不動産投資と不動産投資信託「REIT」の違いは?メリット・デメリットも
2021/06/18

不動産投資と不動産投資信託「REIT」の違いは?メリット・デメリットも

投資信託とは?投資信託商品の種類を紹介不動産投資信託「REIT(リート)」とは?REITで投資対象となる不動産の種類は? REITのメリット少額から運用ができて分散投資しやすい流動性が高いので現金化しやすい不動産物件の購入・運用、管理はすべてプロがおこなう分配金が多いREITのデメリット元本割れのリスクがある災害のリスクがある上場廃止のリスクがある投資法人が倒産するリスクがあるREITの購入手順1.証券口座を開設する2.口座に入金し、欲しいREITを選ぶ3.買い注文を確定させるまとめ

投資信託は、国内外の株式や債券等を少額の資金で運用できる投資方法のひとつです。

「REIT(リート)」もそんな投資信託のひとつで、国内外の不動産投資信託を対象とした金融商品です。


「不動産投資信託って何?不動産投資とどう違うの?」という人のために、今回はREITの仕組みやメリット・デメリットを解説しながら、従来の不動産投資との違いを比較してみました。


これから資産運用や投資をはじめようと考えている人は、ぜひ当記事を参考にしてください。


投資信託とは?


「投資信託」とは、販売会社(銀行や証券会社等)が複数の投資家に向けて投資信託商品を販売し、集めたお金を大きな資金としてまとめます。


まとめられた資金は、専門家が株式や債券、不動産などに投資し運用をおこない、その利益を投資額に応じて投資家に分配される仕組みになります。


投資家は自分が投資したい投資信託商品を購入するだけで、運用は専門家がおこなってくれるため、投資家に専門的な知識は不要です。


また、投資信託は少額からはじめることができるため、多額の資金がなくても投資をはじめることができます。


ただし、投資信託は元本保証がされていないため、運用がうまくいかず元本を下回った場合は元本割れとして損失を被る可能性もあります。


投資信託商品の種類を紹介


投資信託商品には、おもに以下のようなものがあります。


国内株式・外国株式

株式を対象に投資する投資信託商品です。

国内の株式をあつかう「国内株式」と海外の株式をあつかう「外国株式」に分かれます。


通常の株式投資よりも小口で投資がおこなえるため、無理のない範囲で投資をはじめることが可能です。


不動産投資と株式投資について詳しくはこちら>>不動産投資と株式投資のメリット・デメリット!どんな人が向いてる?


国内債権・外国債券

債権を対象に投資する投資信託商品です。

株式と同じく、国内の債券をあつかう「国内債券」と海外の債券をあつかう「外国債券」に分かれます。


REIT(リート)

国内外の不動産信託に投資する投資信託商品で、日本では「JAPAN」の頭文字をつけてJ-REITと呼ばれます。


内容については、下記で詳しく説明します。


コモディティ

金などの貴金属類や原油などの資源、麦などの穀物といった、おもに先物市場で取引される商品に投資する投資信託です。


不動産投資信託「REIT(リート)」とは?

家 電卓 グラフ

「REIT(リート)」とは、不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)の略称で、その名のとおり、おもに不動産物件を投資信託の対象とした金融商品です。


多くの投資家から集めたお金を資金として、専門家が不動産物件を購入・運用(賃貸や売買)することで得た利益を投資額に応じて投資家に分配されます。


また、REITは証券取引所に上場しているため、証券口座を持っていれば株式投資と同じように立会時間内に売買することが可能です。


REITで投資対象となる不動産の種類は?


REIT(リート)における投資対象となる不動産の種類は、オフィスビルや賃貸住宅(おもに一棟マンション)のほか、商業施設(店舗)、物流施設(倉庫等)、宿泊施設(ホテルやリゾート施設等)、高齢者用施設など多岐に渡ります。


そのうちの1種類だけに投資する方法を「単一型REIT」、複数の種類の不動産に投資をおこなう方法を「複数用途型REIT」と呼びます。


単一型REITは、たとえばオフィスビル1種類だけに投資するといった方法です。

その種類の不動産が好調であれば大きな利益が期待できますが、逆に不調となれば元本割れなどのリスクが高くなります。


複数用途型REITは2種類あり、ひとつ目はオフィスビル+商業施設など、ふたつの不動産に投資する「複合型」、もうひとつは3つ以上の用途を組み合わせて投資する「総合型」になります。


どちらも複数種類の不動産に分散投資をおこなうため、単一型に比べてリスクが低くなりますが、かわりにいずれかが好調でもそのほかが不調ということもあるため、リターンも少なくなる可能性があります。


REITのメリット


REIT(リート)のメリットは、従来の不動産投資に比べて、圧倒的に少ない資金で不動産投資ができることですが、それ以外にもメリットはたくさんあります。


ここでは、現物不動産投資と比較しながらREITのメリットを紹介します。


少額から運用ができて分散投資しやすい


REIT最大のメリットは少額で不動産投資ができることです。

投資物件によって価格は異なりますが、数万円から購入できる銘柄もあります。


現物不動産投資の場合、不動産投資ローンを利用できますが、一般的には頭金や初期費用としてある程度まとまった額の現金が必要です。


また、REITは少額投資ができるため、複数の物件に分散投資もしやすいというメリットがあります。


少額で不動産投資はできる不動産投資クラウドファンディングについて詳しくはこちら!>>不動産投資クラウドファンディングとは?メリットとデメリットを解説


100万円でできる不動産投資について詳しくはこちら!>>100万円でできる不動産投資!少ない自己資金で大家になる3つの方法


流動性が高いので現金化しやすい


現物不動産投資は、不動産を購入するのも売却するのも時間や手間がかかります。


しかしREITは、証券市場に上場しているため市場を通して売買ができます。

そのため流動性が高く、比較的簡単に売却できるので現金化しやすいのも特徴です。


不動産物件の購入・運用、管理はすべてプロがおこなう


現物不動産投資をはじめる場合は、まず情報収集をおこない、物件の内見、売主との交渉、融資審査、売買契約、物件引き渡し、管理会社決定、そしてようやく賃貸経営が開始されるため、時間と労力が必要です。


しかしREITは、物件選びから購入・運用すべて専門家がおこなってくれます。

また、運用中の不動産物件の維持・管理なども専門の管理会社が担うため、投資家は時間や労力をかける必要はありません。


分配金が多い


REITは収益の90%以上を投資家に分配すれば法人税が免除される仕組みになっています。

そのためREITの配当率は株式投資などの配当よりも高く、分配金が多くもらえます。


現物不動産投資に分配金はありませんが、レバレッジを効かせた資産形成ができるため、利益率はREITよりも現物不動産のほうが高くなることが多いです。


また、現物不動産投資は、長期に渡って安定した収益を得ることを前提とした投資方法。

ローン返済が終われば家賃収入のほとんどが利益となりますし、建物が築古になり無価値になっても土地は残るため、売却してまとまった現金収入を得ることも可能です。


REITのデメリット



投資である以上、REIT(リート)にはデメリットやリスクが存在することをしっかり理解しておきましょう。


元本割れのリスクがある


REITは、元本保証がされていない金融商品です。

そのため、不動産価格が下落したり、空室が増えたことで家賃収入が減少したり、経済状況や世界情勢の変化によっては市場での取引価格が変動する可能性があります。


状況によっては、購入時よりも低い価格で売却しなくてはならず、売却損が発生する場合もあります。


災害のリスクがある


現物不動産投資と同様、REITの場合も地震や火災、台風被害などの災害リスクによって価格が下落する可能性があります。


現物不動産投資であれば、地震でハザードマップを確認したり必要な保険をかけたりなどの対策をおこなえますが、REITの場合はそれらの対策を自身でおこなうことはむずかしいです。


REITの災害リスク対策としては、できるだけ複数の物件に分散投資するなどの対応が望ましいです。


上場廃止のリスクがある


REITは証券取引所に上場しているため、上場廃止基準に当てはまると上場廃止になってしまう可能性があります。


上場廃止が決定すると「整理銘柄」に指定され、上場廃止までに手持ちのREITを売却することになりますが、価格が大きく下がってしまうため大きな損失を被ることが考えられます。


投資法人が倒産するリスクがある


株式投資と同様、REITでも投資法人が資金調達できずにキャッシュフローが悪化すると最悪の場合、倒産するリスクがあります。


ただしREITでは、投資法人が倒産しても所有している不動産の価値は残るため、不動産を売却することで投資家にいくらか分配される可能性があります。


REITの購入手順


ここでは、インターネットを利用したREITの購入手順についてまとめました。


1.証券口座を開設する


REITの売買は、証券会社を通じておこなうため、まずは証券口座を開設する必要があります。


証券会社によってサービス内容や手数料などが異なるため、自分の目的にあった証券会社を選んで口座開設の申し込みをします。


口座開設の手続きは、実店舗のほかインターネットでも可能です。

インターネットで申し込んだ場合は、本人確認手続き完了後に取引が可能になります。


2.口座に入金し、欲しいREITを選ぶ


口座の利用ができるようになったらパソコンやスマートフォンから証券口座にログインして資金を口座に入金し、欲しいREITの銘柄を探しましょう。


3.買い注文を確定させる


欲しいREITの銘柄が決まったら入力画面に必要事項を入力し、注文を確定させましょう。


取引が成立(約定)すると、口座から代金や手数料が引き落とされ購入完了となります。


なお、REITの売買は株式と同じく、市場が開いている時間帯(平日9:00~11:30、12:30~15:00)の時間帯でしかおこなえません。


また、購入時には手数料がかかるので口座の残高に注意しましょう。


まとめ


不動産投資信託「REIT(リート)」について、メリットやデメリットを従来の不動産投資と比べてみました。


まとまった額の資金が必要な現物不動産投資に比べて、少額の資金で投資できるのがREIT最大のメリットです。


また、不動産物件の購入や運用・管理はすべて専門家がおこなってくれるため、一切の手間がかからないのもREITの魅力のひとつ。


少額で手軽にはじめられる不動産投資信託の「REIT」。

長期間に渡って安定した家賃収入を見込める不動産投資。


どちらも一長一短があるため、それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで自分に適した投資方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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