【初心者向け】不動産投資でこれだけは覚えておきたい用語集(2)
これから不動産投資をはじめる不動産投資初心者に向けて、不動産投資用語集第二弾をお届けします。
不動産投資をおこなうにあたって知っておきたい用語ばかりです。
ぜひ活用してください。
*この記事では、【サ行】【タ行】【ナ行】の不動産用語を紹介しています。
【初心者向け】不動産投資でこれだけは覚えておきたい用語集(2)
【サ行】
サブリース
オーナーが所有する賃貸物件をサブリース業者(不動産管理会社)が丸ごと借り上げて、入居者募集し、転貸する賃貸契約方法のひとつです。「一括借り上げ」と呼ばれることもあります。
サブリース業者は、空室の有無に関係なく取り決めたとおりの「家賃保証」しているため、不動産オーナーはサブリース契約を結ぶことで毎月安定した家賃を確保できます。家賃の回収や維持管理などもサブリース業者がおこない不動産オーナーは空室リスクや家賃滞納リスクを気にせずに済むのもメリットです。
一方で、通常の家賃の80%~90%の場合が多く、家賃は定期的に見直しがされるため、経年や空室率によっては賃料を値下げされ収支が悪化するおそれがあります。
そのため物件オーナーにとって不利な条件になっていないかどうか、契約内容は十分検討する必要があります。
サブリースについて詳しくはこちら!>>不動産投資のサブリース契約にメリットはある!契約前にリスクを把握
J-REIT(ジェイリート)
REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)」の頭文字を取った金融商品です。
海外のREIT と区別するため、日本ではJapanの頭文字をつけて「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれています。
J-REITは、複数の投資家から集めたお金でマンションなどの不動産を購入し、専門家によって運用がおこなわれます。それによって得た賃貸収入などの利益を投資家に分配する仕組みです。
J-REITは数万円単位から購入できるため、はじめて不動産投資をおこなう人や資金が少ないでも少ない負担ではじめられるのが特徴です。また証券取引所に上場しているため流動性が高く、現金化しやすいのがメリットです。
J-REITについて詳しくはこちら!>>少額で不動産投資ができるREIT(リート)のメリット・デメリットを解説!
実質利回り(ジッシツリマワリ)
実質利回りは、表面利回りでは考慮されていなかった固定資産税や修繕費、管理費、入居者集めにかかる費用などのランニングコストを含めた利回りです。ネット利回りと呼ばれることもあります。
実質利回りは、実際の収益により近い数値を算出できるため、購入物件を検討する際は、かならず実質利回りを確認しましょう。
実質利回りは、以下の計算方法で求められます。
【実質利回りの計算方法】
実質利回り(%)= (年間家賃収入 - 経費)÷( 物件価格 + 諸費用 ) × 100
ただし家賃以外の諸費用などは確定していないため、あくまでも参考値であることを留意しておく必要があります。
利回りについて詳しくはこちら!>>不動産投資の利回り最低ラインを物件種類別に紹介!加味すべき点も
実勢価格(ジッセイカカク)
実勢価格(時価・取引価格)とは、不動産が市場で実際に売買された価格をいいます。不動産の時価であり、実際に売り手と買い手の双方が納得したうえでおこなった売買の取引価格であるため、価格の相場を知るための判断基準として用います。
なお実勢価格は、取引がおこなわれた場合には取引金額が、取引がない場合には周辺の取引事例や公的データ(公示価格、路線価、固定資産税評価額など)から推定した数値になります。
修繕積立金(シュウゼンツミタテキン)
修繕積立金は、建物の診断や修繕工事をおこなうために充てられる費用を指します。将来的な大規模修繕工事などに備えて、そのマンションを区分所有している人から毎月決まった金額をマンション管理組合などが徴収・積み立てをおこないます。
徴収される積立て額は、そのマンションに住んでいる戸数によっても変動しますが、マンションの修繕積立金を知る上では、平成23年に国土交通省が公表した『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』が参考になります。
なお一棟アパートや戸建て賃貸でも大規修繕工事は必要になります。その場合は、物件のオーナー(大家さん)が独自に修繕計画を立て、修繕費用の積立てをおこなうことになります。
修繕積立金について詳しくはこちら!>>不動産投資用マンションの修繕積立金の適性額や使い道を解説!
収益還元法(シュウエキカンゲンホウ)
収益還元法は、投資用物件の価値を測る指標のひとつで、収益物件が生み出す純利益をもとに不動産の価値を算出し、その価格が適正であるかどうかを判断します。
収益還元法には「直接還元法」と「DCF(ディスカウントキャッシュフロー)還元法」の2種類があります。
直接還元法は、不動産収入からランニングコストなどを差し引いた年間の純利益を還元利回りで割って算出します。
一方、DCF還元法は不動産の保有期間で獲得する純利益と、売却した場合の売却額(予想価格等)を現在価値にして対象物件の価値を算出する方法です。
重要事項説明(ジュウヨウジコウセツメイ)
物件の物理的状態や権利の状況、取引条件などの重要事項を、宅地建物取引士が買主や借主に書面を交付して直接説明することで、宅地建物取引業法35条1項で義務づけられています。
不動産の売買・交換・賃貸の際におこなわれ、売買の場合は売買契約を締結する前にかならず実施されます。
なお重要事項説明をおこなえるのは宅地建物取引士(宅建士)のみとなり、説明の際は宅地建物取引士証を必ず提示しなければなりません。
相続税評価額(ソウゾクゼイヒョウカガク)
相続税評価額は国税庁が発表する土地評価額です。相続税と贈与税を申告するときの基準になります。相続税評価額は公示価格の約8割程度になることが一般的です。
土地(宅地)の相続税評価額の算出方法は2種類あり、市街地の宅地を評価する際は「路線価方式」で計算し、それ以外の土地は「倍率方式」で評価します。
それぞれの計算方法は以下のようになります。
【路線価方式】
相続税評価額 = 路線価(/㎡)×土地の面積(㎡)
路線価は、国税庁『路線価図・評価倍率表』で確認できます。
【倍率方式】
相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率
倍率表は国税庁『路線価図・評価倍率表』で確認できます。
【タ行】
大規模修繕(ダイキボシュウゼン)
経年により劣化した収益物件の建物や設備を定期的に修繕する工事です。
大規模修繕をおこなうことで、建物の耐久性・安全性を高め、資産価値の維持につながります。
大規模修繕では建物の基本となる外壁や屋根、基礎のほか、給排水設備など目に見えない部分まで工事することになります。また、築年数が経過した場合は、機械設備、空調、浴室、給湯設備の修繕もおこなわれます
なお大規模修繕は10年~15年周期でおこなわれるのが一般的です。
耐用年数(タイヨウネンスウ)
不動産投資における「耐用年数(法定耐用年数)」とは、建物や設備などについて税務上定められている「使用可能期間」をいいます。
この使用可能期間は、「実際にどれくらい期間使えるか」ではなく、「何年間にわたって物件取得費を経費計上するか」という期間を指します。
不動産投資に欠かせない建物については、以下のように構造によって耐用年数が異なります。
【建物の耐用年数】
◦軽量鉄骨造(骨格材の厚みが3mm以下の場合):19年
◦軽量鉄骨造(骨格材の厚みが3mmを超4mm以下):27年
◦木造:22年
◦重量鉄骨造:34年
◦鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造:47年
参考:国税庁『耐用年数(建物/建物附属設備)』
耐用年数について詳しくはこちら!>>不動産投資の耐用年数が節税や融資期間に大きく関係する理由を解説!
宅地建物取引士(タクチタテモノトリヒキシ)
国家資格である宅地建物取引士(宅建士)は、不動産の売買や賃貸に関する法律知識・税金知識を有する、不動産取引に不可欠な資格のひとつです。
宅地建物取引士の独占業務として、顧客への重要事項説明、重要事項説明書への記名・押印、契約書への記名・押印があげられます。
なお不動産会社では、従業員5人に対して宅建士1人を置くよう義務付けられています。
宅地建物取引士について詳しくはことら!>>不動産投資に役立つ資格10選!メリットや難易度を紹介
団体信用生命保険(ダンタイシンヨウセイメイホケン)
ローン契約者が亡くなったり、高度障害などで働くことができなくなったり、万が一のことがあった場合に保険金からローン残債のすべてが返済される保障制度です。「団信(だんしん)」とも呼ばれます。
不動産投資の場合、団信の加入者にもしものことがあれば、遺族は無借金で残された収益物件を相続できます。物件に入居者がいる場合は被相続人に代わって家賃収入を得ることができますし、売却してまとまった現金を得ることも可能です。
このことから「不動産投資は生命保険代わりになる」と言われています。
最近では、がん特約や三大疾病特約(がん・心疾患・脳卒中)が付いた団信も選べます。
団体信用生命保険について詳しくはこちら!>>不動産投資のがん団信の仕組みを解説!メリット・デメリット・注意点
地価公示価格(チカコウジカカク)
国土交通省が公表している1㎡当たりの標準地の「正常な価格」です。毎年3月に1月1日時点の価格が発表され、各種不動産取引の指標として用いられます。
ただし、地価公示価格では土地のみが評価されているため、建物価値は評価対象外となります。
仲介手数料(チュウカイテスウリョウ)
不動産の売買契約や賃貸借契約が成立した際に、取引の仲を取り持ってくれた不動産会社(仲介業者)に対して支払う成功報酬をいいます。
不動産売買や賃貸の仲介をおこなった不動産会社(仲介業者)が受け取る仲介手数料は物件価格や賃料によって異なりますが、宅地建物取引業法により上限額が定められています。
そのため不動産会社や仲介業者が上限額を超える仲介手数料を請求した場合は法令違反となり、上限額を超えて請求された場合は拒否できます。
仲介手数料の上限は、売買・賃貸それぞれ下記のようになります。
【賃貸仲介手数料の上限】
◦家賃の1ヶ月分+消費税
【売買仲介手数料の上限】
*物件価格はいずれの税抜き
◦不動産の売買額が400万円を超えた場合:物件価格×3%+6万円+消費税
◦不動産の売買額が200万円超~400万円以下の場合:物件価格×4%+2万円+消費税
◦売買代金が200万円以下の場合:物件価格×5%+消費税
仲介手数料について詳しくはこちら!>>不動産投資の仲介手数料には上限額がある!仕組みや計算方法を解説
賃貸併用住宅(チンタイヘイヨウジュウタク)
ひとつの建物の中にオーナーの居住用と賃貸用のスペースがそれぞれ用意された物件です。間取りを左右に分ける縦割り型と上下に分ける横割り型、縦・横組み合わせた混合型などがあります。
原則として、不動連投資用物件は住宅ローンの利用はできません。しかし賃貸併用住宅で「総面積のうち、居住用スペースが50%以上」を占めている場合は住宅ローンを利用して不動産物件を購入することが可能です。
不動産投資ローンと住宅ローンについて詳しくはこちら!>>不動産投資ローンと住宅ローンを併用する際の順番による注意点
出口戦略(デグチセンリャク)
不動産投資において、対象不動産の投資を切り上げるタイミングを見極めるための戦略を「出口戦略」と呼びます。
不動産投資が成功したか否かは、これまで得てきた家賃収入額だけでなく物件の売却額もあわせて判断するため、「いかに収益物件の売却益を出せるか」が、出口戦略のカギになります。
ただし出口戦略は売却する以外にも、所有しつづけたり、自宅にしたりと言った選択も可能です。
出口戦略について詳しくはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?
【ナ行】
任意売却(ニンイバイキャク)
債権者(金融機関)の許可のもと、ある程度所有者の希望条件で一般市場にて不動産を売却することです。おもにローンの返済が困難になった場合に検討されます。
強制的に売却されてしまう競売とは異なり、任意売却は債務者の意思が反映されるため、売却によって住宅ローンを完済できない場合でも、債権者の了承が得られれば、一定の条件のもと抵当権を解除してもらうこともできます。
根抵当権(ネテイトウケン)
抵当権の一種です。
普通抵当権では特定の債権を担保することに対し、根抵当権は上限額(極度額)を決め、その極度額の範囲内であれば、繰り返し借り入れが可能となるのが特徴です。
まとめ
これから不動産投資をはじめる不動産投資初心者に向けて、知っておいてほしい不動産投資用語集第二弾として【サ行】【タ行】【ナ行】の不動産用語を紹介しました。
不動産投資に必要な用語を覚えることで不動産投資への理解度が高まり、仕組みなどがわかりやすくなるでしょう。
ぜひ当記事の用語集を活用してください。