【初心者向け】不動産投資用物件の選び方!チェックするポイントは?
不動産投資が成功するか否かは、物件の選び方にかかっていると言っても過言ではありません。
それだけ物件選びは不動産投資にとって重要なポイントなのです。
しかし不動産投資初心者は、「どのような物件を選べばよいかわからない」という人も多いでしょう。
そこで今回は、不動産投資初心者に向けて、投資用不動産物件の選び方について、チェックするポイントを解説します。
また物件の種類ごとのメリットとデメリットや、避けるべき物件についても紹介するので、物件を選ぶ際の参考にしてください。
不動産投資用物件の種類とメリット・デメリット
不動産投資用物件にはさまざまな種類があります。
ここでは、代表的な賃貸物件の種類ごとにメリットとデメリットを解説します。
区分マンション
マンションの1室を所有し、貸し出すことで家賃収入を得ます。
1室から購入できるため、自己資金も少額ですむので不動産投資初心者でもはじめやすいのがメリットです。
単身向けやファミリー向けなど間取りや価格帯もさまざまな種類があるため、目的や予算にあわせて物件を選ぶことが可能です。
建物全体の管理はマンション管理組合がおこなうため、オーナーの手間が少なくて済むのもメリットになります。
また災害リスクなどの対策として、複数の物件を別々のエリアに分散して取得することもできます。
区分マンションのデメリットは、土地が資産にならないこと、物件を1室しか所有していない場合はリターンが少なく、また空室時は家賃収入が0円になってしまうことです。
一棟投資(マンション・アパート)
アパートやマンションの一棟全部を取得し、賃貸をおこないます。
一棟投資のメリットは、オーナー自身で家賃設定や修繕の時期など、賃貸経営にかかわる管理・運用すべてを自由にできる点です。
また土地も同時に取得するため、出口戦略の幅が広がるのもメリットです。
一方で、一棟投資は土地と建物を取得するため購入額が高額になりやすく、多くの自己資金が必要になるのがデメリットです。
ただし、運用がうまくいけば大きなリターンを得られる可能性もあります。
なお、一棟投資は立地のリスク分散ができないため、災害や修繕費用などのリスク対策は入念におこなう必要があります。
特に10年単位でおこなう屋根の葺き替えや外壁塗装などの大規模修繕工事費用は、数百万円単位の費用がかかるため注意が必要です。
こういった維持費用を踏まえて、必要な保険への加入や大規模修繕費用の積立てなど、長期的な目線で経営戦略を立てるとよいでしょう。
戸建て住宅
一戸建ての住宅を賃貸する方法です。
戸建て住宅のほとんどがファミリー向け物件であるため、単身者向け物件より家賃を高めに設定できますし、長く住んでもらえる可能性が高いなどのメリットがあります。
また、清掃や管理などは入居者がしてくれるため、管理委託の手間や費用が不要な点もメリットになります。
ただし、所有するのが戸建て1軒のみの場合、入居者が見つからないかぎり賃料収入が入ってこないため注意が必要です。
さらに、戸建て住宅は原状回復リフォームなどの費用が高くなりやすいのがデメリットです。
入居してもらいやすく、また短期間で退去されないよう、ファミリー向けに好まれる立地の物件を選ぶ必要があります。
不動産投資用物件は新築と中古どちらがいい?
同じ規模の物件であっても、新築と中古では価格や空室リスクなど異なる部分は非常に多いです。
特に購入費用だけでなく、運用する際にかかる維持費用も新築と中古では大きく違います。
新築と中古、どちらがよいか迷った場合は、それぞれのメリットやデメリットを比較し、どちらがより自分の投資目的にあうのか判断するとよいでしょう。
新築物件のメリット・デメリット
新築物件のメリットは、金融機関の融資がつきやすく、当面は修繕費用も不要であるという点があげられます。
なにより最新設備も整っている新築物件は人気があるため入居付けが容易であり、かつ「新築プレミアム」として相場よりも高めの家賃設定がおこなえる点も大きなメリットになります。
デメリットとしては、購入費用の高さがあげられます。
また、一度退去者が出るとその後は新築プレミアムがなくなり、中古物件となって家賃が大きく下がってしまう可能性があるため注意が必要です。
新築物件を購入する際は、そういった家賃下落の可能性も考慮に入れたうえで、しっかり収支シミュレーションをおこなう必要があります。
中古物件のメリット・デメリット
中古物件最大のメリットは、新築物件と比較して安く購入できるため、高利回りで運用できる点にあります。
オーナーチェンジ物件で購入した場合は入居募集せずに、すぐに賃料を得ることもできます。
またこれまでの入居状況も確認できるため、リスク対策もおこないやすいです。
一方、築年数によっては金融機関からの融資がつきにくい場合もあり、融資条件をよくするために、ある程度の頭金が必要になることもあるでしょう。
また中古物件は設備が古かったり、間取りが現在のニーズにあっていなかったり、外観が古古かったり、新築より人気がなく空室リスクが高くなる傾向にあります。
そのため、最新設備を導入したり、人気の間取りにリノベーションしたり、外観を整えるために外壁工事をおこなったり、想定以上の修繕費用が発生する可能性もあります。
中古物件を選ぶ際は、かならず現地で直接物件を確認し、価格に見合ったスペックであるか確認をしたうえで購入する必要があるでしょう。
不動産投資用物件の選び方のポイントは?
不動産投資が成功するか失敗するかは、物件の選び方に大きく左右されます。
ここでは、長期間にわたって家賃収入を得られる物件の選び方について解説します。
賃貸需要のあるエリア
物件の選び方でもっとも重要なポイントのひとつが、エリアの賃貸需要の高さです。
賃貸需要のあるエリアは多くの人が「そこに住みたい」と考えるため、賃貸物件の稼働率が上がり、結果としてより多くの賃貸収入を得られる可能性が高くなります。
賃貸需要の有無を調べるには、以下のような方法があります。
・市区町村の「人口動態統計」から人口の動きを確認する
・市区町村の再開発事業計画を確認する
・大手ポータルサイトから空室率を確認する
人口減少の影響を受けにくい、人が集まりやすいエリアは空室率が低く、一定の賃貸需要が期待できます。
また再開発によって官庁や商業・医療などの複合施設が近隣に建築されることで人流が増える可能性が高まるでしょう。
不動産投資は長期にわたっておこなう投資方法です。
そのため各種データを参考にして、できるだけ賃貸需要が長くつづくエリアを選びましょう。
上記に当てはまらない場合でも、大学近郊や大手企業の工場近隣のエリアは、大学の学生や教員、企業の従業員を対象とした賃貸需要が見込めます。
ただし、賃貸需要をひとつだけに限定した場合、需要先が移転や倒産してしまうと一気に賃貸需要がなくなるおそれがあるため注意が必要です。
利便性のよい好立地物件
利便性のよい「好立地」と呼ばれる物件は、賃貸物件の入居付けに非常に有利になります。
好立地物件の条件には以下のようなものがあります。
・駅から近い(徒歩10分圏内)
・近くにスーパーやコンビニなどがある
・物件周辺に公共施設や買い物施設、病院などがある
・再開発予定のエリア(将来的に近隣に駅ができる、繁華街になる)
・職場や学校から近い
・日当たりがよい
ただし、入居ターゲット層やエリアによって好立地の条件は変わってくるため注意が必要です。
たとえば駅から近く、近隣に深夜営業の飲食店やコンビニなどがあるワンルームや1Kなどの物件は、通勤や通学をする単身者にとっては好立地物件にあたります。
しかしファミリー層にとっては、そういった繁華なエリアより、多少駅から離れていても閑静な住宅街に位置する2LDKや3LDKなどの物件で、近隣に小学校や子供向けの施設が充実しているエリアが好立地と言えるでしょう。
このように入居ターゲットによって好立地の条件は異なるため、どのような入居者をターゲットにして賃貸経営をおこなうのかよく検討したうえで物件を選ぶ必要があります。
物件の管理状態
不動産物件を購入する場合、特に中古物件を選ぶ際は、物件の管理状態も入念にチェックしましょう。
管理やメンテナンスの状態が悪い物件は価格が安くても、購入後に想定以上の修繕費用が発生することもあるため注意が必要です。
同時にこれまでの大規模修繕の履歴や修繕費の積立て状況を確認しておくと安心です。
一棟物件の場合、修繕費用の積立て金はそのまま引き継ぐことになるため、次回の大規模修繕に足りるかどうかも確認しましょう。
間取りや設備は入居者ニーズに合っているか
中古の築古物件の場合、設備や間取りが現在の入居者ニーズに合致しない場合も少なくありません。
まず、周辺の競合物件の設備や間取りを調査し、入居付けに不利になる部分はないか確認しましょう。
もし設備の追加や間取りのリノベーションが必要な状態であれば、それらの費用をかける価値のある物件かどうか、その場合の家賃設定はどうするかなど、しっかりと収支シミュレーションをおこない検討することをおすすめします。
利回りは適切か
「利回り」は、不動産投資物件を選ぶ際の重要な指標のひとつで、一般的に利回りが高い物件ほど収益が多くなります。
ただしなかには、物件の管理状態や立地が悪く買手がつかないため相場よりも安い価格になっている場合や、相場よりも家賃設定が高いなどの理由で高利回りになっていることもあるので注意が必要です。
利回りだけ見て買ったら修繕や設備の交換に高額の費用がかかり、結局利回りが大幅に下がってしまったという事例もあります。
物件購入前にはかならず現地に行き、物件を直接確認したり修繕・メンテナンス履歴を確認したりといった調査をしっかりとおこないましょう。
利回りについて詳しくはこちら!>>不動産投資の実質利回りと表面利回りの違いは?シミュレーション比較
現地確認はかならずおこなう
投資用不動産物件の候補が見つかったら、かならず現地に行き物件の確認をおこないましょう。
実際に見るとネットの画像と印象が大きく違うことはめずらしくありませんし、周辺環境なども自分の足で見て回ることで雰囲気がつかめます。
現地では、以下のポイントをチェックしましょう。
・最寄り駅の周辺環境:どのような店舗があるか、人出は多いかなど
・駅から物件までの経路確認:所要時間、危険なエリアの有無など
・物件の周辺環境:スーパーやコンビニの有無、銀行や病院の有無、競合物件の有無など
・図面と現況の差異:不動産業者から図面をもらい確認する
・建物の外観と内部の確認:建物や周辺・共有部の管理と清掃状況、駐輪場・駐車場・ゴミ置き場の様子など
・入居状況の確認:入居率や入居者の居住年数、入居者層など(レントロールなどで確認する)
・近隣環境の確認:嫌悪施設の有無、迷惑な近隣住人の有無など
現地確認の前にインターネットなどで調べられる範囲で調査をおこなっておくと、現地でのチェックがスムーズにおこなえます。
現地を調査せずに物件を購入してしまうと、予想外の費用やリスクが発生する可能性があるため、遠方の物件であっても、かならず一度は現地調査をおこないましょう。
不動産投資用物件で避けたほうがよい物件とは?
投資用不動産物件の選び方のひとつとして、「購入を避けたほうがよい物件」についても覚えておきましょう。
ここでは、購入しないほうがよい物件について解説します。
違法建築物件
違法建築とは、建築基準法や条例に違反して建てられた建築物を指します。
建物を建築する際は「建築確認」を取得しますが、その後、勝手に増改築や用途変更をおこなったことにより最終的に違法となるケースもあります。
よくある違法建築のパターンでは、建ぺい率や容積率オーバーしていたり、確認申請とは異なった建築物を建てていたり、許可を受けた用途と違う用途で建物を使用しているなどが該当します。
違法建築物件を賃貸することも可能ですが、行政による是正指導に従わなければならない場合もあり、建て替え時に制限がかかるなどのペナルティがあります。
また火災や災害などトラブルがあった場合には、建物の所有者としての責任が問われます。
売買もおこなえますが、金融機関の融資がつきにくく融資を受けられても高金利なことが多いため投資効率が悪化してしまいます。
出口戦略についても、次の買い手が見つからず売りたくても売れない状況を引き起こしかねません。
これらの理由から、違法建築物件の購入は避けるべきでしょう。
違法建築物件かどうか確認するには以下の方法があります。
・確認済証:建築前にその建築計画が建築基準法に適合していたという証明
・検査済証:建物が新築時には建築確認通りの工事をしていたという証明
なお、確認済証はほとんどの物件で取得していますが、検査済証については取得していない物件も多いため、一概に「検査済証がない=違法建築」ではないため注意しましょう。
違法建築にはさまざまなケースがあるため、素人では判断できない場合も多々あります。
迷った際は、専門家(建築士や不動産会社など)に調査を依頼することをおすすめします。
事故物件など痂疲のある物件
「自殺・他殺・火災」による死亡があった「痂疲物件(いわゆる事故物件)」は、物件の買主や入居希望者に告知する義務があります。
そのため、入居付けや物件の売却の障害になることも多く、物件の資産価値も下落してしまいます。
物件自体は特殊清掃やリフォーム済みのため、一見ではわかりませんが、心理的に忌避される傾向が強くなります。
どんなに価格が安くても入居者が決まらない可能性も考えると、購入は避けたほうが無難です。
まとめ
不動産投資にとってもっとも重要なポイントとなる、物件の選び方について解説しました。
長期間にわたって安定した家賃収入を得るためには、賃貸需要のあるエリアの好立地物件を選ぶ必要があります。
また不動産投資の物件にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
不動産投資を成功させるためにも、各物件の特徴を理解した上で、投資目的や予算など条件に合った物件を選び、長期的な不動産の運用を心がけましょう。