【初心者向け】不動産投資で銀行開拓の手順や必要書類を解説!
不動産投資をおこなう際、収益物件の購入は金融機関の不動産投資ローンを利用するのが一般的です。しかし、不動産投資初心者の多くは、「融資してくれる金融機関に心当たりがない」のが普通です。
物件を購入する不動産会社に金融機関を紹介してもらう場合は問題ありませんが、そうでない場合は自分自身で「銀行開拓」をおこない、融資してくれる金融機関を見つけなければなりません。
そこで今回は、不動産投資初心者さんに向けて、銀行開拓をする手順や必要な種類について解説します。各金融機関の特徴もあわせて紹介するので、銀行開拓の参考にしてください。
不動産投資では銀行開拓は必須!
不動産投資をおこなうためには収益物件を所有する必要がありますが、高額な投資用物件を個人だけの資金で購入するのは非常に困難です。それが、ほとんどの人が金融機関からお金を借入れて不動産投資をおこなう最大の理由と言えるでしょう。
物件によっては金融機関の融資を受けずに購入できるケースもありますが、自己資金のみで不動産投資をおこなった場合はレバレッジが効かないため、融資を受けた場合に比べて資産形成のスピードが遅くなってしまいます。
そのため、できるだけ早く資産形成をしたい人や、事業規模の拡大を計画している人にとって銀行開拓は必須です。
このように不動産投資には欠かせない金融機関の融資ですが、金融機関はだれにでもお金を貸してくれるわけではありません。
2018年~2019年にかけて発覚した金融機関による不正融資問題の影響から、現在も融資が厳しくなっていることもあり、不動産投資の実績のない人は簡単に融資が受けられない状況です。
融資を受けるコツについて詳しくはこちら!>>不動産投資の融資が厳しい理由を紹介!融資を引くポイントも解説
しかし、融資をしてくれる金融機関は皆無ではありません。金融機関の数は多く、それぞれ融資のスタンスや審査内容も異なるため、融資をしてくれる銀行はかならず見つかります。そういった金融機関を探すために銀行開拓は必須なのです。
金融機関の種類や特徴を紹介
金融機関にはさまざまな種類があり、営業エリアが限定されていたり、融資審査の厳しさが異なったり、金融機関ごとに特徴があります。ここでは各金融機関の特徴を紹介します。
金融機関ごとの特徴を理解しておき、銀行開拓をおこなう際に役立てましょう。
金融機関別の金利情報はこちら!>>金融機関別不動産投資ローンの最新金利相場!金利をおさえる方法は?
メガバンク
- 日本全国に支店を多く展開し、広域で融資を受けられる(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行など)
- 個人への融資審査は非常にきびしく、年収1,000万円以上は必要
- 低金利(1%台~)で融資を受けられる
地方銀行
- 地方都市とその周辺を営業エリアとしている銀行(千葉銀行、横浜銀行、静岡銀行など)
- メガバンクほどではないが個人への融資審査は厳しく、年収700万円程度が目安
- 低金利(1.5%~)で融資を受けられる
信用金庫・信用組合
- 営業エリアが金融庁によって定められており、地方銀行よりも営業区域狭い
- 非営利法人なので個人でも融資相談はしやすい傾向にある
- 金利(2%~)は地方銀行とほぼ同じだが、融資審査は地方銀行よりゆるめ
日本政策金融公庫(日本公庫)
- 国民生活の向上を目的にしている政府系の金融機関
- 民間の金融機関では融資できない小規模事業、若者・女性・シニア層へ積極的な融資姿勢
- 低金利(1%台~)で融資を受けられるが、事業計画書の提出が必須
日本政策金融公庫について詳しくはこちら!>>日本政策金融公庫で不動産投資の融資を受ける方法
ノンバンク
- 消費者金融や信販会社の金融機関で預金業務はおこなわず貸付業務のみをおこなう(オリックス銀行、クレディセゾングループなど)
- ノンバンク独自の審査基準をクリアできれば低年収でも融資が可能
- 金利が高い(3%~)
不動産投資ローンの「アパートローン」と「プロパーローン」の違い
不動産投資ローンには「アパートローン」と「プロパーローン」という2種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここではそれぞれのローンの特徴を紹介します。
アパートローン
アパートローンは金利や審査基準がある程度決まっているパッケージ型の金融商品で、保証会社を介して融資をするケースが一般的です。
賃貸用不動産を対象とし、建築や購入のほか、増改築や修繕などでも利用が可能です。
都市銀行をはじめ、地方銀行や信用金庫など多くの金融機関が扱っており、金利や融資期間などの融資条件は金融機関によって異なります。
なお、アパートローンは事業資金の融資であるため、住宅ローンと比較すると金利が高く、融資審査もきびしくなっています。
またアパートローンには「提携ローン」と「非提携ローン」の2種類があります。
提携ローンは不動産会社と提携する金融機関が提供するローンです。提携先の不動産会社から物件を購入することを前提に、融資の審査が通りやすくなったり、金利を下げる交渉をしてくれたりといったメリットがあります。
非提携ローンは、自身で金融機関から受けるローンです。だれでも利用できますが、金融機関選びや手続きや交渉は自分自身でおこなうことになります。
窓口が不動産会社ではないため、収益物件の購入や建設を依頼する会社を自由に選べるのがメリットです。
プロパーローン
金融機関が独自に調達した資金を、保証会社を介さずに金融機関のリスク負担で貸し出すローンのことをいいます。
金利や審査基準に明確な決まりがない、オーダーメイド型ローンとして、ほとんどの金融機関で利用が可能です。
ただしプロパーローンは金融機関が貸し倒れリスクを背負うことになるため、審査はかなり厳しくなるのが特徴です
不動産投資で銀行開拓の手順を解説
ここでは不動産投資で融資してくれる銀行開拓をする手順を解説します。
手順1:金融機関の特徴やローンの種類などの情報を収集する
銀行開拓をする前に、まずは各金融機関の特徴やローンの種類について確認しておきましょう。
前述したように、金融機関によって営業エリアや取り扱っているローンは異なります。また年収によって融資を利用できる金融機関がある程度決まります。それぞれの違いを確認しておきましょう。
手順2:投資するエリアを決めて金融機関をリストアップする
物件を購入したいエリアが決まったら、そのエリアを営業区域にしている金融機関をリストアップします。
前述したように、地方銀行や信用金庫・信用組合は営業区域が限定されています。営業区域外の物件は、融資の相談をしてもエリア対象外として断られてしまうため、かならず金融機関の営業エリアを確認しておきましょう。
STEP3:金融機関に提出する資料を準備する
購入したい物件と利用したい金融機関が決まったら相談に行く前に提出する資料を準備しておきましょう。
金融機関の担当者は、貸したお金を回収できるかどうかを一番に考えています。「この人に融資をしても大丈夫なのか?」「ローンの完済が可能なのか?」といった不安要素を取り除くためにも、自身の資産的背景や社会的背景をまとめた資料が必要です。
はじめて取引する金融機関に資料を持たずに融資相談をしても、個人属性や返済能力も有無を判断できないため、かならず資料を持参しましょう。
準備する資料の例
金融機関によって求められる書類は異なります。ここでは、融資相談する際に金融機関から求められる一般的な書類の種類を紹介します。
- 個人情報がわかる書類:氏名、年齢、職歴、年収、勤続年数、保有資格、家族構成、趣味など
- 所得がわかる証明書:源泉徴収票(3年分)、確定申告書(3期分)
- 資産や借入れ状況がわかる書類:金融資産、預貯金、借入返済計画表、金消契約書(*借入れがある場合)
- 所有する賃貸目的の不動産:登記簿謄本、固定資産税評価額、賃貸借契約書、家賃送金明細など (*所有している場合)
- 事業がわかる書類:決算書(3期分 *不動産投資が本業の場合)
- 投資対象の物件情報:物件の概要、レントロールなど(*決まっている場合)
金融機関によっては、融資申込書が別途必要になる場合もあります。事前に金融機関に確認しておきましょう。また準備する資料は、つねに最新の情報にしておきましょう。
STEP4:金融機関へ相談する
手順3で用意した資料を持参して、金融機関へ相談しましょう。支店の窓口へ直接訪問することもできますが、担当者が不在だったり、相談に時間を割いてもらえなかったりする可能性もなります。確実に相談をしたいのであれば、あらかじめ電話やメールでアポイントを取ってから訪問しましょう
もし、知り合いなどの紹介があれば、有利に融資相談がおこなえます。訪問する前に紹介してくれる人がいないか確認してみましょう。
持参した資料を基に自己アピールをおこないましょう。資産状況から返済能力の高さや、不動産投資にかける熱意を見せるとよいでしょう。用意する資料が多ければ多いほど、こまかければこまかいほど自己開示となるため、相手からの信頼へと繋がります。
また融資相談時は不動産投資ではなく、「不動産賃貸業」と言いましょう。
加えて相手に好印象を持ってもらえるよう身だしなみや服装にも気を使い、丁寧な口調を心がけましょう。
融資を断られてもほかの金融機関にアタックする
もし融資を断られたとしても、あきらめず、どんどんほかの金融機関に融資相談をおこないましょう。
前述したように、融資審査の基準は金融機関によって異なりますが、実は同じ銀行でも支店や窓口の担当者によって、融資の可否が左右されることがあります。
ほかの金融機関に行ってみたら問題なく審査に通ったという例もあるので、あきらめずに違う金融機関に相談してみましょう。
融資を受けるコツについて詳しくはこちら!>>不動産投資の融資が厳しい理由を紹介!融資を引くポイントも解説
まとめ
不動産投資では金融機関の融資を受けるのが一般的といえ、取引実績のない人に簡単にお金を貸してはくれません。そのため、購入する物件のエリアにある金融機関を対象に「銀行開拓」をして、借入先を探すことが大切です。
しっかり自己アピールできる資料を持参し、融資相談に臨みましょう。取引実績がないため断られることも多いかもしれません。しかし、金融機関はたくさんあるので可能性はゼロではありません。決してあきらめずにチャレンジすることが大事です。