アパート投資の空室リスクの原因と効果的な空室対策方法を解説!
2025/04/18

アパート投資の空室リスクの原因と効果的な空室対策方法を解説!

アパート投資の空室リスクとはアパート投資で空室リスクが高くなる主な原因エリアの人口が減少している設定された賃料が相場よりも高い建物や室内の管理が不十分募集活動が不十分アパート投資で起こる空室リスクの対策方法6つ①賃貸需要の高い物件を選ぶ②賃料を見直す③入居条件を見直す④費用対効果の高いリフォームをおこなう⑤実績が豊富な管理会社に変更する⑥敷金・礼金、更新料を見直すまとめ

サラリーマンや主婦にも人気のアパート投資ですが、投資である以上リスクもあります。中でも「空室リスク」はアパート投資をはじめ不動産投資をおこなううえで、切っても切り離せない最大のリスクです。

退去によって入居者が入れ替わる際、一時的に空室が発生するのとは異なり、空室リスクは長期にわたって空室状態がつづくことで家賃収入が減少し、キャッシュフローを悪化させ、最悪の場合は賃貸経営が破たんするおそれも考えられるのです。


では、アパート投資をおこなううえで空室リスクに立ち向かうにはどのような方法があるのでしょうか。


今回はアパート投資における空室リスクが発生する原因と効果的な対策方法について詳しく解説します。

空室リスクについて理解しておくことで、リスクを最小に抑えることも可能です。ぜひ健全なアパート投資をおこなう際の参考にしてください。


アパート投資の空室リスクとは

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空室リスクとは、アパートなどの賃貸物件に入居者がおらず、家賃収入が得られない状態を言います。

アパート投資の主な収入源は入居者が支払う賃料です。したがって、入居者がいない状態=空室が増えるとその分家賃収入が減少するリスクが生じるのです。


家賃収入が減っても月々のローン返済はおこなわなければなりませんし、管理委託手数料や修繕費などのランニングコストも支払う必要があります。

このように空室が増えたり、長引いたりすると支出が収入を上回り、アパート経営の破綻につながるおそれもあります。


このように空室リスクは、健全なアパート投資をおこなううえで最大のリスクです。空室リスクを避けたり、対策をおこなったりすることで安定したアパート投資をおこなうことにつながるのです。


アパート投資で空室リスクが高くなる主な原因

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空室を解消するためには適宜空室対策をおこなう必要があります。しかし闇雲に空室対策をおこなっても、かならずしも効果が得られるとはかぎりません。

まず、空室が発生した原因を把握し、その原因に沿って適切な空室対策をおこなうとより効果が期待できます。


ここではアパート投資で空室リスクが高くなる主な原因を紹介します。


エリアの人口が減少している

そのエリアの人口が減少すると住居を希望する人が減り、結果的に賃貸需要が低下し、空室リスクが高くなります。

そのため物件を選ぶ際はエリアごとの人口の増減率を確認し、人口の減少率が少ないエリアでのアパート投資は避けるのが無難です。


人口の増減を調べるためには、各市区町村の「人口動態統計」で確認するほか、全国賃貸住宅経営者協会連合会が提供する『jSTAT MAP』を利用するとよいでしょう。

また『LIFULL HOME'S 不動産投資』など、大手不動産ポータルサイトが提供している地域ごとの空室率も参考になります。


参考記事:今後のアパート経営の動向は?これから起きるリスクとその対策方法


設定された賃料が相場よりも高い

賃料はエリアごとに相場があります。賃料設定が相場よりも高い場合、入居希望者に敬遠されやすく入居が決まりにくいです。

特に長期入居者の退去後そのままの家賃で募集をした場合など、以前の賃料が現在の賃料相場と合わなくなっている可能性があるため注意が必要です。


最近の賃貸物件探しは、賃貸ポータルサイトに条件を入力して検索するのが主流です。そのため検索条件の賃料の範囲に入っていなければ、物件が目に留まる機会も失ってしまいます。


新たに入居者を募集する際は最新の賃料相場を確認し、相場に沿った賃料設定をすると良いでしょう。


建物や室内の管理が不十分

空室物件の問い合わせや内見者がいるにもかかわらず、なかなか入居者が決まらない場合は建物や室内の管理が不十分で状態が悪い可能性があります。


建物の外壁や共有部の手入れが行き届いていない、室内の床や壁紙が古いままで汚れが目立つ、水回りの設備が古いなどの場合、内見した入居希望者に良い印象を与えることはむずかしいです。


特にアパートの顔である建物の外観やエントランスなどの共有部は、内見者が最初に目にする重要なポイントです。共有部が汚れていると管理不足とみなされ、候補からはずされてしまいます。

入居希望者に選ばれやすくなるよう、共有部の清掃はしっかりとおこない、外壁の傷みを修繕したり、高圧洗浄機などで汚れを落としたり、建物の外観を整えておきましょう。


室内についても同様です。新しい入居者を迎えられるよう室内クリーニングをおこなったり、古い壁紙や床材を貼り替えたり、水回り設備の入れ替えをおこなうことで入居希望者に選ばれやすくなります。


募集活動が不十分

物件自体に問題がない場合は、入居者の募集活動が不十分なケースも考えられます。

一度、現在どのような募集活動をおこなっているか確認してみましょう。確認ポイントは以下の通りです。


◦自社ホーページや大手賃貸ポータルサイトに物件情報が掲載されているか

◦物件写真の数は十分か、魅力的に見えるか、動画は掲載されているか

◦間取り図は見やすいか

◦物件情報(賃料、駅からの距離や時間、築年数、部屋の間取りや広さなど)に間違いはないか

◦管理会社は積極的に募集活動をおこなっているか


上記のポイントを確認し、不十分な点があれば改善しましょう。

募集活動を委託している管理会社が募集活動を積極的におこなっていない場合は、管理会社の変更も検討するとよいでしょう。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


アパート投資で起こる空室リスクの対策方法6つ

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ここでは、より具体的な空室対策方法を6つ紹介します。


①賃貸需要の高い物件を選ぶ

アパート投資で空室リスクを最小に抑えるためには、賃貸需要が高い物件を選ぶ必要があります。

賃貸需要が高い物件にはいくつか条件があり、入居ターゲット層によっても条件は異なります。


立地の良い物件例は、以下のようになります。


◦駅から徒歩10分圏内

◦ターミナル駅が近い、複数路線が利用できる

◦周辺にコンビニやスーパー、銀行、郵便局などの生活利便施設がある

◦近隣に幼稚園や小中学校がある

◦治安が良い


一般的に単身者は駅から近く、利便性の高い立地の物件を好みます。一方ファミリー層は駅からの近さよりも治安が良くて子育てがしやすい環境を重視します。


いずれにしても入居者ニーズを満たす立地を選ぶことで空室リスクを抑えることにつながり、賃貸経営に有利にはたらくでしょう。


また物件を選ぶ際は、間取りや設備も重要です。

入居者が居住物件に求めるニーズは時間とともに変化しています。そのため、在の入居者ニーズに合わない間取りや設備の物件は入居が決まりにくい傾向にあります。

空室になりやすい物件には以下のような特徴があります。


◦洗濯機置き場が屋外にある

◦3点ユニットバス

◦和室の間取り


上記の内、特に洗濯機置き場がベランダや外玄関に設置されている物件は入居が決まりにくいため注意が必要です。

3点ユニットバスや和室も人気はありませんが賃料によっては需要が見込めます。

ただし相場よりも賃料を下げるケースも多いため、収支面で問題がないかしっかりシミュレーションをおこなう必要があります。


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②賃料を見直す

空室の原因が、設定した賃料が周辺の相場に比べて高い場合は、適正な賃料に設定し直すことで空室の解消につながる場合も多いです。


また賃料設定に問題がなくても近隣に同じような間取りの競合物件が増えると需要と供給のバランスが崩れ、空室になりやすいケースがあります。その場合、空室を埋めるために家賃を下げるなどの対策が必要になることもあります。


ただし賃料を下げると収入も減少します。極端な賃料値下げはキャッシュフローの悪化につながるため、いくらまでなら引き下げられるのか慎重な判断が求められるでしょう。


③入居条件を見直す

老朽化が進み、物件の価値が下がってくると空室も増えてきます。賃料を引き下げても空室が埋まらない場合は入居条件の見直しや緩和を検討しましょう。


たとえば、外国人、高齢者、生活保護者の入居受け入れや、ペットの飼育や楽器の演奏を許可するなどです。

入居条件の緩和は新たな入居者層を呼び込めるため、空室対策として大きな効果が期待できます。また周辺の競合物件との差別化にもつながります。


ただし、新規で受け入れる入居者層によっては、トラブルを未然に防ぐ対策が必要になるケースもあります。

外国人を受け入れる場合は、ゴミ出しなど生活省のルールを外国語で説明できる環境を整えておくと安心です。独居の高齢者であれば、バスルームの手すりを設置したり、万が一に備えて「孤独死保険」などへの加入を検討したりするとよいでしょう。


ペットの飼育や楽器演奏を許可する場合は、既存の入居者への配慮が欠かせません。

飼育できるペットの種類や数、演奏可能の楽器の種類や演奏可能な時間帯の設定など、ルールを決めて、既存の入居者も新規の入居者も気持ちよく暮らせるよう環境を整えましょう。


④費用対効果の高いリフォームをおこなう

設備の追加や水回り設備の交換などのリフォームをおこなうことで空室の解消に効果が期待できます。

しかし、リフォームをおこなうには高額の費用が発生するため、費用対効果の高いリフォームを優先しておこなうと良いでしょう。


設備を追加する場合は最近の賃貸入居者に人気の設備をリサーチし、ニーズが高い設備を選びましょう。

人気が高く費用対効果が高い設備の例としては、宅配ボックスや無料のインターネット、TVモニター付きインターホンなどがあげられます。


設備の追加は、周辺の競合物件との差別化になる可能性もあるため、周辺のアパート物件に設置されている設備などをリサーチしたうえで、どのような設備を設置するのか検討してもよいでしょう。


⑤実績が豊富な管理会社に変更する

管理業務を委託している不動産管理会社を変更することで、空室対策につながるケースもあります。特に管理会社が募集活動に積極的でない場合は、早急に管理会社の変更を検討しましょう。


その際は、実績が豊富な管理会社に管理委託をすることが大事なポイントです。

管理会社の実績を調べる際は、会社のホームページなどを確認してみましょう。管理会社によっては管理物件数やリピート率、賃貸借契約の成約件数などを掲載しているので確認しやすいです。

中には顧客の声などを掲載している場合もあります。


管理戸数や成約件数が多ければ、それだけ経験が豊富で実績があると判断できるので、安心してアパートの管理全般を委託することができるでしょう。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


⑥敷金・礼金、更新料を見直す

敷金や礼金、更新料を見直すことで空室対策につながるケースもあります。

礼金と更新料の相場は賃料の1ヶ月~2ヶ月分、敷金は賃料の1ヶ月~3ヶ月分が相場ですが、最近は敷金・礼金が無料の「ゼロゼロ物件」も増えています。


新規入居者が賃貸借契約を結ぶためには敷金・礼金、仲介手数料や火災保険料、前払い家賃などの初期費用が必要です。加えて引越し費用や家具や家電の購入費用もかかります。


そのためできるだけ初期費用を抑えたいとの考えから、敷金・礼金が無料もしくは安い物件を選ぶ人も多く、空室対策にも効果が期待できるのです。

また更新料についても同様で、更新料が無料なら契約の更新を選択する人は少なくありません。


なお、敷金は家賃の未払いなどへの備えとして支払われる「担保」の役割があるため、できるだけ預かったほうが、万が一の際のトラブル対策になります。

礼金と更新料は特別な役割はないので、収入が減ることを除けば、金額などは大家さんが自由に決めることができます。


まずは周辺の競合物件の敷金・礼金、更新料の相場を確認し、相場よりも高い場合は引き下げを検討しましょう。


まとめ

アパート投資で空室が長期化する「空室リスク」。空室が長引く原因は、エリアの人口の減少や物件の管理が不十分など、さまざまな原因が考えられます。

しかし空室リスクの原因に沿って適切な対策をおこなうことで、リスクを最小にすることは可能です。


今回紹介した空室対策方法は代表的なものばかりです。さらに状況にあわせて空室対策をおこなう方法は無数にあります。

しかし、当記事でお伝えしたように、空室対策としてもっとも重視したいのは「賃貸需要の高い物件を選ぶこと」です。


ぜひ、正しい物件を選ぶとともに適切な空室対策をおこない、安定したアパート投資を目指してください。

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