年収400万円で不動産投資の始め方!自己資金の貯め方や金融機関を紹介
「年収400万円で不動産投資はできる?」
「融資はいくらまで?」
「融資を申し込む金融機関はどこがいいの?」
「自己資金はいくら用意すればいい?」
もちろん年収400万円で不動産投資をはじめることは可能です。
今回は年収400万の人が不動産投資をはじめる場合を想定して、融資限度額や融資条件を有利にする方法、金融機関について解説します。
年収が400万でなくても、これから不動産投資をはじめようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
年収400万円ではじめる不動産投資の基礎知識
ここでは、年収400万円で不動産投資をはじめるにあたって覚えておきたい不動産投資の基礎知識を解説します。
年収400万円で受けられる融資限度額は?
不動産投資をはじめる人の多くは、不動産物件価格の一部を頭金として自己資金で支払い、残りは金融機関の不動産投資ローンを利用し融資を受けるのが一般的です。
融資額限度額の目安は年収の7~10倍と言われています。
よって年収400万円の人が借入れできる限度額は、2,800~4,000万円となります。
自己資金額と融資額を合わせることで、区分マンションはもちろん、地方の中古一棟アパートも視野に入れることができるでしょう。
ただし融資される金額については金融機関によっても異なりますし、ローン契約者の個人属性や融資対象物件の収益力によっても変わります。
融資額でチェックされるポイント
不動産投資の融資額は、個人属性と融資対象物件の収益力などを考慮して融資審査がおこなわれ、その結果によって決定します。
個人属性とは年収や勤務先情報など、おもに以下のようなものがあります。
【おもな個人属性項目】
・年収:過去3年分
・勤務情報:勤務先企業、規模、雇用形態、勤続年数など
・資産状況:預貯金や株の所有の有無・その額、借入の有無・残債額など
・その他:家族構成、居住環境(持家か賃貸か)など
不動産投資の融資について詳しくはこちら!>>不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
不動産投資に必要な自己資金額の目安
不動産投資では、購入する不動産物件価格の一部を頭金として自己資金で賄います。
また、不動産物件を購入する際には物件価格とは別に諸費用が掛かります。
一般的に頭金の目安は、最低でも物件価格の1割程度、できれば2~3割は用意しておくと安心です。
たとえば、物件価格が2,500万円なら250~750万円程度を頭金として用意するとよいでしょう。
頭金を多く入れることで借入額が少なくなるため、月々のローン返済額が小さくなり、余裕のあるキャッシュフローが期待できます。
また後述しますが、頭金を多く入れることで融資条件がよくなる可能性があります。
諸費用の目安は、新築物件の場合で物件価格の5%前後、中古物件で8%前後です。
おもな諸費用には以下のようなものがあります。
【不動産投資をはじめる際のおもな諸費用の項目】
・不動産仲介手数料
・不動産投資ローン事務手数料
・不動産投資ローン保証料
・火災保険料
・印紙代
・登録免許税
・司法書士報酬
・不動産取得税
・固定資産税・都市計画税
不動産投資の初期費用についてはこちら!>>不動産投資の初期費用の種類と目安額!できるだけ安くする方法は?
年収400万円ではじめる不動産投資で融資額を増やす方法
不動産投資の融資額は、本人の属性や融資対象物件の収益力で決定します。
融資額を引き上げたくても、属性を急に上げるのは正直むずかしいです。
ここでは、属性以外で融資額を増やすためのヒントを紹介します。
不動産投資の融資について詳しくはこちら!>>不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人
クレジットカードを解約する・限度額を下げる
不動産投資の融資審査では、既存の借入額や返済状況などの確認をしますが、それには所有するクレジットカードの使用状況も含まれます。
そのため使用中のクレジットカードの残債がある場合は、完済することで与信枠(どれだけ融資できるか金融機関が決めた限度額)が広がり、融資をより多く受けられる可能性が高くなります。
またキャッシング枠のあるクレジットカードは、「借入の可能性あり」と判断され属性が下がってしまうこともあるため、使用していないのであれば解約したり限度額を下げたりするとよいでしょう。
住宅ローンなど借入れがある場合は返済する
前述にように融資は与信枠内でおこなわれるため、借入れがあるとそれだけ与信枠に余裕がなくなり、融資される額が下がるなど融資条件が不利になります。
そこで住宅ローンや不動産投資ローンを組んでいる場合、資金に余裕があれば、繰り上げ返済や借り換えをおこない残債を減らす(または完済する)ことをおすすめします。
与信枠に余裕ができれば、新たに不動産投資の融資を受ける際の融資条件の改善が期待できます。
不動産投資の繰り上げ返済について詳しくはこちら!>>不動産投資の繰り上げ返済の種類やメリット・デメリットを解説
不動産投資ローンの借り換えについて詳しくはこちら!>>不動産投資ローン借り換えに適したタイミングやメリット・デメリット
頭金を多く入れる
不動産投資物件を購入する際、頭金を多く入れることで借入額が減るため、年収が低くても好条件で融資を受けられる可能性があります。
融資に有利になるための具体的な頭金額については金融機関によって異なりますが、できれば2割程度と考えておきましょう。
年収400万円で不動産投資をはじめる前にやっておきたいこと
ここでは不動産投資を成功させるために、ぜひやっておきたい「ふたつのこと」を紹介します。
頭金をつくる
前述のように、頭金を入れることで不動産投資の融資審査に通過しやすくなったり、有利な条件で融資を受けられたりといったメリットが期待できます。
しかし頭金は、最低でも物件価格の1割程度、できれば2割ほど用意したいところです。
一度に数百万円という大きな額を貯めるのはむずかしいため、不動産投資を思い立ったら頭金としてお金を貯めることからはじめましょう。
ここでは頭金の作りかたについてまとめました
家計簿をつけてみる
家計簿をつけて見直すことで毎月の貯金額アップにつながります。
ここで注目すべきポイントは、毎月一定額を支払わなければいけない固定費(家賃や水道光熱費、スマホやネット料金、生命保険料など)です。
固定費として、なにがどのくらいの割合を占めているのかを把握したうえで、不要だったり過剰だったりする固定費は削減しましょう。
削減した額をそのまま貯蓄にまわせば、無理なく毎月の貯金額をアップすることができます。
積立定期預金の口座を開設する
毎月決まった額を貯金できる「積立定期預金口座」を開設して、頭金を貯めるもの有効な手段です。
積立定期預金は、毎月一定額を定期預金口座に積み立てていくタイプの貯金なので、知らず知らずのうちにお金を貯めることにつながります。
積立額は自分で設定でき、金融機関によっては1,000円単位で積み立てていくことができます。
また勤務先で、給与から天引きされる財形貯蓄などを申し込める場合は、そちらを利用してもよいでしょう。
副業をして世帯年収を増やす
時間に余裕がある場合は副業で収入を増やし、頭金用に貯蓄してもよいでしょう。
勤務先の給与額を上げよりは、副業で副収入を得て収入をアップさせるほうが現実的です。
副業は、インターネットの副業紹介サイトやアルバイト紹介サイトで探すなどの方法があります。
ただし、勤務先で副業が禁止されていることもあるため、あらかじめ副業をおこなっても問題がないか社内の規則を確認しておきましょう。
副業について詳しくはこちら!>>資産形成の方法とは?効率よくお金を貯めるための資産運用方法を紹介
不動産投資の知識を蓄える
不動産投資をおこなううえで、最低限知っておかないと理解できない言葉や仕組みがあります。
それらの言葉の意味や仕組みを理解することで、不動産投資が成功する確率が高まります。
不動産投資について勉強する方法は、書籍を読んだり、インターネットサイトを調べたり、セミナーに参加したりとたくさんあります。
最近では、オンラインの無料不動産投資セミナーなどもレベル別に開催されているので、一度参加してみてもよいでしょう。
年収400万円の不動産投資におすすめの金融機関
年収400万円で不動産投資の融資を受けるには、どのような金融機関に融資を申し込めばよいのでしょうか?
融資の基準は金融機関によってさまざまですが、一般的にメガバンク(都市銀行)の融資審査は非常にきびしく、ローン申し込み者の年収などが重視されると言われています。
次いで融資審査がむずかしいと言われているのは、地方銀行や信用金庫などがあげられます。
ここでは、年収500万円以下で融資を受けられる可能性が高い金融機関を紹介します。
金融機関によって融資条件に違いがあるため、しっかり比較検討をして、融資条件が安全に返済計画を立てられるところを選ぶとよいでしょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、日本政府が100%出資した金融機関であり、略して「日本公庫」と呼ばれることもあります。
民間金融機関と日本公庫の大きな違いは、日本公庫は「利益」を目的にしていないことにあります。
おもに民間金融機関では融資審査に通過しにくい、中小規模の個人や法人の「事業」を対象にした融資が日本公庫のおもな目的です。
また、社会的に立場の弱い人の支援を目的とした融資もおこなっています。
日本公庫の融資は低金利なのが特徴です。
貸付期間中は固定金利なので金利上昇リスクを気にせずにすみますし、保証人も不要です。
また、融資対象者が若者や女性、高齢者の場合は、融資額上限の引き上げなどの優遇措置があります。
ただし、日本公庫の融資は「事業」を対象にしているため、「投資」目的では融資は受けられないため注意しましょう。
なお民間金融機関に比べて融資の上限額が低く、最長借入期間は短くなるため、留意しておく必要があります。
日本公庫の融資条件や金利などは以下のようになります。
【日本金融政策公庫の融資条件など】
・融資の目的:事業全般
・融資条件:公共料金や税金に未納がないこと
・金利:0%台~2%台
・融資額:上限4,800万円
・借入期間:最大で20年
*女性や若年層・高齢者に優遇措置あり
参考:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫について詳しくはこちら!>>日本政策金融公庫で不動産投資の融資を受ける方法とは?
ネット銀行
ネット銀行とは、実店舗を持たず、インターネット上での取引を中心として営業している銀行を指します。
おもなネット銀行は以下のようになります。
【おもなネット銀行】
・住信SBIネット銀行
・楽天銀行
・イオン銀行
ネット銀行の特徴は、融資の申し込みや契約などがオンライン上で完結することにあります。
来店する必要がなく、24時間どこからでもアクセスできるので、遠方に住んでいる人や日中忙しくて銀行に行けない人でも問題なく取引をおこなえます。
距離や時間を気にする必要がないのはネット銀行の大きなメリットです。
不動産投資の融資に関しては各行によって条件が異なりますが、金利はやや高めに設定されてます。
ここでは例として、住信SBIネット銀行「不動産担保ローン」の融資内容をまとめました。
【住信SBIネット銀行の融資条件など】
・融資の目的:原則自由(事業性資金を除く)
・融資条件: 満20歳以上で完済時に満75歳以下、安定継続収入がある方
・金利:2.95%~8.90% (変動金利)
・借入金額:300万円以上1億円以下
・借入期間:1年以上~35年以内(1ヵ月単位)
参考:住信SBIネット銀行
ノンバンク
ノンバンクとは、その名称のとおり銀行以外の金融機関のことを指します。
特徴としては、預金の受け入れをおこなわず、貸付などの与信業務に特化していることです。
信販会社やクレジットカード会社、消費者金融会社などが該当します。
【おもなノンバンク】
・セゾンファンデックス
・新生インベストメント&ファイナンス
・三井住友トラスト・ローン&ファイナンス
ノンバンク系金融機関の特徴は、融資審査が比較的緩いため、年収が低めな場合でも融資を受けやすい点にあります。
ただし金利が高い点がデメリットになるため、利用する際は、月々の返済額などをしっかりとシミュレーションしたうえで、将来的にもきちんとキャッシュフローが得られるか見極める必要があります。
融資条件は各社によって異なります。
ここでは例として、セゾンファンデックスの「不動産担保ローン」の融資内容をまとめました。
【セゾンファンデックスの融資条件など】
・融資の目的:自由
・契約対象者:法人・個人事業主(個人事業主は原則、申込時満20歳以上70歳以下、完済時85歳未満の方、日本国籍または永住許可を有する方)
・金利:変動金利 2.65%~4.45%(2021年4月1日現在)、固定金利 4.5%~9.9%
・融資金額:100万円 ~ 5億円
・返済期間/返済回数: 5年~25年/60回~300回
・中途解約金: 返済元金の3.0%以内
*最短3日で融資
参考:セゾンファンデックス
まとめ
年収400万円で不動産投資をおこなう場合、金融機関の融資限度額は年収の7~10倍になります。
ただし、個人の属性や物件の収益力によって変わるため注意が必要です。
また頭金を入れることで有利な条件で融資を受けられる可能性があります。
頭金の目安は物件価格の1~3割になりますが、メリットを考えると、ぜひ用意したいところです。
融資を申し込む金融機関もメガバンクはむずかしいでが、日本政策金融公庫やネット銀行、ノンバンクなどであれば融資を受けられる可能性が十分あります。
ぜひ、当記事を参考に不動産投資をはじめてみてください。