不動産投資でリフォーム費用を減らす3つのヒント!予算の目安は?
安定した家賃収入をえるためには、不動産投資物件のリフォームは欠かせません。
築古の物件をリフォームすることで物件の魅力が上がり、入居者に選ばれやすくなります。
また、物件の価値も上がるため家賃下落を防ぐことも可能ですし、場合によっては家賃を値上げして収益をアップできるチャンスです。
今回は、リスク対策の要のひとつである「リフォーム」について、費用を減らすヒントや予算の目安額を紹介します。
空室で困っているオーナー様、これから投資用の中古不動産物件を購入しようとしている人は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資用物件をリフォームすることで得られるメリット
不動産投資では、「いかに満室経営をおこなうか」は非常に重要なポイントです。
しかし、物件の築年数によっては空室がなかなか埋まらず、周辺の家賃相場よりも低い家賃を余儀なくされる場合も……。
そんな築古物件が抱えるリスク対策に有効な手段のひとつが「リフォーム」です。
単なる原状回復ではなく、内装をきれいにしたり新しい設備と取り換えたりすることで、周辺の競合物件よりも入居者に選ばれやすい物件にすることが可能なのです。
また、リフォームの出来具合によっては、家賃を値上げしても入居付けができる可能性も広がります。
間取り変更するならリノベーションを検討
どちらも同じように使われる場合もありますが、それぞれ意味合いが少し異なります。
「リフォーム」は、築古物件などの老朽化・破損した部分を元に戻す意味合いが大きいです。
壁紙や床材の張り替え、古くなったキッチンの交換、外壁塗装などの工事が該当します。
「リノベーション」は、今あるものに新たな価値をつけ加える意味合いが強いです。
間取り変更などの工事はリノベーションになります。
築古物件の場合、現在の賃貸ニーズに合わない間取りのことも少なくなく、入居が付かない原因のひとつとなっています。
こういった間取りの悪さが空室の原因であれば、思い切ってリノベーションで間取り変更をするのも空室対策の有効な手段です。
たとえば、いまでは使い勝手の悪い2DKの間取りをリビングが広めの1LDKに変更することで、単身者に選ばれる人気の間取りに生まれまわります。
ただし、リフォームに比べてリノベーションは、工期が長く費用も高額になる工事がほとんどです。
そのため、賃貸需要や築年数などから「リノベーションが不動産投資に有効な手段かどうか」
をしっかり見極める必要があります。
不動産投資用物件をリフォーム!予算の目安はどう決める?
せっかくリフォームをしても、費用の回収ができなくてはリフォームをした意味がありません。
ではリフォームにかける費用は、いくらくらいが妥当なのでしょうか。
ここではリフォームにかける費用面について、目安となる予算の計算方法や検討すべきポイントを紹介します。
リフォーム利回りを計算して予算を出す
リフォームにかける費用については、どのくらいの予算でどのくらいの期間で回収できるのかといった指標が必要です。
そこで参考にしたいのが「リフォーム利回り」です。
リフォーム利回りは、プロのコンサルタントなどが指標として使用しているもので、利回り10~12%程度が適正とされています。
また、利回りは下記の計算式で計算できます。
【リフォーム利回り】=(リフォーム後の家賃-リフォーム前の家賃)×12カ月÷リフォーム費用×100
なお、リフォーム後も家賃はそのままの場合、リフォーム前の家賃については「リフォームせずに入居募集をした場合の想定家賃額」を使用してください。
たとえば、現在6万円で入居募集をしているが入居が付かず、5.8万円で募集することで成約できたと仮定します。
(60,000-58,000)×12÷リフォーム費用×100=リフォーム利回り
ここにリフォーム費用として予算額を入れて計算すれば、利回りが出ます。
仮にリフォーム費用を20万円としてみましょう。
(60,000-58,000)×12÷200,000×100=12(%)
リフォーム費用が20万円の場合、リフォーム利回りは12%なので適正範囲内になります。
このように、リフォーム利回りが10~12%になるようにリフォーム費用を調整することで、リフォームに充てる予算額の目安がわかるのです。
築年数や間取りを考慮
リフォーム費用は、物件の築年数や間取りによって変わってきます。
一般的に築年数が古いほどリフォームの対象となる箇所が増えることが想定できます。
また、間取りが狭いほど工事費用が割高になる傾向が強いです。
そのため、リフォーム費用の予算を考える際には、物件の築年数や間取りなどにも注意することをおすすめします。
リフォーム費用を減らす3つのヒント
その1:DIYする箇所と業者に依頼する箇所を明確にする
リフォーム費用を減らすために、セルフリフォームすることは非常に有効な手段です。
例をあげると、6畳の部屋の壁・天井の張り替えをリフォーム業者に依頼した場合の費用相場は5〜6万円になりますが、DIYであれば材料費と道具費用だけで約1万円ですみます。
ただし、DIYにある程度慣れている人ならともかく、DIY初心者の人にとって一部屋丸ごとリフォームをおこなうのは時間的にも技術的にもむずかしいのが実状です。
DIY初心者であれば、まずはできる簡単な部分からはじめることをおすすめします。
初心者向けDIYの例としては、コンセントやスイッチカバーの交換、網戸の張り替えなどがあります。
もう少し慣れた人には、フロアタイルの張り替えなどがおすすめです。
いずれも些細なDIYですが、上記の工事をDIYできれば、業者に依頼した場合の費用の約1/3程度におさえることが可能です。
できる部分はDIYでおこない、できない部分は業者に任せることで、ある程度の費用削減が可能になります。
その2:複数社で見積りを取る
リフォームを業者に依頼する場合は、かならず複数のリフォーム業者に見積もりをお願いしましょう。
インターネットの一括見積サイトを利用するのもよい方法です。
その際、リフォーム金額はもちろんですが、工事費用に含まれている内容や工期などもしっかりと確認をおこないましょう。
その3:リフォーム費用で節税する
不動産投資用物件のリフォーム費用は、経費として計上する「修繕費」と減価償却費として計上する「基本的支出」に分かれます。
原状復帰に基づくリフォーム内容(同グレードの壁紙や床材の張り替えなど)は、修繕費としてその年に一括計上できます。
リノベーションの範疇となるグレードアップしたもの(間取り変更、公団キッチンをシステムキッチンに変更など)は「基本的支出」になるため、減価償却費として計上してください。
いずれも、リフォーム費用の直接的削減ではありませんが、リフォームすることで節税につながります。
おもなリフォーム箇所と費用相場
室内のリフォーム箇所の費用相場をまとめました。
なお、キッチンやトイレなどの価格は、ネット通販を利用するとさらに安く購入することができます。
壁紙の張り替え | 1,000円~1,500円/㎡ |
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床材の張り替え(クッションフロア) | 約3,000円/㎡ |
床材の張り替え(フロアタイル) | 約5,000円/㎡ |
床材の張り替え(フローリング) | 3万円~6万円/1畳 |
キッチンの交換(公団キッチン) | ~10万円 |
キッチンの交換(システムキッチン) | 20万円~ |
バスルーム(浴槽の取換え) | 5万円~10万円 |
バスルーム(ユニットバス交換) | 90万円以上 |
トイレの交換(通常タイプ) | 5万~10万円 |
トイレの交換(温水洗浄便座付き) | 10万~20万円 |
リフォーム費用が足りないときはリフォームローンも検討する
「リフォームしたいけど、資金が足りない!」
そんなときは、リフォームローンの利用を検討しましょう。
リフォームローンとは、その名前のとおりリフォーム用資金として借入ができるローンで、複数の金融機関から、さまざまな商品が出ています。
リフォームローンには「担保型」と「無担保型」の2種類がありそれぞれメリットとデメリットがあります。
担保型アパートローンのメリットとデメリット
- メリット
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- 借入可能金額が無担保型に比べて大きい
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- 金利が低い
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- 返済期間が長い
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- 団体信用生命保険へ加入可
- デメリット
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- 担保登記など準備する手間や費用がかかる
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- 審査結果が出るまで時間がかかる
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- 火災保険加入が義務の場合がある
担保型アパートローンは、借入可能金額の上限が数億円と非常に高く、また返済期間も30年程度と長いのが特徴です。
そのため、一棟丸ごとリフォームする場合や大規模修繕費用など大きな額が必要な際に便利です。
ただし借入額が大きくなるため、月々の返済計画などのシミュレーションをしっかりとおこなう必要があります。
無担保型アパートローンのメリットとデメリット
- メリット
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- 担保が不要なので手間がかからない
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- 審査結果が出るのが早い
- デメリット
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- 借入可能金額が担保型よりも少ない
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- 金利が高め
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- 返済期限が短い
無担保型ローンは、借入可能金額が1,000万円程度、返済期限も最長20年ほどと短めです。
無担保型のリフォームローンを利用するなら、キッチンのみ、バスルームのみ、区分マンション1室など、決まったエリアのリフォームに利用するとよいでしょう。
まとめ
不動産投資のうえで必要な「空室対策」や「家賃下落対策」には、リフォームが欠かせません。
リフォームをおこなうには、適切な予算を定めたうえで、できるだけ費用をおさえることが重要です。
そのためには、リフォーム利回りの計算をして、どれだけ費用をかけられるのかしっかり確認してみるとことをおすすめします。
満室経営を目指すためにも、ぜひ当記事を参考にしてください。