不動産投資で2棟目を購入するメリットは?タイミングや注意点も
2021/08/23

不動産投資で2棟目を購入するメリットは?タイミングや注意点も

不動産投資で2棟目を購入するメリット家賃収入が増える賃貸経営のリスク分散になる1棟目の実績から融資を受けやすい1棟目で得た経験を活かすことができる相続税対策になるインカムゲインとキャピタルゲイン両方を得ることも可能不動産投資で2棟目を購入するデメリット不動産価値下落リスクがある維持費用が増加するキャッシュフローの悪化リスク不動産投資で2棟目を購入するベストなタイミングはいつ?1棟目の経営が安定している頭金にできる自己資金が手元にある不動産投資で2棟目の購入で注意すべきことは?物件所在地を離してリスクを分散させる築年数が違う物件を選ぶ管理会社の選定に注意信頼できる不動産会社や担当者を見つけておくまとめ

不動産投資で1棟目の賃貸経営が順調なら、2棟目の購入が視野に入ってくるかもしれません。

2棟目を購入すれば家賃収入が増えるのはもちろん、リスクの分散になるなど多くのメリットが得られます。

しかし、2棟目の不動産投資物件を購入するにあたって、いくつか注意点もあります。


今回は、2棟目の不動産投資物件を購入するメリットを中心に、購入するのに適したタイミングや注意点について解説します。


2棟目を購入しようかどうか迷っている人は、判断材料のひとつとして、ぜひ当記事を参考にしてください。


不動産投資で2棟目を購入するメリット


家を持つ女性 家 模型

ここでは、2棟目の不動産投資物件を購入するメリットについてまとめました。

家賃収入が増える、相続税対策になるなど多くのメリットがあります。


家賃収入が増える

所有する不動産投資物件が増えれば家賃収入も増加します。

賃貸経営を上手におこなえば十分なキャシュフローを確保できるので、3棟目、4棟目と順調に所有物件を増やす足掛かりにできます。


脱サラを考えているなら事業規模拡大は必須

サラリーマンの副業として不動産投資をおこなっている人のなかには、いずれ脱サラして専業大家になりたいと考えている人も少なくありません。


脱サラして不動産投資だけで生活していくことは可能ですが、十分なキャッシュフローを得られるだけの資産をつくる必要があります。

そのためにも所有する不動産投資物件を増やし、事業規模を拡大するのは必須です。


また、脱サラしたことでサラリーマンに比べると融資を受けにくくなってしまいます。

脱サラ後に融資を受けるためにも、不動産投資の初期段階からある程度の投資実績をつくっておくことも大事です。


脱サラについて詳しくはこちら!>>脱サラで不動産投資を成功させるには?メリットとデメリットを把握


賃貸経営のリスク分散になる

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われていますが、不動産投資特有のリスクがあります。


  • 家賃収入にかかわるリスク:空室や滞納よって家賃収入が減少する
  • 支出に係わるリスク:設備の故障になどによって想定外の修繕費がかかる
  • 災害などのリスク:地震や水害、火災などによって不動産賃貸経営に支障が出る

上記は不動産投資で起こりうるリスクの例になりますが、2棟目を購入することで、こういったリスクの分散に役立ちます。


たとえば地震や水害などの自然災害によって賃貸経営ができなくなった場合でも、別の地域に所有物件があれば家賃収入はゼロにはならないため、減収分を補うことが可能なのです。


1棟目の実績から融資を受けやすい

1棟目の不動産投資が順調におこなわれている場合、それが実績となって2棟目の融資を受けやすくなります。

ローンの返済がきちんとされていて常にキャシュフローが黒字状態であれば、好条件で融資を受けられる可能性もあるでしょう。


1棟目で得た経験を活かすことができる

不動産投資初心者だった1棟目の不動産物件を購入する際には、不動産投資の流れや手順がわからず戸惑ったことも多かったでしょう。

しかし、そのときの経験と知識こそが2棟目の不動産物件購入に大いに役立ちます。


物件の探しかたや融資申し込み手順、売買契約手続き、管理会社の選定、税金関連など、1棟目の不動産物件を購入したときに比べて、2棟目の物件購入はかなりスムーズにすすめることができるでしょう。



相続税対策になる

不動産物件を購入することで相続税対策として効果があります。

現金や株式を相続する際は、その額面通りの金額が評価額になりますが、不動産の場合は評価額が土地は20~30%程度、建物は40~70%程度、それぞれ下がります。

そのため現金などで相続するのに比べて、不動産物件で相続すれば相続税額を下げることができるのです。


インカムゲインとキャピタルゲイン両方を得ることも可能

不動産投資で得られる収益には、賃貸経営で得られる家賃収入などの「インカムゲイン」と不動産物件の価値が購入時よりも高くなった時点で売却することで得られる売却益「キャピタルゲイン」の2種類があります。


1棟しか不動産投資物件を所有していない場合、売却して売却益を得てしまえば、その時点で不動産投資は終了してしまいます。

しかし、2棟以上の不動産物件を所有していれば、売却益が期待できる物件だけを売却し、それ以外の不動産物件で賃貸経営をしながらインカムゲインを得ることもできるのです。


不動産投資で2棟目を購入するデメリット


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2棟目の不動産投資物件を購入することで、以下のようなデメリットが考えられます。


不動産価値下落リスクがある

不動産の価値は、周辺環境の変化によって変動します。

土地周辺の再開発や路線開通などがおこなわれれば不動産価格は上昇しますが、その逆に不動産価値が下落することも大いに考えられます。


将来的に売却益も見込んで不動産物件を増やすのであれば、物件周辺エリアの開発計画の有無などをよく調べる必要があります。


維持費用が増加する

所有する不動産物件が増えることで、維持費用が増えることもデメリットです。

たとえば、定期的におこなう設備のメンテナンス費用や修繕費用などは確実に増えてしまいます。


特に気をつけたいのが、一棟アパートなどの大規模修繕のタイミング。

大規模修繕には多額の費用がかかるため、1棟目と2棟目の工事タイミングが重なった場合、一時的な工事費が必要になり積立てていた大規模修繕費用だけでは賄えず、大きな負担になることも考えられます。


修繕費用の捻出でキャッシュフローを悪化させないためにも、2棟目を購入する際には、1棟目の物件と大規模修繕が重ならないよう気をつけましょう。


キャッシュフローの悪化リスク

1棟目、2棟目以降の不動産投資物件を金融機関の融資を利用して購入した場合、当然借入額が増加するため、それにともない毎月のローン返済額も増えます。


不動産投資が順調で黒字経営であれば問題ありませんが、空室期間がつづいてしまうと家賃収入が減少し、キャッシュフローが悪化してしまうことが懸念されます。


所有する物件同士で損失分を補填できればよいのですが、補填できない場合は、最悪共倒れになってしまう可能性もあります。


そうならないためにも、2棟目を購入する際には、1棟目の経営状態も加味したうえで空室リスクを想定し収支シミュレーションおこないましょう。


不動産投資で2棟目を購入するベストなタイミングはいつ?


時計 指さし

2棟目の不動産物件を購入するベストなタイミングは、金融機関から融資を受けられるようになったときです。

そのためには、1棟目の経営状態を安定させる必要があります。


1棟目の経営が安定している

2棟目の不動産投資物件を購入するためには、1棟目の賃貸経営が安定してることが大前提です。

キャシュフローを黒字状態で長期間維持することで、不動産投資の実績ができるため、金融機関から2棟目の融資を受けることが可能になります。


なお、1棟目の不動産賃貸経営が安定していないときは、まだ2棟目の不動産物件を購入するときではありませんし、金融機関からも融資がつきにくいです。


もし、融資がついて2棟目の物件を購入できたとしても、1棟目のキャッシュフローが赤字だったり黒字ギリギリだったりする場合は、2棟目の購入をきっかけに資金繰りがさらに悪化することも考えられるため注意が必要です。


頭金にできる自己資金が手元にある

金融機関から融資を受けるために、自己資金から2棟目の頭金を入れるのも効果があります。

ある程度の額の頭金を用意できれば、1棟目の賃貸経営が順調だというアピールができて借入額も減るため一石二鳥です。


不動産投資で2棟目の購入で注意すべきことは?


ビジネスマン チェックマーク

ここでは、2棟目以降の不動産投資物件を購入するにあたっての注意ポイントをまとめました。

いずれも不動産賃貸経営の状況を左右する重要なことなので、しっかりと確認してください。


物件所在地を離してリスクを分散させる

複数の不動産投資物件を所有することはリスクの分散につながりますが、物件は同じエリアに集中させないようにしましょう。


同一エリアに物件を集中させてしまうと、地震などの災害が起こった場合、全部の物件に被害がおよぶ危険性があります。


また、企業や学校などの施設周辺エリアは施設の関係者で賃貸需要が見込めるため、複数の不動産物件を所有したくなりますが、万が一倒産や移転してしまうと途端に入居付けがむずかしくなってしまいます。


リスクを分散するためにも、所有する物件の所在地を離しておくよう心がけましょう。


築年数が違う物件を選ぶ

上にも書いたように、一棟アパートなどの大規模修繕工事(外壁塗装や屋根の葺き替え、配管の取り換え等)には多額の工事費が必要になります。


そのため、所有する物件同士の大規模修繕工事が重なってしまうと、費用の捻出が困難になることも。


一般的に大規模修繕の時期は10~15年ごとにおこなわれることが多いので、大規模修繕が重ならないよう、築年数をずらして物件を選ぶとよいでしょう。


管理会社の選定に注意

所有する不動産物件が増えてくると、自主管理をするのがだんだんとむずかしくなってきます。


あらたに不動産物件を管理委託する場合は、できるだけ早く管理会社の選定をおこないましょう。

入居付けに強く、入居者対応や清掃・メンテナンスにも定評のある管理会社であれば、入居者の満足度が上がり退去者が減るため不動産賃貸経営の大きな助けになってくれるはずです。


よい管理会社を選ぶためには、ホームページの管理実績を確認したり、口コミを参考にしたり、直接会社を訪問してヒアリングをおこないしましょう。


信頼できる不動産会社や担当者を見つけておく

不動産物件を選ぶ際にお世話になる不動産会社選びも重要なポイントです。


2棟目の不動産物件を購入するにあたって、親身になってくれたり、積極的に物件を紹介してくれるような不動産会社や担当者と信頼関係を築くことができれば、心強い味方となるはずです。


h31棟目の成功を過信しない

1棟目の不動産賃貸経営がうまくいったとしても、2棟目もうまくいくという保証はありません。

1棟目の成功を過信せず、1棟目での経験を活かしながら、より慎重な賃貸経営をおこないましょう。


まとめ


不動産投資で2棟目の物件を購入するには、1棟目の賃貸経営が安定していることが大前提になります。

1棟目のキャシュフローが数年に渡って黒字であれば、金融機関からの融資がおりやすくなり、2棟目の物件購入が見えてきます。


2棟目の不動産物件を購入することで、リスクを分散できたり家賃収入が増えたりといったメリットがありますが、費用なども増加するためキャッシュフローの悪化には注意が必要です。


1棟目の不動産投資の知識を活かして、2棟目、3棟目と所有する不動産物件を増やし、事業拡大を目指しましょう。

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