ワンルームマンション投資で失敗しやすいケースごとに対策を解説!
比較的少額ではじめられるワンルームマンション投資は、不動産投資初心者におすすめです。
一方で空室リスクが高い、収益性が低いなどの理由から、「ワンルームマンション投資は儲からない」との考えもありますが、失敗するケースから対策方法を学べば、ワンルームマンション投資でも安定した収入を得ることは可能です。
今回は、ワンルームマンション投資で失敗しやすいケースを紹介しながら、それぞれの対策方法と失敗しないためのポイントを解説します。
これから不動産投資をはじめようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
ワンルームマンション投資は失敗しやすいと言われる理由
インターネットで「ワンルームマンション投資」を検索すると、「やめておけ」「儲からない」などネガティブワードが検索結果として表示されます。
ここでは、その理由について解説します。
入居者がいないと収入がゼロになってしまう
「ワンルームマンション投資はやめておけ」と言われる大きな理由のひとつに、空室リスクの高さがあげられます。
1戸のワンルームマンションしか持っていない場合は、たしかに入居者がいない期間は一切家賃収入が入ってきません。
収入がゼロでも毎月ローン返済などはおこなわなければならず、結果として自己資金を持ち出すことになるため、空室期間が長くばればなるほど資金繰りが苦しくなります。
同じ不動産投資でも一棟物件の場合は、1戸が空室でも残りの部屋に入居者がいれば家賃収入が得られ、空室分を補うことか可能です。
しかし、ワンルームマンション投資はこういった空室リスクの分散ができないため、「やめておけ」という意見が多くなってしまうのです。
収入に対して維持費用がかかる
ワンルームマンション投資にかぎらず、すべての不動産投資では、ローン返済や管理委託料、各種税金、修繕費用、保険料といった費用を家賃収入でまかないます。
また退去後、原状回復にかかるリフォームやクリーニング費用を支払う必要もあります。
家賃収入からこれら費用を支払い、手元に残ったお金が純利益となるのです。
ワンルームマンション投資では、これら費用すべてを1戸分の家賃収入から支払わなくてはならず、気が付けば手元に残るお金はほんのわずか……ということのありうるのです。
このような理由から、ワンルームマンション投資は「儲からない」と言われる原因のひとつと考えられます。
ワンルームマンション投資のメリットは?
ワンルームマンション投資では本当に成功できないかというと、そんなことはありません。
立地を考慮したうえで資産価値が下がりにくい物件を購入できれば、ワンルームマンション投資はしっかりと成り立ちます。
ワンルームマンション投資は一棟物件と比べて価格が安く、少ない自己資金でもはじめやすいというメリットがあります。
価格が安いので初期費用も少なくて済むため、はじめての不動産投資向きの物件としてもおすすめです。
また、ワンルームマンション投資で不動産投資の経験を積み、ある程度の資金が貯まったら新たな不動産投資物件を購入し、いずれは一棟物件を購入する……といった不動産投資の足掛かり的存在でもあるのです。
ワンルームマンション投資で失敗しやすいケースとその対策方法
ワンルームマンション投資で失敗する原因には、いくつかのパターンがあります。
ここでは、それら失敗ケースを例にあげながら、それぞれの対策方法を紹介します。
ケースその1:不動産会社のセールストークを鵜呑みにしてしまう
不動産投資初心者にありがちなのが、不動産会社の営業マンのセールストークを鵜呑みして物件を購入して失敗してしまうパターンです。
よくあるセールストーク例には次のようなものがあります。
・高利回り物件です
・家賃保証があるから大丈夫です
・多少赤字でも年金代りや生命保険代わりになります
セールストークに疑問を持ったとしても自身に不動産投資の知識がない場合は、「不動産会社の人が言うのだから間違いない」と安易に納得してしまい、価格よりも高い物件を売りつけられたり、収益性の低いワンルームマンションを複数買わされたりといった例はめずらしくありません。
対策方法①:物件の詳細を確認する
セールストークによって不動産に興味を持った場合でも安易に契約はせず、まずは落ち着いてすすめられている物件について、価格は相場に沿った額か、利回りに問題はないか調べることが肝心です。
物件周辺の土地価格相場や家賃相場、賃貸需要や近隣競合物件の有無、周辺環境や利便性などをしっかりと調べましょう。
すすめられた物件の価格が相場よりも高すぎる、周辺に競合物件が多く空室が目立つ、駅から遠い、近隣に嫌悪施設があるなど、不安要素がある物件は購入しないほうが無難です。
対策方法②:家賃保証の契約内容を確認する
家賃保証(サブリース)契約とは、サブリース会社(不動産会社)が賃貸物件を借り上げて第三者にまた貸しするシステムです。
サブリース会社は入居者の有無にかかわらず、毎月の賃料から手数料を差し引いた額をオーナーに支払うため、空室リスクを気にせずに済むというメリットがあります。
しかし家賃保証で注意したいのが、保証される家賃額の見直し期間などの契約条件です。
不動産会社から保証される賃料は、契約当初に設定した金額が永久に続くわけではなく、定期的に賃料の見直しがおこなわれます。
また、保証される賃料は手数料が差し引かれることで相場家賃の8~9割程度の金額で設定されることが一般的です。
こういった条件を知らずに契約してしまうと予定通りの収益が得られず、ローンの返済ができないなど、当初立てた収支計画通りにすすめなくなる可能性が高まるため注意が必要です。
家賃保証契約は、正しく活用できれば空室リスク対策として有効な手段ですが、契約をする前にはオーナーに不利な条件が契約内容に盛り込まれていないか、契約書を十分確認することをおすすめします。
対策方法③:保険代わりや年金代わりになる根拠を確認する
不動産投資が「年金代わりになる」「生命保険代わりになる」と言うのはあながち間違いではありませんが、それはあくまで不動産投資で収益をあげたうえで言えることです。
不動産投資ローンの支払いが終わっても、管理費用や修繕積立金、税金は引き続きオーナーが支払わなくてはなりません。
一棟物件や複数の区分マンションを所有しているなら別ですが、ワンルームマンション1戸のみであればローン支払いが終わったとしても、「年金代わり」として手元に残るお金はそう多額ではないでしょう。
「生命保険代わり」についても、団体信用生命保険(団信)に加入していれば、ローン返済中にローン契約者の死亡(または障害が残る)など万一のときはローンが完済され、不動産は遺族(または本人)に残されます。
ただし、団信が有効なのはローン返済期間中のみであり、保障されるのもローン残金のみ、そして団信の受取人は金融機関です。
残された物件を売却すればまとまったお金が得られますが、そもそも価格の安いワンルームマンションの売却益をあてにするよりも、最初から生命保険を掛けたほうが得できる場合は少なくないでしょう。
特に「多少赤字でも生命保険代わりだと思えば損はしません」などのセールストークには注意が必要です。
ワンルームマンション投資の目的は、「賃貸して家賃で収益を出すこと」であり、生命保険代わりに不動産投資をするわけではありません。
ワンルームマンション投資の目的を間違えないよう気をつけましょう。
ケースその2:想定した以上に空室期間が長くなった
前述のように、空室リスクはワンルームマンション投資にとって致命的です。
空室期間は家賃収入が得られず持ち出しが増えてしまうため、ワンルームマンション投資を成功させるにはいかに空室を出さないかにかかっています。
対策方法①:オーナーチェンジ物件を狙う
オーナーチェンジ物件とは、入居者がいる状態で売買される不動産投資物件を指します。
すでに入居者がいるので購入後すぐに家賃収入を得ることができ、入居募集の手間や費用がかからないため大きなメリットになります。
対策方法②:レントロールを確認して家賃収入を予測する
中古のワンルームマンションであれば、これまでの賃貸借契約状況や賃料、共益費、契約年月日などが記載された「レントロール」から、今後の家賃収入を予測することができます。
過去の実績から入居付けの予測ができるため、収益を得られる物件かどうかの判断や収支計画が立てやすくなります。
対策方法③:家賃額を見直す
設定している家賃額が周辺の相場額と比べて高すぎる場合は、相場に見合った家賃額に見直す必要があります。
退去した入居者の居住年数が長かった場合、退去後もそのままの家賃額で入居募集をかけていることがよくありますが、すでに家賃相場が変動していて以前の家賃額が相場に合わなくなっていることも考えられます。
ケースその3:価格の安さや利回りの高さだけで購入してしまった
相場よりも安い価格の投資用ワンルームマンションを購入したところ、設備の入れ替えに多額の費用がかかるケースがあります。
また好立地の高利回り物件を購入したにもかかわらず入居が付かず、仕方なく購入時よりも安く売却するケースも見られます。
対策方法:価格の安さや利回りの高さの理由を調べる
相場よりも価格が安かったり、利回りが高すぎたりといった物件は、安さや高利回りの理由をしっかりと確認したうえで購入することが大事です。
ワンルームマンション投資の場合、すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件は入居募集せずに家賃が得られるのがメリットですが、入居者がいるため内覧しにくいというデメリットもあります。
そのため前述のように、安さだけで購入したら設備が古く、設備を総入れ替えする羽目になることはめずらしくありません。
内覧できない物件はなんらかの瑕疵があることも想定したうえで、過去の修繕履歴から設備の導入時期や修繕頻度を確認したうえで物件を購入しましょう。
また利回りが高い理由としては、空室リスクが高いため物件価格を下げている場合があります。
たとえばマンション内に反社勢力系の入居者がいたり、過去にマンション内や近隣で事故や事件があったり、周辺に嫌悪施設があるなど、なんらかの理由で入居付けがむずかしい物件であることが考えられます。
ごくまれに、早く売りたいなどの売主側の事情で物件価格が大幅に値引きされている「掘り出し物的」な物件もありますが、なんらかのデメリットがある場合がほとんどです。
価格が極端に安い、利回りが高すぎる物件には十分注意しましょう。
ワンルームマンション投資でおさえておくべきポイントは?
ワンルームマンション投資をはじめるのであれば、以下のポイントに留意しておくことで失敗を未然に防ぐことにつながります。
不動産投資の知識をつける
不動産投資で失敗しないためには、まず自分で不動産投資の知識を身につけることが大切です。
基本的な知識だけでも覚えておけば、相手の話のおかしな点や本来説明される事項が省かれているなど、多くの疑問に気づくことができるようになるでしょう。
不動産投資の知識を得るには、書籍を読んだり、不動産投資セミナーや大家さんの会に参加したり、知り合いの不動産投資経験者に話を聞くなど、いろいろな方法があります。
まずは手軽に参加できるオンラインセミナーなどに参加してみるとよいでしょう。
不動産投資初心者なら新築マンションは避ける
不動産投資と聞くと、新築物件の人気が高く借り手もすぐに見つかるイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし新築物件は家賃が高いため、近隣にある手頃な家賃の築浅物件のほうが入居確率は高くなります。
また、購入価格が高い新築ワンルームマンションは利回りが低い場合が多いため、高利回りを狙うなら価格の安い中古マンションが適しています。
特に投資初心者にとって、高額で利回りの低い新築マンションの運用はハードルが高いと考えられます。
まず中古ワンルームマンションを購入してキャッシュフローを貯め、2件目、3件目と物件を増やしていくことで、ゆくゆくは一棟物件取得も視野に入ってくるでしょう。
中古マンション投資について詳しくはこちら!>>中古マンション投資のリスクを把握!失敗しないためのポイントを解説
さまざまなパターンを想定した収支シミュレーションをおこなう
ワンルームマンション投資にかぎらず不動産投資をおこなう際は、綿密な収支シミュレーションは欠かせません。
収支計シミュレーションをおこなう際は、満室時だけでなく、入居率が下がったり家賃が下がったり、金利が上昇したりといった、さまざなパターンを想定して計算しましょう。
ただし、どんなに綿密なシミュレーションをおこなったとしても、突発的な事態(災害や予期しない修繕費の発生など)が起こるケースもあります。
想定外の出費が発生する場合を想定して資金を手元に残しておくことも、ワンルームマンション投資には重要なことだと覚えておきましょう。
まとめ
ワンルームマンション投資の失敗するケースを例にあげ、それぞれの対策方法を解説しました。
失敗を防ぐには不動産投資に必要な知識を身につけ、物件を見きわめる力をつけることが重要です。
また、ワンルームマンション投資にかぎらず、不動産投資には収支シミュレーションは欠かせません。
可能な限りさまざまなパターンを想定したうえで収支シミュレーションをおこない、収益を得られる物件を選ぶことで、ワンルームマンション投資を成功させる確率が高まるのです。