効果的な空室対策!家賃を下げる前に検討したい 7つの対策方法
2022/01/10

効果的な空室対策!家賃を下げる前に検討したい 7つの対策方法

効率的な空室対策おこなうために!空室の原因を把握する賃貸物件の現況をチェックする入居者ニーズをチェックする空室対策に効果的な7つの方法1:入居ターゲット層の見直しや入居条件の緩和2:入居者の費用負担を軽減する3:入居者募集資料の見直し4:人気設備の導入5:内見時のイメージアップ6:入居募集を委託している管理会社(仲介会社)の見直しや変更7:リフォームやリノベーションをおこなう入居付けだけでなく、既存入居者の退去を防止するのも重要入居者アンケートの実施長期入居特典をつける今後の空室対策に活かす退去者アンケートまとめ

安定した賃貸経営をおこなううえで、欠かせないのが「空室対策」です。

しかし、空室を埋めたくても「たくさんある空室対策方法のなかからどれを選べばよいかわからない」とお悩みのオーナーも少なくないはずです。


そこで今回は、「空室の原因を把握する方法」と「原因に合わせた空室対策方法」を7つ紹介します。

空室になる原因がわかれば、効率よく、かつ効果的な空室対策をおこなうことが可能となり、余分な時間や費用のカットにつながるのです。

また、「長期入居のために退去者を出さない空室対策」のヒントについても解説します。


いま現在、空室で困っているオーナーはもちろん、これから不動産投資をおこなう予定の人も、当記事を参考にして満室経営を目指してください。


効率的な空室対策おこなうために!空室の原因を把握する

不動産投資をおこなううえで「空室対策」は避けて通ることはできません。

しかし、数ある空室対策方法の中から、もっとも効果的な空室対策をおこなうためには、その原因を把握する必要があります。


「なぜ空室になっているのか?」

その原因を把握しないまま多額の費用をかけて空室対策をおこなっても、入居付けにつながるとはかぎりません。

正しい空室対策をおこなうには、まず賃貸物件の入居状況や入居者のニーズを把握し、空室の原因を突き止める必要があります。


賃貸物件の現況をチェックする

なんらかの空室対策をおこなう前に、まずは所有する賃貸物件の現況について以下のポイントをチェックしましょう。


・空室期間

・空室になる部屋の間取りやタイプなど

・入居者の属性(社会人、学生、男女の比率など)

・建物の築年数と状態(大規模修繕の有無など)

・築年数による家賃額


上記の点を確認したら、次は周辺環境や競合物件の空室状況などを調査してみましょう。

所有物件を入手した当時と比べて競合物件が増えている場合は、築年数に比較して家賃が高い可能性があります。

また、周辺環境の変化(大学や会社の移転、商業施設の閉鎖など)によって、賃貸需要が減っている可能性も考えられます。


入居者ニーズをチェックする

空室対策をおこなうには、設備面での入居者ニーズを把握することも欠かせません。

そのためにはまず、「トレンドの設備」や「周辺の競合物件で導入されている設備」などを確認しましょう。


調査方法は、大手賃貸ポータルサイトで周辺の競合物件の検索や入居募集を委託している不動産管理会社にヒアリングをおこない、現在はどのような設備が求められているか確認しましょう。

また入居者アンケートの実施や、所有物件に直接行ける場合は入居者に直接ヒアリングしてリアルな情報を収集するのも効果的です。


空室対策に効果的な7つの方法

7 空 飛行機

ここでは「空室の原因」に合わせた効果的な空室対策方法を7つ紹介します。


1:入居ターゲット層の見直しや入居条件の緩和

所有する賃貸物件の現況によっては、賃貸経営開始当初に設定した入居ターゲットを見直す必要があります。


たとえば、当初の入居ターゲットが男女区別なかった場合でも、現在の入居者が男性よりも女性が多いのであれば、安全面や衛生面で女性が好んで選んでいる可能性が高いと考えられます。

そこで、さらに女性に喜ばれる設備の導入や女性専用賃貸物件にするなど、入居ターゲットを変更することで競合物件との差別化につながり、より入居付けに役立ちます。


また、入居条件を緩和することで、所有する物件と似ている競合物件との差別化につながります。

外国人入居可、高齢者入居可、生活保護者入居可、ペット可や楽器可などの条件緩和は、新規入居付けが期待できます。


上記のような入居ターゲットの条件緩和は、低コストでできる効果的な空室対策方法のひとつです。

どうしても入居者が決まらない場合は、積極的に検討してみるとよいでしょう。


2:入居者の費用負担を軽減する

最近では、入居時にかかる敷金や礼金などが無料の賃貸物件(「ゼロぜロ物件」)も増えています。

敷金や礼金の負担が少ない物件は入居者には人気があり、そのため入居付けがしやすくなる傾向が強いです。


また、入居時から数か月分の家賃をゼロにする「フリーレント」サービスも入居付けに効果があります。


ただし敷金をゼロにした場合は、退去時の支払いや家賃滞納時の担保金がなくなってしまいます。

この場合、入居者が退去する際の費用については、あらためて入居者に請求する必要があります。

また家賃滞納を防ぐためには、家賃保証会社との契約を入居条件にすると安心です。


3:入居者募集資料の見直し

最近の物件探しは、まずインターネットで希望する条件をもとに物件を検索し、その後に不動産会社に連絡・内見という流れが主流です。

したがって、物件情報を大手賃貸ポータルサイトに掲載することは必要不可欠ですし、そこに掲載されている物件情報や写真が内見への判断材料となります。


そもそも内見者数が少ない場合は、ポータルサイトに掲載されている募集資料に問題がある場合も多いです。

物件情報や物件写真が少なかったり、あいまいだったり、わかりにくくないかといった点を中心に、「入居者目線」でポータルサイトに掲載されている募集資料の見直しをおこないましょう。


特に入居希望者に物件の魅力をアピールできる物件写真は、晴れの日や室内を明るくして撮影をおこなうことをおすすめします。

また、最近は物件の動画を掲載できるポータルサイトも多くなっています。


所有する不動産投資物件がどんなに好立地にあっても、どんなに最新設備がそろっていても、入居希望者の目に留まらなければ入居してもらえる可能性はほとんどありません。

そのため、「より多くの人に物件を知ってもらって見てもらう」ことを念頭におき、部屋を探している人に「見てみたい」と思ってもらえるような入居者募集資料になるよう工夫しましょう。


4:人気設備の導入

前述のように、入居者ニーズを知ったうえでニーズの高い設備を導入することで付加価値が上がり、空室対策につながります。

人気設備の指標としておすすめなのが、「全国賃貸住宅新聞」が毎年おこなう、全国の賃貸仲介業者や不動産管理会社を対象としたアンケート結果「人気設備ランキング」です。


出典:全国賃貸住宅新聞 「2020人気設備ランキング」


「インターネット設備」は、すでに賃貸物件にあって当然の設備のひとつですが、入居者が無料で利用できる「インターネット無料」が、単身者向け・ファミリー向けともに第1位となっています。(なお、同設備は5年連続1位を獲得しています)

インターネット無料の設備は、今後さらに需要が拡大することが予測されるでしょう。


上記のランキングの上位にあがっている設備の多くは、大手賃貸ポータルサイトの物件検索条件の項目に入っています。

そのため、入居希望者が自分に必要な設備にチェックを入れて検索した際、その設備がないだけで検索結果に表示されない(=内見されない)可能性が非常に高いです。


周辺の競合物件で人気設備を導入しているようであれば、所有物件でもそれら設備の導入を検討してみるとよいでしょう。


ただし、新規設備を導入する場合は多額の費用が発生するため、かならず費用対効果を検討したうえで導入するしないを決定しましょう。


5:内見時のイメージアップ

入居希望者の内見時には、物件周辺や共用部・室内の清掃をおこなって物件に好印象を持ってもらえるよう配慮しましょう。


特に入居者が最初に目にする物件のエントランスが汚れていると一気にイメージが悪くなってしまいますし、ゴミ置き場や自転車置き場が乱雑なのもマイナスポイントです。

外壁が汚れている場合は、あらかじめ高圧洗浄などで外壁のクリーニングすることで見違えるようにきれいになります。


また、内見時間前にあらかじめエアコンをつけて快適に過ごせる室内温度にしたり、室内用スリッパを用意するなどの心配りも効果的です。

そのほかにも、玄関に小さな観葉植物や小物を飾るなど、室内のムードを明るくする演出をしてもよいでしょう。


6:入居募集を委託している管理会社(仲介会社)の見直しや変更

そもそもの内見希望者が少ない場合は、管理会社(仲介会社)の見直しや変更も空室対策のひとつです。

管理会社によっては、取り扱う物件タイプに得手不得手があったり、小規模な会社の場合はインターネットが不得意で大手賃貸ポータルサイトへの掲載が不十分だったりということも考えられます。


一度、入居募集を委託している管理会社に物件の問い合わせ数や内見申し込みの件数、大手賃貸ポータルサイトの掲載情報を確認し、十分な入居者募集活動をおこなっているか否か見直すことをおすすめします。


また、閑散期(一般的に6~8月)になると空室を埋めるのはむずかしくなるため、その場合は管理会社に広告料(AD)を支払うのもひとつの方法です。

広告料(AD)とは、入居者を決めてくれた仲介会社に支払われる成功報酬の一種。

成約時に管理会社が受け取れる仲介手数料とは別に報酬を得ることができるため、積極的に広告料付きの物件を入居希望者に紹介してくれるので成約率が高くなる効果があります。


上記の点を確認したうえで、入居付けに消極的あると判断した場合は、管理会社の変更も視野に入れるとよいでしょう。


7:リフォームやリノベーションをおこなう

築古物件の場合、設備の老朽化や間取りの使い勝手の悪さなどが空室の原因となることがあります。

その場合は、設備を新品と交換するリフォームやリノベーションで間取り変更をおこなうことで、物件価値が上がり、入居付けに有利な物件に生まれ変わるケースもあります。


たとえば、古くなったユニットバスを交換したり、バランス釜の浴室設備を屋外設置型の給湯器に変更したり、和室を洋室にリノベーションするなどがあげられます。


ただし、リフォームやリノベーションには多額の費用が発生する場合が多いです。

また地域の賃貸需要が減っている場合は、リノベーションやリフォームをおこなってもかならず入居が付く保証もありません。


そのため、賃貸需要や費用対効果の面をしっかりと検討したうえで、リフォームやリノベーションをおこなう必要があります。


入居付けだけでなく、既存入居者の退去を防止するのも重要

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不動産投資における空室対策は、「どうしたら空室を埋められるか=入居者を獲得できるか」に視線が向きがちですが、「どうしたら入居中の人に長く住んでもらえるか=退去者を出さずに済むか」についても非常に重要です。


入居者アンケートの実施

入居者が退去しないかぎり空室にはならないため、退去者を出さないことは立派な空室対策方法のひとつ。

そこで、退去者を出さない対策方法としておすすめなのが「入居者アンケート」の実施です。


口頭ではなかなか言えないことも、「アンケート」という形式であれば伝えやすいという利点もあります。

現在の入居者が求めていることや不満点を把握し迅速に対処することで、退去の芽を摘み、長期入居してもらえる可能性を高めることにつながります。


アンケートを取るタイミングは、入居して半年後や1年後など、入居後ある程度の時間が経った時点でおこないましょう。

また、アンケートの回収率をあげるために、回答してくれた入居者にはプレゼントとして500~1,000円程度の金券などをプレゼントする旨を記載するとよいでしょう。


長期入居特典をつける

長期入居を促すために、入居年数に応じて特典をプレゼントするのも効果的です。

前述のように、敷金・礼金ゼロ円の「ゼロゼロ物件」が増えたこともあり、物件に不満はなくても「更新料」を払うなら引越ししようと考える人が意外と多いのが実情です。


そういった場合、更新のタイミングで長期入居特典をプレゼントすることで入居継続の可能性を上げることができます。

以下は、更新してくれた入居者への特典例です。

特典は、入居年数に応じてグレードアップするなどの工夫をすると、より効果的です。


・対象の家電や家具から好きなものをプレゼント

・商品券や金券をプレゼント

・一定期間(半月~)の家賃を無料にする

・更新料の割引や無料化


ただし、物件に不満があれば特典があっても退去する可能性が高くなります。

まずは、入居者が満足して生活できる環境を整えておくことが一番大事なポイントであることを忘れないようにしましょう。


今後の空室対策に活かす退去者アンケート

残念ながら、どんなによい物件であっても、入居者の多くはいつか退去してしまいます。

退去理由は人それぞれ、卒業や就職・転勤、結婚といったライフスタイルの変化が理由のこともありますが、それ以外のなんらかの不満が退去理由であることも非常に多いと考えられます。


そこで重要になるのが「退去理由となった不満点」を知ったうえでおこなう空室対策です。

たとえば、退去理由に「共有部が汚い」との声が多い場合は、清掃の回数を増やしたり、管理会社の変更で対処することができます。

また「設備が古い」というのであれば、設備のリフォームなどが視野に入ります。


このように、退去の理由を把握することで、今後の空室対策に活かすことができるのです。


まとめ

賃貸経営にとって大きなリスクである「空室」。

効率よく効果的な空室対策をおこなうためには、まず所有する賃貸物件の現況を把握し、空室の原因を見つけることが最初の1歩です。


空室の原因がわかれば、原因にあった空室対策をおこなうことで、入居付けできる可能性が大きく広がります。

また、空室を埋めるだけでなく、すでにいる入居者を退去させないことも空室対策のひとつです。


なお、空室対策には費用がかかる場合も多いため、費用対効果を常に念頭に置いたうえで、実行する必要があることを覚えておきましょう。

できるだけ効率よく効果的な空室対策をおこなって、安定した不動産投資を目指しましょう。

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