不動産投資の成功に欠かせないパートナーとは?不動産会社の選び方
不動産投資をおこなうためには、さまざまな知識が必要です。また、物件選び、賃貸経営、物件の売却など、膨大な業務をこなさなくてはならず、それらすべてを大家さんだけでおこなうのは手間も時間もかかります。
そんなときに頼りになるのが、投資用物件を扱い、投資家向けに情報提供やサポートをおこなう「パートナーとしての不動産会社」の存在です。
しかし、数多くある不動産会社のなかから、信頼できる会社を見つけるにはどうしたらよいでしょうか。
そこで今回は、パートナーとしての不動産会社の選び方について、また選んではいけない不動産会社の特徴について解説します。
不動産投資の成功には信頼できるパートナーが必須
不動産投資を成功させるためには、不動産投資の知識をはじめとして、税務や会計、法律、建築など専門知識をフルに活用する必要があります。それらを大家さんだけでカバーするのは非常にむずかしいと言わざるをえません。
そこで頼りなるのが、大家さんのパートナーとなる「不動産会社」の存在です。
パートナーとなる不動産会社選びを間違えてしまうと、物件選びに苦労したり、問題のある物件を買ってしまったり、不動産運用に必要なサポートを受けられないなど、不利な状況に陥りかねません。
どんな不動産会社と付き合うかで、大家さんが利益を得られるか、または損失を被るか変わってきます。
専門知識が豊富で信頼できる優秀な不動産会社をパートナーに選ぶことが不動産投資成功のカギとなるのです。
不動産投資のパートナーとなる不動産会社選びのポイント
ここでは、不動産投資でパートナーとなる不動産会社を選ぶためのチェックポイントを紹介します。
パートナー選びは不動産投資の成功に関わる重要なポイントです。納得できるまでしっかり確認しましょう。
得意とする収益物件の種類はなにか
不動産会社ではさまざまな収益物件を取り扱っていますが、会社によっては得意とする物件もあれば、あまり扱わない不得意な物件もあります。
たとえば、区分マンションを得意としている不動産会社もあれば一棟アパートを中心に扱っている会社もあります。また、新築物件を建築し販売する会社がある一方で、中古物件を専門にしている会社もあるのです。
不動産会社は得意とする物件に対して、これまで培ってきた豊富なノウハウを持っているため、顧客は最大限のサポートを受けることが期待できます。
不動産投資の成功の可否は、物件選びでほぼ決まると言っても過言ではありません。自分が購入すべき収益物件の種類をよく検討したうえで、その収益物件を得意とする不動産会社から物件を購入することで不動産投資の成功へと近づけるのです。
収益物件の取引実績は豊富か、経営は安定しているか
パートナーとなる不動産会社を選ぶ際は、信頼と実績のある会社を選びましょう。実績や信頼度を確認する際は以下の点をチェックしてみましょう。
・これまので取引実績
・顧客のリピーター率
・業歴(営業年数)
・会社の規模(従業員数、支店数など)
取引実績が多くリピーター率も高い場合、それだけ顧客に利用されている会社=信頼されている会社であると考えられます。また過去の取引実績が多ければ、それらのデータをもとにして投資する物件の収益予想もより正確におこなえる可能性が高くなります。
取引実績とともに営業年数の長さや会社の規模も、その会社の信頼度を計るポイントです。不動産業界は開業・廃業が頻繁におこなわれているため、業歴が長ければ長いほど信頼度が高まります。
また従業員が多い会社であれば、それだけの人を雇える財力がある=経営が安定していると考えられます。
上記の情報は、その企業のHP内にある「会社概要」に記載されています。企業HPには、企業理念なども掲載されていることも多いので、その会社の雰囲気をつかむためにも、一度HPをのぞいてみることをおすすめします。
口コミサイトの評判も参考にする
最近ではあらゆるジャンルの口コミサイトがあり、社名で検索するだけでネット上の評判が簡単にチェックできます。
インターネット上の口コミは基本的に無記名の書き込みなので、信頼性はそれほど高くありません。口コミすべてを鵜呑みにするのはよくありませんが、しかし口コミであまりにも悪評が多い場合は、その会社になんらかの問題がある可能性が考えられるため注意が必要です。
物件の詳細をしっかり把握しているか
信頼できる不動産会社は、自社で扱う物件の詳細をきちんと把握し、それを顧客にしっかりと説明してくれます。
物件の詳細情報は、物件購入を決める際の重要な指標です。特に物件のメリットだけでなく、デメリットやリスクなども説明してくれる会社は信頼できます。
逆に物件のよいところばかりを強調し、リスクについてはごまかすような会社は信用できません。
物件周辺の賃貸需要や特徴を把握しているか
不動産投資の成功には、エリアにあった賃貸需要や入居ターゲットを見定めたうえで、そのターゲットにあう物件を選ぶ必要があります。また、物件周辺の環境についても、嫌悪施設が存在しないか、最寄駅からはどの程度電車が発車しているかなども把握しておきたいものです。
しかし、これらの情報を大家さん個人で調べようとすれば多くの時間が必要です。また不動産は、通りのこちら側と向こう側で賃貸需要や家賃相場が異なることがよくあります。
そのため、その地域に対して賃貸需要や特徴を把握している不動産会社を選ぶとよいでしょう。
金融機関とのつながりがあるか
不動産投資では、金融機関から融資を受けて収益物件を購入するのが一般的です。その際、いかに好条件で融資を受けられるかによって月々のローン返済額が変わるため、今後の不動産投資に大きな影響を及ぼします。
将来的に投資規模を拡大していくのであれば、金融機関とつながりの強い不動産会社を選ぶことは重要なポイントです。収益物件を増やしていく過程では、不動産会社を通じて複数の金融機関から継続的に融資を受ける必要があります。
融資の優遇を目的で不動産会社を選ぶ際は、取引銀行の数は多いか、自分の属性に応じた金融機関を紹介してくれるか、好条件で融資してくれるかどうか、といった点に着目するとよいでしょう。
なお、金融機関との取引が多いことは会社としての信頼性が高いことを示します。なかでも地方銀行や信用金庫などの地域密着型の金融機関と取引がある不動産会社は信頼性が高まります。
銀行の種類について詳しくはこちら!>>不動産投資ローンを扱う銀行の金利相場や審査難易度の目安を比較
融資について詳しくはこちら!>>不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
顧客目線で収支計画のアドバイスができるか
不動産投資では、収益の出る物件を選ぶのはもちろん大切ですが、投資額と毎月の収支、空室などのリスクの程度を考慮したうえで、資金計画に見合った物件を購入しなければなりません。
そのため、顧客に見合う資金やライフプランも考慮したうえで、不動産投資の資金計画を提案してくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。
無理な借入は、突発的な支出や空室の発生によって、すぐにキャッシュフローが悪化してしまうおそれがあります。安全な賃貸経営をおこなうためには、顧客の収入や属性、自己資金状況などをすべて考慮したうえで無理のない資金計画と物件選びの提案をしてくれる会社をパートナーにしましょう。
また賃貸経営中の空室対策や修繕計画など資金繰りや支出面の相談にのってくれたり、積極的に意見を出してくれたり、顧客目線でアドバイスのできる会社であれば、なおよいです。
営業担当者が賃貸経営で一定の成果を出しているかもチェック
営業担当者自身が不動産投資をおこなっているか、またはベテランの不動産投資家と同程度の知識を持っているかどうかも確認してみましょう。
不動産物件を扱っていながら不動産投資をおこなっていない営業担当者は、投資家と同じ目線でのアドバイスはむずかしいはずです。
逆に、自ら不動産投資をおこなっている担当者であれば、経験に基づいたノウハウを持っているため適切なアドバイスが期待できます。
弁護士や税理士などの専門家と提携しているか
先に述べたように、不動産投資をおこなううえで必要になる知識は多岐にわたります。
たとえば、確定申告では税理の知識が必要ですし、賃貸借契約に絡むトラブル(滞納や隣人間の問題など)では弁護士が必要になるケースもあります。
そういった各分野の専門家を投資家個人で探すこともできますが、不動産会社が提携している専門家を紹介してもらえれば、より安心できるでしょう。
賃貸管理サポートをおこなっているか
不動産投資は、収益物件を購入して終わりではありません。不動産投資は中長期にわたっておこなう投資方法なので、物件購入後からが不動産投資の本番と言えるでしょう。
そのため不動産運用中の賃貸管理は欠かすことができません。
不動産会社を選ぶ際は、物件購入後の賃貸管理サポートをどこまで受けられるか、かならず確認しましょう。
一番望ましいのは、売買した会社がその後の賃貸管理も請け負う「ワンストップ」のパターンです。売買後の物件管理を自社でおこなうのが前提であれば、安心して物件を購入することができます。
賃貸管理の規模や内容については直接担当者に尋ねるほか、企業HPの会社概要などで管理戸数や空室率などの管理実績を確認するとよいでしょう。
いずれにしても「売って終わり」の不動産会社は選ばないほうが無難です。
選んではいけない不動産会社の特徴
優良な不動産会社がある一方で、避けたほうがよい不動産会社も存在しています。ここでは、選んではいけない不動産会社の特徴を紹介します。
不動産投資のリスクやデメリットを説明しない
不動産投資は、投資である以上リスクやデメリットが存在します。
不動産投資では、空室になれば賃料が減りますし、経年とともに修繕費がかかるようになり、逆に賃料は下落するのが一般的です。また告知義務のある瑕疵について意図的に説明しない場合もあります。
こういったリスクなどを説明せずに「儲かる」「持っていて損はない」などメリットばかり説明し、リスクやデメリットの説明をぼかすようなセールスには注意が必要です。
セールスが強引・契約を急がせる
悪質な不動産会社には、「今だけ特別です」「検討中の顧客がいます」など強引なセールストークでターゲットが冷静な判断をおこなう前になんとか契約させようと急かす傾向があります。
その場で契約してしまい、あとで確認してみたら相場よりも高値で売りつけられていたり、立地が悪く入居付けがむずかしい物件だったり、高額の修繕費用がかかる物件だったり、詐欺まがいの場合も少なくありません。
高額な不動産投資物件だからこそ、その場で契約することはおすすめしません。一旦自宅に持ち帰り、じっくりと検討したうえで購入するしないの判断をしましょう。
違法な取引を持ちかけてくる
残念ながら不動産会社のなかには違法な取引をもちかけてくる場合がありますが、そういった会社からは絶対に物件を購入してはいけません。
2018年には、投資用物件を居住用と偽り、住宅ローン「フラット35」を不正利用して金融機関から融資を受けたという事例が多数発覚し、大きな問題になりました。
不動産会社とオーナーが結託して不正融資を受けていたケースの一方で、住宅ローンで不動産投資物件を購入することが契約違反になることを知らなかったオーナーもいたそうですが、このオーナーも処分の対象となっています。
住宅ローンの不正利用が発覚した場合は「契約違反」として、ローン残債の一括返済などの処分を受けるのが一般的です。不正利用が発覚したオーナーのなかには、一括返済するために収益物件を売却し、それでもローンを完済できずに自己破産に追い込まれた例もありました。
違法な取引のターゲットにならないためには、「金額の異なる契約書2通にサインを求められる」など不自然な指示に従わないことが大事です。
不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて詳しくはこちら!>>不動産投資ローンと住宅ローンを併用する際の順番による注意点
まとめ
不動産投資を成功させるためには、信頼できるパートナーとなる不動産会社の存在は欠かせません。優秀なパートナーとなる不動産会社を見つけるためには、会社の実績のほか、金融機関との取引状況などを確認し判断しましょう。
なお、適当に不動産会社を選んでしまうと、収益性の低い物件を買わされたり、購入後のサポートを受けられなかったりといったこともあるため注意が必要です。
優秀なパートナーとなる不動産会社を見つけるためにも、ぜひ当記事を参考にしてください。