はじめての不動産投資ではどんな物件がおすすめ?選ぶポイントを解説
不動産投資を成功させるためには、どんな物件を選ぶのかが非常に重要です。
実際、これから不動産投資をはじめる人の多くが「どんな物件を選べば失敗しないのか?」と考えているでしょう。
そこで今回は、はじめての不動産投資におすすめの収益物件の選び方について詳しく解説します。また物件の種類や不動産投資の流れについても紹介します。
これから不動産投資をはじめる人はぜひ参考にしてください。
はじめての不動産投資で物件を選ぶ際の4つのポイント
不動産投資の成功の可否は物件選びにかかっているといっても過言ではありません。
ここでは投資用物件を選ぶ際に注意したいポイントを4つ解説します。
ポイント1:安定した賃貸需要がある物件を選ぶ
どんなに利回りが高くても、最新の人気設備が整っている高級マンションであっても、借りる人がいなければ不動産投資は成り立ちません。
そのため収益物件を選ぶ際は賃貸需要の有無を確認する必要があります。
賃貸需要を確認するには、大手不動産賃貸ポータルサイトから空室率を確認したり、最寄りの駅の乗降者数を確認したり、各自治体が発表している「人口動態統計」から人口の増減を調べるなどの方法があります。
各エリアの再開発事業計画の有無もあわせて確認すれば、今後の人口増加や地価の変動を予測することも可能です。
また、選んだ物件がエリアの賃貸需要とマッチしているか確認しましょう。
単身者をターゲットにする場合、駅から近く、買い物施設や飲食店が多いエリアが好まれます。ファミリー層をターゲットにするなら駅からの距離よりも、子育てに適した閑静な住宅街や幼稚園や小学校が近隣にあるエリアが選ばれやすいです。
入居者ターゲットに適さないエリアを選んでしまうと入居付けがむずかしく、空室リスクが高くなるため注意しましょう。
ポイント2:無理なくローン返済できる物件を選ぶ
はじめての不動産投資で購入する一軒目の物件は、予算にあった物件を選ぶことをおすすめします。
不動産投資で収益物件を購入する際は、自己資金の一部を頭金として残りの額を金融機関から融資を受けてはじめるのが一般的です。
融資を受けることで自己資金の何倍もの高額物件が購入でき、レバレッジを効かせた投資をおこなえるのが不動産投資最大のメリットです。
関連記事:不動産投資のレバレッジ効果をやさしく解説!リスクにも要注意
しかし高額の物件を選んでしまうと、毎月のキャッシュフローに余裕がなくなり、空室の長期化や修繕費などが増加してしまうと途端にキャッシュフローが悪化するなどリスクが高くなるため注意が必要です。
とくに頭金なしで融資を受けられるフルローンや、頭金なし・諸費用込みで融資を受けられるオーバーローンは、借入額が大きくなるため返済リスクも高まるため、不動産投資初心者にはおすすめできません。
リスクを避けるためにも最初の物件は、無理なくローン返済をおこなえる物件を選ぶことをおすすめします。
関連記事:不動産投資のフルローンはリスクを理解・把握したうえで活用しよう
不動産投資の融資審査について
不動産投資の融資審査内容は金融機関によって異なりますが、個人属性と融資対象物件の収益力や資産価値が審査されるのが一般的です。
個人属性とは、融資申込者の収入や資産状況(年収、勤務先の規模・雇用形態・勤続年数・役職、資産の内訳、借入の有無や残債、家族構成、居住環境など)をいいます。
安定した収入を得られる会社員(正社員)や公務員、医師などの高所得の職業に就いている人は「属性が高い」とみなされ、融資審査に通りやすくなります。
一方で、収入が安定しづらい自営業や非正規雇用者、低所得者は「属性が低い」とされ融資審査に通りにくいです。
ただし不動産投資用物件の融資に関しては、融資対象となる物件の収益力や資産価値も審査対象となります。そのため収益力や資産価値の高い優良物件であれば、個人属性が低くても融資を受けられる可能性はあります。
なお、不動産投資の融資額上限は年収の10倍程度が目安です。
しかし個人属性が高かったり、物件の収益力がよかったりする場合は、それ以上の融資を受けられるケースもあります。
前述したように融資審査の基準は金融機関ごとに異なります。よって、1行で融資審査に落ちた場合でもほかの金融機関では融資を受けられることもあるので、あきらめずに融資の申し込みをおこないましょう。
関連記事:不動産投資の融資で年収の最低ラインを解説!500万円以下でも可能?
関連記事:不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
ポイント3:状態がよい物件を選ぶ
中古の収益物件を選ぶ際は、価格や利回りだけでなく、物件の状態をかならずチェックしましょう。なかでも高利回りの物件は、お得に見えても購入してみると高額の修繕費用が発生するケースも少なくありません。
とくに築古物件の場合、外観に問題がなくても目に見えない部分が傷んでいることも多く、想定外の出費が大きくなるとキャッシュフローや資金繰りを悪化させるおそれがあるため注意が必要です。
物件を購入する際は、建物について下記の点をチェックしておきましょう。
◦屋根部の損傷の有無(雨漏りはないか)
◦水回り(台所、風呂場、トイレなど)の水漏れチェック
◦設備(給湯器やエアコンなど)の故障や劣化の有無
◦これまでの大規模修繕履歴
とくに大規模修繕がいつおこなわれたのか、どの箇所をおこなったのかによって、今後必要になる修繕費に大きく関わるため確認は必須です。
物件を購入する際は、建物や設備の状態をしっかりとチェックし、状態のよい収益物件を選びましょう。
関連記事:エアコン交換は修繕費か資本的支出か?判断ポイントを詳しく解説
ポイント4:売却しやすい物件を選ぶ
不動産投資の収益には、第三者に物件を賃貸して得る「賃料収入(インカムゲイン)」と、物件を売却して得る「売却益(キャピタルゲイン)」の2種類があります。
そのため不動産投資が最終的に成功したかどうかは、物件を手放すときまでわかりません。収益物件の運用中に賃料収入で収益を出していても、物件を売却した際に売却損(キャピタルロス)になってしまうケースもあるためです。
また運用が赤字の場合、損切りとして収益物件の売却を検討するケースもあるでしょう。
しかし売却しにくい物件であれば、買い手がつかず大幅な値下げを余儀なくされたり、売りたくても売れなかったり、だらだらと赤字ばかりが増えていくという悪循環に陥りかねません。
こういった失敗するリスクを軽減し、不動産投資を最終的に成功させるためにも、できるだけ売却しやすい物件を選ぶことが重要です。
関連記事:不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?
はじめての不動産投資にはどんな物件が適しているのか
不動産投資と一言にいっても投資対象となる物件には、マンションやアパート、オフィスビル、駐車場など、さまざまな種類がありますが、不動産投資初心者には居住用の物件がおすすめです。
ここでは、はじめて不動産投資をおこなう人にむけて、おすすめできるおもな物件の種類を紹介します。
区分マンション投資
マンションの部屋を1室単位で購入・所有し、第三者に賃貸して家賃を得る不動産投資方法です。
マンションを一棟丸ごと購入する「一棟マンション投資」と比較すると、1部屋単位で購入できる区分マンション投資は初期費用が少なくて済み、はじめて不動産投資をおこなう人にもおすすめの物件です。
区分マンションはワンルームや1LDKなど、比較的空室が出にくい単身者向けの物件が多いため、物件選びに失敗しにくいのが特徴です。
また一般的に流動性が悪いのが不動産投資のデメリットではありますが、区分マンションについては売却時に買い手をみつけやすいのもメリットのひとつです。
そのほかにも、区分マンションは建物などの管理はマンションの管理組合がおこなってくれるため、大家さんは区分所有している部屋の管理をするだけなので手間が少なくて済みます。
一方で賃貸する部屋が1室しかないため、空室が発生してしまうと家賃収入がゼロ円となってしまいます。その場合、物件のローン返済や維持管理費を手持ちの資金から持ち出すことになるため注意が必要です。
関連記事:不動産投資の持ち出しの原因と対策方法!良い持ち出しとは?
区分マンション投資をおこなう場合は、賃貸需要や競合物件の有無などを考慮したうえで物件を選ぶことをおすすめします。
一棟アパート投資
アパートを一棟丸ごと購入(または建築)し、第三者に部屋を賃貸して家賃収入を得ます。
アパート一棟には複数の部屋があるため、1部屋しか賃貸できない区分マンションに比べると得られる家賃額が多いです。
また空室があっても、ほかの入居者がいるかぎり家賃収入を得ることが可能です。
とくに近隣に大学や企業の工場などがあるエリアは、入居ターゲットを絞りやすく、ねらい目となるでしょう。ただし、賃貸需要を一か所だけに依存してしまうと、需要がなくなった場合に大きなダメージを受けるため注意が必要です。
一方で、一棟アパート投資は建物などの維持管理に費用がかかるのが一般的です。日常的なメンテナンスに加えて、建物の価値を保つためにおこなう大規模修繕費用の積立てが欠かせません。
大規模修繕を怠ってしまうと建物の価値が下がり、空室リスクの原因になりかねないため、購入する際は長期的な目線で資金計画を立てる必要があります。
なお、一棟アパートの価格は立地や築年数によって幅があります。不動産投資初心者には価格が安く利回りの高い中古物件がおすすめです。
戸建賃貸投資
戸建住宅を所有し、第三者に賃貸して家賃収入を得る不動産投資方法で、いわゆる「借家」です。
戸建賃貸投資は、一棟アパートに比べると少ない資金ではじめられる点がメリットです。また入居希望者のほとんどがファミリー世帯なため、入居ターゲットを絞りやすいのも特徴です。
とくに子連れ世帯の場合、一度入居すると子どもの成長が一段落するまで住みつづけるケースが多いため入居期間が長くなりやすく、その間は安定した家賃収入が期待できるでしょう。
なお戸建賃貸投資をおこなう際は、賃貸需要が見込めるエリアの物件を適切に選ぶことが重要です。ターゲットがファミリー世帯なため、近隣に幼稚園や学校などがあったり、病院などがあったり、閑静で安全性の高いエリアが好まれる傾向があります。
一方で戸建は部屋数が多いため、入居者が退去したあとの原状回復費用が高額になりやすいです。とくに長期入居者が退去した場合、室内のリフォームや設備の入れ替えなどで、想定以上の修繕費が発生することもあるため注意しましょう。
はじめての不動産投資の流れ
はじめて不動産投資をおこなう人は「なにからはじめればいいの?」という人がほとんどでしょう。ここでは不動産投資の大まかな流れを解説します。
STEP1:準備段階
◦不動産投資をおこなう目標や目的を明確にする
◦目標とする自己資金を貯める
◦不動産投資の知識を勉強する
◦不動産会社や収益物件の情報収集をおこなう
まず、不動産投資をおこなう目的や目標を明確にしましょう。たとえば、「子供の教育資金として月に〇〇円の収入がほしい」「老後資金として、△年後までに◇◇万円貯めたい」などです。
ここで明確にした目標によって、選ぶべき物件の種類や必要な自己資金額が決まります。
必要となる自己資金を貯めながら、並行して不動産投資についての勉強や不動産会社などの情報収集をおこないましょう。
関連記事:不動産投資は何から始める?スタートするための準備手順を詳しく解説
STEP2:収益物件を探す
前述したように、不動産投資の成功はどんな物件を選ぶかによって大きく左右されます。そのため収益物件を探す際は、以下のポイントに注目しましょう。
◦賃貸需要はあるか
◦立地や周辺環境は入居ターゲットと合致しているか
◦建物の状態はよいか
◦物件の現況を確認する
物件を探す際は、不動産ポータルサイトなどを利用して自分で探すこともできますが、不動産会社を利用することで時間や手間を軽減できます。
また不動産会社を介することで、金融機関を紹介してもらえる可能性もありますし、運用開始後の不動産管理を委託することも可能です。
なお自分で物件を探す場合でも、不動産会社に物件を紹介してもらう場合でも、かならず現地で物件の確認をおこないましょう。
関連記事:不動産投資を始める6ステップ!準備段階から運用開始まで詳しく解説
STEP3:融資審査(事前審査)・売買契約の締結
購入する収益物件が決まったら、金融機関に融資申し込みをおこないます。
融資審査(事前審査)に通れば手付金を支払い、不動産売買契約を締結しますが、その際は契約書に「融資特約(ローン特約)」が盛り込まれているかどうかかならず確認しましょう。
「融資特約(ローン特約)」とは、融資の本審査で落ちてしまった場合は売買契約を白紙撤回でき、契約締結時に支払った手付金や仲介手数料などが返還されるという内容の特約です。
万が一に備えて、融資特約が契約に盛り込まれていることを確認しておきましょう。
関連記事:不動産投資の手付金相場は?これだけは注意したい3つのポイント
関連記事:不動産投資の融資で年収の最低ラインを解説!500万円以下でも可能?
関連記事:不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
STEP4:決済・物件引き渡し・運用開始
融資の本審査に通ったら決済をおこない、物件の引き渡し後、いよいよ運用を開始します。
新築物件の場合は、不動産管理会社に入居募集をしてもらいましょう。
中古物件で修繕やリフォームなどが必要な場合は、物件の引き渡し後に工事をおこなえます。
オーナーチェンジ物件の場合はすでに入居者がいる状態ですので、すぐに家賃収入が得られます。
また運用開始後は、不動産管理会社に相談しながら、状況に応じて空室対策や各種リスク対策をおこない、安定した賃貸経営を目指しましょう。
まとめ
不動産投資では、どんな物件を選ぶかによって、その成否が決まるといっても過言ではありません。間違った物件を選んでしまえば、家賃収入が得られないだけでなく、物件の売却も困難になる可能性もあるのです。
そのため収益物件を探す際は賃貸需要が高く、売却しやすい物件を選びましょう。
高額な不動産は簡単に買い直すことはむずかしいです。失敗しないためには物件を慎重に選ぶ必要があるのです。
正しい物件を選び、安定した収入を得られる不動産投資を実現させましょう。