不動産投資で節税するなら個人事業主がおすすめ!法人化も視野に
2021/07/07

不動産投資で節税するなら個人事業主がおすすめ!法人化も視野に

個人事業主とは?不動産投資に開業届の提出は必要?サラリーマンの副業でも個人事業主になれる?不動産投資するならメリットの多い個人事業主がおすすめ個人事業主になれば経費計上できる範囲が広がる青色申告すればさらに節税できる個人事業主が不動産投資をおこなうデメリット失業手当が受け取れない青色申告は手間がかかる不動産投資で法人化するタイミングは?不動産投資で法人化するメリットとデメリット法人化した場合のメリット法人化した場合のデメリットまとめ

不動産投資で節税するなら開業届を提出し、「個人事業主」になるのがおすすめです。

さらに青色申告すれば経費計上できる費用も増え、より節税につながります。


また、不動産投資をつづけることで事業規模が大きくなれば、税率面で優遇される法人化も視野に入ってくることでしょう。


今回は、個人事業主として不動産投資をおこなうことで得られるメリットやデメリット、法人化のタイミングについてまとめました。


これから不動産投資をはじめる人はもちろん、法人化を考えている人も参考にしていただけたらと思います。


個人事業主とは?


「個人事業主」とは、個人で事業をおこなっている人全般を指します。

不動産投資家のほか、飲食店の経営者や事務所を開業した士業(弁護士や税理士など)も個人事業主にあたります。


ただし、税務上の区分として個人事業主になるには「個人事業の開廃業届出書(以下、開業届)」を税務署に提出する必要があるため、開業届を提出していない場合、税務上では個人事業者ではありません。


なお開業届は、事業開始から1ヶ月以内に提出するだけで費用もかからないため、誰でも簡単に個人事業主になることは可能です。


よく、開業届の提出=法人化と勘違いされますが、法人化するためには設立関係書類や費用の発生など複雑な手続きが必要になります。


開業届を提出しただけでは法人化されることはないので、混同しないようにしましょう。


不動産投資に開業届の提出は必要?


原則として、『新たに事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の開始等をした方』は開業届の提出をする必要があります。


よって、不動産投資を開始し不動産取得を得る場合は、開業届の提出をおこなわなければいけません。


ただし、開業届未提出であっても罰則などがないため、開業届を出さずに不動産投資を開始することも可能です。


しかし、不動産投資で節税をしたいのであれば、開業届を提出して個人事業主になることをおすすめします。


個人事業主として不動産投資をおこなえば、確定申告時に「不動産取得」の選択が可能になり、経費計上できる範囲が広がるため節税につながります。


また、確定申告で青色申告をおこないたい場合は、開業届の提出は必須なので注意が必要です。


サラリーマンの副業でも個人事業主になれる?

ビジネスマン 家 葉

サラリーマンの副業として人気の不動産投資。


サラリーマンのように本業を持っている場合は不動産投資ローンの融資を受けやすく、本業の給料以外の収入を得ることができるので資産形成にも役立ちます。


また不動産投資の賃貸経営は、入退去や建物管理などを管理会社に委託できるため、忙しいサラリーマンでも負担が少なく本業に支障が少ないのも人気の理由です。


このようにサラリーマンが副業として不動産投資をおこなっている場合でも、個人事業主になることは可能です。


上にも書いたように個人事業主になれば節税にもつながるので、サラリーマンの副業であってもある程度の事業規模を見込める場合は開業届の提出し、個人事業主になることをおすすめします。


不動産投資するならメリットの多い個人事業主がおすすめ



ここでは、個人事業主になった場合のメリットについて紹介します。


個人事業主になれば経費計上できる範囲が広がる


開業届を提出して個人事業主になれば、「白色申告」として確定申告時に経費として計上できる項目が増えます。


まず、家族を従業員とした場合は「事業専従者控除」として、配偶者は86万円まで、そのほかの親族はひとりにつき50万円まで経費として計上が可能です。


また、不動産投資にかかった費用の一部(固定資産税や保険料、物件の管理費・修繕費、税理士などへの報酬、減価償却費、ローン金利、他)も経費として計上することができます。


青色申告すればさらに節税できる


事業規模が大きくなったら、白色申告よりも税金面で優遇措置を受けられる「青色申告」を目指しましょう。


青色申告をおこなうには、あらかじめ「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておく必要があります。


青色申告で得られるメリットは以下のとおりです。


最大65万円の青色申告特別控除が受けられる

青色申告には特別控除があり、55万円か10万円を所得から差し引くことができます。


55万円の特別控除を受けるには、事業規模が「5棟10室」以上であるが条件になり、またe-Taxによる電子申告か電子帳簿保存をおこなった場合は10万円が上乗せされ、65万円の特別控除を受けられます。


ただし、電子帳簿保存は、あらかじめ税務署に申請する必要があるのでご注意ください。


5棟10室の事業規模の条件を満たしていない場合は10万円が控除されます。


指定した範囲内で事業専従者控除が受けられる

白色申告では上限のあった事業専従者控除ですが、青色申告では届け出た金額が上限になります。


青色専従者控除を受けるには、あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」に給与額を記載したうえで税務署に届け出る必要があるので忘れずに提出しましょう。


なお青色専従者の条件は、以下のようになります。


青色申告者と生計を一にする親族

当該年度の12月31日に15歳以上

青色申告者の事業に、6か月以上専従している


なお、青色事業専従者控除に上限はありませんが、給与額として常識の範囲内で金額を設定する必要があります。


あまりにも高額な給与額を設定した場合、確定申告時に認められない可能性もあるため注意してください。


損失があれば3年間の繰り越しができる

不動産投資で赤字だった場合、3年間の繰り越しが可能になります。

翌年以降に利益が出ても、繰り越した損失分を控除できるので税金を減らせます。


個人事業主が不動産投資をおこなうデメリット


デメリット 青空 文字

ここでは、開業届を提出して個人事業主になることで受けるデメリットをまとめました。


失業手当が受け取れない


失業手当は、「職に就くための就職活動をおこなっている」状態のときに給付されるため、事業を開始し開業届を提出したことで受給資格はなくなるので注意しましょう。


青色申告は手間がかかる


青色申告で55万円(または65万円)の特別控除を受けるためには、複式簿記で帳簿を付つけなくてはなりません。


複式簿記の記帳は複雑なため手間がかかります。

本業が忙しいサラリーマンや簿記の知識がない人は、思い切って税理士に確定申告を依頼し、収支に関わる書類や領収書などの管理してもらってもよいでしょう。


不動産投資で法人化するタイミングは?


不動産投資が順調で不動産収入が増えてくると、法人化が視野に入ってきます。


日本の所得税法では、収入が高くなればなるほど所得税額も高くなりますが、個人事業主と法人の最大税率を比較した場合、個人事業主は45%であるに対して法人は23.2%と法人のほうが最大税率は低く設定されています。


そのため、個人事業主の所得税率が23.2%を超えた時点で法人に切り替えることで、所得税額をおさえることが可能になるのです。


課税所得金額でみてみると、695万円を超えて900万円以下の場合、税率は23%。

900万円を超えて1,800万円以下の税率は33%になります。


よって、課税所得金額が900万円を超えた時点が、法人化を検討するのに最適なタイミングといえます。


不動産投資で法人化するメリットとデメリット


メリット デメリット 重なる円
法人としておこなう不動産投資には、個人事業主以上のメリットがある反面、法人ならではのデメリットもあります。

法人化について詳しくはこちら!>>不動産投資で会社設立のメリット・デメリット!法人化の流れも紹介


法人化した場合のメリット


不動産投資の法人化最大のメリットは、経費計上できる費用が増えるため、さらに節税効果が高くなることです。


たとえば、法人化では従業員に支払った給与は全額経費にできますし、生命保険の契約者を法人にして受取人を役員にすることで保険料を経費として計上することが可能です。


また、個人で不動産物件を所有・運用している場合、贈与税や相続税が発生しますが、法人が所有する不動産物件は相続税・贈与税の対象外となります。


さらに個人事業主の青色申告では、赤字の繰り越し期間は3年間でしたが、法人の場合は9年間と長期に渡って赤字の繰り越しが可能です。


法人化した場合のデメリット


法人化のデメリットとしてあげられるのは、個人事業主にはなかった支払いが生じることです。


まず法人設立化の手続きは、必要書類の用意や申請など手間と時間かかるため、自力でおこなえないときは行政書士や司法書士といった専門家に手続きを依頼することになり依頼料などの報酬を支払う必要があります。


また、法人の会計処理は複雑なため、税理士や公認会計士を顧問にすることも少なくありませんが、その場合も顧問料の支払いが発生します。


なお、個人事業主の場合とは異なり、法人の利益は会社のものになるため、たとえ社長であっても勝手に会社のお金を使うことはできないので注意が必要です。


まとめ


開業届を提出し、個人事業主として不動産投資をおこなう場合、経費計上できる費用が増えたり青色申告ができたりと、節税面でメリットがあります。


サラリーマンの副業であっても個人事業主になることは可能なので、不動産投資の事業規模にあわせて開業届の提出を検討するとよいでしょう。


また、不動産投資の収益が900万円を超えたなら、所得税率が低くなる法人化も視野に入ってきます。


個人事業主・法人それぞれのメリットとデメリットを考慮したうえで、最適な方法で不動産投資をおこないましょう。

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