地方での不動産投資はメリット多し!東京との比較や注目エリアも紹介
「地方都市で不動産投資」と「東京で不動産投資」、どちらがよいか迷う投資家のかたも多いのではないでしょうか。
地方都市でおこなう不動産投資にはメリットもたくさんありますが、地方ならではリスクも存在します。
そこで今回は、地方でおこなう不動産投資を東京と比較しながら、メリットやデメリットを解説します。
また、今後の不動産投資で注目したいエリアについてもまとめました。
地方都市の不動産投資に興味のあるかたは、ぜひ参考にしてください。
【東京と比較】地方都市で不動産投資をするメリット
東京よりも地価が安い、駅近にこだわらないなど、地方都市ならではの利点があります。
物件価格が安く高利回り物件が多い
地方都市は地価が安いため、不動産投資物件も東京に比べると安価なものが多いです。
東京では区分マンションなど小規模な物件しか購入できない予算でも、地方では一棟アパートの購入も可能です。
同じ価格であれば、1室だけ所有する区分マンションよりも複数室ある一棟アパートのほうが家賃収入は高くなりますし、空室対策にもつながります。
また、不動産投資物件を安く購入できるため、高利回りが期待できます。
期待利回り |
||
エリア |
ワンルーム |
ファミリ― |
東京(城南) |
4.20% |
4.30% |
札幌 |
5.50% |
5.50% |
仙台 |
5.50% |
5.50% |
横浜 |
4.80% |
4.90% |
名古屋 |
5.00% |
5.00% |
大阪 |
4.80% |
4.90% |
福岡 |
5.00% |
5.10% |
参照データ:一般財団法人 日本不動産研究所『不動産投資家調査(2021年4月)』
上記の表は、一般財団法人日本不動産研究所が不動産投資家や不動産投資関係者を対象に6ヶ月ごとにおこなっている『不動産投資家調査』で発表している賃貸物件の期待利回りです。
東京と各地方都市を比較すると、いずれの地方都市も0.6%以上高い利回りが期待されていることがわかります。
なお、地方都市の中古物件であれば10%や20%を超える高利回り物件に巡り会えることも少なくありません。
ただし、高利回り過ぎる物件=格安物件の場合、建物に瑕疵があって高額の修繕費用が必要なるなど問題点の多い物件の可能性もあります。
利回りばかりに注目せず、購入前にしっかりと確認をおこないましょう。
ライバルの投資家が少ない
不動産投資物件が最も多い東京は、不動産投資家の激戦区とも言えます。
お買い得な物件は、不動産投資初心者が買う前に不動産投資のプロに買われてしまうことも多いため、不動産投資初心者が入手するのはむずかしいです。
その点、地方都市には東京に比べてライバルの投資家が少ないため、狙った不動産投資物件を入手しやすい環境と言えるでしょう。
土地価格が低いので減価償却費を高くできる
不動産投資では、不動産物件の購入費用を数年にわけて「減価償却費」として経費計上することで、その年の所得税をおさえることができます。
ただし、減価償却できるのは建物部分のみ。
土地については減価償却の対象外となるため、同じ価格の不動産物件でも東京に比べて土地の安い地方都市では建物部分の価格割合が大きくなります。
そのため、より多額の減価償却費を算出できる可能性があります。
駅近へのこだわりが少ない
東京を含めた大都市圏では公共交通機関が発達しているため、電車での通勤・通学が一般的。
そのため、入居希望者が物件を選ぶ際には「駅近物件」が好まれます。
特に好まれるのが「最寄駅から徒歩10分以内」で15分以上かかる物件は、入居付けがむずかしくなります。
しかし、地方都市では公共交通機関がそれほど多くないこともあり、車を所有する割合が非常に高いです。
地方都市でも駅近物件の需要はありますが、通勤や通学、レジャーの際も車が使われるため、大都市圏に比べて「駅から○○分以内」にこだわる必要がありません。
その代わり、不動産投資物件にはかならず世帯数(+αならなお可)の駐車場の付帯が条件となります。
所有物件の分散になる
同じ地域に不動産投資物件を複数所有した場合、地震などの災害で物件が同時に被害にあう可能性が高くなります。
首都圏だけでなく地方都市に収益物件を分散して所有することで災害リスク対策につながります。
【東京と比較】地方都市で不動産投資するデメリット
東京だけでなく、地方都市でおこなう不動産投資にもデメリットは存在します。
ここでは、地方都市ならではのリスクとその対策についてまとめました。
空室リスクが高い
東京に比べると人口が少ない地方都市では、エリアの選定や物件選びを間違えてしまうと一気に空室リスクが高まるので注意が必要です。
特に人口の減少が著しいエリアでは賃貸需要が減り、空き家が増える傾向が強くなります。
地方都市で不動産投資をおこなう場合は、現在の賃貸需要だけでなく、総務省などの統計データを参考にして、今後人口が増加傾向にある空き家の少ないエリアを選ぶことをすすめします。
家賃相場が安い
東京に比べて物価が安い地方都市では、家賃相場も東京に比べて低い場合が多いです。
特に人口の減少が著しいエリアでは、賃貸需要が減り、入居付けのために家賃額を下げる必要も出てくるでしょう。
家賃下落は不動産投資では避けては通れないリスクのひとつですが、できるだけ家賃を下げずにすむよう、賃貸需要の高いエリアを選び、購入前には家賃下落を念頭においた収支シミュレーションをしっかりとおこなう必要があります。
売却しにくい場合もある
東京と比べると地方都市では不動産物件の売買件数が少ないため、所有する物件を売却したくても買手が見つからず、現金化したいときにできないというリスクがあります。
地方都市で不動産投資物件を購入する際は、出口戦略までを見据えたうえで、売りやすい物件を選ぶことも重要です。
地方の不動産投資で注目したいエリア情報
ここでは、上記の空室率が低く、人口増加傾向のあるエリアのなかから、おすすめの地方都市を紹介します。
沖縄県那覇市
まず1件目は、「空き家率の低い都道府県」第2位にランクインした沖縄県から、県庁所在地である那覇市を紹介します。
空き家率の低さだけでなく、沖縄県の人口増加率(2015年~2020年)は2.4%、こちらも全国第2位でした。(令和2年国勢調査 人口速報集計結果 結果の概要)
また、下記のグラフは沖縄県の将来推計人口を表したものですが、これによると2025年まで人口が増加する見込みです。
南西地域産業活性化センター沖縄県の将来推計人口(2018年1月推計)
なお、沖縄県の場合、リゾート地という要素も兼ねた立地なため、通常の賃貸物件のほか、リゾート用短期貸しマンション(マンスリーマンションやウィークリーマンション等)の不動産投資を視野に入れてもよいでしょう。
福岡県福岡市
2件目は、人口増加率(2015年~2020年)0.7%だった福岡県福岡市です。(令和2年国勢調査 人口速報集計結果 結果の概要)
福岡市の人口は、下記のグラフのように2036年まで増加する見込み。
その後は減少していきますが、ゆるやかに減っていくと予想されています。
グラフ引用:福岡市ホームページ 『福岡市の将来人口推計について(2012年)』
九州最大の都市である福岡市は、上場企業の支店も多いため、単身・ファミリーともに転勤族サラリーマンの賃貸需要が見込めますが、ワンルームの激戦区でもあるため、ファミリー向け物件がおすすめです。
東京近郊エリアもおすすめ
地方都市ではありませんが、埼玉県、千葉県、神奈川県といった都心に隣接したエリアは、やはり人口が増加傾向にあります。(令和2年国勢調査 人口速報集計結果 結果の概要)
特に『SUUMO住みたい街ランキング2021 関東版』で4年連続1位に輝いた神奈川県横浜市や4位にランクインした埼玉県大宮市、22位船橋市など人気のエリアがおすすめです。
「地方都市は離れすぎていて賃貸経営が不安」という人は、上記3県の不動産投資を検討してもよいでしょう。
地方都市で不動産投資をするなら現地確認は必須!
遠隔地から地方都市で不動産投資をする場合、特に気をつけたいのが、「かならず現地へ行き物件を直接確認、周辺情報を収集すること」です。
インターネットで簡単に条件に合致する物件が探せるようになり、3D内覧などもできますが、直接見ると「思っていたのと違う」場合も多くあります。
また、近隣の雰囲気や音・臭いはインターネットでは確認することができません。
直接現地へ赴き、物件の外観や内覧(空き室があった場合)、建物の設備や状態の確認、物件周辺の競合物件の有無、治安はよいか、嫌悪施設(ごみ処理場や斎場、その他)等がないか確認をおこなったうえで、入居ニーズがあるかどうかの判断をしましょう。
なお、現地確認する際の交通費や宿泊費用は確定申告時に経費として計上できます。(ただし、不動産投資に係わる分だけ)
不動産投資を成功させるためにも、できる限り現地調査をすることをおすすめします。
不動産物件投資物件の探し方について詳しくはこちら!>>不動産投資用収益物件探しのポイントは?効率のよい情報収集の方法
まとめ
東京に比べて不動産投資物件が安く、高利回りが期待できるのが、地方都市で不動産投資をおこなうメリットです。
ただし、地方都市は人口の減少が著しいエリアもあるため、物件を購入する際は慎重な判断が必要です。
現在の賃貸需要だけでなく、今後の人口増加の推計から賃貸需要の有無を確認することで、地方都市での不動産経営をスムーズにおこなうことが可能になるのです。