなります。


不動産投資でぺアローンは使える?

ぺローンは住宅ローンにしか利用できません。ただし「賃貸併用住宅」の場合はぺアローンを利用することが可能です。


賃貸併用住宅とは、マイホームとなる住宅の一部に第三者に貸し出す「賃貸部分」を備えた建物をいいます。

たとえば2階建ての建物の1階の部屋を賃貸住宅として貸し出し、2階をオーナーの住居にするイメージです。


通常、不動産投資用物件を購入する際に利用できるのは「不動産投資ローン(アパートローン)」であり、住宅ローンはマイホームの購入時のみ利用できます。

しかし賃貸併用住宅の場合、建物の自己居住スペースが全床面積の50%以上であれば住宅ローンの利用が可能となるのです。


その場合はペアローンを使うこともできるので、賃貸併用住宅を購入したくても借入額が希望額に届かない場合はぺアローンで申し込むとよいでしょう。


ペアローンのメリット

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ペアローンを利用することで、おもに以下のメリットがあります。


◦借入可能額が大きくなる

◦団信にそれぞれ加入できる

◦住宅ローン控除をふたりとも受けられる

◦売却するとき「3,000万円特別控除の特例」がそれぞれに使える


それぞれについて解説します。


借入可能額が大きくなる

ぺアローンを利用する最大のメリットは住宅ローンの借入可能額が大きくなる点です。

たとえば夫婦でペアローンを申し込んだ場合、夫と妻の収入が合算されるため、ひとりだけでは通らなかった融資審査に通過できる可能性が高くなります。


そのため単独ローンでは融資審査に通らないような高額物件でも、ペアローンであれば住宅ローンを組むことが可能になるのです。


団信にそれぞれ加入できる

ペアローンを組んだ場合、ふたりとも団体信用生命保険(団信)に加入できます。

もし、ペアローンを組んだどちらか一方が亡くなった場合、亡くなった人の住宅ローンの残債が返済されます。


たとえば夫婦でペアローンを組んでいた場合、夫が死亡や高度障害になってしまうと夫分のローンが弁済されます。しかし妻名義で組んだ住宅ローンについては、妻は夫の死後もローンを支払いつづける必要があります。


住宅ローン控除をふたりとも受けられる

ペアローンでマイホームを購入した場合、ふたりとも住宅ローン控除を受けることができます。

住宅ローン控除とは「住宅ローン減税」とも呼ばれ、住宅ローンを組んだ際に利用できる制度をいいます。

住宅ローン控除は、住宅ローン残債の0.7%を最大13年間にわたって所得税から控除が可能です。ただし、以下のような条件を満たす必要があります。


◦原則、2人の合計所得が2,000万円以下(特例居住用家屋は所得金額1,000万円以下)

◦床面積が原則、50㎡以上(特例居住用家屋は床面積要件が40㎡以上50㎡未満)

◦返済期間が10年以上 他

参考:国土交通省『住宅ローン減税の概要について(令和4年度税制改正後)


売却するとき「3,000万円特別控除の特例」がそれぞれに使える

マイホームを売却した場合、譲渡所得から3,000万円まで控除できます。ペアローンの場合、マイホームが共有名義なので、将来売却するときは3,000万円の特別控除をそれぞれが利用することができるので節税効果が期待できます。


ペアローンのデメリット

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メリットの多いペアローンですが、次のようなデメリットもあります。


◦契約時の諸費用がそれぞれにかかる

◦返済が困難になるリスクがある

◦離婚時の取扱いが複雑になる


それぞれについて解説します。


契約時の諸費用がそれぞれにかかる

ぺアローンはそれぞれがローンを組むため、契約にかかる諸費用も各々にかかります。

住宅ローンに関するおもな諸費用には以下のようなものがあります。


◦融資手数料

◦融資保証料

◦印紙税

◦抵当権設定のための登録免許税

◦団信保険料


なお諸費用は購入する住宅の価格や融資額などによって異なりますが、おおよその目安は物件価格の5%~10%ていどになります。


初期費用の内容について詳しくはこちら!>>不動産投資の初期費用の種類と目安額!できるだけ安くする方法は?


返済が困難になるリスクがある

ぺアローンはふたりの収入を合算したことで借入額が大きくなっています。そのため、どちらかの収入が減少してしまうと、月々の住宅ローンの返済が苦しくなる可能性があります。


夫婦でペアローンを組んだ場合、物件購入時は共働きでふたりとも収入があっても、出産や育児などで片方の収入がなくなってしまうことも考えられますし、転職やリストラで収入が下がるケースもあるでしょう。

また借入額が大きいため、金利が上昇した場合は返済額が増え、負担が大きくなるおそれもあります。


このように収入が減ってしまったり、金利が上がってしまったり、なんらかの理由でローン返済が負担になった場合、どのようにローンの返済をおこなうのかしっかりと計画を立てておく必要があります。


離婚時の取扱いが複雑になる

夫婦でペアローンを組み、のちに離婚した場合、自宅をどうするかを考えなければなりません。

どちらかが住みつづける場合はペアローンを住む側の名義にする必要があります。しかし、ひとり分の収入ではローンの返済がきびしくなることも少なくありません。


夫婦でぺアローンを組み、その後離婚した場合、考えられる選択肢には以下のようなものがあります。


◦マイホームを売却したお金で残債を返済する

◦そのままお互いがローンを完済まで払い続ける

◦単独ローンに借り換えて家に残るほうが返済をつづける


マイホームを売却したお金で残債を返済したくても、まず売却するときに双方の同意が求められます。

そのため、片方はそのままマイホームに住みたくても、もう片方は住宅を売ったお金でローンを返済してしまいたいと考えていると、意見が合わず話し合いが平行線ままとなることも少なくありません。


意見が一致して運よく売却できたとしても、売却金額がローンの残債を下回る場合は不足分を自己資金などで補填する必要があります。


また離婚後もそのままお互いがローンを支払い続ける場合は、お互いが連帯保証人になったままであるため、片方が支払わなければもう片方に負担が生じてしまいます。


では家に残る方が単独ローンに借り換えて返済をつづけられるかというと、ぺアローンで借入れた額が大きい場合、ひとりでは返済が困難なケースも考えられるのです。


このようにぺアローンを組み、ローン残債がある状態で離婚をしてしまうと、返済も売却もなんらかの負担がかかるため非常に大きなトラブルになる可能性が高く注意が必要です。


ペアローンを組む前に検討しておくべきポイント

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ペアローンを組む前に将来的な収入の減少や離婚によるリスクなど、万が一に備えた対策を考えておくと安心です。

ここではぺアローンを組む前に検討しておきたいポイントを紹介します。


負担のない返済計画を立てる

ぺアローンを利用することでふたり分の収入を合算できるため、住宅ローンで大きな借入も可能です。しかし借入金を無理なく返済できるかどうかしっかり検討することが重要です。


そこで参考にしたいのが「返済比率」です。不動産投資における返済率は家賃収入に対する返済額の割合のことで、返済比率の数値によって不動産投資での安全度を判断する指標として活用します。

返済比率を求める計算式と、数値による安全度の目安は下記のようになります。


【返済額の計算方法】

返済比率(%) = 毎月のローン返済額 ÷ 毎月の満室時家賃収入 × 100


◦返済比率 40%以下:安全

◦返済比率 50%以下:比較的安全

◦返済比率 50%~55%:注意が必要

◦返済比率 55%以上:危険


たとえ家賃収入が高くても返済比率が高い場合、予期せぬ修繕費用などの発生や入居者の退去によって家賃収入が減少してしまうと、急に赤字転落することもありません。

返済比率は、健全な不動産投資をおこなうためにも、返済比率は50%以下を目安にするとよいでしょう。

返済比率について詳しくはこちら!>>不動産投資ローンの返済比率を下げる方法を解説!目安の比率は何%?


自己資金を増やしておく

万が一に備えて自己資金を増やしておくのも効果的な方法です。

たとえ月々のローン返済ができない場合でも、自己資金があれば当面は持ち出しで対処できます。


ただし頭金は、ある程度用意しておきましょう。頭金をいれることで金融機関からの借入額を少なくできるため、月々のローン返済額の負担を軽減できます。


持ち出しについて詳しくはこちら!>>不動産投資の持ち出しの原因と対策方法!良い持ち出しとは?


借入期間を短くする

自己資金に余裕があれば、できるだけ短期間でローンの返済をおこなうことでぺアローンのリスクをおさえることにつながります。ただし、前述したようにローンの返済率が高い場合は注意が必要です。


借入期間を短くするためには、マイホームを購入する際の頭金を多く入れて借入額を少なくしたり、繰り上げ返済などをおこなったりするのがおすすめです。


繰り上げ返済について詳しくはこちら!>>不動産投資の繰り上げ返済の種類を紹介!メリット・デメリットを解説


またぺアローンを利用せずに、単独でローンで無理のない範囲で購入できる住宅を検討してもよいでしょう。


ペアローンに向いている人

単独ローンでは購入できないマイホームを取得できるペアローンですが、じつは向いている夫婦と向いていない夫婦にわかれます。ぺアローンに比較的向いている人は、以下の3点に該当する夫婦です。


【ぺアローンに向いている人】

1:夫婦ともに収入が安定している

2:出産や育児休暇のあとも復帰できる環境

3:夫婦ともに団体信用生命保険に加入できる


ぺアローンを利用する夫婦は基本的に共働きが多いです。夫婦ともに収入や預貯金などの資産が安定していれば、月々のローン返済をおこないながらしっかり貯蓄ができるでしょう。


万が一、離婚しても、ふたりの収入が安定していれば、どちらか片方がペアローンを1本化しやすいです。

逆に、どちらかの収入が安定しない、または無職の場合、ぺアローンを利用するのはむずかしいかもしれません。


妻の職場が出産や育児休暇のあとも職場にスムーズに復帰できたり、夫が育児休暇を取れたり、子育てに理解のある環境の場合、夫婦どちらかに負担がかかる心配が少なくなり、夫婦円満に過ごせるでしょう。


もし、出産後に復帰がむずかしい職場であれば、出産前の収入を得られる機会が減少してしまい、結果的にぺアローンの返済が負担になるおそれも考えられます。


なおペアローンは団体信用生命保険には2人とも加入可能です。ただし仮にどちらかの健康状態に問題があり、団体信用生命保険に加入できなかった場合、ペアローンを断られる可能性があります。


ぺアローンでトラブルになったら?

どんなにぺアローンに向いていると思っても、将来のことはわかりません。

将来、自分ひとりでは対処できない場合は、できるだけ早く弁護士や相談センターなどを利用することをおすすめします。プロに相談することで、思っていたよりもスムーズに解決できるようになるでしょう。


まとめ

ペアローンのメリットは、なんといっても単独ローンでは融資審査に通らないような高額物件でも、ローン審査に通過できる可能性が高まる点です。そのほかにも団信への加入や住宅ローン控除も、ふたりそれぞれが受けることができます。


その一方で、離婚した場合やどちらかの収入が減少した場合、返済トラブルやローン返済が困難になる可能性があるため、ぺアローンを利用する際は注意が必要です。

ぺアローンを利用するメリットとデメリットをよく検討して、マイホームの取得に役立てましょう。

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