マンションオーナーになるには何が必要?仕事内容や注意点を解説
2022/04/27

マンションオーナーになるには何が必要?仕事内容や注意点を解説

マンションオーナーになるには何が必要?必要なこと1:マンション経営の知識必要なこと2:自己資金必要なこと3:信用力と収益力マンションオーナーの収入・支出と仕事内容を解説マンションオーナーの収入マンションオーナーの仕事内容マンションオーナーのメリット少ない資金で大きな資産を取得できる節税効果が期待できる生命保険や年金代わりになる売却益も狙えるマンションオーナーになる際の注意点空室リスクや災害リスクで収益が下がる可能性がある売りたいときに売れない可能性があるまとめ

収入を増やすために投資用マンションを買ってマンションションオーナーになりたい人のなかには「マンションオーナーになるには何が必要なのかわからない」という人もいるでしょう。

しかしマンションオーナーになるには特別な資格は不要、だれでもなることが可能です。

必要なのは、知識・資金・個人の信用力と物件の収益力です。


今回はマンションオーナーになるために必要なことについて解説します。

またマンションオーナーの仕事内容やメリット・デメリットも紹介するので、マンション経営に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。


マンションオーナーになるには何が必要?

マンションオーナーとは、所有する一棟マンションや区分マンションを第三者に賃貸し、入居者から家賃収入を得る「マンション経営」をおこなう「大家さん」を指します。

ここではマンションオーナーになるために必要なことを解説します。


必要なこと1:マンション経営の知識

マンション経営を含め、不動産投資をおこなうために必要な資格はありません。

だれでもマンションオーナーになることが可能です。


ただしマンション経営をおこなう上で、知っておいたほうがよい知識はたくさんあります。

たとえば不動産投資の基礎知識(物件の良し悪し、利回り仕組み、融資の仕組み、経費の種類など)があれば、収益物件の選びかたや収支計画の立てかた、確定申告時などに役立ちます。


マンションオーナーになるための資格は不要でも、マンション経営に関わる知識をできるだけ多く蓄えることでマンション経営の成功につながるでしょう。


マンションオーナーに役立つ資格

マンションオーナーになるために資格は必要ありません。

しかし以下のような資格を取得していれば、はマンション経営に役立ちます。


・不動産実務検定

以前は「大家検定」という名称だっただけあって、賃貸経営をおこなう大家さんに必要な知識が詰まった資格です。これから不動産投資をはじめようと考えている人にもおすすめです。


・ファイナンシャルプランナー(FP)

不動産投資だけでなく、金融や税金、相続など広範囲の知識を有する資格です。マンション経営の資金計画やリスク管理、節税などに役立ちます。


・簿記検定

アパート経営における利益や負債、減価償却などの費用についての知識が得られます。確定申告時やマンション経営の収支バランスの把握にも役立ちます。


・宅地建物取引士(宅建)

不動産投資の知識を広い範囲で網羅できます。ただし法律関連の内容が多く、合格率15%~18%程度であることを考えると資格取得にはしっかり勉強する必要があります。


・マンション管理士

マンション管理の知識が得られます。修繕積立金などの費用が適切に運用されているか、オーナー側に不利な環境にないかなど、マンション管理のスペシャリスト的な資格です。ただし合格率は宅建よりも低く、難関資格のひとつと言われています。


不動産投資に役立つ資格について詳しくはこちら!>>不動産投資に役立つ資格10選!メリットや難易度を紹介


必要なこと2:自己資金

マンションオーナーになるためには、投資用マンションを購入する必要があります。

マンションの価格にもよりますが、購入費用の一部を自己資金から頭金として支払い、残りは金融機関の不動産投資ローンを利用することがほとんどです。

またマンションの購入費用のほかに、諸費用(購入に関する登記や事務手数料、不動産会社に支払う仲介料など)も必要です。


加えてマンション経営開始後になんらかの費用が発生した場合に備えて、自由に使える余剰資金を用意しておくと安心です。

そのためまずは、ある程度の自己資金を用意する必要があります。

用意する金額の目安は、それぞれ以下ようになります。


・頭金:物件価格の1~3割

・諸費用: 5~8%

・余剰資金:最低100万円程度(物件規模による)


頭金は多ければ多いほど融資審査に通過しやすくなったり、融資条件がよくなったりというメリットがあります。

また頭金の額だけ借入金額も少なくなるため、月々のローン返済額も少なくて済み、利益が手元に残りやすくなります。


なお不動産投資ローンには、頭金なしで融資を受けられる「フルローン」や頭金なしで諸費用も借入れる「オーバーローン」があります。

どちらも通常の借入に比べて自己資金が少なくて済みますが、借入額が大きくなるため月々のローン返済額も大きくなるので注意が必要です。


必要なこと3:信用力と収益力

前述のように、ほとんどの人が投資用マンションの購入費用として金融機関の不動産投資ローンを利用します。

不動産投資ローンで融資を受けるには、金融機関の融資審査に通らなければなりません。


マイホームの住宅ローンとは異なり、投資用不動産の融資審査は個人の信用力のほか、融資対象物件の収益力が審査されます。

そこで審査のポイントになるのが個人属性です。


個人属性とは、融資申込者の勤務先や年収などの経済的・社会的背景を指し、金融機関は貸し倒れを防ぐため、融資申込者の経済力や人物像などの信用力を厳しく審査します。

おもな個人属性の項目は以下になります。


・ 年齢

・ 職業(勤務先)

・ 年収

・ 勤続年数

・ 世帯収入

・ 借入の有無

・ 貯蓄額や内容


一般的に公務員や同じ職場に長年勤めている正規雇用の会社員は、安定した収入が得られることから属性が高いと判断されやすく、融資審査に有利と言われています。

逆に属性が低いと判断されれば、融資審査が通らなかったり、また金利が高くなったり、希望額の融資が受けられないなど融資条件がきびしくなるため注意が必要です。


なお属性が低い場合は、頭金を多く入れるなどして借入額を減らすことで、審査に受かりやすくなる場合があります。


また不動産投資ローンの返済は、基本的に物件の家賃収入からおこないます。

そにため投資対象となる投資用マンションに返済に足るだけの収益力があるかが審査されます。


金融機関はこれらの項目を確認した上で、融資の可否や融資枠の上限を決定するのです。


マンションオーナーの収入・支出と仕事内容を解説

ビル群 青空 地球

マンション経営でオーナーが得られる収入や支払うべき費用について解説します。

またマンションオーナーの仕事内容も紹介します。


マンションオーナーの収入

マンション経営のおもな収入は家賃収入ですが、それ以外にも収入になるものがあります。

マンションオーナーの収入として認められるものは、おもに以下になります。


・家賃

・礼金(新規の入居者から受け取る)

・更新料(入居者が契約更新する際に受け取る)

・共益費(管理費)

・マンション敷地内に設置した自動販売機の売り上げや駐車料金など


ただし近年では、入居促進として礼金無料や、退去抑止目的で更新料を無料にすることも増えています。

そのため必ずしも受け取れるものでないことを覚えておきましょう。


マンションオーナーの仕事内容

マンションオーナーの仕事内容は、おもに以下のようなものがあります。


・入居者の募集関連

入居者募集に関する手配・対応、内見の立ち合い、入居審査、賃貸借契約の手続きなど


・入居者対応

家賃の集金、クレーム対応、退去時の対応など


・建物管理

日常的なメンテナンス・清掃作業、入居からの修繕依頼への対応、原状回復工事の手配、大規模修繕の計画・手配など


・経営管理:入居率や空室率・キャッシュフローの把握、空室対策としての設備投資やリフォーム計画の立案・手配、経費削減の方法、節税対策など


なお上記はマンションオーナーが自主管理をする場合であり、管理会社に委託するのであればオーナーがすることはほぼありません。

また、管理の一部だけを管理委託することもできるので、所有するマンションの規模や本業がサラリーマンなど普段忙しいなど、状況にあわせて委託の有無を決めるとよいでしょう。

ただし外部に管理会社に委託する場合は管理委託料が必要になります。


マンションオーナーのメリット

マンション経営者としてオーナーになることで、以下のようなメリットがあります。

・少ない資金で大きな資産を取得できる

・節税効果が期待できる

・生命保険や年金代わりになる

・売却益も狙える


それぞれについて詳しく解説します。


少ない資金で大きな資産を取得できる

投資用マンションを購入するには、区分マンションで数百万円以上、一棟マンションであれば中古物件でも数千万円~数億円が必要です。

しかし不動産投資では、物件購入費用のほとんどを金融機関から融資を受けることが可能なため、実際の不動産価格よりもずっと少ない資金で高額な物件を取得して運用できます。


また借入の返済は、基本的に物件の家賃収入から返済していくため、上手に運用すれば自己資金の流出を防げるでしょう。


節税効果が期待できる

不動産を相続・贈与で取得した場合に支払う相続税や贈与税は、現金などで相続した場合に比べて相続税評価額が小さくなるため節税効果が期待できます。


たとえば現金1億円を相続した場合、相続税評価額は1億円そのままです。

しかし1億で購入した不動産を相続すると、土地は公示地価の80%程度の評価額に、建物は取得費用の50~70%前後で評価されます。

そのため不動産を相続すれば現金で相続した場合に比べて、20%以上少ない相続税で済みます。


また第三者へ貸している投資用物件であれば控除額がさらに大きくなるため評価額が下がり、結果的に大きな節税へとつながるのです。


生命保険や年金代わりになる

マンション購入時に金融機関の不動産投資ローンで融資を受ける場合、契約者は団体信用生命保険(団信)に加入します。(加入が任意の場合もあります)

団信とは、契約者が事故や病気で死亡した場合や高度障害によりマンション経営を継続できなくなった際、ローンの残債が補償される保険です。


遺族はローン残債がなくなったマンションを相続できるため、そのままマンション経営を継続して家賃を得たり、売却してまとまったお金を受け取ったりできます。


売却益も狙える

マンションオーナーのおもな収入源は、毎月入居者から受け取る家賃ですが、マンションを売却することで売却益を狙うことも可能です。

売買益とは、不動産を購入した価格よりも高い価格で売却することで得られる利益を指します。


マンションオーナーがなんらかの理由でまとまった資金が必要になった場合やマンション経営を引退したくなった際はマンションを売却して現金化できます。

たとえマンションを売却するまでのマンション経営が赤字だったとして、売却益が大きく、赤字分を相殺し黒字にできる可能性もあるのです。


マンションを手放す際は売却益を得られるよう、不動産価格をチェックしておくことをおすすめします。


マンションオーナーになる際の注意点


ビジネスマン 手のひら クエスチョンマーク

メリットの多いマンション経営ですが、デメリットや注意点も存在します。

・空室リスクや災害リスクで収益が下がる可能性がある

・収益が下がっても維持費用は発生する

・売りたいときに売れない可能性がある


ひとつずつ見ていきましょう。


空室リスクや災害リスクで収益が下がる可能性がある

マンション投資で注意したいのが、空室や災害などのリスクによる家賃収入の減少です。

特に空室リスクは、不動産投資とは切っても切り離せない関係です。

どんなに優良物件でも入居者は入れ替わってしまうため、退去者が出たら、いかに早く次の入居者を見つけるかがカギになります。


空室リスク対策としては、まず賃貸需要の落ちない好立地に物件を所有することが重要です。

加えて入居者ニーズに応じて、設備を追加したりリノベーションしたりといった空室対策も必要です。


また地震や台風など自然災害や、火災や事故などが原因で、マンションが被害を受けた場合、入居者の退去や高額の修繕費用がかかる可能性があります。

こういった災害リスクに備えるためにも、火災保険や地震保険へ加入は必須です。


補償内容は修繕費用の補填のほか、災害によって空室が発生した際に得られるはずであった家賃の損失を補償する家賃保証特約なども必要に応じて検討するとよいでしょう。


収益が下がっても維持費用は発生する

収益が下がっても、毎月の維持費用は支払わなくてはなりません。

そのため、収益の額によっては費用を支払うとキャッシュフローがマイナス(赤字)になってしまう恐れがあるため注意が必要です。

マンション経営中に必要な維持費用は、おもに以下のようになります。


・ローン返済費

・管理委託費

・損害保険料

・修繕積立金

・固定資産税、都市計画税などの税金

・共有部の水道光熱費(一棟マンションの場合)


売りたいときに売れない可能性がある

マンションなどの不動産は、株式などほかの投資商品に比べて流動性が低く、売却しにくいのがデメリットです。

株式などはインターネットを利用して1日に何度でも簡単に売買できますが、不動産の売買は、すぐに買主がみつかったとしても売買契約締結まで最短で数週間はかかります。


また築古物件の場合、金融機関の融資がつかない可能性もあり、買主が見つかりにくいことがあります。

マンションを売りたいのに売れないという状況を避けるには、物件購入時に売却を見据えた「出口戦略」を立てておくことが大事です。


まとめ

マンションオーナーになるには特別な資格は不要です。

必要なことは、マンションを購入するための資金と融資を受けるための個人の信用と物件の収益力、そしてマンション経営を成功させるための不動産投資の知識です。


いずれも短期間で得るのはむずかしいかもしれませんが、マンションオーナーになるためには必要不可欠なため、少しずつ資金を貯めたり、同じ会社に勤めて属性を上げたり、融資を受けられる条件を整えましょう。

平行して不動産投資の勉強をすることで、その知識を活かし、マンションオーナーとして成功できる可能性が高くなるのです。

一覧に戻る