ボロ物件で不動産投資を成功させる!メリットとリスク対策方法も
「ボロ物件は初期費用がかからないので少ない資金で購入できる」
「ボロ物件は低価格だから高利回りが期待できる」
「ボロ物件は短期間で投資額の回収ができる」
いま、ボロ物件を再生した不動産投資が不動産投資家のあいだで人気が高まっています。
たしかにボロ物件には上記のようなメリットがありますが、ボロ物件ならではのリスクも存在します。
そのリスクを把握しないままボロ物件を購入・運用すると不動産投資に失敗してしまう可能性があるのです。
そこで今回は、ボロ物件で不動産投資をおこなう場合のメリットとリスク、その対策方法について解説します。
「ボロ物件に興味があるけれど、失敗はしたくない」
そんな人は、ぜひ当記事を参考にしてください。
ボロ物件で不動産投資をおこなうメリット
ここではボロ物件で不動産投資をおこなうメリットについてまとめました。
価格が安く融資を受けなくても購入できる
ボロ物件のメリットは、とにかく安い価格で購入できる場合が多いことがあげられます。
戸建て住宅(土地付き)が破格の安値で売られていることも多く、稀に100万円以下という物件もあるほどです。
地方であれば、一棟アパートの格安ボロ物件も見つかるでしょう。
これだけ安いと金融機関の融資を受けずに現金一括でボロ物件を購入することも可能です。
融資を受けずにすむので多額の自己資金は不要ですし、ローン返済や借入利息も支払う必要がないので、積極的にボロ物件を購入し修繕したうえで運用をする不動産投資家も増えています。
高利回りが期待できる
価格が安いボロ物件で不動産投資をおこなうことで、高利回りが期待できます。
不動産ポータルサイトに記載されているボロ物件の表面利回りだけみれば、利回り20%以上の物件多数あります。
上にも書いたようにボロ物件を再生し運用している不動産投資家のなかには、DIY(セルフリフォーム)で修繕費用をおさえ、その結果、利回り40%台を実現した例もあります。
また、ボロ物件の場合、ある程度の修繕費用をかけたとしても物件購入費用が安いため、築浅の中古不動産物件よりも初期費用が安くすむケースが多いです。
そのため、周辺の競合物件よりも家賃額を低く設定することができ、入居付けに強い物件にすることも可能になります。
短期間で投資資金の回収ができる
利回りが高くなれば、それだけ投資金額の回収スピードが速くなります。
たとえば、物件価格が600万円で年間家賃が60万円であれば、利回りは10%となり、投資資金の回収には10年間かかります。
しかし、同じ家賃でも物件価格が300万円の場合、利回りは20%となるので、5年間で投資資金を回収できます。
このように価格の安いボロ物件で不動産投資をおこなえば、短期間で資金回収ができるのです。
DIYでオリジナル内装を実現する
ボロ物件は傷みがひどく、購入した状態のままでは賃貸することができない場合がほとんどです。
またボロ物件を賃貸するには、競合物件との差別化を念頭においたリフォームが効果的。
しかし、業者に修繕やリフォームを依頼するとかなりの費用がかかります。
そこで修繕費用を削減するために活躍するのがDIYです。
最近はDIYブームということもあり、凝った壁紙などリフォーム素材やプロ仕様の工具などもホームセンタやネット通販で簡単に購入できるようになりました。
それら材料や工具を駆使してオリジナルの内装を大家自らの手で実現することができるのも、ボロ物件の魅力のひとつとなります。
空き家の減少につながる
人口の流失によって空き家や空室の増加が懸念されるエリアにとって、ボロ物件を再生し不動産投資物件として運用することで、空き家を減らすことにつながります。
ボロ物件で不動産投資をおこなうリスクと対策方法
ボロ物件で不動産投資をおこなうには、さまざまなリスクがあります。
しかし、リスクを把握したうえで、しっかり対策をたて、リスクを避けることも可能です。
建物の状態の見極めがむずかしい
ボロ物件は、見た目以上に建物が傷んでいる可能性も十分考えられます。
倒壊のリスクや見えない箇所の瑕疵の有無は、見ただけで判断するのは非常にむずかしいです。
建物の状態によっては大掛かりな修繕をしないと賃貸に出せないこともあり、その場合は高額な修繕費用がかかることも少なくありません。
こういったリスクを回避するには、事前に専門家にインスペクション(建物検査)を依頼するとよいでしょう。
費用は点検する箇所の数によって異なりますが、一棟あたり5万円前後が目安になります。
なお、多少の瑕疵であれば、修繕費として値引き交渉の材料にできる場合もありますが、目で見てわかる重大な瑕疵がある場合は購入しないほうが無難です。
とくに傾きのある建物は、めまいや吐き気などの体調不良に陥る可能性があるため絶対に購入してはいけません。
修繕やリフォームに手間や時間、費用がかかる
ボロ物件の多くは、賃貸に出すためにリフォームをおこなう必要があります。
物件の傷みの程度にもよりますが、入居者が付くレベルの物件にするためには、修繕やリフォームに時間や手間はもちろん費用もかかることが考えられます。
多額のリフォーム費用をかけてしまうと利回りが下がってしまうため、DIYでリフォームや修繕をおこなって修繕費用をおさえる努力をしましょう。
なお、自分で修繕できない箇所は業者に依頼しましょう。
無理にDIYをおこなうと、仕上がりが微妙だったり失敗したりと却って時間や費用がかかる場合も。
素直に業者に依頼したほうがコストの削減ができますし、手間もかからず、時間も節約することができます。
融資がつかないため売却がむずかしい場合も
価格が安く金融機関の融資を受けずにすむのがボロ物件のメリットではありますが、実際のところ、法定耐用年数を過ぎている可能性が高いため、金融機関からの融資を受けられる可能性は非常に少ないのが実状です。
そのためボロ物件が欲しい場合は、どうしても現金一括で購入することになるのです。
そして、ここで問題になるのが「ボロ物件の売却」についてです。
ボロ物件を売却したいと考えた場合、購入希望者が融資を受けることができないため、結局「現金一括」で購入してくれる購入希望者が現れるのを待つことになります。
しかし、タイミングが悪ければ売れるまでに時間がかかったり、希望した額で売れないこともあります。
そのためボロ物件は、購入すると同時に出口戦略もしっかり検討しておく必要があるのです。
出口戦略は以下のように3つの方法があります。
1.建物ごと売却する
2.建物を取り壊して新築物件を建築したうえで不動産投資を継続する
3.建物を取り壊し更地にして売却する
1の「建物ごと売却する」のが一番手間はかかりませんが、上に書いたように、買手が現れるのを待たなくてはなりません。
2と3については、物件購入時に、再建築不可物件でないことを確認しておく必要があります。
再建築不可物件の場合、現在の建物を取り壊したら再建築できないという制限があるため注意しましょう。
また、用途地域によって建築制限(容積率や建ぺい率、建物の目的など)があるため、こちらも物件購入時にあわせて確認しておきましょう。
火災保険の対象外になる可能性がある
火災や地震などの災害から建物を守るためにも火災保険への加入は重要です。
しかし築古のボロ物件の場合、火災保険に加入していても、経年劣化が原因で建物に損害が発生した場合は保険金の支払い対象にはなりません。
たとえば、台風被害によって屋根が壊れたことで雨漏りが発生した場合は保険の範囲内ですが、老朽化による雨漏りは保険の対象外となり、修繕費用は実費となります。
また築古物件の場合は、通常の物件よりも保険料が割高に設定されることもあるため注意が必要です。
ボロ物件で不動産投資をおこなうのに向いている人とは?
価格が安く融資を受けなくても購入できるボロ物件。
しかし、不動産投資物件として賃貸できる物件を見つけ、再生し運用していくには、ある程度の不動産投資の知識やDIYのスキルは必要です。
では、ボロ物件で不動産投資をおこなうのに向いているのはどんな人なのでしょうか?
不動産賃貸経営に時間や手間をかけられる人
ここまで書いてきたように、ボロ物件で不動産投資をおこなうには、通常の賃貸物件に比べて時間や手間がかかります。
ボロ物件を選ぶ段階はもちろん、賃貸できる状態に再生するためには、まとまった期間が必要となるでしょう。
修繕のすべてを業者に依頼することもできますが、利回りを下げたくないのであれば、ある程度は自分でリフォームをする必要もあります。
以上のことから、ボロ物件の再生のために時間と手間をかけられる人が、ボロ物件でおこなう不動産投資に向いていると言えるでしょう。
アイデアやリフォームの知識が豊富でDIYが得意な人
ボロ物件で不動産投資をおこなうには、DIYで費用を削減しながら、同時に競合物件と差別化できるようなアイデアを生み出さなくてはなりません。
DIYが得意で修繕にスキルや知識を持ち、さまざまなアイデアを生み出せるような人であれば、ボロ物件を入居者に選ばれる賃貸物件へと再生することが可能となるでしょう。
情報収集が得意な人
ボロ物件の再生には、修繕などのノウハウが必要になることも少なくありません。
効率良く施工できる方法や道具などの知識が必要になる場合もあるでしょう。
そうした情報を収集することが好きだったり得意だったりする人は、ボロ物件の再生に向いていると言えます。
まとめ
安く買ったボロ物件でおこなう不動産投資は、高利回りが期待でき、短期間で資金回収できるなどのメリットがあります。
その反面、リフォームに手間・時間・費用がかかる、売却がむずかしいなど、ボロ物件ならではのリスクも存在します。
ボロ物件で不動産投資を成功させるためには、メリットとリスクをしっかり把握したうえで、自分に向く投資方法かどうかも十分検討することが必要です。