不動産投資で利益を出す4つのポイント!儲けるためにできることは?
「不動産投資は利益が出ない」という声もありますが、けっして利益が出ないわけではありません。
必要なのは不動産投資の仕組みを理解し、知識を身につけることです。
今回は、不動産投資で利益を出せない原因とともに、利益を出すために必要な4つのポイントを解説します。
これから不動産投資をはじめようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資の利益とは?
不動産投資とは、所有する収益物件(マンションやアパート、戸建て住宅、ビル、土地など)を第三者に賃貸して賃料収入(インカムゲイン)を得る、または所有する物件を売却して売却益(キャピタゲイン)を得る投資方法です。
不動産投資のインカムゲインのおもな収入は「家賃」になりますが、それ以外にも、共益費や礼金、更新料、敷地内に設置した自販機の売上などがインカムゲインに該当します。
なお、インカムゲインは不動産を所有し、借主がいるかぎり長期にわたって毎月安定した収入を得ることが可能です。
キャピタルゲインは、あらかじめ土地価格が上がりそうな物件を購入し、価格が上がったタイミングで売却したり、安く購入した物件に付加価値をつけて高値で売却することで得られます。
大きな利益が得られるキャピタルゲインですが、収益を確実に得るには、不動産投資に対する詳しいノウハウが必要です。
また、現物資産である不動産は売却までに時間がかかるため、売却のタイミングを計る必要があります。
なお、堅実にインカムゲインを得ながら、物件が高値で売れるタイミングを見計らって売却する「インカムゲイン+キャピタルゲイン」を狙う方法も可能です。
不動産投資でどのように利益を得るか、自身に向く投資スタイルを見きわめましょう。
インカムゲインとキャピタルゲインについて詳しくはこちら!>>
不動産投資の利益の種類!インカムゲインとキャピタルゲインを解説
「不動産投資は利益が出ない」と言われる原因を解説
しばしば、「不動産投資は利益が出なくて儲からない」と言われることがありますが、実際には不動産投資で利益を出し、しっかり儲けている投資家は数多く存在しています。
一方で、不動産投資で利益を得られない場合があるのも事実です。
利益を出せない原因の多くは、不動産投資をおこなううえで、なんらかの間違いや勘違いをしていることが考えられます。
ここでは「不動産投資では利益が出ない」と言われる原因を解説します。
不動産投資の利益を得る仕組みを理解していない
前述のように不動産投資の利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。
株式投資など短期間で大きな利益を出す投資方法と比較すると、不動産投資で毎月得られるインカムゲインは少なく感じる投資家も多いかもしれません。
そのため、短期間で大きな利益を期待する投資家にとって不動産投資は、」「利益が少ない=儲からない投資」というイメージを持たれやすくなるのです。
しかし不動産投資のインカムゲインは、入居者がいるかぎり家賃収入などを長期間に渡って毎月積み重ねていくことで資産を増やすことが可能なのです。
物件さえ購入すれば儲かると考えている
不動産投資は、「投資用不動産物件を購入して賃貸に出せば儲かる」と思っている人もいるようですがそれは間違いです。
不動産投資を成功させるためには、賃貸需要のある物件を選び、適切な賃料設定したうえで必要に応じて各種リスク対策をおこなう必要があります。
また物件の価値を下げないためには、最新設備の導入や適切なタイミングで修繕をおこなう必要もあります。
こういった不動産投資に必要な処置をおこなわず放置していては、入居者への不満につながり、退去者が増えて空室が増えてしまうことも考えられます。
収益物件を入手してからが不動産投資の本番です。
しっかりと物件や入居者の管理をおこないましょう。
表面利回りしか見ないで物件を買っている
不動産投資における利回りとは、物件価格に対して得られる収入や利益の割合を指し、物件選びや賃貸経営の際の大切な指標となる数値です。
不動産投資で使用するおもな利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
表面利回りは経費を含めずに計算された利回りを指します。
より実際の利益に近い利回りを出すには、経費を考慮した実質利回りを計算する必要があります。
ここで気を付けたいのが、広告などに記載されている利回りのほとんどが表面利回りであることです。
そのため「利回り10%」と記載されていても、それが表面利回りであれば、必要経費などを差し引いた実質利回りは、表面利回りの半分程度しかないこともめずらしくありません。
表面利回りの数字だけで見て不動産物件を購入してしまうと想定した利益を得られないため、十分注意しましょう。
利回りについて詳しくはこちら!>>不動産投資の実質利回りと表面利回りの違いは?シミュレーション比較
平均利回りについて詳しくはこちら!>>不動産投資の平均利回りは何%?リスクの高い物件の具体例を解説
相場よりも高い価格で物件を購入している
不動産価格の相場を知らず、不動産業者にすすめられるまま物件を購入したら、相場より高い物件を買わされてしまうことがあります。
相場より高い物件を買うと、家賃も相場より高く設定しないと収益を確保できません。
しかし、家賃が相場より高いと入居付けがむずかしくなるため空室期間が長引き、資金繰りが悪化し、利益を得るどころかローン返済が滞る恐れも考えられます。
最悪の場合はローン返済ができなくなり物件を差し押さえられる可能性もあるのです。
損切覚悟で不動産を売却したくても購入時の相場よりも高い価格では売れず、結局大幅な値下げが必要になり、最後には借金だけが残るという結果になりかねないのです。
不動産投資にかかる費用を考慮していない
不動産投資をおこなうには、物件購入時の初期費用のほかにも、物件の運用時、物件の売却時、それぞれに費用や税金が発生します。
費用や税金の支払いは、家賃収入や売却代金から支払うため、それらの費用や税金を想定しない状態で収支シミュレーションをおこなっても正確な結果は得られません。
正しくないシミュレーション結果をもとに実際に不動産不投資をおこなってしまうと、想定した収益を大幅に下回ってしまい、不動産投資の失敗につながる可能性が高くなってしまいます。
不動産投資でしっかり利益を得るためには、必要な費用や税金の種類を把握したうえで、不動産投資をおこなう必要があります。
物件購入時に必要な費用の種類
一般的な不動産投資物件の購入にあたって、融資を受ける際に必要な初期費用(頭金+諸費用)の種類と目安は以下のようになります。
【初期費用(頭金と諸費用)目安】
・頭金:物件価格の10%~30%程度
・仲介手数料:物件価格の3%+6万円+消費税(不動産会社を介した場合)
・不動産取得税:固定資産税評価額×3%(令和6年3月31日まで。土地および住宅)
・印紙税:物件価格によって異なる(1,000万円超5,000万円以下の場合1万円~)
・登録免許税:土地・建物の1.5%
・司法書士への報酬:10万円~15万円程度
・清算金(固定資産税、敷金など):物件引き渡しのタイミングなどによって異なる
・融資事務手数料:借入金額の1~3%程度
・融資保証料:借入額の2%程度(一括で支払う場合)
・火災・地震のための損害保険料:補償対象となる建物の構造や面積、補償内容によって異なる
初期費用について詳しくはこちら!>>不動産投資の初期費用の種類と目安額!できるだけ安くする方法は?
物件運用時に必要な費用の種類
収益物件の運用時には、さまざまな維持費用(ランニングコスト)がかかります。
ここでは、一般的な不動産投資に必要な維持費用と目安を紹介します。
【維持費用(ランニングコスト)の種類と目安】
・ローン返済費用:不動産投資ローンの借入額と金利によって異なる
・管理委託費用:1戸あたり5%~8%/月(物件管理を外部に委託した場合)
・修繕、リフォーム費用:家賃収入の5%~7%程度(築年数などによって異なる)
・火災・地震のための損害保険料:補償対象となる建物の構造や面積、補償内容によって異なる
・共用部分の光熱費:10万円~/年(物件の規模によって異なる)
・取得税・住民税:課税所得額によって決定する
・固定資産税(都市計画税):固定資産税評価額×1.4%(固定資産税評価額×0.3%)
物件売却時に必要な費用
不動産を売却することで売却代金を受け取れますが、同時にさまざまな費用や税金の納税義務が発生します。
ここでは、不動産売却時に発生する費用の種類と目安を紹介します。
【売却時に発生する費用の種類と目安】
・印紙税:売買価格によって異なる
・登録免許税(抵当権抹消登記):不動産ひとつにつき1,000円(ローン残債がある場合)
・ローン返済金・手数料:ローン残債がある場合
・司法書士依頼料:3万円前後(登記手続きなどを依頼した場合)
・譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税):譲渡益が出た場合
・仲介手数料:物件価格の3%+6万円+消費税(不動産会社を介した場合)
・預かり敷金:現況の入居者で敷金を支払った分(入居者がいるオーナーチェンジ物件の場)
物件売却時の税金について詳しくはこちら!>>不動産投資で物件売却時に発生する税金の種類を解説!計算方法も
不動産投資で利益を出すための4つのポイント
不動産投資で利益を出すためには、以下の4つのポイントに留意しておきましょう。
物件の立地がなによりも重要
不動産投資の成功の可否は、物件の立地で決まると言っても過言ではありません。
安定した家賃収入を得るためには、賃貸需要が高いエリアの利便性のよい好立地物件を選ぶ必要があります。
好立地物件の条件は、都心部か地方都市かによって異なります。
都心部であれば、電車など交通の便のよさや駅からも近く、買い物施設が周辺にあるなどが好立地の条件です。
自家用車で移動するのが一般的な郊外や地方都市であれば、駅からの距離よりも、まず駐車場がある物件で幹線道路までのアクセスのよいエリアなどが好立地物件となります。
また入居者の属性によっても好立地の条件や好まれる間取りは異なります。
たとえば、単身者にとっての好立地物件は、駅から近く、近隣に深夜営業の飲食店やコンビニなどがあるワンルーム・1K、1LDK物件などが該当します。
しかしファミリー層には、繁華で雑多なエリアよりも多少駅から離れていても閑静な住宅街に位置する2LDK以上の物件が好まれます。
子供のいる世帯であれば、近隣に小学校や子供向けの施設が充実しているエリアが好立地と言えるでしょう。
このように入居ターゲット層によって好立地の条件は異なるため、どのような入居者をターゲットにして賃貸経営をおこなうのか、よく検討したうえで物件を選ぶことが利益につながります。
リスク対策をおこなう
不動産投資には気をつけるべきリスクがいくつかありますが、不動産投資におけるリスクは予測しやすく対策を立てやすいという特徴があります。
どのようなリスクがあるのか把握することで、リスクを最小限にする対策につながるため、不動産投資投資で利益を得る際に役立ちます。
ここでは、おもなリスクと対策方法をまとめました。
空室リスク
入居者がいなければ家賃収入を得ることはできません。
そのため不動産投資と空室対策は切っても切り離せない関係です。
空室対策の1番の方法は、前述したように利便性がよく賃貸需要が高い好立地物件を選ぶことです。
また、必要に応じて入居者ニーズの高い設備の追加やリフォーム・リノベーションをおこなうことで、近隣の競合物件との差別化にもつながります。
家賃滞納リスク
家賃滞納がつづくと収益が減りキャッシュフローが圧迫されるだけでなく、滞納が長期化すると明け渡し請求の裁判をおこなうなど、時間と費用と労力がかかります。
そのため家賃滞納を未然に防ぐ対策が必要です。
対策方法としては、家賃保証会社との契約を入居条件に組み込むなどが効果的です。
万一、滞納があった場合でも家賃保証会社が家賃を補償してくれますし、入居者への督促もおこなってくれるのでオーナー様の負担が少なくて済みます。
災害リスク
地震や台風などの自然災害、火事などの被害によって物件が喪失・破損するリスクがあります。
災害リスクを完全に防ぐのはむずかしいため、万一に備えてかならず火災保険や地震保険へ加入しておきましょう。
また、災害被害の少ないエリアや新耐震基準で建築された物件を選ぶことも大事です。
複数の物件を所有する場合は、異なるエリアの物件を購入し、分散投資をおこなうなどの対策方法もあります。
不動産投資の知識を身につける
前述した「不動産投資は利益が出ない」と言われる原因の中には、不動産投資の知識があれば利益につながる可能性がいくつもあります。
不動産投資で選ぶべき物件や、想定できるリスクとその対処方法、利回り計算の仕方、費用と税金については、不動産投資の基礎を学ぶことでじゅうぶん身につけることが可能です。
知識を得ることで悪徳業者に騙されることもなくなり、優良物件を購入することもできますし、不動産投資で利益を得られるようになります。
勉強方法としては、書籍を読んだり、セミナーに参加したり、不動産投資専門の動画サイトの視聴などがあげられます。
少なくとも不動産投資の基本的な知識だけでも勉強したのちに、不動産投資をはじめることをおすすめします。
まとめ
不動産投資で得られる利益は、所有する物件を第三者に賃貸して家賃収入(インカムゲイン)を得る方法と、物件を売却して得る売却益(キャピタルゲイン)があります。
短期間で大きな利益を得られる株式投資などと比較すると、不動産投資の家賃収入は少なく感じるかもしれません。
しかし、そもそも不動産投資のインカムゲインは、借主がいるかぎり安定した家賃収入を長期間に渡って得られる投資方法です。
不動産投資で利益を出すためには、利益を得る仕組みや不動産投資の知識を得ることが重要です。
少しずつでも書籍や不動産セミナーなどで不動産投資の知識を身につけることで、健全な不動産投資がおこなえるとともに、安定した利益を得ることにつながります。