マンション経営の失敗事例と対策方法を紹介!成功ポイントも解説
2022/05/06

マンション経営の失敗事例と対策方法を紹介!成功ポイントも解説

マンション経営の失敗事例1:立地で失敗賃貸需要をひとつの大学だけに依存してしまった原因と対策方法マンション経営の失敗事例2:ローン借入で失敗フルローンで借入をしてしまった原因と対策方法マンション経営の失敗事例3:利回りで失敗利回りしか見ずに物件を購入してしまった原因と対策方法マンション経営で失敗しないための注意ポイント不動産投資の基礎知識を身につける物件について徹底的なリサーチをおこなう信頼できる管理会社に物件管理を任せるある程度の自己資金を用意しておくまとめ

マンション経営で失敗しないためには、過去の失敗事例を参考にすることも非常に有効な方法です。

今回はマンション経営の失敗事例を紹介しながら、失敗の要因とその対策を解説します。

また成功につながるポイントもまとめました。


マンション経営のリスクについて、その内容をしっかりと把握し、対策を立てることでリスクを最小限におさえることが可能になるのです。

ぜひ参考にしてください。


マンション経営の失敗事例1:立地で失敗


家 頭を抱える男性 失敗

賃貸需要をひとつの大学だけに依存してしまった


「大学近くの賃貸物件は、学生が入居するので運用が容易」と聞いたAさんは、郊外の大学キャンパス周辺にワンルーム区分マンションを購入し、マンション経営を開始しました。

駅からも遠く、周辺には大学以外に特別な施設もないながら、話に聞いたとおり入居募集をしたところすぐに大学生が入居しました。


その後数年間は入居者が途切れることなく、Aさんのマンション経営は順調でした。

しかし大学の移転が決まり実際に移転してしまうと、途端に入居付けがきびしくなったのです。


駅からも遠く、特筆すべき施設はなにもないAさんのマンションは、大学がなくなってしまうとそこに住む理由もなくなってしまい、入居付けが非常に困難になってしまいました。

それ以降入居者が決まらず、結局Aさんは購入時の価格よりもずっと安い価格でマンションを手放すことになったのです。


原因と対策方法

今回の失敗は、ひとつの大学だけに賃貸需要を依存してしまったことが原因です。


学生を入居者ターゲットにしたマンション経営は、入学時に入居し、卒業時に退去するという、ある程度決まったサイクルがあるため入退去管理がしやすいというメリットがあります。

また学生の卒業で空室ができても、入れ替わりで新入生が入居するため、空室リスクも低いです。


しかし、今回のように賃貸需要をひとつの大学だけに依存してしまうと、大学が移転してしまうと賃貸需要が一気に減少してしまいます。

大学にかぎらず、大手企業の工場や事業所の近くでマンション経営をおこなう際は、その1か所だけに需要を頼らずに済むような立地を選ぶことが重要です。


駅からのアクセスのよさや周辺に買い物施設があるなど、入居者から見て「住みたい」と思ってもらえるような魅力のある物件を選びましょう。


また物件を選ぶ際は、将来的な動向を見据えておくことも重要です。

今現在は人気のエリアでも、数年後には環境が変化する可能性も十分考えられます。

大学の移転や近隣の再開発計画の有無など、あらかじめ自治体の都市計画情報などはチェックしておくとよいでしょう。


物件購入前に注意したいポイントについて詳しくはこちら!>>不動産投資のやり方は?物件購入前のチェックでリスクを回避


マンション経営の失敗事例2:ローン借入で失敗

ローン LOAN 水

フルローンで借入をしてしまった

不動産売買ポータルサイトで見つけた中古区分マンションが気に入り、さっそく不動産会社に連絡した公務員のBさん。

すると「公務員」ということで、営業マンからフルローンでの物件購入をすすめられたBさんは、言われるがままその物件を購入しマンション経営を開始しました。


フルローンとは、頭金なしで借入れがおこなえる融資のひとつです。

Bさんは貯蓄額こそ多くありませんでしたが高属性の公務員という肩書によって、フルローンで借入れがおこなえたのです。


その後も「分散投資になる」という営業マンのすすめで、Bさんは中古区分マンションをフルローンで追加購入します。

気づけば総借入額は約5,000万円となっているにもかかわらず、肝心の家賃収入はといえば、毎月のキャッシュフローが数万円程度しか残りません。


しかも退去が重なり、入居者が決まるまで月10万円程度の手出しとなってしまいました。

収益を増やそうとしたところ、すでに融資枠がいっぱいで追加融資は不可能、ほかの金融機関は金利が高く、物件の追加購入は断念せざるをえませんでした。


赤字にはなっていないものの毎年の手残りはほんのわずかです。

加えてマンションの経年劣化によって家賃下落や、古くなった設備の取替など費用の発生を心配するBさんは、「ローンを支払うためにマンションを購入したようなものだ」とフルローンを後悔しているそうです。


原因と対策方法

フルローンで失敗する原因は、返済総額が大きくなるため、月々のローン返済額も高額になることです。


通常の借入れでさえ、空室によってキャッシュフローが悪化するのはめずらしくありません。

それが借入金額の大きいフルローンともなれば、空室で家賃収入がなくなったり、想定外の費用が発生したりすれば、簡単にキャッシュフローが悪化し、ローン返済が滞ってしまいます。


上記事例のBさんは赤字になっていないだけまだ優秀ですが、危惧されているように今後、家賃の下落や修繕費用の発生で赤字転落する恐れは十分考えられます。


フルローン対策としては、手元資金を用意しておくことです。

手元資金があれば、それを持ち出しながらローン返済がおこなえます。

ただし資金が少ない場合は、空室が埋まる前に資金が尽きてしまう恐れがあります。


そもそも現在は、不動産投資に対するローンの貸し付けがきびしくなっているため、ある程度の自己資金がなければフルローンを利用すること自体がむずかしいです。

Bさんは、ある程度の貯蓄があり、しかも公務員という融資を受けやすい属性だったことからフルローンで融資がおりたようですが、通常はなかなか融資審査を通過できません。


たとえフルローンの融資審査に通過したとしても、ある程度まとまった手元資金がないのであれば、リスクを避けるためにもフルローンの利用は控えるべきでしょう。


不動産投資のフルローンについて詳しくはこちら!>>不動産投資のフルローンはリスクを理解・把握したうえで活用しよう


マンション経営の失敗事例3:利回りで失敗

白黒 頭を抱えるサラリーマン 失敗

利回りしか見ずに物件を購入してしまった

都心部に区分マンションを所有するCさんは、インターネットサイトに掲載されていた高利回り物件に目を留めました。

地方都市にある区分マンションで、掲載されている写真や情報から築年数もそれほど古くなく、外観もおしゃれなマンションです。


さっそく不動産会社に連絡して物件資料を取り寄せ検討したところ、最寄りの駅から距離があることが判明します。

しかし地方都市は車社会なため、車での移動を前提にすれば大した距離ではないと判断したCさんは、その物件の購入を決めます。


所在地が遠方の地方都市なので現地確認しないまま契約を締結したCさんは、さっそく現地の不動産管理会社に入居者募集を依頼します。


しかし、一向に入居者が決まらず不動産管理会社に問い合わせたところCさんはその原因に驚きます。

Cさんが購入した物件には駐車場がなく、近隣にも月極駐車場などもないことが判明したのです。

高利回りだったのは、駐車場がないため入居が付かず、売却するために価格を下げたことが理由だったのです。


売却しようか迷ったCさんですが、家賃を下げて入居者募集をしたところ運よく入居者が決まりました。

しかし利回りは大幅に下がり、平均よりも低いくらいです。

さらに現在の入居者が退去した後の入居付けを心配するCさんは、購入前にもっとリサーチしておけばよかったと後悔したそうです。



原因と対策方法

今回の失敗は、物件のリサーチ不足が原因です。

不動産投資の成功は、物件の立地で決まると言っても過言ではありません。

そのため、物件のリサーチのための現地確認は欠かせない手順のひとつです。


特に今回のように土地感のない地域こそ現地確認は必須です。

現地にさえ行っていれば、物件に駐車場がないこともすぐにわかったはずですし、その場合はどんなに高利回りでもCさんは購入を見送った可能性が高いです。


また高利回りになるにはなにかしら理由があり、その理由がネガティブな場合も少なくありません。

高利回り物件を購入する際は、高利回りになった背景をしっかり確認しないと思わぬ失敗につながるため注意が必要です。


マンション経営で失敗しないための注意ポイント

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前述のマンション経営の失敗事例には、失敗する原因となる共通するパターンがいくつか存在します。

そのパターンを把握したうえで適切な対応をおこなうことでマンション経営の失敗を防ぎ、成功へと近づくことが可能になります。


不動産投資の基礎知識を身につける

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資方法ですが、投資である以上リスクはあります。

しかし、リスクがあることを想定した上で対策を立てれば、リスクを最小限におさえることが可能です。


不動産投資のリスクを正しく理解してリスクヘッジをおこなうためにも、以下のような最低限の不動産投資の基礎知識を身につけることが重要です。


・物件の選び方

・必要な自己資金の目安

・不動産投資ローンの仕組み

・マンション経営に必要な経費

・利回りと収益、収支シミュレーションの方法

・リスクとその対策


たとえば物件の良し悪しを知っていれば、営業マンのセールストークを鵜呑みにすることもなくなりますし、利回りや収支シミュレーションの方法がわかれば、物件の収益性の有無もわかります。


不動産投資の知識があれば防げるリスクは多いため、不動産投資をはじめる場合は、書籍やインターネットなどから少しでも多くの不動産投資の知識を身につけておくことをおすすめます。


不動産投資の知識に役立つ資格についてはこちら!>>アパート経営に資格は不要だが知識は必要!知識重視の資格5選


物件について徹底的なリサーチをおこなう

マンション経営を含め、不動産投資の成功の可否は物件選びに大きく左右されます。

新築・中古にかかわらず、安定したマンション経営をおこなうには賃貸需要が途切れない立地を選ぶことが重要です。

そのためには事前に周辺状況をしっかりリサーチしておく必要があります。


リサーチは直接現地でおこなう

リサーチは直接現地を訪れ、自分の目で周辺の様子など現地確認することが大切です。

特にチェックしたいのは駅からの距離や買い物施設などの利便性、周辺に嫌悪施設度はないか治安はよいかなど、周辺環境を確認しましょう。


なお現地確認は1度だけでなく、早朝や夜間などの時間帯や晴れの日や雨の日など天候が違う日に訪れてみましょう。

同じエリアでも時間帯によって雰囲気の違いや、物件の陽当たりや雨の影響などが確認できます。


また、周辺の競合物件の家賃相場や空室状況も確認しておきましょう。

家賃相場などはインターネットでも確認できますが、現地の不動産会社などを訪問してヒアリングをおこなえば、知りたかった以上の情報を聞ける可能性もあります。


地方物件はあらかじめ情報収集した上で現地にて確認する

物件所在地が近隣であれば何度も足を運べますが、頻繁に行くことがむずかしい地方エリアでアパート経営をおこなう場合は、さらにリサーチの精度をあげる必要があります。

たでさえ土地勘のない地域の賃貸ニーズをとらえるのはむずかしく、見誤るリスクも高いです。


地方物件の現地確認をおこなう際は、インターネットなどを使って事前に情報収集をおこない、現地では効率よくリサーチできるよう心掛けておきましょう。


信頼できる管理会社に物件管理を任せる

賃貸物件の管理を管理会社に委託している場合は、管理会社の能力によって入居付けが左右されることがあります。


客付けに積極的な管理会社を選ぶ

客付けに強く、積極的に空室対策の提案をしてくれる管理会社であれば、長期間の空室に悩まされる心配が少なくなります。


逆に空室が埋まらない場合は、入居者募集を委託している管理会社に、募集方法や問い合わせ件数、内見申し込み件数を確認してみましょう。

あまりにも問い合わせ件数などが少ない場合は、一度インターネットに掲載している物件情報を見直してみるとよいでしょう。


また内見はあるのに入居に至っていない場合は、物件になんらかの不備がある可能性が考えられます。

共用部分の掃除やメンテナンスが不足していないか確認してみましょう。

その上で管理会社の対応に疑問を感じるのであれば、管理会社の見直しを検討してもよいかもしれません。


トラブルに迅速に対応してくれる管理会社を選ぶ

入居者からのクレーム、家賃滞納などのトラブルに対する対応能力も管理会社を選ぶ大事なポイントです。

クレーム対応が遅れてしまえば入居者の満足度が下がり、最悪の場合は退去される恐れもあるため、どれだけ迅速に対応できるかは非常に重要です。


また家賃滞納は、大家さんにとっては大きな経済的・精神的損失につながるため、こちらも早急な対応が求められます。

管理会社を選ぶ際は、入居者トラブルの対応実績などを確認しておきましょう。


ある程度の自己資金を用意しておく

マンション経営をおこなう上で、ある程度の資金を手元に残しておくことは非常に重要です。

区分マンションの場合、入居者が退去してしまうと家賃収入が0円になってしまいますし、故障した設備の買い替えで予期せぬ出費が発生することもめずらしくありません。


このような一時的なキャッシュフローの悪化に対応できる資金が不足していると、最悪の場合ローン返済が滞ってしまう恐れもあります。


特に中古マンションの設備は老朽化している場合も多く、想定以上に修理費用がかかることもあります。

またフルローンなどで借入れをおこなっている場合、月々のローン返済額が高額であることも多いです。


マンション経営をおこなう際は、突発的な出費や収益の低下に備えて、自己資金を用意したうえで、しっかりと資金計画を立てておく必要があります。


まとめ

マンション経営の失敗事例を紹介しながら、その対策方法について解説しました。

失敗の原因はそれぞれ異なりますが、いずれも回避方法や対策方法は存在します。


マンション経営を含め、不動産投資で成功するためには、正しい不動産投資の知識を身につけ、リスク内容をしっかり把握し対策を立てることでリスクを最小限におさえることにつながります。

不動産投資のリスク対策の際は、ぜひ当記事を参考にしてください。

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