【初心者向け】不動産投資でこれだけは覚えておきたい用語集(1)
不動産投資では不動産業界に関する専門用語が多く使われているため、不動産投資に詳しくない人にとってはハードルが高く感じるかもしれません。
そこでここでは、これから不動産投資をはじめる不動産投資初心者に向けて、知っておいてほしい不動産投資用語をまとめました。
ぜひ活用してください。
*この記事では、不動産投資用語集第一弾として【ア行】と【カ行】の不動産用語を紹介しています。
【初心者向け】不動産投資でこれだけは覚えておきたい用語集(1)
【ア行】
青色申告制度(アオイロシンコクセイド)
一定の要件を満たしたうえで確定申告する場合にさまざまな控除などが受けられる制度を指します。
青色申告には、「最大65万円の青色申告特別控除」「青色事業専従者給与の経費計上」「純損失の繰越しと繰戻し」といったメリットがあります。
不動産所得があり、青色申告をおこなう場合は、前もって「開業届」と「青色申告承認申請書」の届け出が必要です。(届け出を出さない場合は自動的に白色申告となります)
また、事業規模(室数10室以上または5棟)の不動産貸付がおこなわれていて、複式簿記で帳簿をつける必要があります。
青色申告について詳しくはこちら!>>不動産投資は青色申告で賢く節税!計上できる経費や提出の流れを解説
頭金(アタマキン)
物件価格からローン借入額を引いた部分の金額を指します。
頭金を多く支払えばローン借入額を減らすことができるため、有利な条件で融資を受けることが期待できます。
一方で頭金は自己資金から支払うため、手元の資金不足などが懸念されます。そのためローン借入額と手持ち資金のバランスを考慮したうえで頭金の支払額を決めるとよいでしょう。
一物五価(イチブツゴカ)
ひとつの不動産に対して価格を示す指標が五つあることを意味します。具体的には、「公示価格(公示地価)」「実勢価格」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」の5つを指します。
インカムゲイン(income gain)
不動産投資におけるインカムゲインとは、不動産を運用することで得られる運用益である「家賃収入」を意味します。
不動産投資で得られるインカムゲインの特徴は、収益物件を保有し、入居者がいるかぎり、継続して安定した収入を得られることです。
短期間で大きな利益を得ることはできませんが、コツコツと利益を積み上げていくことが可能です。
オーバーローン(オーバーローン)
不動産投資物件購入の際、物件購入金額のほかに、登記費用やローン手数料などの諸費用も含めた金額の借入れをおこないます。
物件の購入費用に加えて諸費用も融資してもらうので、自己資金0円で物件を購入して不動産投資がおこなえます。100%他人資本なので最大のレバレッジ効果を得られます。
その一方で、借入額が大きいため、月々のローン返済額も大きくなり、月々の収益が悪化しやすいのがデメリットです。
そもそものキャッシュフローが少ないため、空室による収入の減少や突発的な修繕費の発生などで支出が増えるとすぐに赤字になる可能性があるため注意が必要です。
オーナーチェンジ物件(オーナーチェンジ物件)
収益物件の種類によらず、入居者がいる状態で売られている物件を指します。
入居者はそのままでオーナーだけが変わるため、「オーナーチェンジ」と呼ばれています。
オーナーチェンジ物件の最大のメリットは、すでに入居者がいるため、物件購入後すぐに家賃収入を得られることです。またオーナーチェンジ物件は収益が見込めるため、金融機関からの融資も受けやすい傾向があります。
一方ですでに入居者がいるため事前の内覧ができず、室内の状況を把握できないのがデメリットです。設備の状況によっては、オーナーチェンジ直後に修繕費が発生するケースもあるため注意が必要です。
【カ行】
元金均等返済(ガンキンキントウヘンサイ)
ローンを返済する際の方法のひとつで、毎月のローン返済額のうち、元金部分が一定額である返済方法をいいます。毎月の返済額は「元金+利息」となるため、返済初期は負担が大きくなりやすいです。
しかし、元利均等返済と比較すると元金の返済が早いため、借入残高が少なくなるほど支払う利息も少なくなるため、返済がすすむにつれて一月あたりの返済金額も少なくなっていくのが特徴です。
ローンを利用する際に返済方法を選択できる場合は、それぞれの返済方法でシミュレーションをおこなったうえで選ぶとよいでしょう。
元利均等返済(ガンリキントウヘンサイ)
ローンを返済する際の方法のひとつで、元金と利息を合計した返済額が毎月一定である返済方法です。
毎月のローン返済額が一定のため、資金計画が立てやすいのがメリットになります。
一方で、返済初期は返済額のうち利息の占める割合が高いため、ローン残高の減り方が遅いのがデメリットですが、返済がすすむにつれて毎月の返済金額における利息の割合が小さくなっていくのが特徴です。
ローンを利用する際に返済方法を選択できる場合は、それぞれの返済方法でシミュレーションをおこなったうえで選ぶとよいでしょう。
管理委託(カンリイタク)
賃貸経営の管理業務は多岐にわたります。そのため、大家さんの負担を軽減するため、不動産管理会社などに「管理委託」をすることができます。
管理委託する場合は、管理委託料が発生します。委託料は管理会社や管理委託の範囲によって異なりますが、賃料の5%~8%程度が相場となります。
管理会社(カンリガイシャ)
大家さんに代わって、物件の賃貸管理や建物管理などの管理業務をおこなう会社のことです。
管理会社が請け負う管理業務は、入居者の募集や契約・更新、家賃管理、入居者のトラブル対応などをおこなう「賃貸管理」と建物のメンテナンスなどの維持管理や清掃などをおこなう「建物管理」をおこないます。
ただし管理業務の内容は、大家さんとの管理委託契約の内容により異なります。
管理会社の選び方について詳しくはこちら>>不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説
基準地標準価格(キジュンチヒョウジュンカカク)
基準地標準価格(基準地価)は、毎年9月に都道府県が公表する7月1日時点の土地価格です。
1月1日時点の土地価格は「公示地価」といい、基準地価と比較することで評価の動向を計るために役立ちます。
キャピタルゲイン(キャピタルゲイン)
不動産投資におけるキャピタルゲインは、土地や物件の値上がりによる売却益をいいます。不動産の購入時よりも売却時の価格が上昇していることで得られる利益ですが、不動産は他の金融資産のように価格が変動するため、購入時の価額よりも売却時の価額が上回れば売却益が、逆に下回れば売却損(キャピタルロス)となります。
先に述べたように、不動産価格が上昇することで得られるキャピタルゲインですが、土地の値上がりを予測するのは不動産投資のプロでもむずかしいといわれています。そのためキャピタルゲインを狙った不動産投資は、投資初心者にはおすすめできません。
またキャピタルゲインは一度に多額の収益が狙えますが、その場合、課税される譲渡所得税も大きくなります。また諸費用も発生するため、税金と費用を差し引いたら赤字になるケースも少なくないため注意が必要です。
不動産売却の譲渡所得税の税率は、所有期間が譲渡した年の1月1日現在で5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、税率は以下のようになります。
【譲渡税率】
◦長期譲渡所得:20.315%
◦短期譲渡所得:39.63%
長期譲渡所得と短期譲渡所得では税率が倍近く異なるため、物件の売却時には保有期間も意識するとよいでしょう。
なお、不動産売却時に発生するおもな税金と費用は以下のようなものがあります。
◦仲介手数料
◦ローン返済手数料
◦印紙税
◦登記費用
◦譲渡所得税・住民税
不動産売却に関する税金について詳しくはこちら!>>不動産投資で物件売却時に発生する税金の種類を解説!計算方法も
キャッシュフロー(キャッシュフロー)
不動産投資におけるキャッシュフローとは、家賃収入からローン返済金や経費などの現金支出を差し引きしたあとに手元に残る現金をいいます。
キャッシュフローは不動産投資の成否を判断するうえで重要な要素となります。
キャッシュフローがプラス=黒字であり、安定した不動産投資がおこなわれていると判断できます。逆にキャッシュフローがマイナスの場合は赤字状態です。空室が出ている場合は適宜、空室対策をおこなったり、経費などの支出を減らしたり、なんらかの対処をする必要があります。
キャッシュフローがマイナスの状態がつづくと持ち出しが増え、やがて手元資金が尽きてしまいます。そうなるとローン返済が滞り、最悪の場合は物件を差し押さえられるおそれもあるため注意しましょう。
共用部分(キョウヨウブブン)
分譲マンションなどの区分所有建物で、各区分所有者の占有部分に属さない廊下や階段などを「共用部分」といいます。
また、そのほかにも配管などの建物の付属物や、規約により共有部分とされた付属の建物(物置・駐輪場・車庫など)も、原則として共用部分とされます。
建ぺい率(ケンペイリツ)
「土地面積と建築された建物面積の割合」のことをいいます。
建ぺい率は用途地域と呼ばれる区分により決められており、最低で30%から最高で80%となります。
該当の土地に対して、決められた建ぺい率の上限を超える建物は建築できません。たとえば建ぺい率が50%と決められている用途地域の場合、100㎡の土地に対しては50㎡の建物しか建てられないわけです。
減価償却(ゲンカショウキャク)
減価償却とは、時間の経過や使用することにより価値が減少していく建物や設備などの固定資産に対し、取得費用を法定耐用年に応じて分割し、減価償却費として経費計上する会計処理をいいます。
不動産は高額なため、購入した年に費用全額を経費計上してしまうと正確な収益実態をつかみにくくなります。そのため減価償却しながら数十年にわたって経費計上していくのです。
なお減価償却の代表的な計算方法は「定額法」「定率法」の2種類があります。
ただし、減価償却できるのは経年劣化により価値が下がる物だけです。よって経年劣化しない土地は、減価償却はできません。
原状回復(ゲンジョウカイフク)
不動産投資における「原状回復」とは、入居者が退去する際、部屋を「本来あるべき状態」に戻すことをいいます。
原状回復費用には、貸主が負担するものと借主が負担するものがあります。これらの違いは「建物価値減少の責任の所在」によります。
国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)』では、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」と定義しています。
通常、建物の価値減少が借主の故意・過失によるものなら、原状回復費用は借主負担になり、それ以外は貸主負担となります。
『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)』には貸主に原状回復費用を請求するためには様々な指針が示されています。トラブルを避けるためにも知っておくと安心です。
固定金利(コテイキンリ)
ローン金利の種類のひとつです。決められた期間内の金利が固定されるのが特徴です。
固定金利はさらに「選択型固定金利」と「全期間固定金利」の2種類にわけられます。選択型固定金利は、一定期間は設定した固定金利が適用され、固定期間終了後は固定金利か変動金利のどちらかを選択します。
全期間固定金利は、返済期間中の金利が変わりません。そのため返済計画を立てやすく、金利上昇の影響をうけないのがメリットです。
ただし、固定金利は変動金利に比べて金利が高く設定されています。また市場の金利が下がっても固定金利はそのままなので不利になる場合があります。
金利について詳しくはこちら!>>不動産投資ローンの変動金利で金利上昇した場合の対策方法を解説!
固定資産税評価額(コテイシサンゼイヒョウカガク)
固定資産税などを計算する際に用いられる土地価格で、各市区町村が決定します。数値は公示価格の約7割程度であることが多いです。
まとめ
これから不動産投資をはじめる不動産投資初心者に向けて、知っておいてほしい不動産投資用語集第一弾として【ア行】と【カ行】の不動産用語を紹介しました。
不動産投資はだれにでもできる投資ですが、理解度が深くなればなるほど成功する確率も高まります。
不動産投資に必要な用語を覚えることで、動産投資の仕組みなどがわかりやすくなるでしょう。
ぜひ当記事の用語集を活用してください。