不動産投資は儲からないと言われる理由と利益を出す方法を解説!
「不動産投資は儲からないからやめておけ」
インターネットでこんな文句を見かけることがありますが、実際のところ不動産投資はサラリーマンや主婦の参入も多く、人気の投資方法のひとつです。
不動産投資は本当に儲からないのでしょうか?
儲かるのであれば、なぜ儲からないと言われるのでしょうか?
今回は「不動産投資は儲からない」と言われる理由や、どうしたら不動産投資で儲かるのかについて詳しく解説します。
不動産投資が儲からないと言われる理由
結論から言うと、不動産投資で儲けることは可能です。
では、なぜ不動産投資が儲からないと言われるのでしょうか?
ここではその理由を解説します。
短期間で利益が出ないから
「投資」と聞くと、短期間で大きな利益を出せる株式投資やFX投資を思い浮かべる人は多いでしょう。
しかし、不動産投資のおもな収入源は毎月の家賃収入であり、長期的な投資をおこなうことで毎月安定した利益をこつこつと積み上げていく投資方法です。
そのため、短期間では「儲かった」という実感が得にくく、「(株式投資やFX投資と比較して)不動産投資は儲からない」と言われる理由のひとつになります。
なお、不動産投資でも所有する不動産を売却して利益を得ることは可能です。
ただし、株式やFXに比べて現物不動産は流動性が低く、売りたいときに売れなかったり、希望額で買い手が見つかなかったりと売却には時間がかかります。
また、立地や建物の状態によっては売却損になってしまうリスクもあるため注意が必要です。
表面利回りしか見ないから
不動産投資をおこなう上で「利回り」の確認は非常に重要ですが、不動産投資物件の広告に掲載されている「表面利回り」だけ見て不動産を購入してしまうと儲からない場合がほとんどです。
表面利回りとは、空室率や経費を含めずに計算された利回りを指します。
より実際の利益に近い利回りを出すには、空室率や経費を考慮した「実質利回り」を計算する必要があります。
そのため、広告に「利回り10%」と記載されていても、それが表面利回りであれば、必要経費などを差し引いた実質利回りは表面利回りの半分程度しかないこともめずらしくありません。
なお、不動産投資物件の広告に掲載されている利回りのほとんどが表面利回りです。
表面利回りの数字だけで見て不動産物件を購入してしまうと想定した儲けは出ないので、十分注意しましょう。
不動産投資特有のリスクが多いから
不動産投資には気をつけるべきリスクがいくつかありますが、リスクがあるから儲からないわけではありません。
どのようなリスクがあるのか把握した上で、リスクを最小限にする対策をあらかじめ立てておくことが利益につながります。
なお、不動産投資におけるリスクは予測しやすく対策を立てやすいという特徴があります。
不動産投資のおもなリスクと対策方法を以下に紹介します。
空室リスク
入居者がいなければ家賃収入を得ることはできません。空室対策のためには、利便性がよく賃貸需要が高い立地の物件を選び、状況にあわせて設備の追加やリフォームをおこない物件の価値を下げないことが重要です。
家賃滞納リスク
入居者がなんらかの理由で家賃を支払わない状況です。家賃滞納がつづくと収益が減り、キャッシュフローが圧迫されるため、できるだけ未然に防ぐ対策が必要です。家賃保証会社との契約を入居条件に組み込むなどの対策が有効です。
災害リスク
地震や台風などの自然災害、火事など、物件が喪失・破損するリスクがあります。そのため、万一の際に保障を受けられる火災保険や地震保険への加入は必須です。また、災害被害の少ないエリアや新耐震基準で建築された物件を選ぶ、異なるエリアに複数の物件を持って分散投資をおこなうなどの対策方法が考えられます。
不動産投資に関連するリスクはほかにもありますが、いずれもしっかりとリスクヘッジができます。
万一の場合に備えて物件を選び、適切な対策を立てることで儲かる不動産投資にすることも可能なのです。
ローンに忌避感があるから
不動産投資をおこなうには高額な投資用不動産物件を購入する必要がありますが、ほとんどの人が購入資金の大部分をローンで借入れをおこないます。
そのため、「不動産投資=多額の借金」というネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
たしかに不動産投資は金融機関からの多額の借入れおこないますが、じつはローンの利用は不動産投資のメリットでもあります。
まず、不動産投資のローン返済は基本的に家賃収入からおこなうため、入居者さえいれば無理なくローンの返済がおこなえます。
また、ローンを利用することで自己資金以上の資産の入手ができ、さらに「レバレッジ」を効かせた投資をおこなえるのが不動産投資の大きなメリットです。
不動産投資におけるレバレッジ効果とは、「小さな資金で大きな不動産を取得し収益を得ること」を指します。
たとえば自己資金が500万円あったとして価格500万円、利回り10%、の物件を現金一括払いで購入した場合の年間家賃収入は50万円となります。
しかし自己資金500万円を頭金として借入れをおこない、価格2,500万円、利回り10%の物件を購入した場合の年間家賃収入は250万円になります。
ローン金利(例:3%)を支払った場合でも年間家賃収入は190万円となり、同じ自己資金額でありながら融資を受けなかった場合に比べて約4倍の収入が得られるのです。
このように不動産投資でローンを利用することは、資産形成のスピードを早める上で重要な役割を持つのです。
不動産投資でローン返済ができなくなるのは、ローン返済のシミュレーションやリスク対策が不十分な場合が考えられます。
安定した利益を出すためには月々の家賃収入とローン返済額や費用などを洗い出し、綿密な収支シミュレーションをおこなった上で無理のない範囲で資金を借入れることが必須です。
不動産投資のレバレッジについて詳しくはこちら!>>不動産投資のレバレッジ効果をやさしく解説!リスクにも要注意
不動産投資は危険だと思い込んでいるから
不動産投資をひとくくりに捉えてしまい、「不動産投資は危険」という固定イメージから儲からないと思い込んでいるケースもあります。
不動産投資といっても、対象となる不動産には以下のようにさまざまな種類があります。
・新築or中古
・一棟アパートor一棟マンションor区分マンションor戸建て賃貸
・単身向けorファミリー向け
・都心or地方
住居タイプの賃貸物件パターンだけでも上記のような種類があり、どのように組み合わせるかによって価格帯もリスクも大きく異なります。
前述したように不動産投資のリスクや借金などのマイナスイメージから「不動産投資は危険」と考える人もいると思います。
しかし、それぞれの項で述べたように、しっかりとシミュレーションをおこなった上で投資用不動産物件を選び、適切なリスク対策をおこなうことでリスクを最小限におさえ、利益を得ることができるのです。
不動産投資で利益を出す方法
不動産投資は儲からないと考えている人がいる一方で、確実に不動産投資で儲けている人もがいるのも事実です。
では、不動産投資で成功している人は、どのような考え方で不動産投資をおこなっているのでしょうか。
ここでは不動産投資で利益を出す方法についてまとめました。
賃貸需要のある優良物件を選ぶ
不動産投資の成功の可否は賃貸物件選びの段階で決まります。
特に物件の立地は、その後の賃貸経営おいて最も重要な条件のひとつです。
立地条件は、都心部か地方都市かによって異なりますが、公共交通機関の発達したエリアであれば、交通の便のよさや駅から近いこと、買い物施設が周辺にあるなどが好立地の条件になります。
自家用車で移動するのが一般的な地方都市であれば、まず駐車場がある物件などが第一候補になるでしょう。
また賃貸需要という点では、購入を検討する物件の間取りタイプがエリアのニーズにあっているかどうかの判断も大切です。
たとえば、駅から至近距離の繁華街に位置する物件は単身者に好まれますが、ファミリー世帯は駅から離れていても子供の学校の側や住環境のよいエリアを好む傾向にあります。
物件購入時は、その物件がエリアのニーズに合致しているのか、かならず調査しておきましょう。
これらの立地条件のよい物件で、かつ人口流出が少ないエリアや再開発計画エリアなどであれば賃貸需要も落ちにくいと考えられます。
ただし、好立地物件の多くは、物件価格が高額だったり、競合物件が周辺に多かったりする場合もあります。
投資用不動産物件を購入する際は、物件価格や周辺の家賃相場を十分調査した上で、しっかりと収益を得られるか収支シミュレーションをおこなうことが重要です。
長期的な計画を立てる
前述のように、不動産投資は長期にわたっておこなう投資方法です。
そのため、不動産投資で利益を出すには長期的な目線で投資計画を立てる必要があります。
投資用物件の購入から数年先までの収支シミュレーションをおこない、場合によっては売却の時期まで考慮して計画を立てます。
入居者をいつまでに、どのくらいの家賃で、どのように維持管理していくかといった内容を具体的に決めていくのです。
さらに、次の物件をどうするか、賃貸経営中になんらかのリスクが発生した際の対応方法など、あらゆる点を考慮し、なにが起きても慌てずに対応するための対策方法を想定して長期計画を立てるとよいでしょう。
リスク対策を考えておく
先に述べたように、不動産投資で儲からない理由のひとつがリスク対策をおこなっていないケースです。
不動産投資で成功している人は、あらかじめリスクを把握したうえで、対応できる範囲でリスク対策を講じて不動産投資をおこなっています。
不動産投資のリスクを完全に0にすることはむずかしいですが、万一の場合でも慌てずに対応できれば損失を最小限におさえることができるのです。
不動産投資で成功するためにやっておきたいこと
不動産投資で成功するポイントは、「できることは先にやっておく」ことです。
ここでは不動産投資をはじめる前に、あらかじめやっておきたいことをまとめました。
不動産投資の知識を身につけておく
不動産投資で儲からない原因には、前もって不動産投資の知識があれば防げる内容がいくつもあります。
不動産投資の勉強をすることで、どんな物件の種類がいいのか、想定できるリスクとその対処方法、ローンの仕組みのなど、不動産投資を成功に導く知識を得ることができ、それが成功につながるでしょう。
逆に知識がないまま不動産投資をはじめてしまうと、相場よりも高い物件を買わされたり、最悪の場合悪徳業者に騙されたりしてしまいます。
そのため、少なくとも不動産投資の基本的な知識だけでも勉強することをおすすめします。
書籍を読んだり、セミナーに参加したり、すきま時間を有効活用するとよいでしょう。
自己資金を貯めておく
不動産投資はローンを利用してレバレッジ利かせた投資がおこなえるのがメリットのひとつです。
しかし、自己資金(頭金)の比率が低い場合、借入額が大きくなり、月々のローン返済が負担になることがあります。
毎月のローン返済比率が高くなると、空室の増加や突発的な修繕費用の発生などによってキャッシュフローが赤字になってしまうことも考えられます。
そのため、不動産投資をはじめる際は自己資金を多めに用意しておき、無理のない範囲の返済計画を立てることが肝心です。
また、万一キャッシュフローが赤字になっても補填ができるよう、ある程度の資金を手元に残しておくことも非常に重要です。
不動産投資をはじめる場合は、知識を蓄えると同時に資金も貯めておくことを心がけましょう。
返済比率について詳しくはこちら!>>不動産投資ローンの返済比率を下げる方法を解説!目安の比率は何%?
失敗事例を知っておく
じつは、不動産投資で失敗するケースには、ある程度のパターンが存在します。
そのため、「失敗事例」を反面教師にして失敗の原因を知ることが、失敗を避けることにつながります。
不動産投資の失敗事例で典型的パターンには下記のようなものがあります。
・想定した収益が得られない
提示された利回りが表面利回りの場合、想定した収益よりも実際の収益は確実に減ってしまうでしょう。また競売などで物件を確認せずに購入した場合、残置物の処理費用やリフォーム費用が高額になり想定した収益が出ないこともあります。
・リスク対策をおこなっていない
家賃滞納リスクや家賃下落リスクの対策をおこなっていない場合、想定通りの家賃収入が得られず、キャッシュフローが悪化するケースもあります。
・立地選びを間違えた
賃貸重要の少ないエリアや、ひとつに施設に需要を依存してしまった場合、入居付に苦労する場合があります。
・営業マンの言うことを鵜呑みにした
セールストークに乗せられて、相場よりも高い価格で物件を購入した、不利な条件でサブリース契約してしまうケースがあります。
上記以外にも、不動産投資で失敗するパターンは存在します。
それらがどんな原因で起こり、そうした失敗を防ぐにはどうすればよいかを事例から学んでおくことは重要です。
不動産投資の失敗事例集はこちら!>>不動産投資で8つの失敗原因から学ぶ対策方法!手遅れ前にできること
まとめ
不動産投資で「儲からない」と言われる理由は、短期間で大きな利益を得る投資方法でないことやリスクの心配があるためです。
しかし、そもそも不動産投資は長期にわたって安定した収入を得て、その利益を積み上げていく投資方法です。
また、リスクについてもあらかじめ対策を取れるものも多く、リスクを最小限におさえることができます。
不動産投資で儲けることは可能ですが、成功するためには長期的な計画を立て、リスク対策をおこなった上で不動産投資を開始することが肝心です。
ぜひ当記事を参考に、今一度不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。