不動産投資と株式投資のメリット・デメリット!どんな人が向いてる?
「どっちがいい?」と比べられることも多い不動産投資と株式投資ですが、ずばり言うと、いずれにもメリットとデメリットがあるため、どちらがよいとは一概には判断できません。
しかし、両者の違いを比べてみるとそれぞれの魅力がよくわかりますし、また「どんな人に向いているのか?」についてもわかります。
そこで今回は、不動産投資と株式投資のメリットやデメリット、それぞれの投資に向いている人をまとめました。
「不動産投資と株式投資どっちがいいかな?」と悩んでいる人は、ぜひ当記事を参考にしていただけたらと思います。
不動産投資の特徴!ローンを利用してレバレッジを効かせられる
不動産投資は、所有する不動産物件(一棟アパートや区分マンション、駐車場等)を賃貸に出し、「大家・オーナー」として賃料を得る投資方法です。
また、購入時よりも高値で不動産物件を売却することで売却益を得ることも可能です。
「高額な不動産なんて買えない……」と思う人も多いですが、不動産投資は金融機関から融資(不動産投資ローン)を受けて不動産の購入ができます。
少ない自己資金で大きな資産を所有・運用できる「レバレッジ効果」を活かせるのが不動産投資最大の特徴です。
なお不動産投資は、長期に渡って安定した家賃収入が見込める「ミドルリスク・ミドルリターン」な投資方法になります。
不動産投資のやり方について詳しくはこちら!>>不動産投資のやり方は?物件購入前のチェックでリスクを回避
株式投資の特徴!短期間で大きなリターンも狙える
株式投資は、企業が発行した株式を購入することで事業資金を出資する「株主」となり、企業の利益の一部を株式の保有数に応じて配当金や株主優待サービスを受け取ったり、手持ちの株式を売却することで売却益を得る投資方法です。
株価は、株式を発行した企業の業績のほか、経済状況や世界情勢によって大きく変動することがあります。
場合によっては株価が大きく値上がりし購入時の倍以上の価格になることもあり、短期間で大きなリターンを得る可能性があります。
しかし反面、暴落すれば元本割れして大きな損失につながることもあるため、ハイリスク・ハイリターンな投資方法です。
不動産投資のメリットは?
ここでは不動産投資のメリットを紹介します。
レバレッジを効かせた投資ができる
上にも書いたように、不動産投資は「不動産投資ローン」を利用して不動産物件を購入できるのが大きな特徴です。
そのため、少ない資金で大きな資産を所有し運用する「レバレッジ効果」を最大限に活かせる投資方法になります。
ミドルリスク・ミドルリターン
不動産投資は、賃貸物件の借り手がいるかぎり定期的な家賃収入を得ることができます。
毎月の家賃収入からローンの返済や費用を除いた額がキャッシュフローとして手元に残るので、副収入として不動産投資をはじめるサラリーマンも増えています。
また、建物価格は経年によって価値は下がっていきますが、土地の価格変動は緩やかで急激に地価が暴落する危険性は非常に少なく、ほかの投資に比べると資産価値が落ちにくいです。
不動産投資にもリスクはありますが、事前にリスク対策をおこなうことでリスクを下げることも可能です。
リスク対策がしやすく長期にわたって安定した投資をおこなえることから、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資方法となります。
相続税対策ができる
不動産を相続する場合、現金や株式等で相続するのに比べて相続税をおさえることが可能です。
現金や株式の場合はそのままの額が相続税評価額になります。
しかし不動産の評価額は、固定資産評価基準をもとに決定されるため、土地の評価額は公示価格の約80%、建物の評価額は購入価格の約50%と、同額の現金等を相続するよりも相続税をおさえることが可能です。
生命保険がわりになる
不動産投資ローンを利用した際、「団体信用生命保険(団信)」に加入することで、ローン返済期間中にローン契約者が亡くなったり病気になった場合は、ローン債務が免除になります。
不動産物件や家賃収入はそのまま相続人に引き継がれるため、あとに残された家族の生活を支える生命保険代わりになるのです。
不動産投資のデメリット
不動産投資にはデメリットもありますが、不動産物件購入前にできるリスク対策も多いのが特徴です。
空室リスクがある
不動産投資をおこなう際、もっとも気をつけたいのが空室リスクです。
家賃がおもな収入となるため、空室がつづくと家賃が得られずキャシュフローが悪化してしまいます。
空室対策としては、不動産物件購入前に立地や周辺の競合物件について、しっかりリサーチをおこない、間違った物件を選ばないことが重要です。
また、経年とともに建物が古くなることで空室が増え入居率が低くなった場合は、リフォームをおこなったり、入居者に人気の設備を導入したりといった空室対策も必要になります。
災害リスクがある
不動産物件が、地震や台風などの被害を受けるリスクがあります。
天災を完全に防ぐことはむずかしいですが、不動産物件を購入する前にハザードマップを確認し、危険が少ないエリアの物件を購入することも大事です。
また、被害にあった場合に備えて損害をカバーできる保険に加入しておくとよいでしょう。
購入・売却の手続きに時間がかかる
不動産投資をはじめるためには、まず投資用の不動産物件を購入する必要がありますが、物件探しから物件購入、賃貸経営をおこなうまでにはかなりの時間がかかります。
また売却する場合も購入するのとほぼ同じ時間がかかるため、すぐに現金化しづらいのがデメリットです。
短期間で大きな利益は得にくい
長期に渡る家賃収入がメインの不動産投資は、毎月決まった額の収入を見込みやすい反面、短期間で大きな利益は得にくいです。
管理維持費がかかる
不動産投資をおこなう際には、土地と建物には固定資産税や都市計画税が、家賃収入には所得税と住民税がかかります。
また、賃貸管理や建物管理を業務委託した場合は管理費用が発生しますし、建物のメンテナンス費用や大規模修繕費用の積み立てなど、管理にかかる費用が必要になります。
株式投資のメリット
ここでは株式投資のメリットについてまとめました。
短期間で大きな利益も期待できる
株式は、株価の価格変動幅が大きいため、株価が急激に上がることもあります。
タイミングよく売却することで、もとの価格の2倍以上など大きな利益も期待できます。
手続きが簡単ですぐはじめられる
証券会社の口座を開設・入金すれば、すぐにでも株式の売買をはじめることができます。
証券会社は、対面証券のほかネット証券などがありますが、証券会社によって手数料額が異なるため、サービス内容を確認のうえ自分に合う証券会社を選びましょう。
少額から投資できるので分散投資しやすい
株式投資は、約5万円あればはじめることができます。
日本国内の上場企業は3,700社以上(2021年5月現在)あるので、多くの銘柄のなかから好みのものを複数選んで分散投資することも可能です。
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流動性が高く現金化しやすい
株式投資は流動性が高く、現金化しやすいのがメリットです。
ただし、買い注文が少ない銘柄もあるため、株式を購入する際には銘柄の流動性を確認することをおすすめします。
株主優待制度がある
企業によっては、配当金以外に株主優待サービスとして、保有する株数に応じて飲食物や商品券、割引券などを配付することもあります。
最近では、株主優待サービスを目当てに株を長期保有する人も増えています。
株式投資のデメリット
株式投資のリスクは、企業の経営状況、経済状況や世界情勢に左右されやすく、事前にリスク対策がとりにくい傾向にあります。
株価の下落や保有株式企業の倒産
株式は価格変動が大きいため、株価が大きく上がることもあれば、大きく下がることもあります。
株価が大きく上がれば大きな利益が出ますが、逆に株価が暴落すると購入時の金額より下がってしまう「元本割れ」になってしまい、大損してしまう危険性があります。
また、投資先の企業がなんらかの理由で経営破綻してしまった場合、株式の価値がゼロになってしまい、しかも投資したお金は返却されません。
以上のように株式投資はハイリスク・ハイリターンな投資方法です。
流動性リスクがある
流動性が高い株式投資ですが、株式の売り注文と買い注文の需要と供給のバランスが崩れてしまうと株式の売買がおこなえない状態になることもあります。
そのため、売買が成立したときには当初予定していた株価が大きく変動してしまい、損をする場合も考えられます。
時間のない人には株価チェックがむずかしい
株の売買は、平日の9時~15時でおこなわれています。
その間、株式の価格は刻々と変動するため、上記の時間内に働いている人には、リアルタイムでの株式の売買はむずかしいかもしれません。
ただし売買の注文は、ほぼ24時間出すことができるため、空いた時間に注文を出しておけば売買することは可能です。
あなたはどっち?不動産投資・株式投資それぞれに向くのはどんな人?
ここまで、不動産投資と株式投資について、それぞれのメリットとデメリットをみてきました。
投資方法や収益を得る方法など異なる両者ですが、不動産投資、株式投資、それぞれに向いているのはどんな人なのでしょうか。
不動産投資に向く人は?
長期間安定した投資を好む人
ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資は、適切な空室対策をおこなうことで安定した家賃収入を得ることが可能です。
また、長期間に渡って家賃収入を目的とした投資方法となるため、老後の資産形成などを目標に地道な投資をしたい人に向いています。
逆に短期間で大きな利益を出したい人は、不動産投資はおすすめしません。
時間がなかなか取れない人
不動産投資は、入退去管理や建物管理などの必要がありますが、これらはすべて業者に委託することが可能です。
そのため、サラリーマンなどの定職を持っている人でも、手間や時間を取られることなく不動産投資で家賃収入を得ることができます。
株式投資に向く人は?
少額ですぐに投資をはじめたい人
株式投資は、証券会社の口座を開設後に入金さえすれば、すぐに投資をスタートさせることができます。
また、約5万円程度あれば購入できる株式もあるので、手持ちの資金が少ない人も始めることが可能です。
分散投資がしたい人
株式投資は、分散投資がしやすい投資方法です。
倒産リスクや元本割れリスクを回避するためには、分散投資で複数の株式を所有することで、リスクを最小限におさえることが可能です。
また、株式は流動性が高いため、現金が必要になったときはすぐに換金し別の株式を購入することもできます。
まとめ
不動産投資と株式投資について、それぞれメリットとデメリットをまとめました。
「ミドルリスク・ミドルリターン」の不動産投資と「ハイリスク・ハイリターン」の株式投資。
どちらも一長一短があるため、どっちがいいとは断定できませんが、投資開始まで時間がかかっても安定した収益を目指す人には不動産投資がおすすめです。
反対に、すぐにでも投資をはじめたい人は、証券口座を開くだけで開始できる株式投資が向いています。
投資をおこなう場合は、投資目的や投資環境などを考慮し、自分に向く投資方法を選びましょう。