30代で始める不動産投資の成功ポイントと注意ポイントを解説!
終身雇用制度の崩壊や年金受給年齢の引き上げなど、将来のお金の不安から、若い世代で不動産投資を始める人が増えています。
不動産投資は20代でも定年退職後でも始められますが、ライフプランを具体的に計画できる30代には特にメリットが多くあります。
今回は「30代で始める不動産投資」にスポットを当て、メリットをはじめ、不動産投資を成功に導くポイントと注意すべきポイントを解説します。
不動産投資を検討中の30代の方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
不動産投資を30代で始めるメリット
20代よりも金銭的余裕があり、40代に比べて定年までの時間的余裕があるのが30代です。
そんな30代で始める不動産投資には、以下のようなさまざまなメリットがあります。
長期的なプランを立てやすい
30代になると、結婚や子育てなどのプライベートはもちろん昇進や転職などビジネスの面でも、今後の人生に関係する大きなイベントを経験することが増えるでしょう。
またそれにともない、将来のライフプランを具体的に計画し、資金計画を立てやすい年代でもあります
「いつまでに、どの程度のお金が必要か。またどうやって貯めるのか」を考えた場合、老後資金など長期的な資金計画に適している「不動産投資」が視野に入ってきます。
不動産投資は長期にわたって安定した収入(家賃)を得ることができ、また資産価値の変動がゆるやかなため投資戦略を立てやすいというメリットがあります。
長期的なライフプランと資金計画を立てる上で投資戦略を立てやすい不動産投資は、30代におすすめの資産運用方法と言えるでしょう。
有利な条件で融資を受けられる
不動産投資では、銀行から融資を受けて収益物件を購入するのが一般的です。
その際、融資審査を受ける必要がありますが、30代は有利な条件で融資を受けられる可能性が多くあります。
融資審査は物件の収益性のほか、個人の年齢や年収、勤務先、勤続年数、貯蓄額などの属性に大きく左右されます。
まず30代は、20代よりも勤続年数も長く、年収や貯蓄額も多くなるため銀行の融資審査が通りやすくなり、融資額が増える可能性も十分考えられます。
不動産投資ローンの融資限度額は年収の7~10倍が一般的なため、年収が上がればそれだけ高額物件を購入できる機会も多くなるでしょう。
さらに年齢が若く、今後長期間働くことができるとみなされ、長期間の借入れができる可能性もあります。
融資期間が長い=返済期間が長いため毎月の返済額が少なくなり、キャッシュフローの増加が見込めるでしょう。
このように30代サラリーマンが不動産投資ローンを利用するにあたって、融資額や融資期間で優遇される可能性が高くなります。
不動産投資の融資について詳しくはこちら!>>不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
本業が忙しくても運用できる
30代になると仕事面での信頼度も上がり、責任のある役職に就く機会も増えます。
その一方で本業が忙しくなり、株式投資やFX投資など頻繁に値動きを確認する投資をおこなうのがむずかしくなってしまいます。
しかし不動産投資では、収益物件の管理全般を専門の管理会社に委託できるので、大家さんは手間や時間をかける必要はありません。
ただし管理会社に業務委託する場合でも、賃貸経営をおこなう上で最終的な判断は大家さんがする必要があります。
けっして管理会社に丸投げはせず、上手に連携していくとよいでしょう。
定年まで時間的な余裕がある
40代や50代に比べて定年退職するまでに時間的な余裕があるのが30代です。
この時間的余裕は、より収益を増やしたり、より大きな物件を取得したり、不動産投資に可能性が生まれます。
運用期間が長く取れる
融資条件にもよりますが、不動産投資ローンの一般的な返済期間は30年~35年に設定している銀行が多いです。
そのため、若いうちに銀行から融資を受けて不動産投資をおこなうことで定年退職と同時期あたりにローンの返済が完了します。
定年後はローンを完済した物件からの家賃収入の大部分を収益にすることが可能ですし、売却して売却益を狙うこともできます。
不動産投資は、株式やFXのように短期間で大きな収益をあげることはむずかしい代わりに、長期間にわたって安定した収益を得られるのが魅力の投資法方法です。
その性質を活かすには、できるだけ長期間運用できるよう、若いうちから始めることをおすすめします。
より大きな資産を作れる可能性がある
若いうちから不動産投資を始めれば、複利効果によって資産の形成スピードアップにつながります。
1件目の収益物件で得た利益を2件目の不動産投資の資金にあてて、そこで得た利益を3件目に……と資産と収益を増やしていくことが可能ですし、途中で売却してまとまった資金を得ることもできます。
このように複利効果や物件の売却益などで資金を増やすことで、より大きな物件へのチャレンジや専業大家になることも不可能ではないのです。
定年直前や定年後に不動産投資をはじめることもできますが、資産を大きくできないまま投資が終わってしまう可能性が高まります。
資産形成の速度を考えるのであれば30代という若いうちから始めることで、より効果が得られるでしょう。
不動産投資で脱サラして大家になる方法はこちら!>>脱サラで不動産投資を成功させるには?メリットとデメリットを把握
知識と経験が得られる
不動産投資は、特別な資格などは必要なく、だれでもおこなえる投資方法です。
しかし資格は不要でも「知識」は大いに役立ちます。
また「経験」も不動産投資にとって強力な武器になります。
そもそも、不動産投資の失敗は知識不足が招くケースが非常に多いです。
しかし若いうちであれば、多少の金銭的損失は給与から補填も可能ですし、成功も失敗も不動産投資をつづける上で貴重な経験となるでしょう。
長期間にわたって実地で不動産投資の知識と経験を得られるのも、30代で不動産投資を始めるメリットのひとつと言えるでしょう。
30代で始める不動産投資を成功させるためポイント
ここでは不動産投資を成功させるポイントについて解説します。
資産価値の高い物件を選ぶ
不動産投資の成功は、物件選びの段階でほぼ決まると言われています。
賃貸経営のおもな収入源は入居者が支払う家賃なので、できるだけ空室がすぐ埋まるような、立地や利便性がよく、入居ニーズが高く安定した家賃収入を見込める「資産価値の高い物件」を選びましょう。
なお、投資用物件の収益力や資産価値は、不動産投資ローンの融資審査にも関係します。
また、いずれ売却して次の物件の購入資金にあてたり老後資金にあてたりといった「出口戦略」を見据えて収益物件を選ぶとよいでしょう。
不動産投資の出口戦略について詳しくはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?
信頼できる管理会社を見つける
不動産投資を成功させるためには物件選びが重要ですが、同時に物件購入後の管理も非常に重要なポイントです。
前述のように、不動産投資の管理業務全般を外部の管理会社に委託することで大家さんの手間や時間が省けるのは大きなメリットです。
その反面、管理会社選びを間違えてしまうと思わぬ失敗になりかねません。
委託した管理会社が入居付けに消極的な場合、次の入居者がなかなか決まらず家賃収入が減ってしまいます。
また建物の管理や清掃が不十分だったり、入居者のクレーム対応に時間がかかったりすると入居者の満足度が下がり退去されてしまうこともあるため注意が必要です。
管理会社を選ぶ際は、「入居者に長く住んでもらえるよう管理・対応してもらえるか」と「入居付けに強いか」の2点に加え、管理委託費が高すぎないことも重要です。
なお、1ヶ月あたりの管理委託費は家賃の5~8%程度が相場になります。
よい管理会社を見きわめるためには、以下についてチェックしましょう。
・オーナーに定期的な報告や連絡、相談があるか
・オーナーごとに担当者が付くなどサポート体制がしっかりしているか
・対応が迅速であるか
・入居付けにつながる空室対策などを積極的に提案してくれるか
・管理会社としての実績があるか
なお、委託中の管理会社に満足できない場合は、別の会社への切り替えを検討するとよいでしょう。
余剰資金を用意しておく
不動産投資は株式投資やFX投資などに比べるとリスクの低い投資方法です。
しかし、家賃収入の減少や突発的な出費など、収支のバランスが崩れてしまうとキャッシュフローが悪化し、月々のローン返済が滞るおそれもあります。
そんなとき手持ちの余剰資金があれば不足額を補てんでき、経営危機を乗り越えることができます。
逆に言えば、余剰資金がない状態で不動産投資を始めてしまうと、万一のときに資金不足となり、最悪の場合経営破たんしてしまうかもしれません。
そのため不動産投資を始める際には頭金や諸経費などの自己資金とは別に、自由に使用できる余剰資金を用意しておくと安心です。
不動産投資を30代で始める際の注意すべきポイント
30代で始める不動産投資はメリットがたくさんありますが、下記のような注意点もあります。
二重ローンには要注意
30代はマイホームの購入を考える人も多くなります。
しかし、住宅ローンの返済をしながら不動産投資ローンの返済をおこなう「二重ローン」は、資金繰りの悪化につながりやすいため注意が必要です。
不動産投資の家賃収入が減少したり、不況による賃金カットで給与が減少したり、片方のローン返済が困難になるともう片方のローン返済も圧迫されてしまいます。
万一に備えて余剰資金はかならず用意しておきましょう。
また、住宅ローンと不動産投資ローンの総借入額が合わさることで、金融機関からの評価が下がり、融資条件が悪くなる可能性も考えられます。
マイホームの購入と不動産投資を同時期に検討している場合は、その後のライフプランを含めて慎重に計画を立てましょう。
物件探しをおろそかにしない
30代は本業が忙しくなる時期でもあります。
収益物件の管理は管理会社に委託しても、不動産投資の重要なポイントである収益物件を選ぶ際はオーナー本人がおこなうことをおすすめします。
忙しいからといって物件探しをおろそかにし、適当な物件を選んでしまうと失敗するリスクが高まるため注意しましょう。
不動産投資を成功させるためにも、物件探しはじっくりと時間をかけて納得できる収益物件を選択し購入することで、長期間にわたってしっかりと収益を得ることができるのです。
自己資金はできるだけ早く貯める
不動産投資は、物件価格の大部分を銀行の融資で賄いますが、頭金や物件購入にかかる諸費用などが別途必要です。
特に頭金を多く入れて借入総額を減らすことで月々のローン返済額が少なくなりキャッシュフローが安定しますし、融資審査にも有利に働きます。
それぞれの目安は、頭金は物件価格の1~3割、諸費用は物件価格の5~10%程度です。
たとえば3,000万円の収益物件を購入する場合、頭金として300~900万円、諸費用が150~300万円、あわせて450~1,200万円が必要になります。
20代に比べて年収や貯蓄額が増えている30代ですが、すぐに用意するのはむずかしい金額なので、不動産投資を始めると決めたらすぐに資金を貯めていきましょう。
給与から貯蓄するだけでなく、つみたてNISAやREIT(不動産投資信託)などの少額不動産投資を取り入れるとよいでしょう。
就業規則を確認しておく
サラリーマンなど、会社勤めをしている人が不動産投資をはじめる場合、「副業が禁止されていないか」を就業規則などで確認することをおすすめします。
副業禁止にかかわらず、不動産投資をおこなっていることがわかると、なんらかのペナルティを受ける可能性もあるため注意が必要です。
ただし副業が禁止でも不動産投資は例外的に認めている会社もあるので、まずは勤め先の担当部署で不動産投資をおこなっても問題がないか確認しましょう。
不動産投資と副業について詳しくはこちら!>>家賃収入は副業にあたらない?会社員の不動産投資で注意するポイント
まとめ
30代で不動産投資を始めることで運用期間が長く取れ、より多くの利益を得たり、不動産投資ローンの借入れ期間を長くできたりというメリットがあります。
また
一方でマイホームを検討している場合は、不動産投資ローンと二重ローンになる可能性があるため、資金繰りには注意が必要です。
万一に備えて余剰資金を用意しておくと返済リスク対策につながります。
今後のライフプランにあわせた資金計画として、ぜひ不動産投資を検討してください。