不動産投資のゴールとは?目標達成のための準備方法を解説
不動産投資におけるゴールとは、自身が決めた目標達成を意味します。
目標はなんでもかまいません。老後資金のためでも、節税目的でも、専業大家が目標という人もなかにはいるでしょう。
目標によっては、選ぶ物件の種類ややり方も変わってくるはずですが、それぞれのゴールを目指すうえで最適な方法を選ぶことが重要です。
今回は、不動産投資でゴールを目指すうえで欠かせない準備段階から賃貸経営のスタートまでを8つのステップで解説します。
不動産投資のゴールは目標を達成すること
不動産投資におけるゴールとは、自身が不動産投資をはじめるにあたって定めた目標を達成した時点を指します。
ゴール(目標)が明確でないと、なんとなく不動産を購入した結果、本当に現金が必要になったときに足りなくなってしまったり、売り時を間違えて売却損になってしまったり、後悔につながる可能性があるのです。
そうならないためには、「不動産投資をはじめる理由」と「不動産投資で得たい成果(目標)」を定めることで、ゴール目指して前へ進むことにつながるのです。
不動産投資でゴールまでの8つのステップ
ここでは不動産投資の準備段階に必要な手順を紹介します。
STEP1:ゴールとなる目標を明確にする
まず、不動産投資のゴールとなる「目標」を決めます。できるだけ明確にすることで、より具体的な内容で目標を定めましょう。
たとえば、「老後資金が不安だから、年金代わりとして家賃を毎月〇〇円得たい」、「〇年後を目途に専業大家になりたい」、「節税目的で運用したい」などです。
どのような目標を建てるかによって、目標を達成するために選ぶ物件の種類が異なります
目標を決めずに不動産投資をはじめてしまうと、物件選びの段階で間違えてしまったり、途中で賃貸経営がうまくいかなくなったり、モチベーションがさがってしまったり、ゴールに到達するのが困難になってしまいます。ゴールを目指すためにも、しっかりと目標を定めることが重要なのです。
STEP2:資金を貯める
不動産投資をはじめるにあたって必要な資金を貯めていきましょう。
不動産投資では、金融機関の不動産投資ローンを利用して収益物件を購入するのが一般的です。その際、物件価格の1割~3割程度の自己資金(頭)支払います。
また頭金とは別に、物件購入にかかる諸費用(手数料や税金)として物件価格の5%~10%程度が必要になります。不動産投資に必要な諸費用の種類と目安は以下のようになります。
- 不動産取得税:固定資産税評価額×3%(令和6年3月31日まで。土地のみ)
- 印紙税:物件価格によって異なる(1,000万円超5,000万円以下の場合1万円~)
- 登録免許税:土地・建物の1.5%
- 司法書士への報酬:10万円~15万円程度
- 融資事務手数料:借入金額の1~3%程度
- 融資保証料:借入額の2%程度(一括で支払う場合)
- 火災・地震のための損害保険料:建物の構造や面積によって異なる
- 仲介手数料:物件価格の3%+6万円+消費税
自己資金について詳しくはこちら!>>不動産投資の自己資金の目安は?自己資金をおさえるポイントを解説
初期費用について詳しくはこちら!>>不動産投資の初期費用の種類と目安額!できるだけ安くする方法は?
運用時には維持費用(ローン返済金や修繕費などの各種費用)が発生します。不動産投資の維持費用は基本的に家賃収入で支払います。しかし突発的な修繕費の発生などで、キャッシュフローが一時的に赤字になることもめずらしくありません。
そういった事態に備えて、赤字分を補填できる程度の資金を手元に残しておくとよいでしょう。
金融機関の融資限度額は年収の10倍が目安
不動産投資をする上で、金融機関からいくら借りられるのかということは非常に重要です。
なぜなら融資限度額によって、購入できる物件の価格が決まるためです。
一般的なサラリーマンの借入れ限度額は、年収の10倍程度が目安と言われています。ただし、融資申込者の個人属性や投資の対象となる不動産の収益性や資産価値によって増減します。
なお、借入れ限度額は金融機関によって異なります。融資を断られても別の銀行では融資してもらえる可能性もあるため、あきらめずに融資の申し込みをおこないましょう。
STEP3:不動産投資の知識や情報を集める
不動産投資用の資金を貯めると同時にはじめたいのが不動産投資の勉強と情報収集です。
物件の種類と特徴、利回りの役割、リスク対策方法など、最低限の不動産投資の基礎知識を身につけておくだけで物件選びに大いに役立ちます。
また不動産投資市場の動向にも注目しましょう。たとえば、大学のキャンパス移転や再開発など、地価や客付けに影響のある情報は非常に貴重です。そういった情報を知らずに物件を購入してしまうと、思わぬ損失につながる可能性もあるため注意が必要です。
不動産投資の勉強と並行して情報を集め、物件選びに備えましょう。
STEP4:収益物件を選ぶ
定めた目標を達成するための収益物件を選びます。
不動産投資の成功の可否は、収益物件に大きく左右されます。なかでも立地は非常に重要です。立地がよければ退去者が出てもすぐに次の入居者が付くため、安定した家賃収入を得ることができます。
また最終的に売却益を狙う場合も、立地がよい物件は高値で売れる可能性が高く、売却益が期待できるでしょう。
しかし立地は物件購入後に変えることができませんし、物件の買い替えも容易ではありません。「失敗した……」と後悔する前に好立地の物件を選ぶことが重要です。
好立地の条件は、入居ターゲット層や都心部か地方かによって異なるため一概に決めつけることはできませんが、共通するのは「賃貸需要の見込める立地」であることが条件です。条件はおもに以下のようになります。
交通のアクセスがよい(駅から近い、複数路線利用できるなど)
利便性がよい(買いも施設や飲食店が多い、銀行・郵便局・病院などが近隣にあるなど)
近隣に大規模工場や大学などがある
周辺環境がよい(風俗街や周辺に悪臭や騒音を出す嫌悪施設がないなど)
エリアの人口が増えている
都市開発や再開発の計画がある
周辺に大きな工場や学校などがあると安定した賃貸需要が見込めますが、施設が移転してしまうと賃貸需要が激減してしまいます。賃貸需要を単独の施設に依存しないよう注意が必要です。
また物件の建物についても重要です。立地がよくても、外観はもちろん、設備や内装が古びていては入居希望者に選ばれません。建物については下記の点をチェックしましょう。
- 人気設備や最新設備が充実している物件
- 建物の質がよい物件
- 管理や修繕状況がよい物件
中古物件を購入する場合は、これまでの修繕履歴をかならずチェックしましょう。修繕を怠っている物件は、一見ではわからない故障や劣化がみられることもあるため注意が必要です。
物件を選ぶ際は、かならず現地に足を運び、物件そのものをしっかりとチェックしましょう。同時に周辺環境に問題がないかについて確認します。
また毎月の家賃収入や支出などから収支シミュレーションをおこないましょう。その際は空室率が上がった場合や家賃の下落などを想定したシミュレーションをおこない、自分の立てた目標に合致する物件かどうかを吟味します。
収益物件について詳しくはこちら!>>収益物件とは?種類別メリットとデメリットを解説!優良物件の選び方
STEP5:金融機関を選び融資の事前審査を申し込む
購入する物件が決まったら、購入申し込みと同時に、あらかじめ目星をつけておいた金融機関に必要書類を準備したうえで不動産投資ローンの事前審査を申し込みましょう。
融資申し込み時に必要となる書類は申込書のほかに、本人確認書類や健康保険証、源泉徴収票などのコピーが必要になります。
金融機関の開拓方法について詳しくはこちら!>>不動産投資のゴールとは?目標達成のための準備方法を解説
金融機関ごとの難易度についてはこちら!>>不動産投資ローンを扱う銀行の金利相場や審査難易度の目安を比較
STEP6:売買契約を締結する・融資の本審査を申し込む
事前審査に通過したら、宅地建物取引士から重要事項説明を受けたのちに売買契約を締結します。その後、融資の本審査に申し込みます。
なお、このときの契約には「融資特約」を付けましょう。融資特約とは、金融機関で融資が承認されなかった場合、買主が契約を白紙に戻すことができる契約です。
事前審査に通過してもまれに本審査で落ちてしまうことがあるため、念のために契約内容に組み込んでもらいましょう。
STEP7:決済・引き渡し、信頼できる管理会社を選ぶ
本審査に通過したら融資が実行され、決済がおこなわれます。その後、カギの引き渡しがおこなわれ、取り引きの終了となります。
物件の管理を管理会社に委託する場合はこのタイミングで管理会社を決めましょう。
賃貸管理や物件の管理はオーナー自身でもおこなえますが、不動産投資初心者や本業を持っている人は、管理会社に業務委託することをおすすめします。
管理会社を選ぶ際は、入居付けに強いかどうか、共用部の清掃はきちんとおこなえるか、入居者のクレーム対応は迅速かなど、管理会社の実績などを細かくチェックしたうえで決めましょう。
STEP8:賃貸経営を開始する
いよいよ賃貸経営を開始します。管理会社と連携を取りながら、不動産投資の各種リスクに対応しながら、目標を達成するまで健全な不動産投資をおこないましょう。
管理会社の選び方について詳しくはこちら!>>不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説
損をしない出口戦略
不動産投資の最終的な収支が確定するのは売却後だと言われています。売却したことで、大きな売却益が出た場合、これまでの賃貸経営分の赤字を補えたのであれば、最終的に「黒字収支」=「この不動産投資は成功した」と結論付けられます。
逆に売却したことで、これまでの家賃収入の黒字分を売却損が上回った場合は「赤字収支」となり、不動産投資は失敗したとみなされることになるのです。
そのため収益物件を売却する際は、いつ、いくらで売却するのかが非常に重要になります。
基本的には、土地価格が購入したときよりも上昇したときに売却するのが望ましいです。
しかし不動産の価格は新築時の価値が一番高く、その後は築年数とともにその価値は下落していくのが一般的です。
そのため不動産価格が購入時より上昇するタイミングを見極めるのは非常にむずかしく、土地価格が購入時よりも宇和舞った場合は、見逃すことのできない売却チャンスと言えます。
また立地がよい物件の場合、築古物件であっても一定の入居者が見込めるのであれば、築古物件のまま賃貸経営を継続したのちに建物ごと、または更地にして売却しても黒字となる可能性が高いです。
ただし不動産の売却には、印紙税や登録免許税、譲渡所得税(売却益の場合に発生)、仲介手数料(不動産会社に仲介してもらった場合に発生)などの費用や税金が発生します。これらの支出を忘れていると、売却益が売却損になってしまうこともあるため注意が必要です。
物件の出口戦略についてはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?
まとめ
不動産投資のゴールとは目標達成を指します。目標を決めることで、どのような物件を選ぶべきなのかが明確になったり、準備段階で周到な用意ができたりするのです。
特に不動産投資の勉強は、物件選びだけでなく、これから先の賃貸経営に大いに役立つはずです。
不動産投資のゴールを目指すためにも、しっかりと準備を整えたうえで、不動産投資をはじめましょう。