結婚相手の不動産投資家に確認したい6つの安心ポイントを解説!
結婚を前提にお付き合いしていた相手が不動産投資をおこなっている場合、将来的な不安から別れてしまうケースもあるそうです。
不動産投資の仕組みやメリットを詳しく知らない人にとっては「不動産投資=大きな借金が必要な投資方法」というイメージが強く、さらに「失敗」した際のリスクを考え、結婚に躊躇する人も少ないのです。
しかし、不動産投資は結婚生活にメリットを与えることも十分可能な投資方法です。
そこで今回は、不動産投資家と安心して結婚するために確認しておきたい6つのポイントについて解説します。不動産投資のメリットとデメリットもあわせて解説するので、よく理解していただき、不動産投資家との結婚についていま一度の検討材料にしてください。
結婚相手が不動産投資をおこなっている場合のメリット
ここでは不動産投資家を結婚相手とする場合、どのようなメリットがあるのか紹介します。
黒字経営の場合は収入がプラスになる
不動産投資が順調におこなわれていれば、毎月安定した家賃収入を得られます。家賃収入からローン返済額とランニングコストを差し引いた残りの額がその月の収益となり、給与にプラスして収入を得られるというメリットになります。
住宅ローンとは異なり、不動産投資のローン返済は基本的に毎月の家賃収入からおこないます。そのため、事業計画通りに賃貸経営がおこなえているのであれば、不動産投資以外の収入(給与など)が減ることはありません。
ローン返済や支出を賄ったうえで利益が出れば、毎月の給与収入+αになり生活に余裕が生まれる可能性があるのです。
老後の資金を増やせる
不動産投資は金融機関から融資を受け、毎月の家賃収入からローンを返済します。ローンの完済後は不動産が自分の資産となり、毎月の家賃収入の大部分が収入となるため、より多くのお金を手元に残させられます。
不動産投資を開始する年齢にもよりますが、定年退職前にローンを完済できれば、その後の家賃収入を老後の年金代わりにすることも可能です。家賃収入があれば貯金などの資産を減らすことなく、安心して老後の生活を送れるでしょう。
結婚相手が不動産投資をおこなっているデメリット
不動産投資家と結婚する場合、以下のように注意したいデメリットがあります。
不動産投資に失敗する可能性もある
不動産投資家と結婚を考える場合、最初に思い浮かぶのは「不動産投資で失敗した場合の不安」ではないでしょうか。
当然ですが不動産投資は100%成功するわけではありません。
不動産投資には、空室リスクや家賃滞納リスク、災害リスクなど多くのリスクが想定できます。また、不動産投資をはじめるには高額なローンを組んで投資用不動産を購入するため、「大きな借金」を負うリスクが発生します。
空室の増加によって家賃収入が減ったり、修繕費がかさみ支出が増えたり、収支がマイナスになるとローン返済が滞ってしまい最悪の場合、不動産投資に失敗して自己破産してしまうケースもあるものです。
不動産投資家と結婚することマイホームを持てない可能性がある
不動産投資でローンを利用している場合、新たに住宅ローンの融資を受けるのがむずかしいケースがあるため注意が必要です。
金融機関で融資を受けるにあたって、人それぞれに「融資限度額」が設定されます。すでに不動産投資で融資を受けている場合、借入額にもよりますが、マイホームを購入するための融資額が低くなったり、住宅ローンが認めてもらえなかったりする可能性が出てきます。
そのためマイホーム物件を見つけても、購入に必要な額のローンが組めず、希望の物件が購入できないケースも考えられます。
ただし、不動産投資が順調におこなわれ、毎月の家賃収入がしっかり得られている場合はそのかぎりではありません。金融機関が家賃収入を年収とみなしてくれれば、年収が増加するため融資上限額の引き上げられる可能性があるのです。
ただし金融機関によって審査に対する考え方は異なります。家賃収入を年収とみなさない金融機関もあるため、あらかじめ担当者に確認しておくとよいでしょう。
また、不動産投資の融資によって融資限度枠が少ない場合でも、下記の方法で住宅ローンを組める可能性があります。
不動産投資ローンと住宅ローンの優先順位について詳しくはこちら!>>不動産投資ローンと持ち家(住宅ローン)優先すべきは?違いも解説
対策方法1:ペアローンを利用する
「ペアローン」とは、同一の物件(マイホーム)に対してパートナー同士がそれぞれローン契約をおこなって、お互いに連帯保証人になる借入方法です。
ペアローンのメリットは、単独で住宅ローンを組んだ場合よりも、借入金額を大きく設定できる点です。パートナーごとに金利や返済期間を変えられるなど、借入条件の柔軟性も高いです。
パートナーの定義は金融機関によって異なりますが、おもに夫婦や親子のペアが該当します。ただし夫婦でペアローンを組んだ場合は、万一離婚した場合でも相手の借金をそれぞれが肩代わりする必要があるため注意が必要です。
契約者2人がそれぞれ団信に加入した場合は、亡くなった方の住宅ローンは完済されますが、残された方の返済義務はそのままです。
メリットも大きなペアローンですが、デメリットも考慮したうえで、しっかり検討しましょう。
対策方法2:自分自身で住宅ローンを組む
自身に十分な収入がある場合、自分の名義で住宅ローンを組むことができれば、結婚相手が不動産投資家であってもマイホームを購入できる可能性があります。
ただし女性の場合、出産にともなう育休などで収入が減る場合もあるため、綿密なライフプランと資金計画を立てたうえで検討しましょう。
不動産投資家と結婚する前に確認したい6つの安心ポイント
結婚相手が不動産投資をおこなっている場合、少なくとも下記の6つのポイントはかならず確認し、理解することで安心できる結婚に1歩近づきます。
これらのポイントを確認しないまま結婚してしまうと、不動産投資で失敗して投資物件を手放すだけでなく、多くの負債を負うなど不幸な結果につながる可能性もあるため十分注意しましょう。
親しい関係であっても金銭の話はなかなか話しにくい場合もありますが、これから夫婦として円満に暮らすうえで非常に重要なポイントです。そういった話をごまかさずにできるかどうかも含めて確認をおこないましょう。
①物件情報(所在地や築年数、住居のタイプなど)
現在所有している不動産投資物件情報について、所在地や築年数、物件の住居タイプ(ワンルームかファミリー向けかなど)を確認しましょう。
築年数が古い物件であれば、今後の修繕計画によっては多額の費用がかかる可能性もあります。また再開発地域などの場合、地価が値上がりし、売却益を見込めるかもしれません。
そういった可能性を探る意味でも、物件情報を共有するとよいでしょう。
②月収や貯蓄額・不動産投資の毎月の収入
基本的に不動産投資ローンの返済は融資対象物件の家賃収入からおこなわれますが、万一事業計画通りに収入が得られない場合、貯蓄や給与からローン返済金を支払うことになります。
家賃収入でローンの返済ができない状態に陥ってしまったとき、貯蓄や給与から持ち出せるお金がなければローンの返済が滞り、最悪の場合物件を差し押さえられてしまうおそれがあります。
そのため、いざというときに持ち出しができる余裕があるのか確認しておく必要があるのです。
現況の不動産投資の毎月の収入額と本業の給与額や貯蓄額、ほかの収入源の有無などをしっかり確認しておきましょう。
③ローン残債と月々のローン返済額
収入額と同時にローンの残債と毎月支払うローン返済額も確認しましょう。家賃収入に対してローン返済額が大きすぎたり、毎月の修繕費用が多かったり、賃貸経営がうまくいっていないケースもあります。
その場合、ローン返済額を減らすため対策や修繕費の圧縮につながる方法を模索したり、すでに赤字状態の場合は売却を検討したり、結婚生活に向けてどのような措置が適当であるか、しっかり話し合うチャンスにもつながります。
④事業を拡大の可能性
現在おこなっている不動産投資の状況を確認したら、次は今後の展望として事業拡大の有無についてどう考えているのか確かめましょう。これから2件目、3件目と物件を増やしていく予定であれば資金繰りが必要になり、そうなると結婚後の金銭面はもちろん、ライフプランにも大きく影響するでしょう。
まだ不動産投資に関する将来的な計画が立てられないようであれば、できるだけ早い段階でなんらかの計画を考える必要があります。まずは不動産投資に対する姿勢や投資額、規模を見直すとよいでしょう。
将来的な計画をうやむやにしたまま結婚生活をスタートしてしまうと、人生の重要なポイントで判断を誤ったり、チャンスを逃したり、後悔するケースもありうるため、慎重に話し合うことをおすすめします。
⑤不動産投資に対する姿勢について
不動産投資で成功するには綿密なシミュレーション、不動産投資の知識をフル活用した計画などが必要になるため、不動産投資に関する勉強は欠かせません。
成功している不動産投資家の多くは、不動産に関する法律や税金など、豊富な知識や最新情報の収集などを念入りにおこなっています。
もし、結婚を考えている相手がそういった不動産投資の勉強をおこなわず、不動産会社に言われるがまま物件を購入していたり、有効な空室対策方法を見つけられず空室が長引いたりしている場合は注意が必要です。
不動産投資の成功の可否は、物件選びの段階でほとんど決まります。またどんなに優良物件であっても空室は発生するため、状況に応じた対策は必須です。
自分自身で購入の可否が判断できる知識がなく、空室などのリスク対策方法を知らない状態のまま不動産投資をおこなってしまうと、成功するよりも失敗する可能性が高いと考えられます。
お相手が不動産投資している場合、不動産投資の知識はあるのか、知識を得る努力をしているのか、計画をしっかり立て自分で判断できているのかを確認する必要があります。
⑥パートナーを支えることができるのか
結婚相手だけでなく、あなた自身の心構えも確認しておきましょう。
不動産投資は大きなお金を借入れて、毎月その返済をおこなう必要があります。収入が黒字できちんとローン返済がおこなえるのであれば、収入も増えて家計に余裕ができるため問題はありません。
しかし肝心なのは赤字になった場合、パートナーとして相手を支えられるかどうかです。状況次第では金銭的に苦しい生活になる可能性もあるでしょう。夫婦になった以上、ある程度の問題や損害をいっしょに背負う必要があります。
「金の切れ目が縁の切れ目」になってしまうことも少なくないため、現実的かつ客観的に将来を考える必要があるのです。
あなたが不動産投資をおこなっている場合に気をつけるべきポイント
ここでは、あなたが不動産投資をしている場合に気をつけるべきポイントを紹介します。
黒字経営を心掛ける
不動産投資をおこなっていて、毎月いくらかの収益が出ている「黒字経営」の場合は問題ありませんが、毎月「赤字」では結婚相手に悪い印象を与えそうで、なかなか話しづらいのではないでしょうか。
単純に空室がつづいた場合や想定外の修繕費が発生した場合は、空室対策などによって収支を改善させて黒字に戻しましょう。
ただし同じ赤字でも、減価償却費を利用して帳簿上の赤字計上し、確定申告において損益通算することで税金負担が軽くなる節税効果を狙った場合はそのかぎりではありません。
ただし、節税のために不動産経営をあえて赤字にすることはおすすめしません。パートナーに堂々と告げられるよう、いかに収支をプラス(黒字)にするかを念頭においた健全な賃貸経営をおこないましょう。
不動産投資家であることは早めに告げる
結婚前から不動産投資をおこなっている場合は、できるだけ早くパートナーに不動産投資について告げましょう。
家賃の振込み口座や不動産投資関連の連絡窓口や書類などの郵送先を工夫することで、家族に内緒のまま不動産投資をすることは可能です。
ただし前述したように、不動産投資で万一ローン返済ができなくなった場合は、個人の手持ち資産からローン返済する必要があります。そのため、不動産投資結婚後に不動産投資の赤字補填が必要な状況になることで、秘密にしていた不動産投資が明らかになるケースは少なくありません。
また住宅購入時のローンの審査に落ちたことで不動産投資の事実が発覚するケースもあります。
最悪のタイミングでバレてしまっては、パートナーの信頼を失う結果につながりかねません。お互いの信頼のためにも、「不動産投資をしている」とできるだけ早い段階で話しておくことが重要です。
不動産投資のメリットとデメリットをしっかり話す
パートナーに不動産投資について説明する際は、メリットとデメリットについて偏りがないように説明しましょう。
パートナーによい印象を与えたくてメリットばかりアピールして、いざ赤字になってしまうと「話と違う」と不信感を与えてしまいます。
かといってデメリットやリスクの弁解のような説明をしてしまうと、不動産投資への忌避感をあおる結果になりかねません。
不動産投資は、賃貸需要のある物件を選んだうえで、しっかりと管理やリスク対策をおこなえば、長期にわたって安定した収入を得られる投資方法です。
物件購入代金は高額ですが、金融機関からの融資(他人資本)を受けることで自己資金よりもはるかに大きな規模の投資につながり、資産形成のスピードを早めることが可能であるなど、メリットがたくさんあります。
不動産投資は、金融機関から多額の借り入れをおこなうというマイナスのイメージが強いため、「リスクを理解し対策を立てたうえでリターンが見込める投資方法」であるということを相手に伝えるようにしましょう。
まとめ
不動産投資家と結婚するのが不安に感じるのであれば、あらかじめ不安な点をクリアにしておく必要があります。
また不動産投資家の多くは、金融機関から融資を受けて不動産投資物件を購入しているケースがほとんどです。そのため、融資限度枠が圧迫され、マイホーム購入資金としての住宅ローンが借りにくい場合があるため注意が必要です。
不動産投資ローンで、必要な住宅ローン額が確保できない場合は、ペアローンや自分自身で住宅ローンを組むことを検討してみましょう。
不動産投資家であるという理由だけで結婚を取りやめるのは、あまりにもったいないです。不動産投資家であるかどうかの前に、生涯のパートナーとして信頼できる人物であるか見極めが必要です。
不動産投資を通して今後夫婦として一緒に生活できるか、お互い理解できるまでしっかり話し合うことをおすすめします。