不動産投資が難しいと言われる理由を解説!成功させるポイントとは?
2022/11/25

不動産投資が難しいと言われる理由を解説!成功させるポイントとは?

不動産投資は難しい?その理由とは不動投資特有のリスクがあるから短期間で大きな利益を得るのが難しいから高額の借金を負う必要があるから不動産投資ならではメリットとは?他人資本でレバレッジを効かせた投資ができる節税効果が期待できる生命保険代わりになる不動産投資の成功に欠かせない3つのポイント物件選びを間違えない信頼できる不動産会社をパートナーにする長期目線でおこなうまとめ

インターネット上で見かける「不動産投資は難しい・儲からない」という意見は本当なのでしょうか?

もし本当なのであれば不動産投資をおこなう人はいないはずですが、実際のところサラリーマンや主婦など不動産投資初心者にも人気があり、不動産投資をはじめる人は増加傾向にあります。


新規参入者も多い不動産投資が「難しい・儲からない」と言われている理由について紐解きながら不動産投資のメリットや成功するポイントについて解説します。


不動産投資は難しい?その理由とは

「不動産投資は難しい」と言われる理由は、株式投資などのほかの投資とは異なる点が多数あるためです。ここでは、その内容について解説します。


不動投資特有のリスクがあるから

不動産投資には、ほかの投資では見られない特有のリスクがあります。おもな不動産投資のリスクには以下のようなものがあります。それぞれの対策方法もあわせて紹介するので参考にしてください。


空室リスク

不動産投資のリスクのなかで、つねに注意すべきリスクのひとつです。不動産投資のおもな収入源は入居者が支払う家賃なため、入居者がいない空室の状態では家賃を得られず、収入が減ってしまいます。


しかし、収入が減っても毎月の維持費用の支払いやローンの返済はおこなう必要があるため、キャッシュフローの悪化が懸念されます。万一、支出が収入を上回ってしまうと収支がマイナス(赤字)となり、不足分を手元の資金から持ち出すことになるのです。


その期間が長くなればなるほど負担が大きくなってしまいます。やがて手元資金が尽きてしまえば、最悪の場合は物件が差し押さえられるおそれも考えられます。


空室リスクをおさえるためには、賃貸需要が高い人気エリアの好立地物件を選び、状況に応じた空室対策をおこなうことが肝心です。


修繕費リスク

アパートやマンションなどの建物は、築年数が経過すればその分劣化します。そのため劣化に備えた定期メンテナンスや修繕工事に費用がかかります。

また築年数の経った収益物件は空室リスクも高くなるため、状況にあわせてリフォームやリノベーションをおこなう必要があります。


修繕費リスク対策として、将来的に必要となる修繕費をあらかじめ積み立てておくとよいでしょう。


災害リスク

地震や台風などの自然災害、火事など、物件が喪失・破損するリスクがあります。収益物件が被害を受けると家賃収入の減少や、最悪の場合は不動産投資そのものが立ち行かなくなるおそれがあります。


地震大国である日本では、全国どこにいても地震被害にあう可能性が高いため、万一のときに保障を受けられる火災保険や地震保険への加入は必須です。

そのほかの災害対策としては、各自治体のハザードマップなどを参考に地盤が強い地域や風水害の少ないエリアの物件を選ぶとよいでしょう。


保険について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


また地震被害を最小にするために新耐震基準で建築された物件を選んだり、異なるエリアに複数の物件を持って分散投資をしたり、あらゆる手段で大事な物件を守りましょう。


短期間で大きな利益を得るのが難しいから

一般的に「投資」と聞くと短期間で大きな利益を出せる株式投資やFX投資を思い浮かべる人は多いでしょう。

しかし、不動産投資は開始直後から短期間で結果を求める投資手法ではありません。不動産投資のおもな収入源は毎月の家賃収入であり、それを長期にわたってこつこつと積み上げていく投資方法です。


そのため利益を得たという実感を得にくく、「(株式投資やFX投資と比較して)不動産投資は難しい」と言われる理由のひとつと考えられます。


なお、不動産投資でも所有する不動産を売却して利益を得ることは可能です。ただし株式やFXに比べて現物不動産は流動性が低く、売りたいときに売れなかったり、希望額で買い手が見つかなかったり、売却には時間がかかります。また売却益を得るためのノウハウも必要です。


また立地や建物の状態、売却するタイミングによっては売却損になってしまうリスクもあるため注意が必要です。


高額の借金を負う必要があるから

不動産投資をおこなうにあたって、金融機関の融資を利用して収益物件を購入します。不動産投資ではごく一般的なことですが、「不動産投資=多額の借金」というネガティブなイメージを持つ人も少なくないようです。


融資について詳しくはこちら!>>不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人


たしかに不動産投資は金融機関からの多額の借入れをおこないますが、金融機関から融資を受けて収益物件を購入・運用することは不動産投資最大のメリットでもあります。詳しくは後述の『レバレッジを効かせた投資ができる』の項をご覧ください。


レバレッジについて詳しくはこちら!>>不動産投資のレバレッジ効果をやさしく解説!リスクにも要注意


不動産投資ならではメリットとは?

メリット 青 ブロック

前述のように、不動産投資=難しいというイメージを持つ人も多いですが、不動産投資には多くのメリットがあります。ここでは、不動産投資特有のメリットについて紹介します。


他人資本でレバレッジを効かせた投資ができる

不動産投資の大きなメリットのひとつが、レバレッジを効かせた投資がおこなえる点です。

不動産投資におけるレバレッジ効果とは、「少ない自己資金で大きな収益を得る」ことを指します。


具体的には、わずかな自己資金(頭金)と多額の他人資本(借入金)によって、自己資金の何倍もの収益物件を所得・運用することで大きな利益を得られるのです。


たとえば、利回り8%、600万円の物件を自己資金のみで購入・運用した場合、年間家賃収入は48万円です。


しかし、自己資金600万円を頭金にして金融機関から2,400万円を借入れて、利回り8%、3,000万円の物件を購入して運用すれば年間家賃収入は240万円となります。


このように同じ自己資金額・同じ利回りであっても、金融機関から融資を受けて不動産を購入し運用する「レバレッジを効かせた」ことで、自己資金のみのときと比べて年間で5倍もの家賃収入を得ることができるのです。

(なお、上記の例では借入金に対する利息の支払いは考慮していません)


レバレッジについて詳しくはこちら!>>不動産投資のレバレッジ効果をやさしく解説!リスクにも要注意


節税効果が期待できる

不動産投資をおこなうことで、所得税・住民税や相続税の節税対策につながる場合があります。


節税について詳しくはこちら!>>不動産投資でできる節税方法!4種類の税金ごとに仕組みを解説


所得税・住民税の節税の仕組み

不動産投資で所得税が節税できる仕組みのひとつが「損益通算」です。損益通算とは「収益から損失を差し引いて相殺する」会計処理です。


損益通算について詳しくはこちら!>>不動産投資の損益通算で節税しよう!計算例や注意ポイントを解説


不動産投資の場合、不動産所得が赤字だった場合、その赤字分を給与所得などから差し引きする損益通算をおこなうことで課税所得額が減り、給与所得から納税した所得税が還付されます。


もうひとつの節税ポイントが「減価償却費」です。減価償却費とは、購入した建物や建物設備の費用を法定耐用年数で分割したものを指します。


減価償却費は実際に出費をしていないにも関わらず、帳簿上は経費として計上することができます。ようするに実際のお金は減っていないにもかかわらず、会計上は経費が増えたことになるので収益が減るのです。


この減価償却費を上手に活用して会計上の赤字をつくり、損益通算で課税所得額を圧縮することで効果的な節税効果が期待できるのです。

減価償却について詳しくはこちら!>>不動産投資の減価償却についてわかりやすく解説!節税ポイントも


節税について詳しくはこちら!>>不動産投資でできる節税方法!4種類の税金ごとに仕組みを解説


相続税の節税の仕組み

相続税の額は「相続税評価額」によって決まりますが、現金や債券・株式などは額面通りの評価額として課税されます。しかし、不動産の相続税評価額は路線価や固定資産税評価額をもとに評価されるため、額面よりも少ない額で評価されるのです。


たとえば、1億円で購入した不動産を相続した場合、土地の部分は公示価格のおよそ80%程度、建物部分についてはおよそ70%~80%程度の評価額になります。


さらに相続する不動産が投資用だった場合、「貸家建付地」や「小規模宅地」などの特例の要件をすべて満たしていれば6割程度まで評価額が下がる可能性もあります。

相続税評価額が低くなればなるほど相続税率も小さくなるため、不動産を相続することで結果的に相続税の節税につながるのです。


相続税について詳しくはこちら!>>不動産投資が相続税対策になる理由を解説!負動産にしないヒントも


生命保険代わりになる

不動産投資で金融機関から融資を受ける際、「団体信用生命保険(団信)」に加入することで、保険代わりとしての効果が得られます。


団信とは、ローン返済中にローン契約者が死亡した場合や高度障害を負った場合、ローンの残債が保険から支払われる保険システムです。


返済が完了した投資物件は遺族(または本人)に渡るため、そのまま賃貸経営をつづけることも可能ですし、売却してまとまった金額を保険金代わりに受け取ることもできます。


保険について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


不動産投資の成功に欠かせない3つのポイント

ポイント 青 グラデーション

難しいと言われる不動産投資ですが、成功するポイントをしっかり理解することで、安定した家賃収入を毎月得ることが可能です。ここでは、不動産投資の成功に欠かせない3つのポイントを解説します。


物件選びを間違えない

不動産投資の成功の可否は賃貸物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。特に物件の立地はその後の賃貸経営において、もっとも重要な条件のひとつです。


都心部か地方都市かによって異なりますが、一般的に好立地と呼ばれるのは以下のような立地を指します。


・住みたい街として人気があるエリア

・再開発エリアとして発展が見込まれる地域

・最寄りの駅から徒歩10分以内の物件

・通勤快速や急行が停車する駅が徒歩範囲にある

・複数路線が乗り入れている駅が徒歩圏内にある

・コンビニやスーパーなどが近い

・飲食店が多い

・幼稚園や学校、銀行や郵便局、病院や役所などが周辺にある

・周辺の治安がよい、公園が多い、嫌悪施設などが周辺にない


自家用車で移動するのが一般的な地方都市などは、好立地の条件が都心部とは異なります。たとえば駅から遠くても駐車場がある物件であれば、賃貸需要は見込めるでしょう。


収益物件を購入する際は、物件価格や周辺の家賃相場を十分調査したうえで、しっかりと収支シミュレーションをおこなうことが重要です。


出口戦略を視野にいれた物件を選ぶ

新築で購入した収益物件であっても経年とともに建物は老朽化し、いずれその役目を終えます。そのとき所有する物件をどう終了させるのかが「出口戦略」です。


出口戦略にはいくつかパターンがありますが、一番多いのが売却です。不動産投資が成功したかどうかは、家賃収入で得た利益(キャッシュフロー)と不動産を売却して得た利益(キャピタルゲイン)で決まります。

したがって物件を購入してから出口戦略を立てるのでは遅すぎます。


出口戦略を立てるタイミングは、収益物件選びの段階でおこなうのが正解です。いつ頃、どうやって、いくらで売却できそうかを考えたうえで収益物件を選びましょう。


売却に失敗してしまうとそれまでの黒字収支を一瞬で赤字収支にしてしまう恐れもあるため、しっかり計画を立て、売却に適したタイミングを見極める必要があります。


売却に適したタイミングとは「売却益」が期待できるタイミングを指し、おもに以下のケースが考えられます。


【出口戦略で売却益を得やすいタイミング】

・土地価格が上昇したとき

・売却額が購入額+投資額を上回るとき

・大規模修繕をおこなう前

・減価償却期間が満了となった時点


出口戦略によっては、ここまでのキャッシュフローが黒字で十分な利益を確保できていたとしても、物件を想定外に安く売ってしまい「売却損」が出た場合、最終的には赤字=不動産投資失敗になってしまうことも考えられます。


不動産投資を成功させるためにも、しっかりとキャピタルゲインを得られる収益物件を選びましょう。


信頼できる不動産会社をパートナーにする

不動産投資を成功させるためには不動産投資の知識をはじめ、税務、会計、法律、建築など専門知識が必要になりますが、これらの情報収集を大家さんだけでカバーするのは難しいでしょう。


そこで頼りなるのが、大家さんのパートナーとなる「不動産会社」の存在です。

不動産投資に必要な情報を収集し、リスクヘッジを含めた長期的な計画を立てるためには、サポート力の高い不動産会社を選ぶことが重要です。


パートナーとなる不動産会社選びを間違えてしまうと、物件選びに苦労したり、問題のある物件を買ってしまったり、不動産運用に必要なサポートを受けられないなど、不利な状況に陥りかねません。


どんな不動産会社と付き合うかで、大家さんが利益を得られるか、または損失を被るか変わってきます。

専門知識が豊富で信頼できる優秀な不動産会社をパートナーに選ぶことが不動産投資成功のカギとなるのです。


パートナーとなる不動産会社選びについて詳しくはこちら!>>不動産投資の成功に欠かせないパートナーとは?不動産会社の選び方


長期目線でおこなう

株式投資などほかの投資と異なり、不動産投資は10年単位の長いスパンで考えることが重要です。そのためには長期目線で不動産投資をおこなう必要があります。


たとえば、新築で購入した収益物件であっても、長年にわたって運用することで修繕や設備交換の必要がでてきます。また経年によって家賃も下落するでしょう。


こういった将来的に発生が予期できるリスクを考慮したうえで、いかにして目標を達成するか、あらかじめ計画を立てたうえで不動産投資に臨む必要があります。


また運用中は毎月赤字で少額の持ち出しが発生していたとしても、最終的にローンを完済することで高額の不動産を資産として所有できるのであれば、赤字収支を上回るメリットが得られることになります。


このように不動産投資が成功したか否かの判断は、短期的な収支で図ることはできません。不動産投資を成功させるには目先の利益ではなく、将来を見据えることが重要なポイントになるのです。


まとめ

不動産投資が「難しい・儲からない」と言われる理由としては、不動産投資特有のリスクへの不安、短期間で大きな利益を得られない不信感などが考えられます。


しかし不動産投資は長期間にわたっておこなう投資手法であり、不動産投資が成功したか否かの判断は短期的な収支で図ることはできません。

たとえ赤字収支で少額の持ち出しがつづいても、無事にローンを完済できれば高額の不動産を資産として所有できるなど大きなメリットが見込めます。


不動産投資には、株式投資などにはないメリットも多いです。不動産投資特有のメリットを享受しながら長期的な視点を持って不動産投資に臨みましょう。

一覧に戻る