不動産投資で信頼できる仲介業者選びのポイント6つ!NGポイントも
不動産投資物件を購入するにあたって、信頼できる不動産仲介業者に物件探しを依頼することは非常に重要です。しかし仲介業者の数は非常に多く、選びきれないという声も聞こえてきます。
そこで今回は、信頼できる不動産仲介業者の探し方と選び方、仲介業者の役割やメリット・デメリットについて解説します。不動産投資にプラスになる、信頼できる仲介業者を選びましょう。
不動産投資における仲介業者とは?
不動産仲介業者は、不動産の売買(賃貸)する際に売主と買主(貸主と借主)のあいだを取り持って不動産の売買契約(賃貸契約)の成立に向けて業務をおこないます。
不動産の取引は、不動産の売買経験のなかった人が関わることも多くあるため、売主・買主互いの希望や事情を考慮し、両者が納得できる取引をおこなう必要があります。しかし、不動産取引に詳しくない個人同士で取引をする場合、不動産の知識不足ゆえに売買金額や契約内容の認識の違いなどからトラブルが発生することも考えられます。
しかし不動産取引に不動産仲介業者をたてることで、契約関連のトラブルを回避できます。
実は不動産仲介業は「宅地建物取引業」の免許が必須です。宅地建物取引業の免許を受ける要件のひとつに、事務所1カ所につき、「業務に従事するもの」のうち、5人のうち1人が宅地建物取引士でなければなりません。
また不動産の契約には欠かせない「重要事項説明書」の説明、記名押印、契約書への記名押印はかならず宅地建物取引士がおこなうことが法律で定められています。
このように、不動産のプロである仲介会社が売主・買主のあいだに入ることでトラブルを未然に防止でき、スムーズな取引がおこなえるのです。
仲介業者の業務内容
不動産投資における仲介業者のおもな役割は、売買契約(賃貸借契約)の成立に向けての仲介業務です。
売主(不動産を売りたい人)と買主(不動産を買いたい人)の紹介や交渉をおこなうだけでなく契約成立までの書類の作成、日常的な業務など多岐にわたります。
- 物件査定:依頼主の物件について、査定価格を提示します
- 広告掲載:自社ホームページや不動産ポータルサイトなどに広告を掲載して物件を広く周知させます。掲載用として物件の撮影などもおこないます
- 条件交渉:売主・買主の希望を聞き、価格交渉や手続きなどについて調整します
- 売買契約:重要事項の説明、売買契約書の内容説明をおこない売買契約を締結させます
- 決済、不動産引渡し:決済や登記、物件の引渡しに立ち会います
上記以外にも、チラシの作成やポスティング、アポ取りや追客(メール、電話など)、見込み客のフォローなどの日常業務もおこないます。
仲介業者に依頼することで得られるメリット
不動産取引をおこなう際に不動産仲介会社に依頼する一番のメリットは、やはり不動産に関する知識が豊富なことがあげられます。
前述したように不動産の知識が少ない人だけで売買取引をおこなった場合、トラブルが発生するケースもありますが、仲介業者をはさむことでトラブルを未然に防ぎ、契約がスムーズにおこなえます。
不動産取引は、非常に大きな金額が動きます。こじれてしまうと不動産取引がそこでストップしてしまうため、売主・買主ともにマイナスでしかありません。
お金に関する事案は、専門的知識を持った第三者の仲介が必須といえます。その際もどちらかが有利になるようにはたらくことなく、両者の意見を聞いたうえで双方にとってベストな契約を探してくれます。
このように不動産仲介業者をあいだにはさむことで、売主・買主双方にとってプラスの要因になるのです。
仲介業者に依頼することで受けるデメリット
不動産取引で仲介業者をはさむことで生じるデメリットとしては、「仲介手数料」の発生があげられます。
仲介手数料とは、不動産業者に仲介を依頼し、契約が成立した際に仲介業者に支払われる成功報酬を指し、この仲介手数料こそが不動産仲介業者のおもな収入源となります。
なお仲介手数料は、法的には「媒介報酬」といわれ、売買金額に応じて仲介手数料は変動します。ただし仲介手数料には、宅地建物取引業法により定められた上限額があるため、上限を超えて請求することはできません。
【仲介手数料の上限額の簡易計算方法】
参考:国土交通省『宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額』
たとえば、売買価格1,000万円(税抜)の不動産の取引が成立した場合の仲介手数料を計算してみましょう。
(売却価格1,000万円×3%+6万円)×消費税1.1 = 39万6千円
この金額が、仲介業者が受け取ることのできる仲介手数料の上限です。なお、この計算は売主、買主のどちらにも該当します。
計算式からもわかるように、物件の売買金額が上がれば上がるほど、仲介手数料も高額になります。仲介手数料は経費として計上できます。仲介手数料が上がれば用意する初期費用も増えますし、なにより利益が減ってしまいます。
ただし前述したように、仲介業者をあいだに入れた場合のメリットは大きいです。小さくない額ではありますが、仲介手数料を支払ってでも円滑に不動産取引を終えることをおすすめします。
なお不動産売買で支払った仲介手数料は、経費として計上できます。確定申告時には忘れずに計上しましょう。
確定申告について詳しくはこちら!>>【サラリーマン向け】不動産投資の確定申告のやり方を詳しく解説!
経費について詳しくはこちら!>>不動産投資で経費はどこまで認められる?正しく計上して節税を!
信頼できる不動産仲介業者の選び方
不動産投資の成功の可否は、どのような不動産投資物件を選ぶかによって大きく左右されます。信頼できる不動産仲介業者であれば、優良物件を見つけてくれる可能性も高くなります。
では信頼できる仲介業者は、どのような基準で選べばよいのでしょうか。ここでは信頼できる不動産仲介業者の選び方について解説します。
業歴が長く規模が大きい業者を選ぶ
不動産仲介業者を選ぶ際は、業歴や規模を確認しましょう。不動産業界は、会社の入れ替わりがはげしく、業績が悪い場合は数年程度で会社をたたんでしまうケースも少なくありません。そのため、長く会社がつづいている=業績がよくて信頼できる会社であるとみなされます。
また会社の規模(従業員数)も判断する基準になります。従業員が多いということはそれだけの人を雇える=経営に余裕があるとみて取れます。
こういった情報は、各社のホームページで公開しているので、かならずチェックしましょう。
収益物件の取引実績が多い業者を選ぶ
不動産仲介業者を選ぶ際は、収益物件の取引実績をかならず確認しましょう。賃貸管理もおこなっている場合は管理戸数もチェックしましょう。
こういった実績は業者の信頼性を測るうえで重要な指標になります。実績が多ければ多いほど仲介や管理に関するノウハウを持っており、会社としての信頼性にもつながります。
取引実績は各社のホームページに掲載されています。トップページに「管理戸数〇〇〇件!」「取引実績△△件」と記載して実績をアピールしている場合も多いです。
顧客の目線で物件を紹介してくれる
顧客の希望する物件の情報や将来の展望をきちんと聞いてくれたうえで、条件に合致する物件をすすめてくれる業者を選びましょう。
顧客の要望を無視した不動産をすすめる業者は、単に不動産を売りたいだけの場合が多いです。
リスクやデメリットについてきちんと説明してくれる業者を選ぶ
不動産投資にはメリットがたくさんありますがデメリットもあります。
不動産投資で成功するためには、いかにデメリットの部分を最小におさえるかが非常に重要です。そのためにはデメリットを理解したうえで、適切な対策を立てる必要があります。
こういった不動産投資のデメリットは、どの不動産物件にも多かれ少なかれ存在します。それらをきちんと教えてくれたうえで有効な対策方法を示してくれる不動産仲介業者を選びましょう。
物件管理ができるかどうか確認する
不動産管理もおこなっている不動産仲介会社の場合、不動産を購入した後の賃貸管理の実績や料金形態などを確認しましょう。
賃貸物件は、その管理の質によって入居者の住み心地が大きく左右されます。入居者からのクレーム対応の早さや、清掃(一棟物件の場合)の仕上がり具合などは入居者の満足度に影響します。
入居者の満足度が高ければ高いほど、退去の可能性が低くなります。入居者の退去を防ぐことは最大の空室対策です。そのため、管理を任せても問題がないかしっかり確認しましょう。
信頼できそうな担当者がいる仲介業者を選ぶ
物件の購入から物件管理を任せたいのであれば、会社だけでなく担当者の人柄も重要です。
不動産仲介業者にはさまざまな従業員がいるため、できるだけ親身で対応してくれる担当者を選びたいものです。
担当者の見分け方は、実際の会話の様子や電話やメールのレスポンスの早さから見きわめましょう。
不動産投資で選んではいけない仲介業者の特徴
前述したように不動産投資で成功するためには、信頼できる不動産仲介業者の存在は欠かせない一方、信頼できない仲介業者も存在します。ここでは注意すべき不動産仲介業者のポイントを解説します。
業歴が短い、実績と物件数が少ない
業歴が短く、実取引実績が少ない仲介業者には注意しましょう。
また企業のウェブサイトが雑なつくりだったり、長期間更新された様子がなかったり、電話番号の記載がなかったり、そもそも検索結果に表示されない場合も注意が必要です。
「あやしい」と感じたら、国土交通省の『ネガティブ情報等検索サイト』で確認してみましょう。処分を受けた事業者名がわかります。
「自己資金なし」をアピールする
「自己資金なしで不動産投資ができる」を売り文句にしている仲介業者には注意しましょう。
不動産投資では、金融機関から融資を受けて収益物件を購入するのが一般的です。その際は物件価格の一部を自己資金(頭金)として支払いますが、自己資金なしの融資が受けられる「フルローン」を利用することも可能です。
自己資金なしで不動産投資をはじめられるのは大きなメリットですが、その一方では借入金額が大きいため、月々のローン返済が負担になるのがデメリットです。毎月の返済に余裕がない場合、家賃の減少や費用の増加でキャッシュフローが減ってしまうとローン返済ができなくなるおそれがあるため、容易にフルローンを利用するのは大変危険です。
あくまでも自己資金ゼロで不動産投資をおこなうかどうかは選択肢のひとつであり、物件を比較検討し、綿密な収支シミュレーションをおこなったうえで決定すべきです。
そういった手順を踏まずにフルローンをすすめる仲介業者は信用してはいけません。
信頼できる仲介業者は、そういった選択肢があることやメリットとデメリットも複数の提案をしてくれるはずです。
メリットばかりアピールする
前述したとおり、不動産投資にはメリットもあればデメリットもあります。それにもかかわらずメリットばかりを前面に出してアピールし、デメリットやリスクには触れずにごまかそうとする仲介業者には注意しましょう。
不動産投資で仲介業者を探す方法
不動産仲介業者を探すには、以下の4つの方法があります。
・セミナーに参加する
・インターネットで探す
・紹介してもらう
・近場で探す
それぞれについて解説します。
不動産セミナーに参加する
不動産会社が主催する不動産セミナーや交流会に参加して、不動産情報と同時に不動産仲介業者の情報を集めるのもひとつの方法です。
少し前までは新型コロナウイルス感染予防措置のため、ほとんどがオンラインセミナーでしたが、リアル開催も増えています。不動産投資のセミナーや交流会に参加すると多くの情報を得られるだけでなく、情報交換できる投資家仲間をつくる機会にもなるのでおすすめです。
知り合いに紹介してもらう
友人や知人に不動産投資経験者がいる場合は、紹介してもらう方法もあります。実際にお付き合いしているのであれば、よい点と悪い点を確認できるので検討材料になるでしょう。
ただ、紹介だからといって信頼できる業者とはかぎりません。実績などを確認したうえで面談をおこない判断しましょう。
インターネットで探す
不動産売買専門のポータルサイトや大手不動産仲介会社のウェブサイト、一括査定を利用して選ぶのもおすすめです。
またSNSを利用して情報を発信している不動産投資家に直接メッセージを送って情報取集するのもよいでしょう。
不動産投資を検討しているエリア周辺で探す
中古物件を購入する場合は、検討しているエリアの周辺にある不動産仲介業者を探すのもよいでしょう。地元の不動産会社は、その土地の不動産に詳しいため、タイミングがよければ表に出ていない物件を紹介してもらえる可能性もありますし、懇意になればいろいろな情報を聞ける機会があるかもしれません。
この場合もインターネットを活用して、購入したい物件のエリア付近で収益物件について検索してみましょう。ヒットした物件情報には、その物件を取り扱っている不動産会社の情報も記載されているので、候補としてチェックしておきましょう。
まとめ
不動産仲介業者の探し方と選び方を解説しました。信頼できる仲介業者とは多くの経験を持ちノウハウが豊富なことから、業歴が長く、実績のある不動産仲介業者を選ぶとよいでしょう。また、顧客の目線で物件を探してくれるので、優良物件を購入できる可能性が高くなります。
一方、不動産投資のメリットばかりアピールする仲介会社は誠実ではない可能性があるため、選んではいけません。
仲介手数料を惜しく感じる人もいるかもしれませんが、不動産仲介業者の存在は不動産取引には欠かせない存在です。ぜひ信頼できる不動産仲介業者に依頼しましょう。