サラリーマンが不動産投資をするメリットや失敗しないポイントを解説
2024/07/01

サラリーマンが不動産投資をするメリットや失敗しないポイントを解説

サラリーマンが不動産投資をおこなうメリット①融資審査に通過しやすい②キャッシュフローの悪化をカバーしやすい③副業にあらたないケースが多い④本業に影響しにくい⑤節税につながる可能性があるサラリーマンにおすすめの収益物件の種類区分マンション一棟アパート戸建て賃貸サラリーマンの不動産投資で失敗しないためのポイントは?不動産投資のリスクを把握し適切な対策をおこなう目的や目標を明確にする不動産投資の知識を身につけるまとめ

なぜ「不動産投資」はサラリーマンに向いていると言われるのでしょうか?

不動産投資は株やFXなどに比べて手間がかからず、日頃忙しいサラリーマンでも手間なく運用することが可能です。また融資を受けやすいのもサラリーマンにとって、大きなメリットです。


今回はサラリーマンがおこなう不動産投資について、どういったメリットがあるのかについて詳しく解説します。また不動産投資をおこなううえで、失敗しないポイントも紹介します。


不動産投資に興味はあるけど……というサラリーマンの方はぜひ参考にしてください。


サラリーマンが不動産投資をおこなうメリット


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不動産投資はだれにでもおこなえる資産運用ですが、なかでもサラリーマンにはおすすめの投資方法です。その理由として以下のようなものがあげられます。


◦融資審査に通過しやすい

◦キャッシュフローの悪化をカバーしやすい

◦副業にあたらないケースが多い

◦本業に影響しにくい

◦節税につながる可能性がある


それぞれについて詳しく解説します。


①融資審査に通過しやすい

不動産投資をはじめる場合、金融機関から融資を受けて収益物件を購入するのが一般的ですが、融資を受けるためには融資審査が必要となります。


融資審査は収益物件の収益性・資産価値とともに、個人属性(年収、勤務先、勤続年数、職種など)などが審査されます。

安定した給与収入があるサラリーマンは、「ローンの返済が滞るリスクが低い属性」とみなされています。


金融機関によって融資審査の基準は異なりますが、上場企業のサラリーマンや公務員は属性が高く評価されるため融資審査に通りやすくなると言われています。


ただしサラリーマンでも、歩合制などで月々の給与額の差が大きな場合は収入が安定していないとみなされ、融資審査で不利になるケースもあるため注意が必要です。


関連記事:サラリーマンが銀行の不動産投資ローンを利用する際の注意点を解説

関連記事:不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人


②キャッシュフローの悪化をカバーしやすい

収益物件の運用中には、空室期間が長引いて家賃収入が減少したり、設備の故障などで想定外の支出が発生したり、キャッシュフローが圧迫されることも少なくありません。


万が一キャッシュフローがマイナス(赤字)になってしまうと、ローン返済や必要経費の支払いなどは手元の資金から持ち出さねばならず、預貯金がないとローンの返済が滞ってしまうおそれも考えられます。

しかし、給与という毎月決まった額の収入のあるサラリーマンは資金繰りをおこないやすく、キャッシュフローの悪化をカバーしやすいのがメリットになります。


関連記事:不動産投資で毎月手出しのある物件の対策方法!損切りのタイミングも


③副業にあらたないケースが多い

公務員をはじめ、服務規程で従業員の副業が禁止されている会社もまだまだ多くみられます。しかし、不動産投資は副業にあたらないとするケースも多く、副収入が欲しいサラリーマンにとっておすすめの投資方法のひとつです。


なぜなら、相続などでやむを得ない事情で不動産を取得するケースもあるため、一概に不動産投資を禁止するのがむずかしいと考えられるためです。また、転勤などで一時的に自宅から離れる場合、自宅を賃貸する場合もあるでしょう。

そのため副業禁止であっても、不動産投資は例外として認めるいう企業が多いのです。


ただし、不動産投資の規模が大きな場合は副業とみなされるケースもあります。念のために、会社の上司や担当部署に不動産投資が副業にあたらないか、どの程度の規模までなら副業とみなされないかなどの確認をしておきましょう。


関連記事:家賃収入は副業にあたらない?会社員の不動産投資で注意するポイント


④本業に影響しにくい

不動産投資の管理業務は大家さん自身で自主管理することもできますが、業務内容は多岐にわたるため、サラリーマンのように本業を持つ人には大きな負担になることが考えられます。


特に入居者からのクレーム対応など、昼夜を問わず早急な対応が必要になるケースもあるため、サラリーマンが就業時間中に対応するのはむずかしいです。


しかし不動産投資にかかわる業務全般は、不動産管理会社に業務委託することが可能です。外部に業務委託することでサラリーマン大家さんの負担がほとんどなくなるのがメリットです。


また不動産投資は、株式投資やFX投資のようにつねに値動きを確認する必要もありません。


このように本業に影響を受けずに資産運用できるのが、不動産投資のメリットのひとつといえるでしょう。


委託が可能な業務内容

不動産投資における管理業務は多岐にわたりますが、大きくわけて賃貸管理と建物管理の2種類があります。


賃貸管理は入居者に関係する業務が該当し、おもに以下のようなものがあります。


◦入居者の募集、内見案内、問い合わせ対応

◦賃貸借契約手続き(新規・更新・解約)、退去時の立会い

◦原状回復工事の手配

◦家賃の集金、滞納時の対応

◦入居者に関するトラブル、クレーム対応


建物管理は建物や設備に関係する業務が該当し、おもに以下のようなものがあります。

◦共用部の清掃、植栽の手入れ

◦建物や設備の点検、巡回

◦軽微な修繕

◦大規模修繕計画の立案、手配

◦法定点検の手配


これらすべての業務を大家さん自身でおこなうには、時間や労力など大きな負担となります。これらすべてを管理会社に委託すれば、忙しいサラリーマン大家さんでも安心して収益物件の運用をおこなうことが可能です。


なお、収益物件の業務全般を委託する際は、管理委託手数料が発生します。管理会社や業務委託の範囲によって手数料は異なりますが、賃料の5%~8%/月が目安となります。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


⑤節税につながる可能性がある

不動産投資をおこなうことで、さまざまな税負担を軽減できる可能性があります。


たとえば、不動産投資をおこない不動産所得が赤字だった場合は給与所得と損益通算することが可能です。損益通算とは、赤字(マイナス)の所得と、黒字の所得を相殺する会計処理です。

損益通算することで課税所得が減り、その結果、所得税や住民税の節税につながります。


また相続税対策にも効果があります。

相続税は財産の相続税評価額によって決まりますが、現金などの評価額は額面通りです。しかし、不動産は時価の約70%~80%程度に評価されます。さらにアパートなどの収益物件の場合はさらに評価額が下がり、要件次第では最小で50%程度まで圧縮できる可能性があります。


相続税を節税したい場合は、現金で相続するよりも、不動産で相続することで節税効果が得られるのです。


関連記事:不動産投資で節税できる仕組みや理由を税金の種類別に詳しく解説!


サラリーマンにおすすめの収益物件の種類

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不動産投資といっても投資対象となる収益物件には、居住用物件や事業用物件、駐車場などさまざまな種類があります。

ここでは不動産投資初心者のサラリーマンに向いている収益物件の種類を紹介します。


区分マンション

1戸の区分マンションを購入し、第三者に賃貸して家賃収入を得ます。

単身者向けのワンルームや1K であれば少ない自己資金ではじめることができるため、不動産投資初心者におすすめです。


ただし、区分マンションは空室=家賃収入はゼロ円です。家賃収入がなくても月々のローン返済や管理費・修繕積立金などは支払わねばならず、給与や手元の資金から持ち出しが必要になるため注意が必要です。


また区分マンションは、マンションの規約によって入居条件(ペットや楽器演奏が可能かどうかなど)が決められており、それを違反して賃貸することはできません。また共有部の大規模修繕などのスケジュールや変更などはマンション管理組合で決定します。

そのため、区分所有者自身の意思が反映されにくい点には注意が必要です。


一棟アパート

アパート一棟を購入して運用します。一棟マンションに投資するよりも少ない資金ではじめることができるので、一棟投資をおこないたい人におすすめです。


一棟アパートに投資するメリットは賃貸する部屋が複数あるため空室をリスクおさえやすい点です。たとえ1室が空室でも、ほかの部屋に入居者がいれば、空室分の家賃をカバーすることができます。


また建物丸ごとを所有しているため運用の自由度が高く、入居に関するルールや大規模修繕のスケジュールなどを大家さんの意思で決定することが可能です。


ただし修繕費用は全額、大家さん自身で用意しなければなりません。特に大規模修繕工事は外壁塗装など高額の費用が発生するため、あらかじめ大規模修繕スケジュールを立てたうえで大規模修繕費用の積立てをおこなうなどの対策が必要です。


区分マンションに比べると、土地も購入する一棟アパートの物件価格は高額になります。そのため必要になる初期費用も高額になるため、自己資金を用意する際は注意しましょう。


戸建て賃貸

戸建て住宅を購入して賃貸します。

戸建て住宅の間取りのほとんどがファミリー向けとなるため、小さな子供がいる世帯では騒音トラブルを避けるため戸建て賃貸を選ぶケースも多く、立地によっては高い賃貸需要が期待できます。


戸建て賃貸は、近隣に幼稚園や学校があったり、子供向け施設があったり、病院に通いやすいなど子育て環境の充実度が重視されます。そのため都心や駅から多少遠い不便な立地でも入居付けできる可能性が高いです。

また気軽に引越しできる単身者に比べると、ファミリー世帯は長期入居になるケースが多いのもメリットです。


立地や築年数にもよりますが戸建て賃貸は比較的少額の資金ではじめることも可能です。賃料も高めに設定できるため、物件価格次第では高利回りも狙えるでしょう。


一方で築古の戸建ては融資を受けづらいのがデメリットになります。融資期間は法定耐用年数で決まるため、耐用年数を超えた物件は融資を受けられないケースもあり、その場合はすべて自己資金でまかなうことになるため注意が必要です。


サラリーマンの不動産投資で失敗しないためのポイントは?

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サラリーマンにかぎらず、不動産投資で失敗しないためには、いくつかのポイントに留意する必要があります。

ここでは不動産投資で失敗しないポイントを解説します。


不動産投資のリスクを把握し適切な対策をおこなう

不動産投資には、さまざまなリスクが伴います。

どのようなリスクがあるのかを想定したうえで、事前に対策を講じることが不動産投資で成功するために必要です。

不動産投資にはリスクがあります。しかし、不動産投資のリスクは事前に対策をおこなえるケースも多く、適切なリスク対策をおこなうことで失敗する確率を下げることが可能です。ここではおもなリスクと対策方法を解説します。


関連記事:不動産投資のおもな8つのリスクの対策方法をわかりやすく解説!


空室リスク

不動産投資は所有する収益物件を第三者に賃貸することで家賃収入を得ます。そのため入居者がいない空室がつづくと、収入が減少し、キャッシュフローの悪化が懸念されます。

これを空室リスクといい、不動産投資をおこなううえで、つねに注意したいリスクです。


空室リスク対策には、不動産投資の開始前、いかに賃貸需要が下がらない物件を選ぶかにかかっています。

好条件の物件を選ぶためには、立地・築年数・設備・間取り・入居者ターゲットなどの情報を詳しく調べましょう。将来的な人口増減の予測なども物件を選ぶ際に役立ちます。


不動産投資開始後は、空室になる要因にあわせた空室対策をおこなう必要があります。

たとえば問い合わせや内見者の数は多いのに成約に結び付かない場合は、物件の建物や室内の清掃や整備が不十分な場合が考えられます。

一度、内見者の目線で物件を確認し、気になる点があれば即刻改善しましょう。


内見者が少ない場合は、ポータルサイトに掲載されている画像や物件紹介などのアピール不足かもしれません。管理会社に相談し、物件資料を見直したり、画像を撮影し直したり、物件紹介動画を提供したり、内見希望者を獲得できる資料を作成しましょう。


空室対策方法は多くの種類があります。やみくもに対策をおこなっても、効果があるとはかぎりません。かならず空室の原因を明らかにしたうえで、適切な方法で対策をおこないましょう。


関連記事:効果的な空室対策!家賃を下げる前に検討したい 7つの対策方法


家賃滞納リスク

入居者が家賃を滞納するリスクです。

家賃の滞納は、対応が遅れれば遅れるほど家賃の回収がむずかしくなります。家賃の回収を管理会社に委託している場合は早急に督促をおこない、できるだけ早く家賃を回収することが大事です。


賃貸滞納リスクの対策方法は、家賃保証会社を利用するのがおすすめです。

家賃保証会社は、万が一入居者が家賃滞納をした場合、入居者に代わって家賃を大家さんに支払ってくれますし、督促もおこなってくれます。

家賃保証会社と契約するのは入居者なので、契約手数料も入居者が支払います。大家さんの負担がないのもメリットです。


関連記事:家賃滞納者を強制退去させるための流れや費用、未然に防ぐ方法を解説


災害リスク

地震や風水害、火災などの災害によって、建物が損壊したり、不動産投資の継続が困難になったりするリスクです。

災害を完全に防ぐことはむずかしいですが、災害による損害を軽減するためには以下のような対策をおこなうと効果的です。


◦必要な保険に加入する(火災保険、地震保険など)

◦ハザードマップで災害の少ない地域を選ぶ

◦新耐震基準の建物を選ぶ


火災保険や地震保険に加入することで災害時の損害を補填できます。またハザードマップを確認することで、災害の少ないエリアにある物件を選べるだけでなく、災害の程度が予測できるため、必要になる保険の補償内容を選ぶ際の指標になります。


関連記事:不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


目的や目標を明確にする

不動産投資の種類はさまざまです。そのため、目標がわからなければ、どのような収益物件を購入するべきなのか、自己資金はどのくらい用意すればよいのかといった、そもそもの計画が立てられません。


不動産投資をおこなう目的や目標(家計費としてプラスアルファが欲しい、将来的に不動産投資でだけで生活したい、など)希望する収益はいくらなのかなどを明らかにすることが、不動産投資の第一歩です。


目的や目標があいまいなまま不動産投資をはじめてしまうと、希望した収益を得るどころか、赤字続きで資金を減らす要因につながりかねません。

確実に利益を出すためには、しっかりとした資金計画を立てることが重要です。


また収益物件を選ぶ際は、利回りをはじめ空室率や支出などさまざまな数字を反映させて綿密にシミュレーションをおこないましょう。無理なくローンの返済がおこなえるか、キャッシュフローに余裕はあるかなどを確認することをおすすめします。


不動産投資の知識を身につける

不動産投資で成功するためには不動産投資の知識は欠かせません。

なにも知らないまま不動産投資をはじめてしまうと、一番大事な収益物件選びで失敗する可能性が高くなるため、非常に危険です。


少なくとも、物件の選び方、資金、利回り、収入と支出の種類、税金の種類など、基礎知識を身につけておきましょう。

物件の選び方や利回りを知っていれば、価格や利回りは妥当であるかどうかなどの判断がおこなえます。


不動産業者のなかには、相場よりも高い価格で物件を売り付けたり、好立地と偽って賃貸需要の低い物件を斡旋したりするケースもあります。

こういったセールスに騙されないためにも、不動産投資の知識を覚えて自衛することが大切です。


関連記事:不動産投資の成功には勉強が必須!基礎知識や役立つ資格を紹介


まとめ

安定した給与収入があるサラリーマンは融資審査が通りやすく、不動産投資をはじめやすいのが最大のメリットです。もし転職や独立の計画がある場合は、サラリーマンの内に不動産投資をはじめることをおすすめします。


また不動産投資の収益物件に関する管理は、外部に業務委託することが可能です。短期間で価格が大幅に変動することもないため、常に値動きをチェックする必要もありません。

副収入は欲しいが本業が忙しくて……というサラリーマンのかたは、ぜひ不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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