初心者が不動産投資用物件を選ぶ際に注意すべきポイントを解説!
2024/04/05

初心者が不動産投資用物件を選ぶ際に注意すべきポイントを解説!

不動産投資とは?メリットとデメリットを解説不動産投資のメリット①:安定収入が毎月得られる不動産投資のメリット②:生命保険の代わりになる不動産投資のメリット③:相続税対策になる不動産投資のメリット④:レバレッジ効果が高い不動産投資のデメリット①:維持費用や税金がかかる不動産投資のデメリット②:各種リスクがある不動産投資のデメリット③:流動性が低い不動産投資初心者におすすめの収益物件の種類区分マンション一棟物件(マンション・アパート)戸建て住宅初心者が不動産投資用物件を選ぶ際のポイント物件価格利回りエリア築年数物件の種類・間取り・設備

不動産投資で成功するか否かは、収益物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。

しかし不動産投資初心者の方のなかには、「収益物件は数が多くてなにを基準に選べばよいかわからない」という人も多いでしょう。


そこで今回は、不動産投資初心者の方に向けて、収益物件を選ぶ際のポイントや注意点について解説します。不動産投資を成功させるためにも、ぜひ参考にしてください。


不動産投資とは?メリットとデメリットを解説

メリット デメリット ペン


不動産投資とは、マンションやアパート、一戸建てなどの不動産を購入し、第三者に賃貸したり、売却したりすることで収益を得る投資方法です。

ここでは不動産投資のメリットとデメリットを解説します。


不動産投資のメリット①:安定収入が毎月得られる

不動産投資は入居者がいるかぎり、毎月決まった額の家賃を受け取れます。とくに長期入居による満室状態がつづけば長期にわたって安定した収入を得ることも可能です。


不動産投資のメリット②:生命保険の代わりになる

不動産を購入する際に金融機関から融資を受けた場合、「団体信用生命保険」の加入を求められることがあります。


団体信用生命保険(略して「団信」)は、ローンの契約者に万が一のことがあった場合、ローンの返済が免除され残債がゼロになるという保険です。

遺族は完済した収益物件を受け取ることができるので、そのまま不動産投資をおこなって家賃収入を得ることが可能です。


また収益物件を売却してまとまった現金を得ることもできるので、生命保険代わりとして遺族の生活資金に活用できるでしょう。


関連記事:不動産投資のがん団信の仕組みを解説!メリット・デメリット・注意点


不動産投資のメリット③:相続税対策になる

相続の対象となる資産を不動産にしておけば、現金などで想像する場合に比べて、相続税の節税対策につながります。



たとえば1億円を現金で相続した場合、相続税評価額は額面通り1億円のままです。


しかし1億円で購入した不動産を相続する場合は、土地は路線価から評価され、建物は固定資産税評価額から評価されます。

たとえば固定資産税評価額だと地価公示価格の7割〜8割程度(7,000万円~8,000万円)の評価となるため相続税がおさえられるのです。


また相続する不動産が賃貸用物件の場合、「貸家建付地」や「小規模宅地」などの特例の要件をすべて満たせば、額面の6割程度まで評価額が下がる可能性もあります。


相続税評価額が低くなればなるほど相続税率も小さくなるため、結果として現金で相続するよりも、不動産として相続することで相続税の節税につながります。


関連記事:不動産投資が相続税対策になる理由を解説!負動産にしないヒントも


不動産投資のメリット④:レバレッジ効果が高い

不動産投資用の物件を購入する際は、物件価格の一部を自己資金で支払い、残りは金融機関から融資を受けるのが一般的です。


融資を利用することで自己資金だけを投資した場合と比較して、大きな利益を生み出すことができるため「レバレッジ効果の高い」投資がおこなえるのです。

金融機関から高額の融資を受けられるのは不動産投資最大のメリットと言えるでしょう。


関連記事:不動産投資のレバレッジ効果をやさしく解説!リスクにも要注意



不動産投資のデメリット①:維持費用や税金がかかる

不動産投資用物件の運用時には、修繕費や管理委託費などの維持費用をはじめ、ローンの返済など、毎月さまざまなコストがかかります。

また設備の故障などで予定外の出費が発生することもめずらしくありません。


さらに不動産投資に欠かせない土地や建物の所有者に課される固定資産税や不動産所得に課せられる所得税など、さまざまな税金も納める必要があります。


不動産投資のデメリット②:各種リスクがある

不動産投資には、さまざまなリスクがあることも把握しておきましょう。ここでは、おもなリスクを3つ紹介します。


関連記事:不動産投資のおもな8つのリスクの対策方法をわかりやすく解説!


空室リスク

入居者の退去後、新しい入居者が決まらず、家賃収入が減少する(またはゼロ円になる)リスクです。

賃貸経営にかかる費用は、毎月の家賃収入から支払います。そのため家賃収入が減ってしまうとローン返済をはじめ、さまざまな支出を支払えなくなり「赤字」になってしまうおそれがあります。


空室リスクは不動産投資とは切っても切れないリスクです。退去者が出た場合は、できるだけはやく新しい入居者を獲得できるよう、不動産管理会社と連携して必要に応じた空室対策をおこないましょう。


家賃滞納リスク

入居者が家賃を払ってくれないというリスクです。単純に払い忘れであれば問題ありませんが、ローンの返済や管理費などは支払う必要があるため、滞納が長期化すると赤字になったり、経営が破綻したりするおそれがあります。


家賃滞納リスクは、発生後に対処するのは時間と費用がかかる可能性が高いため、滞納自体を防止できる対策方法が有効です。


おすすめは、「家賃保証会社」との契約を入居条件とすることです。万が一、入居者が家賃を滞納しても保証会社が入居者に代わって家賃を立て替えてくれます。督促も保証会社がおこなってくれるので大家さんの負担がありません。


修繕リスク

経年劣化や自然災害による建物や設備の修繕、時代にあわなくった間取りのリノベーションなどで、修繕費が発生するリスクです。


損傷した建物や故障した設備を放置した場合、新規の入居付けがむずかしくなったり、既存の入居者の満足度が下がり退去されたりするケースがあります。


不動産投資は入居者がいなければ家賃収入を得られません。そのため必要に応じて修繕をおこない、入居者に選ばれる物件を維持することが重要です。


不動産投資のデメリット③:流動性が低い

不動産は、売れるまでに時間がかかったり、希望した金額で売れなかったり、流動性が低いのがデメリットです。

購入希望者が見つからないかぎり売りたくても売ることができず、その間も固定資産税などは納めなくてはなりません。

売却を前提に不動産投資物件を選ぶ際は、価格が安く買手がつきやすい都心部にあるワンルームマンションなど、できるだけ売れやすい物件を選ぶとよいでしょう。


不動産投資初心者におすすめの収益物件の種類

間取り図 マンション 模型


不動産投資用物件にはさまざまな種類がありますが、不動産投資初心者には住居用の賃貸物件がおすすめです。

ここでは代表的な住居賃貸物件の種類を紹介します。


区分マンション

マンションの1室を区分所有し、第三者に貸し出すことで家賃収入を得ます。


区分マンションは1室から購入でき、単身向けやファミリー向けなど間取りや価格帯もさまざまな種類があります。

目的や予算にあわせて物件を選ぶことができ、少額の自己資金で購入できる物件も多いため、不動産投資初心者におすすめです。


また複数戸の区分マンションを所有する場合、異なるエリア、異なる建物の区分マンションを選ぶことで、災害や空室時のリスク分散につながります。


一方で区分マンションは、所有物件数が少ない場合はリターンが少なく、また空室時は家賃収入が0円になってしまうのがデメリットです。


一棟物件(マンション・アパート)

アパートやマンションを一棟単位で所有し、賃貸をおこないます。

一棟物件に投資をおこなうメリットは、オーナー自身で賃貸経営にかかわる管理や運用などを自由にできる点と、満室の場合のリターンが大きな点です。

また敷地である土地もすべて所有しているため、出口戦略(売却)を立てやすいのもメリットになります。


しかし、一棟物件は購入額が高額になりやすいため初期費用が大きくなりがちです。

また建物の価値を維持するためにおこなう大規模修繕など、多額の費用が必要になるのがデメリットです。


戸建て住宅

一戸建ての住宅を購入し、第三者に賃貸します。


戸建て住宅の入居者ターゲットはファミリー層であるため、単身者向け物件より家賃を高めに設定でき、また長く住んでもらえる可能性が高いなどのメリットがあります。


また、家屋を含めた敷地内の清掃などは基本的に入居者がしてくれるため、管理委託が最低限で済みます。


ただし、戸建て住宅は入居者が見つからないと賃料収入は0円です。

戸建て住宅で不動産投資をおこなう場合は、ファミリー向けに好まれる立地の物件を選びましょう。


初心者が不動産投資用物件を選ぶ際のポイント


ポイント ポストイット 指差し


不動産投資で成功するためには、どれだけ優良物件を取得できるか否かにかかっています。

そのため収益物件の選定は不動産投資の第一歩として非常に重要な意味を持ち、きわめて慎重におこなう必要があるのです。


物件を選ぶ際に判断基準とする条件はさまざまですが、まずは「不動産投資を始める目的や目標」を明確にしたうえで、それらを達成できる物件を選ぶ必要があります。

そこからさらに条件を追加して物件を絞り込んでいきますが、多数の物件情報のなかから、希望の条件すべてにあう収益物件を見つけるのは非常にむずかしいと言えるでしょう。


また条件にあう収益物件を効率よく絞っていくためにも、条件の優先順位を決めておくことをおすすめします。

優先すべきおもな条件の例には以下のようなものがあります。これらの条件を参考にして、不動産投資をおこなう目的や目標を踏まえたうえで優先順位をつけるとよいでしょう。


◦物件価格

◦利回り

◦エリア

◦築年数

◦物件の種類・間取り・設備


それぞれの条件について解説します。


物件価格

前述したように収益物件にはさまざまな種類があり、エリアや築年数、間取りなどによって価格帯はさまざまですが、予算によって購入可能な物件の種類や規模が決まります。


不動産投資用物件を購入する際は不動産投資ローンなどを利用するのが一般的です。しかし、無理な借入をしてしまうと突発的な支出や空室による収入の減少によってキャッシュフローが悪化し、月々のローン返済が負担になってしまうため注意が必要です。


なお金融機関からの借入れ金額の上限は年収の7倍~10倍程度が目安です。借入れ可能額と返済リスクを考慮したうえで、無理なく投資できる予算を設定するとよいでしょう。


利回り

不動産投資用物件を選定する際に、「どのくらいの収益を得られるかを判断するための指標」として用いられるのが利回りです。利回りの数値が大きければ、得られる収益も大きくなります。


ただし物件情報に記載されている利回りは、経費が反映されない「表面利回り」であることが多く、利回りの数値だけで物件を選んでしまうと思わぬ失敗につながるケースも少なくありません。


また物件価格が相場よりも低いため高利回りになっている物件は、空室率が高かったり、手入れが悪く多額の修繕費がかかったりすることもあるため注意が必要です。


収益物件を検討する際は、実際にかかる経費や空室率、家賃下落率を反映させて計算した「実質的な利回り」を参考にしましょう。


関連記事:不動産投資の利回り最低ラインを物件種類別に紹介!加味すべき点も


エリア

どこのエリアで不動産投資をおこなうかは、物件選びの重要なポイントのひとつです。エリアの選び方としては、「居住地の近隣」か「遠隔地」のどちらかを選択することになります。


物件を自主管理したい場合は居住地の近くのエリアを選ぶとよいでしょう。なんらかのトラブルが発生した場合も、近隣であればすぐに物件に行き対処することも可能です。


遠隔地の場合は物件の管理は委託することになりますが、地方に住んでいても賃貸需要の高い東京都心の物件を選ぶこともできます。


ただし、どこのエリアを選ぶにしても、そのエリアの賃貸需要について調査しておく必要があります。

賃貸需要の有無は、そのエリアの人口動態や最寄り駅の乗降者数、周辺の競合物件の空室率などから判断するとよいでしょう。


築年数

収益物件は、新築と中古(築浅か築古)かによってメリットやデメリットが異なるため、判断がわかれる部分でもあります。


新築物件は、いわゆる「新築プレミアム」として相場よりも家賃を高く設定でき、入居付けがしやすいといったメリットがあります。その代わり、購入費用が高いため利回りは低くなるケースが多いです。


中古物件は新築物件に比べて取得費用が安く、高利回りが期待できる点がメリットです。ただし、物件によっては想定以上に修繕費用がかかる場合も少なくないため、購入前の現地確認はかかせません。

また通常、中古物件の融資期間は法定耐用年数によって決まるため、築古物件の場合は融資期間が短く設定されることもあるため確認が必要です。


物件の種類・間取り・設備

物件の種類や間取りは、どのような入居者層をターゲットにするかによってニーズが変わってきます。


たとえば単身者をターゲットにするのであれば、駅から近く周辺に買い物施設や飲食店が多くある、ワンルームや1LDKの物件が選ばれやすいです。

子育て世代のファミリー層をターゲットにする場合は、駅から遠くても周辺に幼稚園や学校がある、閑静な住宅街にある戸建て賃貸などが視野に入ります。


ターゲットにした入居者ニーズにあわない物件を選んでしまうと入居率が低くなり、賃貸経営が立ち行かなく場合もあるため注意しましょう。


まとめ

不動産投資初心者の人が収益物件を選ぶ際は、まず不動産投資をおこなう目的や目標を明確したうえで、そこからさらに条件を足していき、合致する物件を選ぶとよいでしょう。


ただし条件が多くなってしまうと物件の絞り込みがむずかしくなるため、希望する条件に優先順位をつけておくことをおすすめします。

不動産投資を成功させるためにも、物件選びは慎重におこなうとよいでしょう。

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