無職でも不動産投資は可能!利用可能なローンや金融機関を紹介
無職でも不動産投資はおこなうことは可能です。
ただし融資の可否という面において可能性はありますが、有職者に比べると不利であることは否めません。
では、無職の人が不動産投資をはじめるにはどのような方法があるのでしょうか?
今回は、無職で不動産投資をはじめる際に利用できる金融機関やローンの種類、融資を受けるコツや注意点を解説します。
融資を諦める前に、ぜひ読んでみてください。
無職で不動産投資をおこなうことは可能!
無職であっても、資金さえ確保できたら不動産投資をおこなうことは十分可能です。しかし、有職者と比較すると、無職の人が金融機関から融資を受けるのはむずかしいと言えるでしょう。
ここでは、無職の人が不動産投資をおこなうにあたって、金融機関から融資を受けるための条件を解説します。
融資審査はきびしいが通過できる可能性はある
金融機関が融資の可否を決める最大のポイントは、「貸したお金をしっかり返済してもらえるのか」の1点にかかっています。
そのため融資を受けるためには、「借りたお金をきちんと返済できる能力がある」ことを証明する材料を提示する必要があるのです。
また融資の目的が「不動産投資」である場合、マイホーム購入目的の「住宅ローン」に比べると、融資をしてもらえる可能性は高いと言えます。
住宅ローンの返済原資はローン契約者の毎月の給与などの収入です。そのため、収入のない無職の人が住宅ローンを利用するのは非常にむずかしいです。
しかし投資用不動産の購入を目的とした融資については、ローン契約者の個人属性(給与や勤務先など)に加えて、物件への投資が成功するかどうかが審査されます。
ようするに不動産投資目的の融資の場合、無職であっても「不動産投資による収益が十分見込める=しっかりと返済してもらえる見込みがある」と金融機関が判断すれば、融資を受けることができるのです。
そのため、無職の人が不動産投資をおこなうためには、収益物件として担保価値のある物件を見つけることが最重要ポイントになります。
収益物件として資産価値も重要です。賃貸需要が高いエリアの駅近物件などできるだけ資産価値が落ちない、かつ利回りが高い物件を探しましょう。
ただし、個人属性に重きをおく金融機関も多く、何度も審査に落ちることも大いに考えられます。融資を受けられるまでの道のりはきびしいかもしれませんが、無職であっても融資を受けられる可能性は0ではないことを覚えておきましょう。
無職でも収入があれば融資を受けられる可能性が高くなる
「無職」といっても、ローン契約者を取り巻く環境や状況によっては融資審査に不利にならない場合もあります。
とくに無職であっても、なんらかの手段で収入を確保できている場合は融資を受けられる可能性が高いです。
たとえば、アフィリエイターやユーチューバーなどの広告収入やハンドメイド作家など作品の売上収入などが該当します。
なんらかの収入がある場合は、融資を申し込む際に「収入源がある」ことをしっかりアピールしましょう。
なお、不動産投資で収入を得ている場合、厳密には無職ではなく、「不動産貸付業」や「貸家業」と呼ばれる職業になります。
無職ではじめる不動産投資で利用できるローンの種類や金融機関
いくら投資用不動産を担保にするといっても、やはり無職で融資を受けるのはきびしいといえるでしょう。
ここでは、無職の人でも融資を受けやすい金融機関やローンの種類を紹介します。
ノンバンク系の金融機関を利用する
不動産担保ローンは、提供する金融機関によって金利や借入限度額などの条件が異なります。また、ローン契約者の個人属性や担保物件の資産価値や担保価値によっても金利や借入限度額は変わってくるのです。
属性面に関していえば、高収入で安定した職業に就いてる人は融資審査に通過しやすく、低い金利や希望額の満額が融資してもらえるなど、好条件で融資を受けられます。
つまり、安定した収入のない無職の人にお金を貸すのは、金融機関にとって非常にリスクが高い案件なのです。そのため大手金融機関、いわゆる銀行系の金融機関は審査が厳しく、不動産を担保にした不動産投資ローンであっても無職の審査通過はむずかしいといえます。
そこでおすすめなのが、ノンバンク系の金融機関です。ノンバンクは銀行よりも審査が緩く、無職でも不動産担保ローンを提供しているため、融資を受けられる可能性が高いです。
ただし、ノンバンクの金利は銀行系よりも高いため、高額の借入れには注意しましょう。
ノンバンクとは?
「ノンバンク」とは、銀行以外の金融機関を指し、おもに信販会社や消費者金融が該当します。銀行との大きな違いは、ノンバンクはお金を預かる業務をおこなわず、お金を貸す業務に特化している点があげられます。
ノンバンクは銀行とは別の基準の融資審査をおこなっているため、銀行の融資審査に落ちた場合でもノンバンクの審査に通過できる可能性は高いです。
また融資審査のスピードが速く、最短では即日に審査結果がわかるノンバンクもあります。通常の銀行の融資審査は2週間~1ヶ月程度かかるのが一般的なので、急いで融資を受けたい人にもノンバンクはおすすめです。
ただし銀行に比べると金利が高く、融資限度額が少ないなどのデメリットもあるため注意しましょう。
日本政策金融公庫の事業者ローンを利用する
無職でもある程度の資産がある場合は、日本政策金融公庫(日本公庫)の「事業者ローン」を利用できる可能性があります。
日本公庫は日本政府が100%出資した金融機関です。民間金融機関から融資を受けにくい中小企業・個人事業者をはじめ、若者や女性・高齢者へ積極的な支援をおこなっています。
ただし、日本公庫の融資対象は「事業」であることが条件です。そのため「不動産投資」を目的とした融資申し込みは受け付けてもらえません。かならず「不動産賃貸事業」の融資を希望している旨を伝えましょう。
参考:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫について詳しくはこちら!>>日本政策金融公庫で不動産投資の融資を受ける方法
賃貸併用住宅ローンを利用する
ある程度の資産がある場合は、賃貸併用住宅ローンを申し込む方法もあります。
賃貸併用住宅とは、自宅と賃貸住宅の両方を持つ建物です。たとえば建物の1階を賃貸して、2階部分を自宅とするケースなどが考えられます。
賃貸併用住宅として認められるためには、1棟の過半数の面積を自宅住居として利用する必要があり、残りの部分で賃貸経営をおこないます。
賃貸併用住宅ローンは不動産担保ローンよりも金利が低く、返済期間が長いなどのメリットがありますが、無職でもある程度の収入や資産があることが審査通過の条件になります。
また自宅部分の分だけ賃貸するスペースが狭くなるため建物全部を賃貸した場合に比べて収入は少なくなるのがデメリットです。
やはり有職者よりも融資審査は厳しいですが融資を受けることができれば、無職の人でもマイホームを持て、同時に賃貸経営が可能になるので、一度金融機関に相談してみるとよいでしょう。
無職で不動産投資をおこなう際の融資審査を受けるコツ
無職で融資を受けられる可能性はゼロではありませんが、やはりきびしいです。ここでは少しでも融資を受けられる確率を上げるためのコツを紹介します。
なんらかの収入がある場合は申告する
無職であっても、まったくの無収入の人と、少しでも収入のある人では、融資を受けられる確率が変わります。
少ない収入であっても、返済に補填できる収入があることは融資の可否にかかわる重要なポイントです。金融機関に融資相談するときには、無職であっても収入があることをしっかりと伝えましょう。
一時的に無職の場合はその旨を申告する
無職であっても、それが一時的なものなのか、そうでないかによっても、融資の可否に影響を与えます。たとえば、起業の準備中の場合や転職活動中であれば、その旨をしっかりと伝えましょう。
現在は無職でも、すぐに安定した収入を得られる目途がある場合は大きなアピールポイントになります。
無職で不動産投資をおこなう際の融資審査の注意点
ここでは、無職のひとがローンを利用する際に気をつけておきたいポイントを解説します。
希望した金額に融資が受けられない場合もある
無職の人が融資を受ける場合、借入金の額が少なく設定される可能性があります。
金融機関によって融資審査の内容は異なりますが、最終的に貸したお金をしっかり回収できるかどうかが融資の可否の最重要ポイントです。
金融機関にとって、無職の人への融資は貸し倒れリスクが高い案件です。
万一、ローン契約者が返済不能に陥った場合、金融機関は担保の不動産を売却し、そのお金で融資したお金を回収します。
しかし、担保の不動産価格が下落した場合、その不動産を売却しても融資した資金全額を回収できない可能性があります。その場合、ローン契約者(債務者)の給与など資産を差し押さえて回収しますが、全額回収しきれないときは金融機関が損失を負ってしまうのです。
とくに無職の人が債務者の場合が資金を回収できない貸し倒れのリスクが高いため、できるだけリスクを下げるために融資額が少なくなる可能性があるのです。
返済が滞ると物件を差し押さえられるおそれがある
万が一、ローンの返済ができなくなると最終的には担保の不動産を失うおそれがあるため注意しましょう。
具体的には、滞納がつづくと物件が差し押さえられ、競売にかけて売却益でローンを返すことになります。
空室などで家賃収入が減った場合や、設備の突発的な故障などで修繕費が発生したなど、一時的な理由でローンの返済ができないときは、給与や貯蓄からお金を出してローン返済をおこなうのが一般的です。
しかし定期収入がない無職の人の場合、不足額の補填がむずかしいケースも考えられます。万一にもローン返済が不能に陥ることがないように資金計画を立てることをおすすめします。
金融機関によって不動産の査定基準が異なる
不動産投資ローンの融資審査では、金融機関が融資対象物件を査定して担保価値を算出しますが、査定の基準は金融機関によって異なります。そのため同じ不動産であっても査定額が同じとはかぎりません。
融資額は最終的な査定額を基準によって決まるため、提示される融資額も金融機関によって差があることを覚えておきましょう。
金融機関によっては審査に時間がかかる場合がある
融資審査にかかる時間は金融機関によって異なります。審査を最短で即日に終わらせるノンバンクもありますが、通常の融資審査は2週間~1ヶ月程度かかるのが一般的です。
できるだけ早く融資を受けたい場合は、ノンバンク系の金融機関のローンを利用しましょう。
手数料や税金などの諸費用がかかる
不動産投資ローンの融資額は、あくまで物件価格のみとなります。不動産の購入には物件も購入費用とは別に、以下のようなさまざまな手数料や税金などの諸費用が必要です。
【おもな諸費用の種類と目安】
- 印紙税:物件価格によって異なる(1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円)
- 頭金:物件価格の10%~30%程度
- 手付金:物件価格の5~10%程度
- 登録免許税:土地・建物の1.5%
- 司法書士への報酬:10万円~15万円程度
- 清算金(固定資産税など):物件引き渡しのタイミングなどによって異なる
- 融資事務手数料:借入金額の1~3%程度
- 融資保証料:借入額の2%程度(一括で支払う場合)
- 火災・地震のための損害保険料:建物の構造や面積によって異なる
- 不動産取得税:固定資産税評価額×3%(令和6年3月31日まで。土地および住宅)*購入してから約4ヶ月後に送付される納付書で納税する
上記のうち不動産取得税を除いた諸費用は、売買契約時または決済・引き渡し時に支払う必要があります。
また、不動産仲介会社を通して物件を購入した場合は「仲介手数料」が発生します。
なお、これら諸費用は基本的に融資ではまかなえません。頭金不要の「フルローン」、頭金不要で諸費用も含めて融資を受けられる「オーバーローン」という選択肢もありますが、融資審査が非常に厳しく、また借入額が大きくなるためおすすめできません。
これら諸費用を失念していると融資を受けられなくなるため、あらかじめ諸費用に必要な額を計算して用意しておきましょう。
不動産投資の初期費用について詳しくはこちら!>>不動産投資の初期費用の種類と目安額!できるだけ安くする方法は?
まとめ
無職人でも融資を受けて不動産投資をはじめることは可能です。その場合は、ノンバンク系金融機関の不動産担保ローンをおすすめします。
ノンバンクの融資審査は一般的な銀行よりも緩いため、銀行で融資を断られても、ノンバンクなら審査を通過できる可能性が高いです。
また無職であっても、資産を持っている場合や少しでも収入がある場合は、融資を受けられる可能性が高まります。
「無職だから」とあきらめずに、できるだけ担保価値の高い不動産を見つけて、不動産投資をおこないましょう。