不動産投資で損切りするタイミングは?メリットやデメリットも解説
2024/01/17

不動産投資で損切りするタイミングは?メリットやデメリットも解説

不動産投資の損切りとは不動産投資で損切りするメリットとデメリットメリット①さらなる損失を未然に防ぐメリット②新たな資産形成のチャンスが生まれるデメリット:持ち出ししなくてはいけなくなる可能性がある不動産投資で損切りを検討するタイミング月々のローン返済ができないとき持ち出しが負担になっているとき損益分岐点を下回ったとき不動産投資の損切り時にチェックしたいポイント売却金だけでローンの完済をすることができないケース買い手がつかない場合が買い取りも検討する不動産投資で失敗しないコツ出口を意識した物件を選ぶ出口戦略や損切りルールを決めておく物件を保有しつづける場合のメリットとデメリットを比較する一棟アパートや一棟マンション、戸建ての出口戦略まとめ

不動産投資で収益物件の赤字がつづいた場合、損切りを検討することもあるでしょう。

しかし損切りのタイミングを間違えるとさらなる損失につながることもあるため注意が必要です。

では損切りを検討するのに適したタイミングにはどのようなときなのでしょうか。


今回は不動産投資で赤字が出ている場合の損切りについて、検討すべきタイミングやメリット・デメリットについて解説します。また不動産投資で損をしないコツについても紹介します。


不動産投資の損切りとは

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そもそも「損切り」とは、株式やFX投資で使用される言葉であり、「すでに損をしている株式などに対して、これ以上赤字を増やさないために、あえて売却して損失を確定させる」ことをいいます。


不動産投資における損切りもほぼ同様で、「すでに赤字が出ている状態で黒字回復の見込みがない投資用不動産を売却する」ことをいいます。


投資で損をしている場合、「まだ取り返せるかもしれない(黒字にできるかもしれない)」という考えから思い切って切り捨てる=売却できないケースも少なくありません。実際に、投資用商品を長く保有することで黒字回復するケースもあります。


ただし投資用不動産に関しては、所有しているだけで固定資産税などの費用が発生するため、損切りのタイミングを逃すとずるずると赤字が増えていくばかりになることも十分考えられます。

そのため、不動産投資物件の損切りを見極めるタイミングはむずかしいといえるでしょう。


不動産投資で損切りするメリットとデメリット

家 単語帳 メリットとデメリット

ここでは不動産投資で損切りすることで得られるメリットと注意したいデメリットについて解説します。


メリット①さらなる損失を未然に防ぐ

損切りすることで、さらなる損失を未然に防ぐことにつながります。

「いつか黒字になるかもしれない」という考えから、損切りのタイミングを逃してしまい、その結果、大きな損失になるケースは少なくありません。


場合によっては月々のローン返済もむずかしくなり、最悪の場合は物件を差し押さえられて競売にかけられ、それでも借金を返せず自己破産することも考えられるのです。

損失の拡大を防止するためにも、損切りは必要な措置のひとつと言えるでしょう。


メリット②新たな資産形成のチャンスが生まれる

赤字物件を損切りすれば、その不動産へ投資は結果的には失敗となります。しかし物件を手放したことで融資枠に余裕ができ、別の利回りの高い不動産への投資をおこなう選択肢が生まれ、新たな資産形成の可能性が広がるでしょう。


不動産投資の対象となるのはアパートやマンション、戸建などの住居系物件のほか、事務所や駐車場などさまざまな種類があります。すでに所有している資産を再確認したうえで、どんな物件に投資するか十分検討しましょう。


デメリット:持ち出ししなくてはいけなくなる可能性がある

ローン残債のある物件を損切した場合、売却金だけでローン残債を完済できなかった場合は手持ちの資金を持ち出しして不足額を調達する必要があります。もし手持ちの資金も足りない場合は借金などで対応しなくてはなりません。


また不動産を売却した際には諸費用や税金が発生します。そのため、売却金がローン残債ぎりぎりの場合、諸費用等がまかなえない場合もあるため注意が必要です。


損失を増やさないためにもできるだけ持ち出しせずに済む金額で売却する必要があります。もしもローンを完済できる金額で売却ができない場合は、毎月の赤字額と持ち出し額を比較したうえで、損切りのタイミングを見直すことも検討するとよいでしょう。


持ち出しについて詳しくはこちら!>>不動産投資の持ち出しの原因と対策方法!良い持ち出しとは?


手出しの原因について詳しくはこちら!>>不動産投資で毎月手出しのある物件の対策方法!損切りのタイミングも


不動産投資で損切りを検討するタイミング


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不動産投資の損切りに適したタイミングはあるのでしょうか?ここでは損切りを検討すべきタイミングについて解説します。


月々のローン返済ができないとき

月々のキャッシュフローが赤字となり、ローンの返済ができない場合は、なるべく早く損切りの決断をおすすめします。


ローン返済に滞納は個人の信用情報に傷が付き、新規の借り入れなどがおこなえなくなるケースもあります。また滞納がつづくと、ローンの一括返済を求められ、物件を差し押さえられ、競売になる可能性もあるため注意が必要です。


一時的な赤字であれば持ち出しで対応することも可能ですが、手持ちの資金が尽きてしまうといよいよ状況は悪化の一途をたどります。


競売になってしまうと相場の5割から7割ほどの売値となり、ローンの完済もできず自己破産を余儀なくされることもめずらしくありません。

ローンの返済ができなくなった場合は、一刻も早く物件の損切りをしてしまうことをおすすめします。


なお、すでにローンを滞納していて通常の売却もむずかしいと感じたのであれば任意売却などの手段を取ることも可能です。任意売却とは、債権者(融資をした金融機関など)の合意を得て、所有する不動産を売却してローンの返済にあてる方法です。


競売よりも市場価格に近い額で売れる可能性が高く、その分ローン残債を減らせるのが任意売却のメリットです。また、売却後のローン不足分の返済についても相談に応じてもらえる可能性があります。


ローン残債のある物件の売却について詳しくはこちら!>>不動産投資でローン残債がある物件も売却可能!注意点や流れを解説


持ち出しが負担になっているとき

毎月の多額の持ち出しが発生している場合は損切りを検討するタイミングです。とくに手持ちの資金に余裕がなく、家計を圧迫しているのであれば、できるだけ早く損切りをすることで経済的な余裕が生まれる可能性があります。


たとえば持ち出ししていた分を貯蓄や投資に回すことができますし、売却したことで投資枠に余裕ができ、新たな収益物件の購入も視野に入るでしょう。


なお不動産投資では少額の持ち出しが毎月発生するケースもあります。たとえば節税効果を目的にしたり、将来の大きな資産形成だったり、持ち出しのデメリットを上回るメリットがある場合はすぐに損切りせずに様子をみてもよいでしょう。


損益分岐点を下回ったとき

損益分岐点とは、収益と費用がイコールになったときの値です。ようするに赤字にも黒字にもならない「プラスマイナスゼロ」の値を指し、損失の出ない最低限の売上高を示す重要な指標として利用されます。


なお不動産投資の損益分岐点は、毎月の支出(ローン返済金、管理費などのランニングコスト)と家賃収入を比較することでわかります。損益分岐点を上回ると黒字に、下回ると赤字になります。

そのため明らかに損益分岐点を下回っている場合は損切りを検討するタイミングです。


損益分岐点について詳しくはこちら!>>不動産投資の損益分岐点を上回る賃貸経営のポイントを解説!


不動産投資の損切り時にチェックしたいポイント

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前述したように、これ以上の損失を出さないためにおこなうのが損切りです。ただし、赤字状態でも急いで損切りすることでさらなる損失を招く可能性もあるため注意が必要です。

ここでは不動産投資物件に損切り時に注意したいポイントについて解説します。


売却金だけでローンの完済をすることができないケース

先に述べたように物件を損切りするにあたって、ローン残債がある場合は一括返済する必要があります。一般的には物件の売却額でローンを完済しますが、売却額だけでローンを4完済できない場合はなんらかの形で完済に足りる資金を調達しなければなりません。


手持ちの資金を持ち出して対応するのが一般的ですが、手持ち資金が少ない場合は慌てて損切りするよりは一旦売却を諦めて市場のリサーチなどをおこない、売却するタイミングを見定めるのもひとつの方法です。


ローン残債のある物件の売却について詳しくはこちら!>>不動産投資でローン残債がある物件も売却可能!注意点や流れを解説


買い手がつかない場合が買い取りも検討する

そもそも不動産は流動性が低いです。そのため買い手が見つからず、売りたくても売れないというケースも少なくありません。

とくにキャッシュフローがマイナスの損切り物件は、通常以上に売却はむずかしいことが想定できます。


毎月の赤字額にもよりますが、赤字額が大きかったり、持ち出しが負担だったり、さらにマイナスが大きくなってしまう場合は買取業者への売却も検討しましょう。


買取業者は直接物件を買い取るため、買い手が現れるのを待つ必要はありません。融資審査にかかる時間もなく、仲介手数料も不要、早ければ数日以内に売買契約をおこない売却代金を手にすることも可能です。


ただし売却価格は一般的な仲介に比べて低く設定されていますし、立地などによっては買い取ってもらえない場合もあります。


また買取業者のなかには悪質な業者がいないともかぎりません。買取業者に買い取りを依頼する際は、物件のおおよその価格を把握したうえで、提示された金額が適正かどうか慎重に判断することをおすすめします。


不動産投資で失敗しないコツ

不動産投資で赤字を出さないためには、不動産投資をはじめる前段階である「物件選び」が非常に重要です。ここでは不動産投資で失敗しないためのコツについて解説します。


出口を意識した物件を選ぶ

不動産投資が成功したか否かは賃貸経営で得た収益だけでなく、最終的に物件の売却額もあわせて判断します。


そのため不動産投資の成否は「出口戦略」によって大きく左右されます。不動産投資における「出口」とは、投資物件の売却を指します。不動産投資では出口をもって利益が確定します。

物件の売却状況によっては、これまでの黒字収支が赤字に転落することや、逆に赤字収支だったのが黒字収支に回復するケースもあるのです。


高く売れる物件を所有するためには、不動産投資をはじめる際の収益物件を選ぶ段階で、将来的に売却することを前提にした不動産を購入することが必須です。


といっても、将来的に値上がりする物権かどうかを判断するのは不動産投資初心者には非常にハードルが高いです。


そこで物件を選ぶ際には、投資家目線で「買いたい」と思われる物件を選ぶことで買い手がつきやすくなり、高値で売れる可能性も高くなりやすいです。

まずは賃貸需要の高い人気エリアで、駅から近い、近隣に商業施設など便利施設があるなど立地条件のよい物件を選びましょう。


ここで物件選びを間違ってしまうと賃貸経営だけでなく売却でも苦労することも十分考えられるため、収益物件選びは慎重におこないましょう。


出口戦略について詳しくはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?

出口戦略や損切りルールを決めておく

前述したように収益物件を損切りするタイミングを図るのは非常にむずかしいです。不動産投資は長期にわたっておこなう投資です。そのためどれだけ収益を得るかだけでなく、いかに損失を出さないかについても意識することが大切です。


とくに赤字の場合は「損失を取り戻したい」という気持ちから、損切り(売却)することを躊躇してしまい、気づいたときには手遅れになってしまっていたというケースも少なくありません。


こういった事態を避けるためには、不動産投資をはじめる前に損切りのルールを決めておくとよいでしょう。たとえば「毎月の赤字が〇万円を超えたら売却する」「不動産価格が購入時よりも△△万円以上下落したら売却する」「□年連続で価格が下落したら売却する」など具体的なルールを決めておくのです。


このようにあらかじめルールを作っておくことで判断しやすくなり、つづくアクションも起こしやすくなるため、物件の差し押さえなど大きな失敗を避けることにつながるでしょう。


出口戦略について詳しくはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?


物件を保有しつづける場合のメリットとデメリットを比較する

出口戦略は、売却するだけでなく、物件を保有しつづけるという選択もできます。賃貸経営を継続することで、安定した家賃収入が期待できます。

ただし保有しつづけるためには、建物のメンテナンスや大規模修繕は欠かせません。


また建物は経年とともに老朽化するため、そのとき所有する物件をどうするか検討する必要があります。具体的には以下のような選択が考えられます。


出口戦略について詳しくはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?


区分マンションの出口戦略

区分マンションの建物は、区分マンションのオーナー個人で取り壊しや建替えることはできません。そのため、区分オーナーとしての出口戦略をおこないます。


1:そのまま売却する

2:そのまま賃貸経営を継続する

3:マイホームにする(ローン完済後)


3については、ローン支払い中の収益物件はあくまで賃貸物件であるため、自宅として使用することはできません。ただしローン開催後はオーナーが好きなように使えるため、自宅として住むことが可能になります。


一棟アパートや一棟マンション、戸建ての出口戦略

一棟物件や戸建ての場合、オーナーが建物と土地の両方を所有しているケースが多く、そのため区分マンションに比べて出口戦略も多岐にわたります。


1:そのまま売却する

2:そのまま賃貸経営を継続する

3:建物を取り壊して更地にして売却する

4:建物を建て替えて賃貸経営を継続する

5:建物を取り壊して更地にして、別の用途で使用する


入居率が悪い築古物件の場合は「建物の取り壊し」が出口の選択肢になりますが、その場合は解体費用が別途かかります。また4については建築費用が発生するため資金繰りなどを考える必要があります。


また不動産を所有しつづけることになるので、相続を予定してるのであれば相続税対策につながるメリットもあります。


まとめ

損切りとは、赤字の出ている投資用不動産の損失の拡大を未然に防ぐために売却することをいいます。また収益物件を損切りすることで投資枠が空くため、新たな物件を購入し、資産の拡大を狙うことも可能です。


不動産投資で損失が出ている場合、損を取り戻そう損切りを検討するべきタイミングを逃したり、損切りすることでさらなる損失につながったり、収益を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。


そのため不動産投資をはじめる際は、あらかじめ損切りや出口戦略のルールを決めておくことで不動産投資の失敗を最小限におさえ、新たな資産拡大のチャンスを生み出すことにつながるでしょう。


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