不動産投資の起業は賃貸経営がおすすめ!方法や手順、ポイントを解説
2021/07/28

不動産投資の起業は賃貸経営がおすすめ!方法や手順、ポイントを解説

不動産投資で起業するメリットとデメリット!メリット1:免許や資格がなくてもはじめられるメリット2:サラリーマンや大学生でもはじめられるメリット3:ほかの投資に比べてリスク管理がしやすいデメリット1:初期費用がかかるデメリット2:一攫千金は狙えない起業するなら「個人事業主」「法人」どっち?不動産投資初心者は「個人事業主」でスタート本格的な不動産投資が目標なら最初から「法人化」もOK不動産投資で起業する手順は?1.資金計画を立てる2.賃貸物件を探す3.収支計画を立てる4.不動産賃貸物件を購入する5.賃貸経営を開始する起業する際の注意ポイント!不動産投資の知識を身につける目標額を決めておく副業として起業する場合は注意が必要有資格者なら不動産仲介業で起業もできる不動産仲介業のメリット不動産仲介業のデメリットまとめ

「不動産投資で起業して収入を得たい」と考えている人には、不動産賃貸経営がおすすめです。

副業を認める会社が増えたことで、副業で「起業」するサラリーマンも増えています。

しかし、インターネット通販サイトの運営や講師などの副業は、思った以上に手間や時間がかかることも多く、長続きしない場合もあるそうです。


しかし、不動産賃貸経営であれば、賃貸管理や建物の管理を管理会社に業務委託できるため、本業で忙しいサラリーマンでも手間がかからず、長期間に渡って経営をつづけることもできます。


また、不動産投資は特別な免許や資格は不要、年齢も関係ないため大学生がはじめることも可能です。


今回は、不動産投資で起業するための手順やポイント、メリット等について解説します。

起業を検討している人は、ぜひ当記事を参考に不動産賃貸経営を検討してください。


不動産投資で起業するメリットとデメリット!


メリット デメリット 矢印

不動産投資(不動産賃貸経営)で起業した場合のメリットとデメリット、そして大学生が不動産投資で起業するためのヒントを紹介します。


メリット1:免許や資格がなくてもはじめられる


不動産投資(不動産賃貸経営)で起業するには、特別な資格や免許などは不要です。

また年齢制限などもありません。(ただし、不動産投資ローン申し込みには年齢制限があることも)


そのため、いつでもだれでも不動産オーナーや大家さんとして起業することができます。


メリット2:サラリーマンや大学生でもはじめられる


不動産賃貸経営をおこなううえで、日常的な管理業務(入居者の募集や入居者管理、家賃管理、建物の管理等)は欠かせません。


しかし、これらの管理は不動産管理会社に業務委託できるため、オーナーや大家さんの負担はほぼありません。


そのため、会社勤めのサラリーマンや大学に通う学生など忙しい人でも、管理業務を委託してしまえば不動産賃貸経営に費やす時間や手間が少なくてすむのです。


管理業務を委託するには家賃の5%~8%程度を支払う必要がありますが、経費計上できるため節税にもつながります。


大学生や若者が不動産投資で起業するヒント

昨今では、大学生起業家や会社社長としてビジネスの世界で活躍する人も多くみられます。

不動産投資の世界でも、現役大学生の不動産オーナーや大家業を営む人が増えました。


ただし、大学生が不動産投資で起業する場合、収入や資産が少ないため、金融機関の融資がおりにくく高額の不動産投資物件の購入はむずかしくなります。


大学生が不動産投資をはじめる際は、自己資金を貯めて手頃な価格の中古の区分マンションや中古戸建を購入したり、少額でできる不動産投資(REITや不動産クラウドファンディング等)をしたり、まずは小規模な賃貸経営で実績と自己資金をつくりましょう。


ある程度の資金や実績ができたら、運用中の賃貸物件を担保にし、少し大きな物件を不動産ローンで購入するという手順を踏むことで、ゆくゆくは一棟アパートなど大きな物件の購入も可能になります。


もし、民間の金融機関の融資審査が厳しい場合は、国が100%出資する「日本政策金融公庫(日本公庫)」の融資審査を検討するとよいでしょう。


日本公庫は、新規開業を支援する目的で融資をおこなっています。

また「女性、若者・シニア起業家支援資金」(35歳以下の若者や女性、55歳以上のシニアを対象)という融資の優遇措置があるため、大学生起業家への間口も広くなっています。


ただし、日本公庫で融資を受けるには「不動産賃貸事業」であることが前提となりますし、事業計画書の提出が必要などの条件があるので、しっかりと融資条件をチェックしてください。

日本政策金融公庫について詳しくはこちら!>>日本政策金融公庫で不動産投資の融資を受ける方法とは?


メリット3:ほかの投資に比べてリスク管理がしやすい


株やFXなど、投資にはたくさんの種類がありますが、不動産投資も含め、いずれの投資にもリスクがあります。


しかし不動産賃貸経営のリスクは、不動産物件の購入前に十分なチェックをおこなうことで対策を立てられる部分が多いため、ほかの投資に比べてリスク管理がしやすい投資方法です。


不動産投資のリスクについて詳しくはこちら!>>不動産投資のやり方は?物件購入前のチェックでリスクを回避


デメリット1:初期費用がかかる


不動産投資で起業するためには、賃貸用に不動産賃貸物件を購入しなくてはなりません。


ほとんどの場合、不動産投資物件の購入には金融機関の融資を利用しますが、頭金や諸費用などの「初期費用」が必要です。


頭金が不要な「フルローン」や初期費用が不要な「オーバーローン」で融資を受ける方法もありますが、借入額が大きくなるため、ローン返済期間が長い、毎月の返済金額が高いなどのデメリットがあるためおすすめしません。


デメリット2:一攫千金は狙えない


不動産投資は家賃収入で利益を得る、「ミドルリスクミドルリターン」の投資方法です。


入居者がいるかぎり毎月決まった額の賃料が入るため収入は安定しますが、株式投資のように一度に高額の収入を得ることはむずかしいと言えます。


起業するなら「個人事業主」「法人」どっち?


どっち 選ぶ


不動産投資で起業する場合、「個人事業主」と「法人」、ふたつの方法があります。

個人事業主は、手続きが簡単で費用もかかりませんが、法人は手続きが複雑で費用もかかる代わりに税制面で優遇措置が受けられます。


不動産投資初心者は「個人事業主」でスタート


多くの場合、小規模な不動産投資をおこなう人や不動産投資初心者は、手続きが簡単で費用もかからない「個人事業主」として起業します。


個人事業主として起業するには、税務署に「個人事業の開廃業届出書(開業届)」を提出するだけと非常に簡単です。


開業届は、提出しなくても罰則等はありませんが確定申告時に「青色申告」を選択するのであれば、開業届の提出と「青色申告承認申請書」の提出が必要です。


青色申告承認申請書を出さない場合は、確定申告では「白色申告」になりますが、青色申告は最大65万円の青色申告特別控除や3年間の赤字繰り越しが受けられます。(事業規模の場合)


個人事業主について詳しくはこちら!>>不動産投資で節税するなら個人事業主がおすすめ!法人化も視野に


本格的な不動産投資が目標なら最初から「法人化」もOK


個人事業主として不動産経営をおこなうことで不動産所得が増加し、個人の所得税率が法人税率を超える規模になれば、税制面で得になる「法人化」を検討するのが一般的です。


また、不動産投資で起業する人のなかには、最初から「法人」として会社を立ち上げることもあります。


法人には個人事業主の青色申告以上の節税効果があるため、所有する不動産物件が少なくても、いずれは法人化を視野に入れている場合は最初から法人化することで手間やコストが省けます。


なお、法人化にかかる費用は、株式会社の場合は約30万円、合同会社の場合は約15万円となります。


法人化について詳しくはこちら!>>不動産投資で会社設立のメリット・デメリット!法人化の流れも紹介


不動産投資で起業する手順は?


ステップ 段階 手順


ここでは、不動産投資(不動産賃貸経営)で起業する際の手順を紹介します。


1.資金計画を立てる


まず、不動産賃貸経営の収益について目標額を決めましょう。

そのうえで、自己資金額からおおよそのローンの割合など算出し、目標額を達成するにはどんな不動産物件を購入すればよいのか(区分マンションか一棟物件か、中古か新築かなど)、そもそも資金は足りるのかなどを検討しましょう。


なお、法人として起業・不動産投資をスタートする場合は、会社名義で物件を購入できるよう、早めに手続きを開始する必要があります。


2.賃貸物件を探す


どんな物件を購入するか決めたら、物件探しを開始します。

インターネットの不動産投資物件のポータルサイトを活用するほか、不動産投資会社や物件を購入するエリアの不動産会社などを訪問・問い合わせをして候補となる物件を探しましょう。


よい物件を見つけるためには、できるだけ多くの物件を内覧したり、現地調査で物件周辺の情報を集めたり、さまざまな物件情報を材料に物件同士を比較検討してください。


3.収支計画を立てる


購入したい物件が見つかったら収支シミュレーションをおこないます。

毎月のキャッシュフローや返済計画に無理はないか、余裕を持って賃貸経営ができる物件かどうか十分吟味し、問題がなければ「買付申込」を提出しましょう。


不動産投資ローンを利用する場合は、融資の予備審査の申し込みをおこないます。


4.不動産賃貸物件を購入する


融資の予備審査がとおったら、物件の売買契約を結び購入手続きをおこないます。

契約締結後、融資の本審査を申し込み、承認されたら決済し、カギの引き渡しをもって取引完了です。


5.賃貸経営を開始する


不動産賃貸経営を開始します。

管理業務を委託する場合は、管理会社との契約が必要になるため、事前に管理会社の選定をすませておくとスムーズに賃貸経営をスタートできます。


個人事業主として起業する場合は、物件の引き渡しから1ヶ月以内に開業届を提出しましょう。


不動産投資の流れについて詳しくはこちら!>>不動産投資物件購入の流れを解説!売買契約時のチェックポイントは?


起業する際の注意ポイント!


チェック マーク ポイント

不動産投資で起業するにあたり、気をつけたいポイントがあります。

以下のポイントをしっかり確認しておくことで不動産投資を成功に導きます。


不動産投資の知識を身につける


不動産投資を成功させるには、物件の立地や不動産投資のリスク対策など、不動産売買の流れ、契約に係わる用語について、さまざまな知識を得ておく必要があります。


不動産投資家のセミナーや集会に参加して最新情報を聞いたり書籍を読んだり、「先人の知識」を得たうえで不動産投資を開始すると安心です。


目標額を決めておく


起業する際には、不動産投資でどれだけの収益をあげたいのかといった目標を立てることが重要です。


具体的な目標額を決めたうえで、どんな賃貸物件を購入すればよいのか、いつまでにローン返済を終えるべきかといった事業計画を綿密におこないます。


なお、ここでの目標額は、賃料収入ではなくキャシュフロー額(=家賃収入額-支出額)で考えてください。


賃料収入だけ見ると黒字でも、諸費用を差し引いてみたら赤字だった……ということが起きないよう、収支のチェックはしっかりおこないましょう。


副業として起業する場合は注意が必要


サラリーマンが副業で不動産投資をおこない起業する場合は、勤めている会社が「副業禁止」ではないことを確認しておきましょう。


特に公務員や金融機関にお勤めの場合、社内規定で副業が禁止されていたり、許可制だったりすることも少なくありません。

規定違反が判明すると、なんらかのペナルティを受ける可能性があります。


内緒で不動産投資をしていても、なにかの拍子にばれてしまうこともあるので、かならず副業の可否を確認してください。


有資格者なら不動産仲介業で起業もできる


仲介手数料 仲介 ビジネスマン

「不動産関係の起業」で不動産賃貸経営とよく比較されるのが、「不動産仲介業」での起業です。


不動産仲介業は、不動産売買で買主と売主の仲介や、不動産賃貸業では貸主と借主を仲介することで、売買契約や賃貸借契約を成立させた報酬として「仲介手数料」を受取ることができます。


不動産をあつかう職業ではありますが、家賃がおもな収入となる不動産賃貸経営とは、まったく業務内容が異なるため注意しましょう。


不動産仲介業のメリット


不動産仲介業は、不動産市場に流通している不動産物件の売買や貸借の仲介をおこなうため、自身で不動産物件を購入する必要がありません。


また、売買契約締結や賃貸借契約締結によって報酬として仲介手数料を受け取れますが、その手数料額は法律(宅地建物取引業法)で定められた範囲内であれば不動産仲介業者が自由に決めることができます。


不動産売買価格(取引額、税抜き)

仲介手数料の上限(税抜)

取引額200万円以下の物件

5%以内

200万超400万円以下の物件

4%以内

400万円超の物件

3%以内


高額物件を仲介・契約締結した場合は、仲介手数料も高額になります。

このように、1度の取引で大きな収益を得ることができるのが不動産仲介業のメリットです。


不動産仲介業のデメリット


不動産仲介業として起業するには、「宅地建物取引士」の資格が必要です。


また、宅地建物取引業法で事務所の設置が義務づけられているため、事務所の賃料や備品を設える費用が必要ですし、不動産仲介業として認知してもらうための宣伝や広告等の費用もかかります。


そして、お客様(土地売買なら買主や売主、賃貸なら借主)の都合にあわせて時間を割く必要があるため、サラリーマンの起業には向きません。


さらに、仲介手数料は成功報酬なため、どれだけ仲介しても売買契約や賃貸借契約が成約しない限り1円の収入も得られないこともデメリットになります。


まとめ


不動産投資で起業するなら不動産賃貸経営がおすすめの理由について解説しました。


不動産賃貸経営で起業するするには、「個人事業主」と「法人」のふたつに方法があります。

いずれの場合も不動産賃貸経営で起業し成功するためには、不動産知識を身につけ、しっかりとした目標となる収益額の設定が必要です。


これから起業を考えている人は、ぜひ当記事を参考に、不動産投資を検討してください。

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